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[ランスの胸元に縋り付く。
ぽろぽろと零れる涙はランスの胸元に染み込むだろうか。
彼が言っていることは分からないけれど、
溢れる涙はほんもの。
言葉にならないから、きゅっと服を握って。
ランスが撫でる太陽色の髪には、装飾品一つもなく。
撫でられてゆくにつれ、あたたかいものが胸に広がった。]
/*
スーと絡みにいきたかったんだけどなーーー
いきてっかなーーーー
しんでてもおかしくないんだよなーーー
あ、スクショとんなきゃ
思い出せなくて、
ごめんなさい。
あなたのこと、思い出せなくて、ごめんなさい。
[浮かぶ情景はあるのに。
ランスの胸の中で、言の葉をぽつりぽつり零す。]
[――しゃらり。
ふつうの状態ならば好奇心をかき立てられるその音にもやはり、振り返らない。
何かを諦めるように閉ざしかけた瞳が、]
――…っ。
[見開かれる。
抱き締められていると、分かったから>>64]
は、…はなし、て。
[ぴくり、と肩が跳ね上がり、嫌がる子のように首を左右に振る。
けれどそれも、ナデージュが掠れた声で“だいじょうぶ”と告げるまでのこと>>65]
[それは、色付く記憶の中の綺麗な声とは違っていたけれど。
身体に染み渡って荒れたこころを落ち着かせてくれる、そんな声だった]
………。
[だらり、と左手が下がり床に落ちた。
赤く染まった顔の右半分があらわになる]
お、っと?
[受け取ろうとしたそれが、やや強引にポケットに押し込まれた。
しわくちゃになってしまうのでは、とお節介が過ぎるが、本人は気にしていないようなので、こちらも気にしないでおくことにする。]
楽しみ、か。
[何が書いてあるのか、今すぐ目の前で中身を読んでやろうかという悪戯心を押し込めて、指先の煙草を再び口元へと持っていく。]
それじゃあ……どーする。
[それは、まだこの廃屋を探すかとか、まだこの近い姿勢で居るべきかとか、色々に向けて。]
―――――――…。
……。
[意識が遠い]
―――…。
[傷の手当てをされている、気がする。
どうして自分は怪我を負っているのだろう。
此処は戦場だろうか。
薄らと目を開けば、空には煤けた星空が。
…否、それは、灰を被ったステンドグラス]
今日は星がきれいだ。
[うわ言のようなそんな声は、エラリーに届いただろうか]
ありがとう。
[そこで再び意識は途切れ、目を閉じる。
そのまま礼拝堂から運ばれた男の身体は、
寝台へと横たわることとなる。
虚ろな意識の中、
セルマとエラリーの声がぼんやりと耳に届く]
歌い手 ナデージュは、司祭 ドワイト を投票先に選びました。
今回のさりげないテーマ。
「もう、ひとりで歩けない」
「それでもひとは、歩いてゆく」
セルマが僕の想定よりずっと強かった。
前回のBBAを意識して、ちゃきちゃきのおばちゃんに。
[離してと言う懇願の声なんて、聞こえませんでした。
わたしに見えるのは、血を流して震えているスーさんだけ。
わたしに聞こえるのは、耳元で鳴る髪飾りの触れ合う音だけ。
血に濡れたスーさんの右手を、そっと片方の手で取りました。
細くて、小さな手でした。]
………だいじょう ぶ だから
[そっと、隠されていた顔に、自分の顔を近づけます。
こつり、と、額と額を触れ合わせて。
わたしの顔の左半分の包帯が、赤く染まります。
包帯越しに滲みた赤色は、わたしの灰化した皮膚に触れます。
じんわりとした痛みに、そっと目を伏せました。]
…………
[大丈夫です。
スーさんの"痛み"に比べたら、全然、なんてことないのです。]
――っ
[セルマが忙しげに治療を施す中、うわ言のように、呟かれた言葉。反射的に上を見る。常ならぬ程に俊敏な動きだった。
けれど、そこにあるのは灰と埃をかぶったステンドグラスだけ。
星空など、随分と長いこと見ていない]
――、――
[まるで言い遺すかのような例の言葉に、男は表情を硬くし、司祭を覗きこんだ。大柄な男の身体が、影を作る]
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