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【ラス・アルゲティ】
─ ドゥヴァン ─
[ひとつ、欠伸をした所で。
ラスは、視界の下にちょろちょろと動く者>>108を見つけた。
帰りがけのついでに、ラスは銀色にキラキラ光る蜘蛛の糸をさらりと投げた。
糸は、長大な針金のように真っ直ぐに飛んだ]
そんなわけでさ。
相棒探したいんだけど。こっち来てない?
んーっと、J・Qって名前のメカなんだけど。
[手近な隊員にそう尋ねる。けれど、返って来たのは奇妙な答え]
は?そんな名前のメカいない?
なに言ってんの?
え?相棒だよ?J・Q。
おっかしいなー…どっかよそ行っちゃったか、すれ違った?
[首を傾げたけれど。同じ隊員のヒトに、もしかしたら、と付け加えられた内容は]
…ジャスティス・Qなら居るって?
いやいや、相棒の名前は…っていや、ジャスティス縮めてJってこと?
あー、だったら分かるかも。なんたって、うちの相棒は超カッコいい、正義の、味方…で…
[先刻のいやな予感を、繋げるものでは、なかったか。
相棒の名前と、ジャッカルを負傷させたメカの名前。やけに長かった通信時間。相棒の言ってた“正義”と。世界を誰かに『見せたい』のだと言っていたあの言葉と。
シップの中で、すがるように抱きついた相棒の様子は]
……どこ!?
相棒は何処に居るって!?
教えて!早く!
[繋がるじゃないか。『ジャスティス』という、その名前で。根拠なんかない。推理と呼ぶには穴だらけもいいところだ。でも、繋がってしまう。
いやな予感がする。急いで。相棒のところへ!]
[――自分のすべては正義の為に。
その考えは間違っていたのだろうか――?]
[クレイン博士がよく座っていた椅子――今はもう、見る影もない程に「斬られて」無残な姿に変わり果てていたものを視界に映した。
父よ、貴方は答えをくれないのか。
私に正義だけを与えて、もうこの世にいなくなってしまったというのか。
正義の生みの親が、何故正義に殺されたというのか。
父を何故弟が殺さねばならなかったのか。
それは、普通の世界でも起こり得ていいことなのかのだろうか]
[ぎ、り… ぎり]
[誰かに声をかけられるまでは、そうしてメモリと向き合っていたことだろう]
―――相棒!
[ドアの開くのももどかしく、教えられた部屋。ジャスティスシリーズを生み出したのだという博士の研究室に飛び込む。
果たして、相棒はそこに居た>>117]
ああよかったここに居た。
…って考えてみればこんなとこでそんなやばいことになんか―――
[起こるわけないよね。慌てちゃったのは恥ずかしいけど。まぁそれも『生きてる』って感じはするよね。
言いかかって。部屋の惨状にようやく気がつく。正義の味方の総本山のその中だってのに、その部屋は、ひどく、荒らされていて。そして、相棒からの返事は、すぐには帰ってこない]
……相棒?
[改めて。おずおずと。相棒の背に、声をかける]
【ラス・アルゲティ】
[ざくり……剣呑な音を立てて地面をうがった蜘蛛の糸は、仕事を終えたかのように風にやわやわと揺れる糸となる]
なかなかいい反応だ。
[つまらなそうに、ラスはそう感想した。
そして、揺れる細い銀の糸の上を、まるで確かな地面のように優雅な足取りで歩き始めた]
[ざわりとラスの右横の空間が揺れる。妖魔が基本として持つ「妖魔の剣」、それを呼びだしたのだ。
……だが、それはラスの身長を優に超す長さ、巨大さだった。
縦に立てれば鳥居ゲートの高さほどもあるだろう。それを、ラスは危なげもなく、羽のように軽く持って]
[近づいてくる]
で?今日は何の用だ?
「いつもの定期連絡ですよー。トキサダさんの顔が見たくてクーロンの担当にしてもらいました」
そうかそうか、じゃあ一杯いくか!
「トキサダさん、一つお願いがあるんですよ」
ん?なんだ?言ってみろ
『─いきたい。
──たべたい。
───あいし
研究所の場所は、どこか孤島のリージョンとして描写してたんだけど、IRPO内部という意見が多いので、それでいいと思ってる。
心配なのは、後で読み返した時に、矛盾がないかだけど、その辺もゆるっとでいいと思ってるww
ジャスティスとIRPOとの関係も、曖昧なままなんだよね、結局。
特権隊員とか、外部協力団体とか、そんな感じなんだろうか。
スー?
[もしかしたらその場にいた隊員と何かを喋っていたかもしれないが、相棒という聞き馴染んだ言葉と声に>>119、くるりと振り返り]
どうしました? ラーシナは一緒ではないのですか?
[内容はいたって普通のことで。出会ったときと声色は変わらず。
――否。 今までで一度たりとも彼女の声色は変わることなどなかった。
スーがその問いに答えようが答えまいが、まるで気にする様子はなく。
ラーシナのことが気にならなかったわけではない、けれど今の自分のメモリを占めているのはそれ以上に難解で複雑なノイズなのだ]
これが現実です。
[「やばいことになんか」という言葉に応えるように――言い聞かせるようにかもしれない。ただそう言葉に、音にした]
っと、その、ね。
これは、眉唾程度に聞いてほしいんだけれど。
神社のところで、ひとりだけ――。
アタシの知っている人が見えた気がしたの。
歌声は、……確かに、あの人、
[と、ここで、競売から戻ってきたフィロ>>91の声に振り返る。]
ドゥヴァン……?
って、ちょっと待って。アタシも――!
[ファーストフード店にはニュースは流れていなかったから、
そこにとんでもない大物が出現した話など知らなかった。
行ったことは未だ無い、平和な筈の占いのリージョンの名前に
せめて彼の所用の邪魔にならぬ程度に、
同行できればと思っていた、が。]
[笑った顔があった、自分のことのように誇り喜ぶ顔があった。その顔を湛えていた"なにか"が宙を舞い……地面にポトリと落ちた。]
[全く予想していなかった話>>68に、僅かな沈黙。
身の安全を第一に、とは、アザミに言われたことだったが。]
……一緒に行くわ。
妖魔の君なんていうのが、わざわざ出向いているって、
[「出向いた」のではなく「飛ばされた」のだとは未だ知らない。
そうした異常事態だからこそ、何かの手掛かりがあるのでは、
と、全く的外れなことを思いながら。]
そんなところこそ、アナタを一人では行かせられない。
アタシにも――…
[時術のことは、彼らにはもう話しても良いと思えたが、
ここで告げるには、他の者の目が気になる。
故に言葉を最後まで告げることはできぬまま。
ツバキはセルリアンの様子を一瞥した後、
フィロの後から、店を後にした。]
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