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[そう遠くはない昔。
ある日の出来事。病に斃れ易いフレイフェザー故によくある出来事。]
『ばか!
ランスが治らないなんて、そんなことないわ。
あたしが、大きな町まで行って薬を取って来る。
誰も行かないなら、あたしが行くわ!』
[威勢よく怒鳴ってはみたものの、グレイフェザーが長寿であり短命>>1:*11であるのはよく分かっていた。]
『あたしは信じない。
だって、ランスは花畑で約束してくれたもの。
だから、あたしはランスが、
灰色翼人一の長生きになるって信じてる。
信じてる………もの。』
[堪え兼ねた涙が一筋、頬を流れる。
出来ることは、ランスの部屋に飾る花を摘むことだけ。
小さな小さな花畑で泣きじゃくりながら花を摘む。]
[準備良いな、と得体の知れない植物相手に海水を振りまくパースを横目に。
障害物を駆け上り、その向こうを見下ろす。]
っげ。
[そこにいたのは、ずっと昔に聞いた怪鳥と同じ、ギャァという鳴き声を発している、紫のトカゲと虎の中間生物。
そして、その倒すのに苦労しそうなその生き物を捕食中の、千以上の触手を蠢かせる家一軒はある巨大花だった。]
……無理だろこれッ!!
[着地できそうな場所は、敵の花びらの上だけ。
雄しべと雌しべの代わりにある大口と捕食器官のうねりに、頬が引きつった。]
[ギュルスタンの歪な羽。ランスの赤黒い羽。
何らかの関係を連想しないはずはなかった。
だけど、それでもこの優しい友人が、
元凶であるとは考えられなかった。
少なくとも悪意はないはずなのだ。
それなら、どうして責められるだろう]
……知っている。
灰色翼人は、繊細で。
[相手が言うことは尤もだった。
でも、それなら]
[時折――そう、時折。
何の前触れもなく涙がこぼれて止まらなかったり、
目が覚めると泣いていたりすることがある。
傍に人がいて、涙のわけを訊ねられても、
心底不思議そうに首を傾げるだけ。
ある意味、これも壊れ始めている証なのかもしれない、けれど。
触れればじわりと温かみを伝えてくるそれは、
まだ死んではいない証でもある――身体も、こころも]
[セルマは何と答えただろう。
何にせよ、森に入れない限り元来た道を引き戻す事になって。
村の建物が身を寄せ合う一角に戻って来たろうか。
ここから湖の方面へ行けば、途中に墓地と教会があり、セルマの家と湖がある。]
……分からない。
[友の問いかけに、緩く首を振る。
この村の環境が余程良いのかもしれないと考えたこともあったが、だとしたら、自分より早くからこの村に住んでいた同胞は、何故死んだ。
魔物化が進めば、精神に異常を来す者も多い中、何故自分にはその兆候がない。]
………分からないが。
おれがここにいるのは、多分よくない。
[ばさりと、その場で羽ばたけば。
また、羽根が9(10)枚抜け散った。
そしておそらく、抜けた羽根のあとには、赤黒い羽根の芽が、もう生えているだろう。]
……………。
[友人が羽ばたく。
灰に混じり、灰色の羽根が舞う。
其れは差し出したままの左手の指先に、触れた]
いやだ。 いやだよ。
[こんなに近いはずなのに、彼に、届かない]
君は私の大切な友達だ。
ただ、それだけだろう。
[彼がどんな存在であろうと。
男にとっては、それだけが真実で]
グレイーーフェザー。
[反復して、ひとりの男を思い浮かべた。]
ランス。
……あいつに?
[女には、少女の思考はトレースできない。
だが、それは重要なことなのだろう、と。
その事実が伝わるだけで充分だった。]
ああ。
こうなりゃ、とことん付き合うよ。
[ーーそれは、誰に向けた誓い?]
……いや、とりあえず……
[話し合いの時間を、巨大花は許してはくれないらしい。
気付いていない、と思っていた植物の食事に使っていない余りの触手が、こちらにわさわさと、這い寄ってくる。
粘液に塗れた、濁った色をしたものが。]
ちょお!!
マジ無理だからっ!
[隣のパースに腕を伸ばす。
おもむろにその身体を抱きかかえ、両足のブーツをコンコンと踵と踵で鳴らした。
足元に仕込んだ札が起動するサインだ。
上っていた太い丸太を蹴り、斜め後ろに後退した、つもりで、意図しない方向へと、すっ飛んでいく。
その先が昔"灰色の羽"が暮らしていた場所の方角だと、猛スピードで移動する景色に薄ら気付くも。
咥えていた飴が唇からこぼれたのに手を伸ばす余裕は無かった。]
[ぴくり。
初めて、エステルの貌に感情らしきものが走った。]
…………、ら、
・・・
ランス?
[ときん。
それも一時のこと。
とことん付き合うと聞けば。]
………、セルマサン、
ありがとうございます。
[霞色が潤み、エステルは眸を瞬かせた。]
[……今の反応は?
女も、少女のただならぬ様子に気付いた。
だが尋ねるのにも気後れして。
知らない振りは、できなかったけれど。]
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