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ふうん、夏のアバンチュール?
…そんな恋よりもボクのはー…ごほん。
ボクみたいなイイオトコといるほうが楽しいと思うけどなあ。
[零したのに、何気なくそう返して]
……やっぱり、そう思う?
でも案外うまく言っちゃってるかもしれないし。
「まあ素敵なフライパン!」
「そうだろう、これで毎朝ボクのためにハムエッグを…」
みたいな。
[わざとらしい演技を二人分して、またくすっとした]
……お前、この後どうするつもりなんだよ?」
どうするもこうするも、このままどっか行くつもりだけど。
あぁ、どうせならお前の初恋の場所とか行こっか、嫌がらせに。
「地味な嫌がらせだな!」
[ぶつくさ言いながらドイツの街を歩いている―――]
<ヴィノール、いなくなるつもりだって。マモンが教えてくれた。その時に起こして貰ったの。とにかく、何も言わずに、これ。>
[流暢なフランス語でそう告げると、携帯電話を差し出し]
‥‥?
[あいつか、後でねーちゃん風邪にした分も含めて踏んづけてやらなければ‥‥と思いつつ、携帯電話を受けとり]
Hello?
[通話が繋がっているようだったので、そう声をかけてみた]
『‥‥っこんの、馬鹿弟ーーーーーーーーーっ!!!』
[耳元にあてた携帯電話から大音量で叫ぶ声が聞こえた]
‥‥ねーちゃん?なんで‥‥
なんでも何もないでしょ!ポラリスから大体聞いたから!
何はともあれ、みんなに謝ってきなさい!帰ってきたらあたしも一緒に行って謝るからね!
‥‥だから、ちゃんと帰ってきなさい。反論は認めないしお金かかるから切るよ、わかったね!
[アーニャはそれだけ一方的に告げると電話を切った]
‥‥まったく、ほんと馬鹿な弟なんだから。
[娘の叫び声に驚いて父が様子を覗きに来たが、追い払った]
<私にはいないよ?それに、アーニャは女の子は大事にしろって言ってるでしょ。私、女だよ。泣かせるの?ティナも泣かせたよね。マモンから全部聞いてるんだから。
それに、私にとってのヴィノは、ヴィノにとってのアーニャと同じ。いなくなったら、嫌>
[ポラリスが全部先回りしてしまった]
‥‥‥‥わかった。わかったよ、謝ればいいんだろ。
でも、おれは直接会いには行かないよ。今会っても余計こじれそうだし。
[観念したように両手をあげ、ふぅと息を吐く]
‥‥ティナちゃんの所にはあいつを送るとして‥‥
あとはイズミちゃんの所に行っておけばとりあえずいいか。返さなきゃいけないものもあるしね‥‥
[ぽつりと呟きながら、袖口をちらりと見た―――]
[ほどなくして、ティナの所に手紙を銜えた一匹の蛇が現れた事だろう。
手紙には「泣かせちゃってごめんね」とだけ書かれている。
その蛇は―――――ヨルムンガンドと呼ばれる蛇]*
[そして、イズミの元へも訪問者が]
……やっほー。
[青い髪。嫌にへらへらとしながら]
はい、これ。
[あの時に落とされた、一枚の写真を渡す]
それからこれも。
[そして続けざまに、羽柴が落としたダイスと金貨も渡して]
このダイスと金貨は「ハシバ」に返してあげて!それじゃあね!
[それだけ言うと、そそくさと走り去って行った]
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