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‥‥あはは。好きにさせてもらうよ。
今までもそうだったからね―――
「あ、はぁいっ!」
‥‥ピクシー?
[甘ったるい声で、誰かへの返事をしたかと思うと、ふわふわなドレスを着た妖精が姿を現した]
「それじゃあヴィノール、行くわよ!」
え、あ、うん。
[慌ただしいまま、ヴィノールは光に包まれた――]*
えぁ、ちょ、うえ?!
[ミナオが去っていくのを見ていたが、そのあと急にヴィノが消えた]
………ラスボス?
あ、そーだ、君に伝えたいことがあるんだよね。
いや。
その彼さんだけど、これを作った人っていうのなら、
もう死んでるよ。
もう、生きてない。
だから、君が彼を探してるなら、無駄ってことさ。
百年生きてる人間ってあんまいないよ。
これ覚えといて?
[はっはっは、と笑って見せる]
………というわけで全員返してもらえるかな。
彼の遺品はこれで全部。
ぜんぶ、貴方を模したものだったんだねえ。
ボクだけぜーんぶわかっちゃってごめんね?
[にやついている]
[さめざめと、涙するファータへ]
そいつは女の子を泣かすなんて最低野郎だなあ。
ほんとに最低だ。
……でもさ、君もなんでそんなに待ってたの?
妖精の姫 ファータ
「………、怖かったのです。
正体がばれると魔法は解けるのです。
ああ…でも…こんなことなら。
愛してるっていえばよかった!
生きているうちに、もっと伝えればよかった!」
[姫は蹲り、涙を流す。
ピクシーとゆーせーさんが姫のまわりをおろおろしている]
……さて、これらは先生の依頼だから先生に渡すけど。
彼も君にはっきりいえばよかったのにね。
この遺品だけで、十分ともいえるけど。
………お姫様、いってあげなよ。
彼、きっと寂しがってるよ?
妖精の姫 ファータ
「…人間の子供。名を聞いてやりましょう。
誤解して攫った人も、返します……いえ。
もう、あの村には妖精の国はありません。
たとえ彼がいたとしても、私のなかでしか生き続けられないのです…
それに、彼でない人間は、いりません。
…私は消えます。
だから、あの世界も。
……全員かえしましょう。
生きているうちに、愛してると伝えなさい。
私のように、ならないように…」
ニコル。
ニコル・マーシャ・久米田。
ニコルは聖ニコラウス、指導者の名前。
マーシャは、軍神マルスさ。
闘うのにぴったりだろ?
あと、女のコ大好き!
君も綺麗だよ!妖精みたい!なーんて。
[豪快に笑った]
あ、ねえ。
どうせ、消える世界なら、細工していってよ。
さっきのミノルってやつ。
あいつ自殺したいみたいなんで、ちょっと生きて苦しんでもらわないと困るね、女の子なかしたし。
女のコ泣かす奴には復讐したいんでね。
[ファータにウインク]
どうするといい感じかわかんないけど、あいつが…
そーだな、まあ、人間としてせいぜい生きるようにしてよ。
妖精の姫 ファータ
[しばし、きょとんとしたあと、意地悪く笑った]
「マルス、変な人間ですね。
私の力は彼に及ぶか…もうわかりませんが。
少なくとも、生きて、泣いて、苦しんで、
藻掻いて、……笑って、生きるようにしましょう。
人間の子供ふぜいに、永遠の幸、妖精の国は渡せません。
ピクシー、そうなさい。
ゆーせーさん、あなたもです。
あとはあなた達のすきなところへゆきなさい。
私について消えるもよし。
イギリスに帰るもよし。」
そりゃ、ボクは愛と平和の使者の愛弟子だからね!
………さよなら、お姫様!
結構面白かったよ!
[消えゆく姫に、手をぶんぶか振った]
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