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>>210ヴァルt―!!
[声を出す間も無く銃口がいくつかに向けられ発射される。
チェーンソーをくれた亡き男も使っていたようなやつだ。
自分に銃口が向けられたことを認知し、ソレを避ける。]
がっ!
[相手も急所に当てる気が無かったのだろうか。
回避は間に合うも、弾丸は当たらずすれすれを飛んでいく。
しかし弾丸は強い衝撃を持っている。
腕が強い衝撃を受け、呻きその場に膝をついた。]
ぐ…なん。
やば―あいつ―。
[腕の衝撃に目がかすみ、息も出来ずに堪えるのが精一杯だった。化け物が居るのまでは見える、然しながら行動が出来ない。
尻を地面に着いたまま、行動への渇望と痛みによる思考放棄がせめぎあい悶えるだけだった。
化け物に対するやり取りが終わった頃に、漸く息が整い始めた。]
[ 視る場所が多過ぎる。
これでは恐らく探しきれない。一つ一つの建物を見て回るには時間が掛かり過ぎた。
MPライフルを構えつつ、ある程度探索すれば帰還を考える。]
《こちらアロール。
商店街に来た。
レデントーレは見当たらない。
少し探索してから帰ろうと思う》
[ ナビに電子の声を送る。
脳の中で様々な視界情報が送られて来るが姿は見つけられない。やはり建物の中に入ったかと考えているうちに、もし運が良ければレデントーレが居る通りへと足を踏み入れる事が出来るだろう。]
― 少し前/BkackuSun跡地近く ―
[無人の抜け殻となった横転した車。高熱により溶けたと思われる地面。巨体のゾンビと戦う者達を残し、神父が一人その場を立ち去る。そうして一人で居る所を捕まった。「こんにちは、神父。」と背後から神父を呼び止める声がする。]
あら、お久しぶりですね。
貴方こそどうです?上手く行ってますか?
[神父が振り向けば、其処に居たのは、神父がこの世界に喚ばれた翌日に何処からとも無く現れ女性だった。ジムゾン神父の後ろから腕を回して抱きついて、神父の耳元で睦言を囁くように甘く囁いた。突然の事に神父は動揺せずにこりと微笑みを返したのだった。
「愉しい思いをしたようね。」と言われても、YESともNOとも返さずに神父は顔に浮かべた笑みを深めるだけだった。]
レディをですか?と、私に言われましてもね。
レディ自身に聞いて下さい。
[「レディを貸して貰えないかしら?」という頼みに神父は懐から電子端末を取り出した。まるで物の様に扱われたレディは液晶画面の中でぷくっと頬を膨らませて拗ねている。
レディもまたジムゾンと同様に別世界から来た存在だった。星の知恵派教団に一緒に拾われたのがきっかけで神父と行動を共にしている。
元々は擬人格プログラムだったらしいが、ある騒動が切っ掛けでプログラムの輪を抜け出し一個人としての人格を持った電子ウィルス……JNR-10-V型へと変貌を遂げた。彼女は電子の世界なら自由に行動が出来るし大抵の事は何でもこなす。
対象者の脳に侵入する事が出来れば人間の身体にも影響を及ぼす事も出来るのだが、さて置き。
プログラムの性能を買われ、今では星の知恵派教団の砦を司っていた。此れ等の事は、ジャスミンも知っているだろう。]
これから施設に向う予定だったんですよね。
レディに施設のCPに侵入して貰おうと思ったんですが……。
[神父はどうしようか悩った末に、「まあ、何とかなるでしょう」と深く考えてなさそうな発言。ジャスミンにレディを託す。
どんなつもりで貸して欲しいと頼んだのか知らないがレディはジャスミンからのどんな命令を聞くだろう。*]
―Black Sun 跡地→商店街―
[逃げ出したときに後ろで悲鳴とかが聞こえた気がするが、都合よく何かあったんだとだけ解釈し、ここまで走ってきた。]
逃げ切れた?
あーあ、もうちょっと戦力とか削れると思ったのになぁ。
[ため息を吐きながら、近寄ってきたゾンビの頭を粉砕する。]
やっぱり、連続して撃てる回数が少ないよなぁ。威力が低いのは弱らせるのに良いけれど……。
[ガンショップを見つけて入り、弾をもらおうと探す。その時に先程撃って、当たってたはずなのに平然と歩いている男>>265の姿を発見し、とっさに隠れる。]
おおっと、一応当たったはずなのに凄い人もいるねぇ。どうしよっかなぁ。手足のどこか一本吹き飛んでも大丈夫かな?
補充も出来たし、なんか面白そうなものも見つけたしやりますか。
[手にはパイナップル型の手榴弾。ピンを抜き、アロールの方へ投合し、しゃがんで身を隠す。ガラスの割れ、外へ爆弾が飛び出した音の後に爆発したのが聞こえた。]
[状況が半ばの見込めないまま、左腕を押さえながら突っ立っている。左腕は若干腫れているようで、最低痣は否めないだろう。]
>>269残念だ、けど。
こっちも一応直撃は免れた…ね。
[玲子さんは誰かが助けてくれたようだが、後ろのアレの姿は見えなかった。息を整えながら、思考と視界を戻していた。]**
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