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――神の命?
[少女に、聞き返す。
少女がただの少女でないことはもう分かっていたが、認識はそれでいい。
ぴしり。
返事の前に、少女にひびが入る。]
……あたしの、未練。
それは――
[唇を動かした。
乾燥でひび割れたそれから、血は滲むことなく。]
………………それは。
[とっくの昔に、どこかに捨ててきたみたい。]
―回想、数日後―
…人が相手の戦争、か・・・
[教えた体術は結局の所、全て「魔物と戦う」為の物。
人との戦いに使うには、余りに雑にすぎるモノ。]
…だからって、お前が行くことも無かったろ。
人は、魔物とは違う。
力任せじゃなく、効率的に殺しに来る。
…魔物より、よっぽど厄介な相手だ。
[皮肉な話もある物だ。
今魔物より恐ろしい敵は、自分達と同じ人なのだから。]
[くしゃくしゃに握りつぶしてしまった手紙を開けていたならば――
その中身に、くわえた煙草を落としかける。
早く中身を教えてくれと急かされて、
盛大な溜息を一つ落として、
あー、と前置きに態とらしく発音練習をして、
そして。]
[唇を噛みしめて空を仰ぐ。
埃と灰とが浮かんだ空気を、ステンドグラス越しの光が貫いていた。
ひび割れた少女と、ひび割れた唇の感触。]
いつだって――未練は残るからさ。
[だから、進んで残そうとは思わない。]
[翼あるものが、灰よりも軽く舞い降りた。
その羽が抜け落ちて照らされている。
少女に飾られた花は鮮やかで、胸を刺すようで。]
……しあわせだね。
[くるりと踵を返した。]
…護りが欲しいんなら、そう言えば良かったんだ。
煙幕でも薬品でも、「生き延びる」為の物が用意できたってのに。
[…綺麗な笑みが、今は腹立たしい。
生きて帰れる可能性なんて殆ど無いのに、
どうしてこいつは笑えるのか、と。]
だったら、絶対生きて帰れ。
どんだけ卑怯な手を使っても良い。
戦場から逃げ出したって構わない。
・・・だから、絶対に死ぬな。
でないと、無茶ぶりなんざ受けてやらんぞ。
[・・・翌日、彼は出て行って。
そして、帰っては来なかった。]
[くしゃくしゃに手紙を握ったままの遺体と、抱きしめられる紅い鮮血の滲んだ遺体だけが、廃屋にひっそりと、残されていた。
その二つが、どんな貌をしていたのか、この場所に確かめに来る物好きなどもう、きっと存在しない。
ただ、愛おしいものを諦めた意識が途切れ、愛おしいものを諦めまいとする意識も、途切れ。
緩やかな風通り抜け、星の元へと。
世界の終わりの終わりが近いのだと、告げる**]
[教会を出て空を見上げる。
灰はまだ降り続いていた。
――帰ろう。
誰もいない、自分だけの家へ。
家から持参した傘を広げるが、もう穴が開いていた。
洗濯物を干すまではそんなこと考えなかったのに。]
……あーあ。
お気に入りのブラウスも、多分破けてるね。こりゃ。
綺麗に洗ったのに、さ。
[それでも傘を広げる。
柄を持って一度回してから、歩き出した。]
/*
カイン編(?)はこういう感じで、おしまい。かな。
パースありがとう。
手紙読んであげられなくてごめんねを込めて。
ゆるい根性叩き直してくれるのかなー。うふふ。
/*
…自分のタイミングも大概ですね(マジゴメンナサイ)
死亡通知or行方不明通知が研究所に来たかどうかで、
この後の回想は微妙に変わると思われます。
いや、単に諦めて出て行くか探しに行くかの二択ですけど。
(けど、会っても気付いてないんだよなぁ・・・)
/*
わーい!カインありがとう!
すてきな終わりだ うっとり……私からはもうなんも言うことはない
根性たたきなおすよ!
でもどっちのカインと会えるかしら……
/*
手紙の中身は結局知らないままでえがったと思ってるから
PL的に未練はないのでした
知らずに愛を配った手紙狂いで終わるー
あといろんな思いがあるけどうまく言語化できないな るんるん♪
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