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かぞくのきずな……。
おじいちゃんは1人じゃないよ…。
だって、心はずっと一緒、それが家族だもんね…。
わたしたちは――――――家族だから。
[自分に言い聞かせるようにわたしは呟きます。
家族だからこそ、こうして一緒にいられる。
けれど――――――――。
わたしの願いは――――――。]
あ、ごはんの用意しなきゃ…。
今日はどーしようかなぁ………。
[気付かぬうちに溜め息が漏れます。
わたしは気付かぬフリをしているだけです。]
聖杯かー……ホントにそんなものあるのかなぁ…。
[台所に立つわたしの足元はなんだかとてもふわふわしていました。]
―冬―
んー…?
好きなら告白したほうがいいよ!
ほら自信もってさぁ……。
[学校の先輩のことが好きという同級生。
相談に乗ってあげていたら背中を押すことになって。]
そういえば……今日バレンタインデーかー…。
おにいちゃんは…学校でもらってくるのかなぁ…。
[そこまで呟いて溜め息をつく。
スーパーで安いのを買って帰ろう。
手作りなんてあげたら兄は困ってしまうかもしれない。]
[そうしてわたしが選んだ選択は結局手作りをあげるという。]
………よし、上手にできた、かな?
ちょっと不恰好だけど……。
……ど、どうしよう、コレ…わ、渡すの…わたし。
[とりあえずラッピングしながらも手元はおぼつかない。
妹が兄にチョコレートをあげるだけ。
そうでしかないのに。
なのにどうしてこんなにもわたしは迷うのだろう。]
――――――…。
[携帯の着信に気付いて慌てて電話に出ます。
それは兄からの連絡で夕飯の買い物のことでした。
慌てていたわたしは何か変なことを言っていたようで。
怪訝そうな兄の声が今でも忘れられません。
本当に今でも――――――。]
『あれ?家で待っててくれてよかったのに。』
えへへ、来ちゃった。ちょっと持つよ。
『いいって、重いし。』
………むー…。来ないほうがよかった?
『なんで?』
………なんとなく。
『じゃ、これ持って。』
あ、アイス!こたつでアイスとか最高だよね。
『だろ?帰ってこれ食おうぜ!』
[そう言って伸びる手はわたしの頭の上に落ち着きます。]
おにいちゃん。これあげる。
[そう言って手渡したのは手作りのチョコレート。
どんな顔で笑ってくれるんだろう、って期待して。
高望みしてはいけないって分かってはいるのに。
馬鹿みたいに期待してました。]
『えっ?!マジで!ちょーうれしいんだけど。』
[兄がこちらを見て微笑みます。
その顔を見てわたしの顔がゆるむのが分かりました。]
『ホント、マジで自慢の妹だ!』
[泣いてはいけない――――――。
ここは笑って、最高の妹でいなければいけない。
けれど、俯いて唇を噛んで涙を我慢することしかできませんでした。]
ねぇ、おにいちゃん。
死んだら、わたしたちって何処に行くのかな?
[死にたい。
死んでやり直すことができれば。
リセットできれば――――――――いいのに。]
怖いけど、怖くないよ。
おじいちゃんもいるし、それに――――。
[おにいちゃんはわたしのこと忘れるでしょうか。]
おにいちゃんとお別れしても心は一緒だもんね。
[一緒ですよね。
わたしはそう信じて微笑むことしかできませんでした。]
[それを捨てることができればわたしの気持ちは花開くかもしれない。
けれど、わたしはおにいちゃんの妹だから――――。
家族の絆を捨てることなんてできない。
わたしが死んだらおにいちゃんは悲しんでくれるでしょうか。
それを嬉しいと思うわたしは本当に醜いと思います。
お願いをかなえてくれる聖杯。
流れ星、みたいなものでしょうか。
死ねばきっと救われるけど。
もし生きて願いが叶うなら――――この気持ちを忘れさせてほしい。]
―春―
[わたしが好きなチューリップの花が庭の花壇を彩る季節。
この季節が一番好きなわたしは縁側で庭の見るよう寝そべります。]
…………はぁう……。
[そういえば写真の整理をしなければいけないことを思い出しました。
立ち上がって自分の部屋に戻れば溜まっていた写真を眺めます。]
あ…沖縄の写真…。
[おじいちゃんに撮ってもらった写真。
夕日に染まる海を背景に撮った写真。]
ええっと……。
[大好きな――――――]
…………、〜〜〜っっ!!!!!
[兄の名前を書いて酷く後悔しました。
妹で――――家族でいると誓ったのに何をしているのかと。
憤りの気持ちや悲しい気持ちがペンを動かしていました。
無我夢中で動いたペンは兄の名前を黒く染めていきます。]
何やってんだろ…わたし…。
[大好きなおにいちゃんと海で――――。
そう書けば近くにあったクマのぬいぐるみの背中にそっと写真を入れました。]
この写真、封印!
あーあ…もうっ……。
[そんなふうに大きな声で言えば部屋中に声が響きました。]
[兄への気持ちに気付くたび、どうしようもなくなる自分がいます。
たった1人の家族だから。
だった1人の兄だから。
わたしは兄を裏切ることなんてできるはずもありません。
この素直な気持ちを伝えるということは家族を裏切るということです。
気持ちを伝えるぐらいなら死んだほうがいい。
わたしと兄の家族の絆は――――切ってはいけないのだから。]
もう……死んじゃおうかなぁ……。
[妹として生きるより。
1人の女として生きられれば――――――。
星も聖杯も願いを叶えてはくれないから。
気付けばクマのぬいぐるみの首を強く掴んでいました。
ちいさく謝って抱き寄せれば、そのまま顔を埋めて。
わたしは泣いていたと思います。]
―夏―
[冷凍庫のアイスクリームがないことに気付いたわたし。]
……うっそー!ないじゃん。
おにいちゃん、なんで買ってきてくれなかったのー?!
[文句を言うわたしの頭を優しく撫でてくれる兄。
それを振り払うかのようにわたしは言いました。]
ちょっと行ってくるね。
[このまま遠くに行ければな――――――。
どうせすぐに帰ってきてしまうのだけれど。
そんな風に思ってしまったから。
これはきっと罰なんだと思います。
兄を裏切った罰なのか。
わたしを裏切った罰なのか。]
あっつーい……。
[コンビニの駐車場に止まっている車。
エンジンをかけたままで熱気がコンビニの前にたまっています。]
このまま轢かれたらなぁ……なーんて。
[コンビニで望みのアイスを買って出てきて。
同じように駐車場を横切ろうとしたときに。
突然それは起こりました。
目の前に現れた黒い車はこちらへスピードを緩めることなく――――。]
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