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ゲン様。
乗り掛かった船>>5:68ならば、私の代わりにスーを、どうか守って下さい。お願いします。
ヘッジホッグ様。
貴女の言葉>>5:149は何よりも信頼できた。託してもいい>>5:142のであれば、どうかスーを。
…スー、本当に、色々と、ありがとう。
私は必ず戻ります。また貴方に会いに行きます。約束です。だから泣かないで。
[内部に巣食う、優しい光を最後の力で包み込みながら、現実世界にいる仲間に声音を発する。
友達を守ってと。「しばらくの間」だけでいいからと。
言葉を言われた二人はどんな反応を示しただろう。そして友達は。
その言葉は、もしかしたら優しい響きをしていたかもしれない]
― オーンブル出張所:光の迷宮 ―
[クリスタルの尖塔。輝ける迷宮に、すっと入り込む。
暗い床面に、光る壁や鏡が反射し映る。
光を辿り、曲げて、跳ね返して、集めて――。
途中で間違えて呼び出してしまったモンスターを、
時を遅らせて縛り付け、銃で撃ち落としていく。
陰陽どちらの資質も無き者のみが入れる迷宮に、
あのウートラは入り込むことは出来ない筈だから。]
― 回想 ―
ウートラ?不味いの、それ?
[ふっとシェリアクの畳部屋を覗き込んだ時に、
先ずツバキの耳に入ってきたのがその言葉だった。
他愛なく口にした疑問に、猫の妖魔ははっと振り返り、
けれど直ぐに、何とも無さそうな様子になっていた。]
「別に」
[まだこの頃は、ツバキが外に出たいなど何だの
騒ぎ出す時ではなかったから。
外のリージョンの「危険」について、シェリアクは
あまり深く話そうとはしなかった。]
[それでもツバキは好奇心から話をせがみ続け。
暫し考えてから、シェリアクは口を開いた。]
「一言でいえば、“化け物術士”ですよ。
数多の術を揃えた術士が、外のリージョンには居るんです。
といっても実際に接触した覚えがある訳ではない。
ヒューマンの噂の中に聞く存在です」
ふぅん――って、数多のって、アンタもそうじゃない。
妖術とか陽術とかルーンとか、邪術も少し?とか。
ひょっとして………同族嫌悪?
「ヒューマンの化け物と同類にはしないで頂きたい」
[>>5:172の通り――まだ自分の中には弟やスーが、少しでもいたから]
『強制排出、実行』
[J・Qの内部より、二人を完全に外部世界へ弾き出す。あくまでも分体程度の存在、抵抗などほとんどなく]
負けないで。
[それきり、J・Qは自らをブロックした。
残された、仲間たちのおかげで弱っているであろう暗い暗いプログラムとの、閉鎖空間での戦いに一人で挑む。
そのブロックはたとえ今までジャスティスKであろうとも、シックネスの力を持つ友達でも解くことはできないだろう。
J・Qの意志の強さそのものだからだ]
[でも負けることはないだろう。自分は正義のヒーローだから。あの子の姉なのだから。
それに、約束に遅れるような無様なバランスの悪い走りをしていれば、手を差し伸べにきっと来てくれるのだ]
―ちょっと前?―
(…何を心配>>169してるんだか。)
[呆れは表情に表れていただろうか。]
仕方なかったんだから、怒られない、と思……
(…………)
うぞ。
[「任務にあたって、壊す必要のないものまで壊すのはなんとかならないか」
そんなことを先日、上司に注意されたような気がして、
…そんな自分の証言の信用度ってどんなものだろう、と思ったけれどとりあえず心の中に構築したでっかい棚の上に放り投げておくことにした。]
[ケヴィンが入っている間に、髪をほどいてタオルで柔らかく叩き、先から丁寧に櫛を入れる。
ゆるいウェーブの髪は、邪険にするとすぐに絡まってしまう。
鼻歌を歌いながら、しっかり時間をかけて梳けば、逃走の間にちょっと曇っていた金髪は、淡く赤のかかった金色を取り戻した。
満足して、ミアはバスローブからいつもの赤い妖魔のドレスに着替える。
こちら洗濯いらずの便利物だった]
― 光の迷宮 ―
……アイツもこんな風に苦労したのかしら。
いや、もっとうまく、抜け出したのかな。
[ここにその妖魔の姿は無く。
けれど零す言葉は、過去形でも無い。
あの時ついてきた白い猫は、何処か彼の雰囲気があったと
今になって思い返す。それだけ、だったが――。
ナガサメマチから皆が居なくなったと知ったあの日。
屋敷を飛び出したのは、それより何日も、一週間も前。
あれだけ時術の主をリージョンに匿ませようとした彼は、
あんな出奔を受けて幾日も放っておく訳が、無い、筈だと。]
― 回想 ―
それにしても。
シェリアクって本当に外のリージョンに詳しいのね。
「其れなりには。
貴女の監視を努める前は、あの方――ヒューマンの冒険者に
同行してリージョン界を巡っていましたから。
今でも、金銭やら情報やらを外で得ることはありますよ」
それで時々居ないのね。監視役っていう割に。
「この時代にあっても、辺境のこのリージョンはとりわけ平穏な地。
貴女を匿い住まわせるにはうってつけの場所だった」
[>>180]
そうだね。成長するものさ。
[―――ここで、足踏み踏んでる男もいるけど。
一人ごちて。
でも。
―――このままじゃ、追い抜かれちゃうかな?
それは、嫌だなぁ。
自分から動くなんて。どれ程ぶりだろう。
動くことを懼れていたけれど。
やっぱり、動いてみようかな?
なんて。思って]
よしよし。
[アザミの漏らした、疲れた声に。
そんな声は似合わないと思ったから。ぽふぽふと頭をはたいた。]
【ジャスティスK】
[電子世界での姉とゾンビの活躍と、そして無伴奏ソナタによる停止。修理室でのメカによる改造からの解放。
最後に、姉に未来を託され、はじき出されて……]
[膝をついていたジャスティスKの顔部に、光が戻った。
再起動。全機能チェック。65%破損。戦闘続行不能。
発見……これはスーの一部?
発見……これは姉の心?]
[外部からの操作をシャットアウト。
全プログラムを、構築し直す。
二度と、「かれ」の侵入を許さぬように……]
違うから。これ、嬉しいだけだから。
だから。心配しなくて、いいから。だから、相棒。
あいぼうがっ…もどってきてっ…よかっ…
[今度は、零れる涙も、隠さない]
だからっまたっもどってくるって、約束、した、から。
したからね。ぜったいだから。だから―――
[ぐっと噛み締めて、息を整えて。握った手に、ぎゅっと力を込めて>>188。相棒の決意を、その手に、確かめて]
またあおうぜ あいぼう
[その言葉だけは、はっきりと。いつもはほとんど表情を浮かべない顔に、精一杯の笑顔を、浮かべて。それは、傍目に、微笑み程度にしか、ならなかったかもしれないけれど。
だって、友達が出かけるなら、笑顔で見送るのが、生きてるっぽい。よね。相棒]
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