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人造妖精 エステルは、歌い手 ナデージュ を能力(襲う)の対象に選びました。
[暖かで、穏やかで、心地良い時間だった。
いつまた赤が滲み出るか、分からないのも忘れるくらい。
そんな、ぼやけた思考のまま、ナデージュがつまんでいるものを見て、
最初は同じように首をかしげていたけれど、
徐々に、すまないという気持ちを顔に出して、俯きがちになってしまう]
…だい、じょうぶ。
そんな、めずらしいことじゃないし。
ひとりで、できるし。
こわく、なんか……。
[帰ってからやる、と、たどたどしく伝えようとする言葉とは裏腹に、
小さな手はナデージュのケープの裾を掴んで離そうとしない]
………ごめん、なさい。
やっぱり、こわい。
[怖いものは色々あるけれど、
今は何よりもこの暖かさを失うのが怖くて]
おねがい。
まってるから。すぐ、もどってきて。
[――ぺこり。
軽く頭を下げる。
強情に思われた手はなだめすかさなくともするりとナデージュのケープから離れ、
代わりに自分の上着の裾を握りしめた**]
人造妖精 エステルは、おまかせ を能力(襲う)の対象に選びました。
[欲望に塗れ、好き勝手に生きた癖にそれ以上を望み。]
[他者の希望の芽を奪い、踏み躙り、笑い。]
[自らの分不相応を齎せと、乞い願う。]
[こわい、と告げるスーさんの頭をそっと撫でます。
大丈夫、大丈夫と、落ち着かせるように。
本当はスーさんと一緒にマスターの部屋まで行ければよかったのですが、スーさんの身体を無理に動かすのはあまり良い事の様には思えませんでした。
変わりにケープを脱いで、そっとスーさんの肩にかけます。
人肌の温もりにはかないませんが、それでも、無いよりはきっとマシでしょう。
わたしは立ち上がり、マスターの部屋まで真っ直ぐに向かいます。
倒れた椅子は後回しです。
マスターの部屋の入り口近くに目的の道具箱を見つけると、すぐにカウンターの方へと戻りました。
お酒を割る為の、飲料水の瓶が何本か備蓄されているのを思い出したからです。
残りの本数も、大分心許なくなっていますが。]
[タオルを一枚、道具箱を一つ、水の瓶を一本。
量としてはそれほど多くはないのですが、今のわたしにとってそれらを運ぶのはなかなかに重労働です。
それでも、何往復するかよりは一度に運んだ方が早い、と、わたしはスーさんの元に歩んでいきます。
おまたせしました、と、声無くスーさんに告げれば、また、スーさんの傍らに膝をつきます。
飲料水の瓶を開け、中身をタオルに少しだけ含ませました。
それからまた、スーさんの包帯をつまんで軽く持ちあげて、首を傾げます。
解いてもいいですか、という、問いかけでした。]
/*
神様見守りタイム。
あれですね。お星様が見てる。ですね。
これで言えばお星様に願ったマイダも………案外不相応。
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