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遅延メモが残されています。
占星術師 ヘロイーズ は、灰色翼人 ランス を占った。
研究者 トロイ は、歌い手 ナデージュ を占った。
次の日の朝、受信中 ギュル が無残な姿で発見された。
《★占》 灰色翼人 ランス は 【人狼】 のようだ。
《★占》 歌い手 ナデージュ は 人間 のようだ。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、毒舌家 セルマ、歌い手 ナデージュ、人造妖精 エステル、中毒 カイン、灰色翼人 ランス、占星術師 ヘロイーズ、司祭 ドワイト、小説家 エラリー、研究者 トロイ、手紙狂い パース、がらくた屋さん スー の 11 名。
―手帳の走り書き・灰に対する考察1枚目―
灰の症状は、大きく分類して三つ。
「物品の劣化」「病の発症」「魔物への変異」である。
一つ目の症状である物品の劣化は、
灰に直接触れた時発生する事が多いようだ。
ただし、劣化速度は遅く灰に長時間触れた時でも無ければ目立たない。
故に、建物等は劣化しても傘やフードの様に灰に触れても短時間で灰を落とす物品は建物に比べて脆い割に灰による劣化を受けがたい、と言うわけだ。
―手帳の走り書き・灰に対する考察二枚目―
次に、病の発症。
これは、生物が灰に触れる・もしくは体内に灰を取り込むことで引き起こされる。
症状は多種多様であり、同じ動物でも個体が違えば別の症状が発症する。
また、重体になるまで気づかないほど表面上に症状が出ない物も有れば動けるうちから外見に影響があるものも有り、
症状が目立つ=重体、と断定する事は出来ない。
興味深い点として魔物化はこの病の発症から派生する効果であり、
逆説的に灰が原因で発生した魔物は基本的にこの段階を経て発生した事となる。
考え方を変えれば、灰によって引き起こされる症状はあくまで「魔物化」であり魔物化できなかった結果が病による死亡ではないだろうか。
病に適応した結果が魔物化なのか、魔物化に失敗した結果が病なのかが問題だが、灰の中で魔物が活動を行えることを考えると魔物化に失敗した結果が病なのではないか、と思わざるを得ない。
―手帳の走り書き・灰に対する考察三枚目―
最後に、魔物化。
病の発症を経て生物が全く別の生物となり、狂暴化し周囲の生物を襲う物である。
魔物化した生物は筋力・生命力などが増大する半面、知性の喪失(例外があるかもしれないが、自分は確認していない)・特定の感覚の退化(犬が魔物化した際、視覚を失い嗅覚が発達する個体が見受けられた。基本的に退化した感覚を補う形で別の感覚が発達する個体が多い模様。)等の欠点も見受けられる。
また、魔物化した個体は灰の中でも普通に活動を行っており、
コレが単純に灰に耐性を持っただけなのか灰が魔物に効果を及ぼしていないだけなのかは現時点では確認されていない。
自分は灰の効果は単純に「変質させる」物であり、その変質に耐えた結果が魔物化ではないかと考えている。
その説の裏付けのため、灰から「魔物化」を起こす要素を分離濃縮した物(北の街にて過去一度精製した事は有る為、再精製は一応可能。尚、本来は魔物化への抗体を作る実験であった。)を変異植物に投与。
再変異を起こし絶命するか効果を発揮しないか、さらに別種へと変異するかの確認を行う予定である。
[開かれた扉に、自分の指先に力が篭ります。
どうしたらいいのでしょうか、笑って挨拶をすればいいのでしょうか。
それとも子供の様に、泣いて縋ればいいのでしょうか。
そんな事を考えながらドワイトさんへ向けた顔は、わたしの戸惑いが隠し切れていない表情だったでしょう。
無理矢理に笑みを作ろうとした唇の端が、小さく震えます。
何かが溢れそうになり、咄嗟に頭を下げました。
挨拶代わりのお時儀だと言い張れるでしょうか。
それでも腰を折った姿勢のまま、わたしは暫く顔を上げられませんでした。]
[…三枚のメモを書きあげて、くすりと呆れて笑いを零す。
読ませる相手も居ないのに、なんで報告書形式なのか。
笑みの理由を聞かれれば、なんでもないと誤魔化すだろう。]
アルカ、か。
あそこなら近いな。寄ってから帰るか。
助かったよ。それじゃあ。
[何でもないように、すと片手をあげて、男はそのまま歩いて行った**]
……ありがとう、 ござい ました……
[頭を下げたまま、小さな声でそう告げます。
この一言で、きっとドワイトさんは理解してくれるでしょう。
声はやっぱり醜く枯れていて、自分の声ではないようでした。
マスターが誉めてくれたあの声はもう、帰ってこないのでしょう。
声の震えは、出ない声を無理矢理に出したせいではありません。
誤魔化す様に渇いた咳を幾度かすれば、ようやく、わたしは頭を上げられました。
ドワイトさんと、それから奥に居たランスさんやスーさんに、笑いかけます。
今度は、きっと上手く笑えていた筈。**]
ちょっとちょっと。
森で待ち合わせって?
誰か他に話せそうな奴がいるのかい?
[そうだ、先に少女のことを説明しなくては。
男を引き留め、他のものにも簡単に少女の名前と事情を説明した。
誰か少女を知っているだろうと楽観的に見過ぎていた。
これまでの考えを改め、事態を見直す。]
うちにこの子を泊めたりするのは構わないんだけど、いかんせん情報が、ねえ。
エステルも、思い出そうとしてる節はあるみたいだし。
[やがて。
しん、とした空気を裂いて、ノックの音がする。>>1:180
もしかしたら。
その言葉の先に何が続くのか見当もつかず、こてんと首を傾げるばかり]
よくわかんないけど。
おとなしくまつ。がんばる。
[ぶつぶつと呟きつつドワイトの姿を目で追った。
開かれた扉の向こうで、来客者と相対する姿を**]
一箇所にとどまってみても進展はないし、あたしゃ色々とうろついてこの子のことを調べておきたいのさ。
[隣のテーブルを一瞥する。]
それにさっきまで、ここ、人いたんじゃないのかい?
酒場にはもう、人が来るでもないだろ。
[使われたあとのグラスが残っていた。
片付けられていないということは、誰かがいたことを意味する。
それにこの様子では、店を開けている余裕もないだろう。]
[グラスを持って戻ったところで、ドアをノックする音が聞こえてきた。]
おれが……
[テーブルにグラスを置き、おれが出ようと言いかけるが、もしナデージュならば、ドワイトが出た方が良いだろうと思い直し、言葉を止めて頷いた。]
ってことで、森の方にも興味はあるんだけど――
ま、危ないようなら、この子の判断に任せるさね。
[片手で頬を支えながら、少女を見た。
彼女の表情を窺うためにも。**]
[ナデージュの複雑な表情を見て、予感は確信へ変わる。
酒場の主人は天に召されたのだろう。
おそらくは、彼女の傍らで]
――――――…、嗚呼。
[こういう時に少しでも救いを与えるのが
司祭の務めであるとすれば、
いつまで経っても自分は半人前だ。
崩れゆくこの世界で、神は如何ほどに癒しとなるか。
何かを押し隠す様に頭を下げる彼女。
その姿すら、小刻みに震えているように見えた]
よく、来てくれましたね。
[もう一度先ほどと同じ意味の言葉を繰り返し]
私が伝えても良いことかは分からないが。
酒場の主人は貴女のことを、実の娘のようだと。
私から見てあなたたちは、
血の繋がりがなくとも家族だった。
[かすれた声。礼を告げる言葉。
痛いほどに彼女の想いが伝わり、
溜らず扉越しに見える灰色の空を仰いだ]
―――――…どうか。
どうか、安息でありますように。
[顔をあげた彼女は微笑んでいたから、
司祭も同じように微笑み返す]
…中へ。
食事をとる気にはならないかもしれないが。
何か温かい飲み物でも用意しよう。
[酒場の主人の亡骸のことについての相談もあるだろう。
彼女を食堂へと招き入れて、席につかせた]
司祭 ドワイトは、占星術師 ヘロイーズ を投票先に選びました。
…ありがとう、ランス。
[湯を沸かそうか、との言葉に頷いた。
運んできて貰っていた水を少しだけ貰い]
えらいぞ。頑張った。
[大人しくまっていたスーへも、冗談めかして頭を撫でる]
二人とも、少し此処で。
[スーとナデージュへそう声をかけて、
ランスと一緒に調理場の方へ]
…今日は君に世話になってばかりだな。
[紅茶とスーの食事の準備をしながら、小さく零す。
やがてカモミールの優しい香りが広がっていく。
ふと痩せた友人の羽が目に留まる。
どうにか栄養をつけてやれないかと、
そんなぼんやりとした思考が巡った。
其処に交じる赤黒い浸食には、まだ気づかない。
準備が整えば食堂へカップと皿を運んだ。
酒場の主人の亡骸は、
彼の夫人の傍へ弔うことを提案しただろう**]
/*
[言いながら、少し考えて。
つい、と彼女を連れてきたセルマに近づき、小声を落とす。]
この子のこと、どう思ってる?
[見知らぬ子が村の中に居る事実を、と暗に尋ねる。
村を囲む森は、通り抜けることが難しい場所。
ならばこの子を何者だと思っているのかと。
村に居た子が変異した存在か、あるいは]
付いてきてみたいってのは……入り口まで、なら構わんが。
[戦闘経験の無さそうな二人に、多少の戸惑いを返した。
カインは元々、旅人と冒険者の境目のような事をしていた。
その名残は、服装と準備の良さに残っている。
非喫煙者のことを考えて。
咥え煙草の火を揉み消してから、代わりに懐から取り出した棒つき飴を舐めることにした*]
灰色翼人 ランスは、占星術師 ヘロイーズ を能力(襲う)の対象に選びました。
灰色翼人 ランスは、占星術師 ヘロイーズ を投票先に選びました。
[教会の中は、外よりも寒くない。
同じ建物の中でも、住民がいなくなって空き家になった家の中や、
今やスーだけしか住む者のいない元マジックアイテム屋の中にはない、暖かさがある。
その暖かさにあてられ、今にも眠り込みそうなのを堪えて目をしばたたかせることはあったが、
うろついたり声をあげたりせず、おとなしく待っていた。
来客者――ナデージュに返した表情には、
隠すつもりもない眠気が滲む>>6]
………がんばった。
もうひとがんばり、……する……。
[ドワイトに撫でられつつ、返す言葉。>>17
“もうひとがんばり”がどこまでを指すのか、言ってる端から曖昧になっていく。
家に帰るまでなのか、ご飯を食べるまでなのか。
やがてドワイトとランスが調理場の方へと向かえば、
眠気を堪える眼差しは自然とナデージュへと移る]
……こんにちは。…さかばのおねえさん。
[頭が下がる前に目蓋が落ちる。
ややあって目を開けると今度はちゃんとぺこり、と頭を下げた]
ごめんなさい。がんばりがたりなくて。
…あ、でも、おねえさんもこえだすの、がんばってるから。
おそろい?
占星術師 ヘロイーズは、灰色翼人 ランス を能力(占う)の対象に選びました。
占星術師 ヘロイーズは、歌い手 ナデージュ を能力(占う)の対象に選びました。
占星術師 ヘロイーズが「時間を進める」を選択しました。
[その声の人物、ヘロイーズが何処で話しているのか。
周囲に人が居ないのであれば、ヘロイーズもまた死の灰に侵され周囲に人が居るという幻覚などを見ているのかもしれない。
或いは、昔の記憶を現在起こっているかのように思い出して。]
[何処での呟きであれ、人造妖精ゆえの力かエステルには不安げな声は届いたようだ。]
更新時間が24時間延長されました。
[人造妖精。
其れはとある王国で造られたもの。
構想自体は少年すらも駆り出される戦時中からあったもので。
何時頃造られたかは、既にその王国が死の灰で喪われ資料も散逸してしまった事から深く知るものは居ないだろう。
造ったり関わったりした当事者でない限りは。]
[骨子は簡単だった。
空から墜とされる隕石魔法に代表される様に、星々の力はそれ自体が強いもの。
遠い遠い、流れ星。適合する「素体」に召喚した星の精を宿すという、それだけのもの。星精には元来名前がなかった。]
[だから人造妖精はエステル《星》とだけ呼ばれた。]
/*
\キャーエステルサーン/
しかしエステルは本名ではない様子……
灰色の羽根が素体(マイダ?)本来のもの、かな
そして延長確認ー
[飴を舐めながら辿り着いた森の入り口では、パースは既に待っていただろうか。
恐らくセルマは、エステルのことをパースにも同じように尋ねるのだろう。
そして、ここへと来たがった風を見せたエステルに、何か反応はあっただろうか。
森の中に入る前には、カインは軽い支度を整える。
使い古したグローブを両手にはめ、ナイフに似た筒を懐よりも取り出しやすいよう腰に挿した。
両足のブーツに、加速の札を何時でも起動できるよう、仕込む。
身体に染み付いた自然な動作で、準備はすぐに終わらせられる**]
/*
パースの武器が弓というのもケンタウロスっぽくっていいね
っていうのを昨日のうちに落としたかった
ああキャスケットよ
…………、え。
[ぱちぱち。
虚を突かれた貌をする。
念を押されれば、正気付いたようにこくりと頷いて。
出ていく際にはセルマの傍らを歩いて向かうだろう。
そして、森に近づけば───**]
世話?
それを言うなら、おれはおまえにずっと世話になりっぱなしだ。
[住処も、食事も。]
……なんだ?
[茶を淹れて、食堂へ運ぼうとしたところで、ドワイトの視線が羽へ向いたような気がして、足を止める。
気付かれてしまったろうかと、僅かに心音が高鳴った。
尤も気付かれなかったとしても、そろそろ、告白しなくてはとは思っているのだが。]
/*
うう、ごめんなさい、ランス。
明日沢山返す…ます。
エステル、の基本姿勢は何故か「愛」になりそうな予感。
悪意ばりばり星精も考えていたのですが。
/*
なんとかエステルとのとっかかりを作れないかと首をひねりつつ〜ああランスとつなげた方がいいのかな?
そこまで出しゃばってええんかな
だめだったら怒られよう そもそもそこまでいけるかな
[わたしは、頭上から聞こえるドワイトさんの声を聞いていました。
聞くことしか、できませんでした。
嗚呼、それにしても、なんということでしょう。
あのマスターが、わたしの事を、実の娘のようだ、なんて。
身寄りのなかったわたしには、それは願っても無い、しあわせなことです。
できることなら、その命がある間にその言葉を聞きたかったのですが。
もっと贅沢を言うなら、わたしに声があった時に。
そうしたら、もっとたくさんのありがとうを、伝えられたのに。
折角作れた笑顔が崩れそうになり、わたしはきつく両の手を握りしめます。
ドワイトさんには返事の代わりとして、何度も、何度もその言葉に頷きました。]
[その後はドワイトさんに招かれるまま、食堂の席の一つに着きます。
外とは違い、ここにはまだ、人の温もりが残っているような気がしました。
その温もりだって、今にでも消えてしまいそうな不安定さを伴っていますが。
調理場へと向かうドワイトさんとランスさんの背を見送りながら、視線は眠たげなスーさんへと向きました。
名前で呼んでもいいよ、と、声のある時に言った事があった筈なのですが、それももう、曖昧なのでしょうか。
挨拶の変わりに手を伸ばし、その頭を撫でました。
おそろいなのでしょうか。
わたしは、頑張ることから逃げている気がしています。]
[やがて、注がれたばかりのカモミールティーが運ばれてきます。
調理場で、ドワイトさんとランスさんとの間に何があったかはわかりません。
友達同士の何かというものなのでしょうか。
常連のお客様も、わたしの為に曲を作ってくれた人も、そして今日はマスターも。
近しい人がどんどんといなくなっていく中、まだ、友達だと呼べる人が傍らにいるということはとても羨ましく思えました。
そんな事を思いながら、カップの縁に唇をあてます。
唇を窄めて、ふぅふぅと何度も息を吹きかけました。
あまり熱いと、荒れた咽喉を傷つけてしまうからです。
こんなにも良い香りがしているのに、直ぐに飲めないと言うのは難儀な身体になったものです。]
[ようやく冷めてきたお茶に口をつけるころ、ドワイトさんはマスターの亡骸の事についての提案>>18をされました。
同じような事をわたしも考えていたので、とても嬉しかったです。
マスターと奥様はとても仲が良かったから、マスターも幸せに眠ってくれるでしょう。
奥様との間に子供は恵まれなかったようですが、それでも、酒場で見た二人のやりとりを思い出せば、今でも心が温かくなります。
ですが、それを受け入れるということはまた、ドワイトさんの手を煩わせるということになります。
世界に等しく灰の降り注ぐ今、ドワイトさんだって、生活しているだけで身体に負担がかかっているでしょう。
是非、と、頷いていいものなのでしょうか。
伺う様な視線を、ドワイトさんではなくランスさんにちらと向けました。
ドワイトさんの傍にいる事の多いランスさんでしたら、何かいい案を出してくれると思ったからです。]
[椅子には掛けず、カップを持ったままで壁に凭れる。
それは、羽を隠すようでもあり。
マスターを、夫人の傍に眠らせてやることについては、異論はなかった。
自分も、それが最善だと思う。]
───で。
埋葬は、いつする。
[頼まれても、頼まれなくても。
埋葬の手伝いはする気でいる。
断られたとしても、首を縦に振る気はない。]
[セルマからエステルについて聞けば、馬のしっぽを揺らしながら首をかしげてにこりと笑った。]
セルマ、君は実に実直だねえ。
それは良い性質だ。そのままでいてほしいな。
[だからこそ、エステルもセルマを頼っているのだろう。
多少勢いに押されることもあるが、周囲への目配りを怠らない姿勢は素直に素敵だと感じる。]
さあて……。
エステル、エステル……ねえ。
[唇を人差し指で押して、記憶の内側を探った。
忘れることは生き延びるための能力だが、思い出すこともできてこそ。]
[結局は違和感の正体を確認できないまま。
食堂へ戻ってくると、カモミールティーを口へ運ぶ。
壁へ凭れ掛かっている友人。
灰色の羽は今は、視界からは遠く]
……埋葬は、あまり遅くならない方が良い。
[この世界の灰は、亡骸すらも蝕んでいく]
ナデージュさんの望むときに。
別れの準備が整ったら、いつでも教会を訪れると良い。
そうだね、遅くとも明日の朝には、
此方から酒場を訪れることにしよう。
[それで大丈夫かい、と彼女へ問う眼差しは優しく]
[ランスさんの口からでた言葉は、ドワイトさんの提案を後押しするようなものでした。
大丈夫なのでしょうか。
ランスさんへと向けていた視線を、恐る恐るドワイトさんの方へと戻します。
いつだってそうなのです。
いつだって、彼らは、優しいのです。
明日の朝にという言葉に、わたしはカップの水面を見つめながら、頷く事しかできませんでした。
自分の無力さが、ただただ、恨めしいです。]
研究者 トロイは、占星術師 ヘロイーズ を投票先に選びました。
/*
ちょっとエピで言うか分からないからうめときます
私は最初、ヘロイーズは村のルールをろくに読まずに飛び込んできたと思った。
んでもって、抜ける方法も分からないけど、突然死にでもしたら瓜科ルールひっかかるからとりあえず適当に発言して吊り襲撃での墓下送りを待ってるのかと思った。
だったら触らない方がいいと思って様子見てた。
関わりたいのならもちろん円満に進むように配慮する。
けれど、分からないなら分からないなりに、みんなの発言をまねしたりメモで質問したりすると思うのね、そういうのが感じられないのね。
というわけで非常に扱いに困っているのでした。
意図的にゲームを破壊する行為も禁止だからねえ。
それにひっかかるかもよって言った方がいいんじゃろか
というわけであとはおくちちゃっく(ぱたん
[女はむしろ、飴に興味を示していたが――物欲しそうにはしなかった。
少女に炭酸水を返す。]
ああ、うん。
森を越える気は、あたしにはないからね。
この子の安全と情報が大事だし。
……飲んだら、行くかい?
[まだ少し残っているサイダーが清廉なものに見えた。
少女によく似合うな、と思った。]
[森までの道中、特に話すこともなかった。
男から聞き出せることもなければ、自分よりも少女が話し出すのを待っている方が好ましい。
そう思ってのことだ。
再び広げた傘が、灰を振り払う。
あれほどに緑豊かだった森も、今はこの灰のせいで。
誰にも気付かれない程度に、ため息をひとつ。]
……。
[揺らしていたしっぽを止めて、背筋をのばしてじっと足下を見つめた。
優先すべきはどこにあるのだろう。
守秘義務なのか、目の前の彼女のことなのか。
迷う。
迷うけど、でも、]
……どうせ、もう……。
[どうせ、
とっくに、
どこも亡い。]
[恐る恐る此方を見つめるナデージュが、
何を考えているかは想像がつく]
…私の仕事だ。
私は好きでやっているのだから、
気にすることはないんだよ。
[穏やかにそう告げて。
年頃の女性にそうするのもどうかと僅か悩みつつも、
そっと触れる程度に彼女の頭を撫でた]
少し準備をしてくる。
ゆっくりしていってくれると良い。
[客人二人へそう告げて、自分のカップを持って立ち上がる]
[やがて、森が間近になる。
その中にひとつ、色彩。手紙狂いの姿だ。
軽く手を挙げて挨拶。]
なんだい、捨て猫の真似でもしてるのかい?
[悪戯っぽく笑う。
いつもの表情を作る。
それができる内は、そうしていたい。]
――そう、パース、この子なんだけどね――
[少女を認めてから疑問に思われるだろうことも考えて、先に話し始めた。]
[壁に寄りかかる友人と擦れ違う折、じっと彼を見て]
ランス。
[零れた声は、
思っていたよりずっと心配そうなものになってしまった。
何かを言いかけて、問いかけて、躊躇って]
…お行儀が悪い。
羽も痛める。
[とん、と彼の肩へ一度手を置いて、そのまま部屋を後にする]
毒舌家 セルマは、ランダム を投票先に選びました。
手紙狂い パースは、占星術師 ヘロイーズ を投票先に選びました。
……。
[ナデージュに頭を撫でられるのは、これが初めてではないと朧に思う。>>40
彼女がまだ、がんばらなくても声を出せた頃のことだったか。
けれど、それだけ。
むしろスーの方から名前で呼んでもいいのか訊ねたことも忘れたまま、
機嫌よさげに足をぱたぱたと踏み鳴らした]
[やがてカモミールティーと、パンとスープが運ばれてくると]
…いただきます。
[挨拶だけはきちんとしてから、競う相手がいるかのように素早く食事に手を伸ばし、
腹を満たすことに勤しみ始めた。おおむね黙々と]
まいそう。
…また、はこぶんだ。
[周囲で展開される話題も朧に把握しつつ。
灰しかない裏庭と違い、灰に埋もれつつも墓石のある墓地。
酒場の主人も、あそこに運ばれるようだ。
おとなりの家の人達みたいに。料理屋さんのおくさんみたいに]
[ドワイトさんに頭を撫でられるのは、どれくらいぶりのことでしょうか。
まだ教会で暮らしていた頃、何度か撫でて貰った記憶があるのですが。
立ち上がる背中を引きとめようと思ったのですが、その背中にかける言葉は思い浮かびませんでした。
言葉が浮かんだとしても、声は出ないのですが。
だからわたしは、ありがとうございます、と、心の中で呟くのです。
何度も、何度も、噛み締めるように。
そうしてまた、考えるのです。
わたしに何ができるのか。
残り僅かな時間を、わたしはどう生きるべきなのか。
そっと、左頬の包帯に触れます。
―――最近、灰化の進みが、早くなってきたように思いました。]
全然毒舌ではないな。
口の悪いキャラがいたらふっかけるつもりだった。
村に長く住んでいると和やかになるから、引っ越してきてすぐの顔見知りとかにすれば良かっただろうか。
[思考は、歪んでいる。
死んだ人は墓地に運ばれるから、
墓地に運ばれていない両親は死んでいない、と。
どこかの国のどこかの街に、“おしごと”のために出かけていった両親。
東の村の結末も、北の街の惨状も、
他の場所の滅んだ経緯も耳にしていないかのように、
否、耳にしたとしても既に―――忘れて。
彼らが帰る日をひとり、待ち続けている]
[アルカの店で買い物をした。
"こんな"世の中になってから、流通は麻痺し、貨幣での交換は殆ど成り立たなくなってしまった。ある者は物々交換、またある者は労役、ある者は慈善家の真似事をして自分を満足させている。
そしてこの店は――かつて成り立っていた当たり前の再現を望んでいた。
幾ばくかの銀貨と引き換えに、僅かな食料を手にして、男は自室のあるアパートメントに足を向けた]
[息を吸って、吐いて。
歌うように、童謡を詠むように、言葉を紡いだ。]
さあ、星《エステル》は 降る 降る
灰色に落として 蒼穹を創ろう
……。
/*
わりと眠くはなくなってきたけど、
こいつの、こいつの! 絡みにいきづらさがマッハ
好事家的性格だったら占いやってるところにもいけたのによーう
[目を閉じて、開いて。
ふ、と脱力したような笑みが漏れた。]
昔、ある「手紙狂い」が請け負った仕事がね。
そりゃーもう、不思議だったんだって。
まあ、私らみたいのに来るモノは、人に言えないモノの方が多いんだけど。
内容は、荷物を運ぶことと、口伝の“手紙”。
[首をふるふるとふるってから、ずれたキャスケットの位置を直す。
その仕草のせいで、表情は隠れただろうか。]
灰色翼人に会うがよろしかろう。
貴重な生き残りがいるからねえ。
……それと、魔法のことならポラリスかスーだねえ。
ただ、スーはもう危うい。何か情報が得られるかどうか……。
[本心としては、壊れかけの子はそっとしておきたいところだが。
この狭い村、少ない生き残りを巡れば、どうせたどり着いてしまうだろう。]
……ふふ、何の因果だろうねえ。
[今作る笑みは、苦いもの。
どうして苦いのか、もはや己にも分かるまい。]
[一人になれば、足取りはやや覚束なくなる。
他人が見ていない分、気をはる必要がないからか。
自室へ戻る途中、窓から見えた灰の降る空。
先ほどの鳩の姿が重なって見える]
――――――…嗚呼。
[そして今日はパースが村に来て10周年だったと思い出す。
通信屋の姿を始めてみた時、
男はもう十分に大人だったが、
それでも思わず問うてしまったことがある。
『私宛の手紙は、届いているかい?』
少年兵をしていた頃の記憶は曖昧で、
それ以前の思い出はほとんどない。
生死を彷徨った折に、
其処までの命を置いてきたかのように]
[…届くはずはないと分かっている。
家族や故郷の記憶はない。戦友はみんな死んだ。
名無しの手紙は届かない。
死者は手紙をよこさない]
ああ、それと。
エラリーにも会えばいいんじゃないか?
時に想像力というものは、関係のない部品をつなぐ糸になるだろうよ。
それに、彼の創作意欲も刺激されるだろうからね。
[馬のしっぽをしゃらしゃら揺らして、出せる情報をそろえて並べ、にこりと笑った。
それ以上は、今は何も言うつもりはないと言わんばかりに。]
投票を委任します。
小説家 エラリーは、人造妖精 エステル に投票を委任しました。
[自室に戻ると、どんよりとした薄暗さと埃っぽい湿気た紙と、インクの匂いが迎えてくれる]
……
[無言のまま男は手に入れてきた食料を入り口近くに置き放ち、身体に見合わぬ机に置かれた中途を手にとった。
男の部屋は、閑散としている。必要以上に置かれているものが少ない。仕事に見合わぬ、書物の類も職の割に少ないかもしれない。
机と、灯りと、インクと、紙と。
保管用と思われる木箱が幾つか部屋の隅に転がっている。
その中でなぜか一つ、ドアの横に見合わぬ巨大な工具が、土のついたままに鎮座していた]
[――いやな、予感がした。
それは大抵が大袈裟な直感で、当たったとしても笑っていられるようなものなのだけれど。
このまま、少女が自身の記憶を取り戻すのが。
はたして良いことなのか?
それを彼女が望んでいるのか?
大事なところに立ち返った気がして、少女を振り返る……前に、手紙狂いに礼を言った。]
ああそう、牛乳に似た果実があれば、採って――
いや、いいか。
気を付けるんだよ。
[危険を承知で、軽く声を掛ける。
自分の用件に関しては、無理を言って果実を採取してもらったところで灰をかぶったそれを食べるのはいやだ、とこじつけて納得しておく。]
[椅子を引き、席に着こうとして――こ、と軽い音を立てて黒い傘が倒れて落ちた。
このままでいるとまた、何もかもを忘れて字の世界に耽溺してしまうことだろう。
その形のまま、男は暫く傘を眺めていた。
逡巡―― 傘を返すか。返さないか。
かつての、他の都市の陥落、その推移を鑑みて。
恐らくはもう、この村もそう長くはない。
今日もまた一人、死の際にいるヒトに出会った――
――ややあって、男は傘を拾い上げた。
無精についたまま残された灰が、ほろほろと部屋で掠れて消えた]
[自室へ戻ると、分厚い台帳を取り出した。
書き込むのは酒場の主人の名前と今日の日付。
其処に綴られるのは男が把握し得る限りの、
人々が生きて死んだ記録]
薬は…足りるかな。
ポラリスの所へ寄らなくてはいけないかもしれない。
[本当は花でも手向けることができれば尚良いのだが。
裏庭に植えた花は芽吹く気配はなく]
―――――…薄紅。
[髪にさすなら、と友人は言った。
彼自身のこととは思えなかった。
誰か大切な人のことを想ってのことだろうか]
[小さく笑みをこぼすと、男は机から何かを取り出した。
それから暫しの作業を経て―――…。
…やがて完成したものを、そっと箱に入れた]
[改めて少女の方を向く。
仕草は軽快であったが、身体の痛みは節々にとどまらなかった。
顔をしかめることは決してせずに、少女に問いかける。]
……アンタさ。
――――記憶が戻ったら、嬉しいかい?
[この灰色の世界で、空から降るものへ対抗しても無駄かもしれない。
少女に関する真実も。
つらく、悲しく、厳しいものかもしれない。
だから、改めて尋ねた。]
[カップの中身を空にすると、わたしはそっと立ち上がります。
それからスーさんの方を向くと、どうしますか、と尋ねるように首を傾けました。
スーさんに意図が伝わるか危ういのですが、手段がこれしかないのだから仕方がありません。
まず、調理場へと歩んでいけば、流しに使ったカップを置きます。
今となっては真水は貴重なものです。
客人としてのわたしが、勝手に使ってはいけない気がしました。
その足で扉の方まで歩めば、ぺこりと一度頭を下げます。
もしスーさんがついて来ていても、わたしは止めなかったでしょう。]
[扉から出れば、フードを被ります。
今度は真っ直ぐに酒場へと向かう道を歩いて行くことにしました。
ただでさえ歩くのが遅いのですから、到着を急ぐ為には最短距離を選ぶ必要があります。
今できることは何か。
とりあえず、暫くは、マスターの酒場を守ってみよう思ったのです。
マスターの大切なものは、わたしにとっても大切なものです。
それに、こんな時だからこそ、憩いの場は必要でしょうから。**]
司祭 ドワイトは遅延メモを貼りました。
メモに書くと中見が透けるのでこちらで整頓しよう。
◆エステルが真実を追究する場合
・エラリー、スー、ポラリスを尋ねる。登場数の少ないエラリーを優先したい。
・真実の一端に触れてもセルマはさして驚かない。「そういうこともあるさね」。
◆しない場合
・どこかで落ち着く。酒場?
・いくらか長めに過去の回想などする?
なんだ、もう帰るのか?
[その場を辞するナデーシュに、そう声をかけはするが、引き留めることはしない。]
明日の朝、準備ができ次第、ドワイトと酒場へ行く。
少しでも穏やかな天気であるよう祈っていてくれ。
[それから、食器の片付けをするために、台所へ向かう。
水はあまり使えないので、余程の汚れでない限りは、布で拭い落とすのだが、その布もだいぶ汚れてきてしまった。]
認識。
◆遭遇済み
・エステル:世話を焼く。はねがきれい。
・カイン:あめちゃんほしいなー。
・トロイ:難しいことを考えているらしい。
・パース:調子がおかしいか心配している。
メモ。
◆未遭遇
・ナデージュ:(まだマスターの死を知らない)
・ランス:?
・ヘロイーズ:?
・ドワイト:仕事柄、忙しくしているのではないかと思っている。
・エラリー:あまり接触がなさそう。
・スー:危険であるということを知っている。
・(NPC)ポラリス、アルカ:店を利用したことはある。
[ゆっくりしていると、両親との色付いた思い出ばかりが浮かんでくる。
紋様よりも高度な魔法陣の書き方を教わった思い出。
留守を預かる身となった自分に両親が告げた言葉]
おしごと。
…おしごと、がんばれば。
かえってきたとき、いっぱいほめてもらえる。
………でも、おてがみ、こない。
[壊れ始めた後のスーにしては珍しく深刻な表情で、
真面目なことに思いを巡らせ始めていた。
両親が手紙一つ寄越さないことを気にし、
パースに自分宛の手紙が来ていないか訊くのを忘れていたと気付く。
気になる。けれど。
森に近付く意志はすっぽりと抜け落ちていて]
[だから、だろう。
ナデージュがこっちを向いて首を傾げた時、迷わずこう言えたのは]
さかば。ついてって、いい?
パースがまだ、もりにいかないで、のこってるかもしれないから。
[それから、残さず飲み食いした証の、空のカップとお皿を、
調理場へと片付けると]
しさいさまに、ごちそうさまでしたって、いっといて。
じゃあね。
[ひらひらと手を振ると、ナデージュの後をついて歩き始めた。
時折眠そうな顔を見せるのは相変わらず。
パースがいないと分かれば、床に座り込んでうとうとし始めるだろう**]
[布の、少しでも綺麗な箇所を探して食器を拭いていれば、スーも空になった食器を運んできてくれた。]
ありがとう。
分かった、伝えておく。
───気をつけてな。
[ひらひら振られる小さな手に、こちらも緩く手を振り返す。]
[外へ出かける心算でローブを羽織ると、先に礼拝堂へ。
すっかり寂れてしまったオルガン、無残にひび割れた窓。
隙間からは灰が吹き込んでくるから、
此処に長くいることは出来なくなって久しい]
――――――…神よ。
[その言葉を、あまり人前で使うことはなくなった。
かつり、かつりと乾いた足音が空間に響く。
天井には色あせた、ステンドグラス。
星空を舞う天使が彩られたもの。
単純に綺麗な作品だと思っていた。
だけどそれ以上に何か、強く惹かれるものがあった。
これに似た光景を、遠い昔に見たような気がする。
それは少年の頃、
死を目の前にして見た幻想だったのだろうか。
澄んだ澄んだ星空の元、空から降る灰色の―――…]
[ひらり―――…]
[―――ひらり]
[そして男は気が付いた。
夢想でも過去の記憶でもなく、まぎれもなく今、
灰色の羽根が舞い降りてきたことに。
ステンドグラスの欠けた隙間から落ちてきたそれは、
男の足元にふわりと留まる]
……っ。 …!?
[漸く我に返って天井に目を凝らせば、
ステンドガラス越しに蠢く何かの姿がある]
[その影は何処か楽しそうに跳ねるように、
天井の上を横切って行き、そして]
―――――――どん、ぐしゃり。
[見えなくなったと思ったら、大きく歪な音を立てた]
[音がした瞬間に、血の気が引いていくのを感じた。
灰を被ることも厭わず、
正確には其処まで気が回ることすらなく、
教会の外へ飛び出せばすぐに音の正体と対面できた。
壁には血が飛び、地面には血だまりができていた。
その中心で蠢く生物はもはや人の姿を殆ど保っていなかったが、
それでも相手のことを間違える筈はない]
ギュルスタン!!
[教会の天井から落下したのであろう彼は、
もはや息絶え絶えに弱っていた。
肌は殆ど褐色に覆われていて、
右腕だった場所は歪な赤黒い羽根を持つ翼に変形していた。
発する声は人語ではなく、呻きに近い。
…彼は空を飛ぼうとしたのだろうか。
けれど一側の翼しかなく、地面へ落ちてしまったのか]
[血塗れた魔物を抱きかかえる。
もうギュルに意識はないのだろう。
力なく暴れる魔物は、司祭の肩に噛みついて傷を作る。
そしてきっとそのうち、動かなくなってしまう**]
[ランスさんにかけられた>>84声に、微笑みながら小さく頷きます。
ありがとうございました、と、唇だけ動かしました。
明日の朝という言葉をしっかりと心に書き留めて、わたしは教会を後にします。
勿論、スーさんも一緒>>86です。
わたしのゆったりとした足取りと、スーさんの眠そうなそれとは、
きっと並んで歩くのに丁度良いくらいだったでしょう。
灰の積もった道を二人、並んで足跡をつけられるというのは久しぶりで、自然と口元が綻びます。
酒場に戻ると、先程までいた皆さんはもう、出て行った後のようでした。
わたしはグラスの類を片付けて、カウンターに置かれたままのお金を集めます。
簡単な作業なようですが、全てをゆっくりと、時折休憩を挟みながら行ったため、結構な時間がかかってしまいました。]
[スーさんはどうしているだろう、と、スーさんの姿を探しますが、カウンターの中からはその姿は見えません。
表に出たところで、床に座り、うとうとしているスーさんがやっと見つかりました。
小柄な体とはいえ、わたしの力では抱き上げ、運ぶことはできません。
まだ眠っていないようならば、わたしはその服を引いてスーさんを起こしたでしょうか。
テーブル席の一部に、ソファーのある席があります。
スーさんがそこまで歩けるようなら、付き添っていったでしょう。
スーさんが移動したにしろ、しないにしろ、毛布を一枚出せば、その体にかけてあげます。
それから、一通りの作業が終われば、その傍らに腰を下ろしてその頭を撫でていたでしょう。
子守唄の一つでも、歌えればよかったのですが。**]
歌い手 ナデージュは、占星術師 ヘロイーズ を投票先に選びました。
[誰もいない食堂で、そっと、痩せた翼を広げてみると、払い切れていなかった灰が、床に零れた。
溜息をつき、箒とちりとりを出し、片付ける。
もう払い残しはないかと、念入りに羽ばたいてみれば、また1(6)枚の羽根が抜け落ちた。]
…………。
[無言でそれを拾い上げる。
みすぼらしいが、どれも混ざり気なく、灰色だ。]
[誰もいない食堂で、そっと、痩せた翼を広げてみると、払い切れていなかった灰が、床に零れた。
溜息をつき、箒とちりとりを出し、片付ける。
もう払い残しはないかと、念入りに羽ばたいてみれば、また4(6)枚の羽根が抜け落ちた。]
…………。
[無言でそれを拾い上げる。
みすぼらしいが、どれも混ざり気なく、灰色だ。]
[なんとなく厭な予感がして、鏡に羽を映してみる。]
あぁ……。
[予感は当たっていた。
また、赤黒い羽根が増えていた。
そして、赤黒い羽根は、灰色の羽根に比べ、随分丈夫そうだった。
───生え替わっている。
先程の態度、おそらく友も、薄々何かを感じ取っていたのだろう。
やはり早めに……いや、今この事を伝え、教会を出よう。
そう決めて、箒とちりとりを片付けて、ドワイトの部屋へ向かおうとした矢先───]
───!?
[何かが落下するような音に、慌てて窓の外を見た。
しかしこの位置からでは、窓を開けなくてはよく見えないし、かといって窓を開けるわけにもいかない。
おろおろしていれば、今度は友の声が聞こえてきた。]
な、っ……?!
[たしかに「ギュルスタン」と聞こえた。
不安が、一気に膨らんでゆく。
杞憂であれと祈りながら、薄手の外套を掴み外へ飛び出して、物音の、声の聞こえた方へと急ぐ。]
ドワイト!!
おい、どうした、何が……!
……!!
[駆け寄れば、灰色の世界に似つかわしくないほどの、鮮やかな赤。
それは地面に広がり。
また、友の肩口にも……。]
ギュル!
[友の肩に喰らいついている魔物は、間違いなく、ギュルスタンだった。
肌は褐色に変わり、片腕は翼のようになっていたが……間違いない、あの少年だ。]
ギュルスタン!
よせ! やめろ!!
[慌てて引き剥がしにかかれば、既に瀕死だったギュルスタンは、呆気なくドワイトから離れたろう。]
[傷口に触れぬようにしながら、友に、頭から外套をかけてやる。
ギュルスタンの小さな身体は、もう動かなくなっていた。
その、翼と化した右腕を見て微かに震え、唇を噛む。]
……ギュルスタン……。
ドワイト……。
すまない、おれのせいだ……。
この、羽の色は……多分…………。
[ばさりと、翼を広げてみせれば、ハッキリと分かるだろう。
痩せた灰色の中に混ざる、丈夫な、新しい羽根。
それらの色は、ギュルスタンの右腕だったものと同じ、赤黒……**]
投票を委任します。
人造妖精 エステルは、中毒 カイン に投票を委任しました。
/*
いっそ日中でも陽の光が届かない=星空が一部見えるにすれば良いのかしら。いやそれなら空が暗くなるけれど、……フェンタジーだから有りにすれば良い?
…さかばのおねえさん、うれしそう。
[ナデージュと並んで歩く酒場への道。>>94
ふと顔を上げれば口元をほころばせているところが見えて、
つられてスーの表情も同じ風にかたちどられる]
― 酒場 ―
……。
[がっくし。
酒場にパースの姿を見つけられず肩を落とすと同時に動く気力も落ちて、
出入り口に程近い壁際に座り込んだ]
もり。
パースとカイン、と。
…ほかにはだれか、いったのかな。
[灰色の記憶の中ではあとどれだけの者が生き残っているのかも曖昧で、
おまけに、疲れていた。
程なくして考えることをやめ、
ほんのりと聞こえる作業音をBGMに、うとうとし始めた]
[服を引っ張られる感触に、沈みかけていた意識が浮上する。>>95]
…………、だ、れ?
[寝ぼけている。
忘れてしまったわけではない。
ゆっくりと瞬きを繰り返しても、鉛色の空みたいにどんよりした眼差しにも晴れ間はささず。
目の前の人物を誰か認識できぬまま、言葉を紡ぐ]
ゆかでねちゃ、だめ……。
[ふらり、と立ち上がり、奥の方へと歩き出す。
結果的にはソファの前にテーブルのあるところまで辿り着くことができたのだが、
揺すぶられでもして意識がはっきりしない限り足取りは覚束無く、
ナデージュの案内を必要としただろう。
糸が切れたようにソファに倒れこんで、今度こそちゃんとした眠りにつく]
― 森の入り口付近 ―
悪い、待たせた。
……飴に狂いに転向なんてしねーよ。
人望も、あるわけじゃない。
[待ち合わせの相手は、既に其処にいた。
待たせたらしい様子に謝り、共に来たセルマとエステルの話、というよりもセルマのエステルについての話の二度目を聞きながら、森へと視線を向けた。
相変わらず人気を寄せ付けない空間に、飴の棒を面倒臭げに揺らした。]
[眠る様子は穏やかそのもの。
うなされてせっかくかけられた毛布を落としてしまった、――なんてこともなく]
……。
[閉ざされた瞳の間から、
涙が一筋流れて、頬を濡らす**]
がらくた屋さん スーは、占星術師 ヘロイーズ を投票先に選びました。
― 森 ―
[かつて道と呼ばれていた名残を歩む。
速度は、普通に歩くよりも確実に遅い。
空気の質が、村の中とは違う。
一言で言うならば、濃い。
それは、単純に自然に囲まれているからなのだろうか、それ以上の理由があるのか。
灰は異様に育ち生い茂る木の枝葉があらかた受け止めてくれているが、それ故に中は薄暗い。
すぐ傍に"大物"の気配が無さそうなのは救いだ。
獣に意識させてしまうだろう火も煙も無い棒つきキャンディを咥えたまま、カインは共に歩むパースを見た。]
─回想─
[こくり。
酒場でセルマ>>53に頷く。
両手で包み、しゅわしゅわ泡が立ち昇るサイダーを少しずつ飲んだ。
泡と同じように何時しか中身は無くなって、 ことり コップを置いた。]
…………。
雪も、こんな風………?
[森の入口に着くまでの間>>54に落とした言の葉はひとひら。
森の入口に着けば、セルマがパースと話をし始め、エステルはセルマを見上げた。
丁度、セルマが悪戯っぽい笑顔を浮かべたところ。
パース>>46が身を屈めて、その後ろで尻尾が揺れてる。
エステルは恐がりはしなかったが、セルマの後ろに重なるようにパースを見上げる。]
…………………。
[遠い?違う、そう遠くない昔に何処かで聞いたような言葉。
でも、誰が落とした言の葉なのかは思い出せなくて。
パースがキャスケットを直す仕草に既視感だけを憶えただけ。]
んー……。
口伝の手紙の内容、だよ。
あれだけだったんだ。荷物とともに託されたのは。
手紙というより、合い言葉のようなものだろうか。
はっきり言って、重要とは思えないね。だからこそ託されたのだろうし。
って、仲間は言ってたよ。
[そう言うと、ひと呼吸置いてから]
時効だ、時効!
それにエステルの事情の方が重要だと感じたんだ!
[守秘義務を破ったことに、若干の罪の意識を抱きつつ、ぶーたれた。]
[やがてカインとパースは森の奥へ向かい歩き始めた。
エステルは二人を見送りながら胸に片手をあてる。
鬱蒼とした森の景色に、何かを重ね合わせるように。]
[やがてカインとパースは森の奥へ向かい歩き始めた。
エステルは二人を見送りながら胸に片手をあてる。
鬱蒼とした森の景色に何かを重ね合わせるように、二人の姿が見えなくなるまで見続けていた。]
小説家 エラリーは、占星術師 ヘロイーズ を投票先に選びました。
ふうん……
変わった”手紙”だな。
いや、聞いて悪かった。
[時効だと言い不機嫌そうにするパースに軽く笑って謝って。
手紙の中の”エステル”が、あの娘とイコールかは判らない。
別れ際に横目で見た彼女は、祈りのような姿勢をしていた。
カインにはその意味も判らない。]
……さて。
[道の名残が途絶えたところまでやってきた。
何かが争った跡なのか、木がなぎ倒されて道のあった場所をふさぎ、かつ発育した緑色ではない植物が行く手を阻んでいる。
ギャアァッ、とその障害物の向こうに、鳴き声のようなものが聞こえた。]
越える?迂回する?
って言っても迂回する道も良く判らないけど。
/*
パースがかわいい
パースがかわいい >>114
発狂プランが脳裏を駆け巡る3月の夜
でもどうせなら狂いきる前に殺されたい
[右肩にはしる鈍い痛み。
逃げなくては。逃げてはいけない。
相反する思いで身動きが取れず、
我に帰ったのは友人の声と足音が聞こえてから]
ランス…!
危ない、来てはいけない!!
[咄嗟にそう叫ぶ。
既に魔物と化してしまったギュルは、
きっと引き離すべきなのだ。
だけどどうしてもそうできなくて]
…………っ。
[友人の手によって、
ギュルは呆気なく剥がされた。
もう、動かない。
人の死は多く見届けてきた。それが仕事だ。
…なれることのない、仕事だ]
ごめん、また。 …君に、迷惑を。
[ぱさりと外套がかけられる。
相手を見上げる視界が影でやや遮られると、
何だか泣きそうな声が零れた]
[その男の瞳が、
静かにゆっくりと見開かれて行く。
友人の広げる翼。
そこにはっきりと混じる赤黒い羽]
ランス。
…ランス。
[何と声をかけていいのか分からない。
呼びかけるそれは、少年のようでもあった]
君のせいじゃない。 …きみの、せいでは。
[相手がこのまま
何処かへ行ってしまいそうな気がして。
何よりそれが不安だった。
血濡れたままの左腕を友人へ差しのべる]
[星《エステル》は祈りはすれど願いはしない。
喩えば人の死を願うような欲望は、星《エステル》が星《エステル》として行動しない限りは顕れないだろう。
───今は、まだ。]
[両手に傘を持って、男は自室を後にする。
これほど間を置かず自室を空けるのはいつぶりのことだろうか、それともなかったことだろうか]
その前に。
[男はペンとインクを取り出し、先の逡巡について克明にメモを入れた。跳ねたインクが手指を汚し、拭われないそれが衣服を汚す]
おれが───
[抜け落ちた羽根を、渡しさえしなければ。
確証はない。
けれどこの羽、この色……。
因果関係がまったくないとは、到底思えなかった。]
……ドワイト。
おれたち、グレイフェザーはな。
魔物にはならない。
……なれないんだ。
[スーさんの頭を撫でながら、スーさんの口から呟かれた言葉>>102を、思いだします。
森へ。パースさんと、カインさんが。
実のところ、あまり森の向こうへは出ていった事が在りません。
幾度か、歌をうたう為に向かいましたが、その時も移動は馬車でした。
何か良くない栄養素を吸っているのでしょうか、ここ数年で森の木々は、何だか嫌な感じに成長している気がします。
別の生き物に変わっている様な、そんな気が。
あんな場所に向かって、大丈夫なのでしょうか。
不安のせいか、吐き出す息が震えました。
すっかり眠ってしまったスーさんの寝顔を、わたしはただ、じっと見ていました。
頬を伝うその涙の意味は、わかりません。
今のわたしにはその意味を問う事すら、できないのですから。
わたしはそっとその涙を指先で拭いました。
ほんのりと暖かいそれは、スーさんがまだ、生きている証です。]
[暫くスーさんの頭を撫でていましたが、わたしはふと思い立ち、そっと立ち上がりました。
埋葬に必要なものを、揃えなくてはなりません。
わたしの家にはたいしたものはありませんが、それでも、幾つかマスターとの思い出の品があったはず。
スーさん一人をこの場所に残していくのも少し悩みましたが、ほんの少しだけならば大丈夫でしょう。
酒場に来る方は良い方ばかりですし、マスターの死もそこまで広まっていない筈です。
わたしはスーさんを起こさないように、慎重に足を運びます。
それから酒場の扉を開くと、程近い家の方に向かって、ゆっくりと歩き始めました。]
……マジで。
勇気あるな、お前。
[パースの返答に多少の驚き、けれど反対はしない。
腰に挿してあった二つの筒を、両手に握る。
短い筒の先に現れた、魔力でできた短い刃。
それを構え、踏みしめた草を蹴る。
ブーツに仕込んだ札は未だ必要ないだろう。
単純な脚力で、倒れた丸太を蹴り越え、その先へ。]
おまえもよく知っているだろう。
おれたちの種族は、長い寿命を持ちながら、実際のところは短命だと。
おれくらいの年齢になる者さえ、せいぜい半数程度だと。
……おれたちはな。
魔物化に、身体が耐えられない筈なんだ。
実際、森で生活を共にしていた仲間は、この赤黒い羽根がほんの数本現れただけで、身体に異常を来し、倒れ、魔物のなる前に死んだ。
だから、死んだグレイフェザーの羽は、皆ここまで痩せていない。
こんな風になるまで生きられるなんて筈は、本当は、ない。
[傘で両手を埋めて、教会へと足を向ける。
元々そう敬虔な方ではなかった。
世界が滅びへと向かって、一時的にヒトは神へと縋った。何ふり構わず祈りを捧げた。
それは純粋な祈りであったはずだった。どうしようもならない事態に対する敬虔な祈り。
けれど――祈りは届くこともなく。
いつしか教会も祈りの場というよりも、身寄りのない人間の頼む場所になってしまった]
[迂回したところで、障害物のない保証はない。
ならば超える。いや、振りかるものを極力避けながら、突っ切る。
目的は森を制圧することではないのだから。]
はっ!
[かけ声一つ、足を走らせる。
カインが丸太を蹴り超えるから、それに習って己も駆けた。
ポケットから取り出したのは、蒼く細長い瓶で、底には魔法陣のようなものが刻まれている。
ぽん、とコルクを抜けば、ばしゃばしゃばしゃと水が無限にわき上がってくる。
きわめて塩分濃度の濃い、海水だ。
不審な動きを見せる植物の片っ端にかけながら駆ける。
果たしてどれほど効果があるのか、分からないが]
[そう遠くはない昔。
ある日の出来事。病に斃れ易いフレイフェザー故によくある出来事。]
『ばか!
ランスが治らないなんて、そんなことないわ。
あたしが、大きな町まで行って薬を取って来る。
誰も行かないなら、あたしが行くわ!』
[威勢よく怒鳴ってはみたものの、グレイフェザーが長寿であり短命>>1:*11であるのはよく分かっていた。]
『あたしは信じない。
だって、ランスは花畑で約束してくれたもの。
だから、あたしはランスが、
灰色翼人一の長生きになるって信じてる。
信じてる………もの。』
[堪え兼ねた涙が一筋、頬を流れる。
出来ることは、ランスの部屋に飾る花を摘むことだけ。
小さな小さな花畑で泣きじゃくりながら花を摘む。]
[準備良いな、と得体の知れない植物相手に海水を振りまくパースを横目に。
障害物を駆け上り、その向こうを見下ろす。]
っげ。
[そこにいたのは、ずっと昔に聞いた怪鳥と同じ、ギャァという鳴き声を発している、紫のトカゲと虎の中間生物。
そして、その倒すのに苦労しそうなその生き物を捕食中の、千以上の触手を蠢かせる家一軒はある巨大花だった。]
……無理だろこれッ!!
[着地できそうな場所は、敵の花びらの上だけ。
雄しべと雌しべの代わりにある大口と捕食器官のうねりに、頬が引きつった。]
[ギュルスタンの歪な羽。ランスの赤黒い羽。
何らかの関係を連想しないはずはなかった。
だけど、それでもこの優しい友人が、
元凶であるとは考えられなかった。
少なくとも悪意はないはずなのだ。
それなら、どうして責められるだろう]
……知っている。
灰色翼人は、繊細で。
[相手が言うことは尤もだった。
でも、それなら]
[時折――そう、時折。
何の前触れもなく涙がこぼれて止まらなかったり、
目が覚めると泣いていたりすることがある。
傍に人がいて、涙のわけを訊ねられても、
心底不思議そうに首を傾げるだけ。
ある意味、これも壊れ始めている証なのかもしれない、けれど。
触れればじわりと温かみを伝えてくるそれは、
まだ死んではいない証でもある――身体も、こころも]
[セルマは何と答えただろう。
何にせよ、森に入れない限り元来た道を引き戻す事になって。
村の建物が身を寄せ合う一角に戻って来たろうか。
ここから湖の方面へ行けば、途中に墓地と教会があり、セルマの家と湖がある。]
……分からない。
[友の問いかけに、緩く首を振る。
この村の環境が余程良いのかもしれないと考えたこともあったが、だとしたら、自分より早くからこの村に住んでいた同胞は、何故死んだ。
魔物化が進めば、精神に異常を来す者も多い中、何故自分にはその兆候がない。]
………分からないが。
おれがここにいるのは、多分よくない。
[ばさりと、その場で羽ばたけば。
また、羽根が9(10)枚抜け散った。
そしておそらく、抜けた羽根のあとには、赤黒い羽根の芽が、もう生えているだろう。]
……………。
[友人が羽ばたく。
灰に混じり、灰色の羽根が舞う。
其れは差し出したままの左手の指先に、触れた]
いやだ。 いやだよ。
[こんなに近いはずなのに、彼に、届かない]
君は私の大切な友達だ。
ただ、それだけだろう。
[彼がどんな存在であろうと。
男にとっては、それだけが真実で]
グレイーーフェザー。
[反復して、ひとりの男を思い浮かべた。]
ランス。
……あいつに?
[女には、少女の思考はトレースできない。
だが、それは重要なことなのだろう、と。
その事実が伝わるだけで充分だった。]
ああ。
こうなりゃ、とことん付き合うよ。
[ーーそれは、誰に向けた誓い?]
……いや、とりあえず……
[話し合いの時間を、巨大花は許してはくれないらしい。
気付いていない、と思っていた植物の食事に使っていない余りの触手が、こちらにわさわさと、這い寄ってくる。
粘液に塗れた、濁った色をしたものが。]
ちょお!!
マジ無理だからっ!
[隣のパースに腕を伸ばす。
おもむろにその身体を抱きかかえ、両足のブーツをコンコンと踵と踵で鳴らした。
足元に仕込んだ札が起動するサインだ。
上っていた太い丸太を蹴り、斜め後ろに後退した、つもりで、意図しない方向へと、すっ飛んでいく。
その先が昔"灰色の羽"が暮らしていた場所の方角だと、猛スピードで移動する景色に薄ら気付くも。
咥えていた飴が唇からこぼれたのに手を伸ばす余裕は無かった。]
[ぴくり。
初めて、エステルの貌に感情らしきものが走った。]
…………、ら、
・・・
ランス?
[ときん。
それも一時のこと。
とことん付き合うと聞けば。]
………、セルマサン、
ありがとうございます。
[霞色が潤み、エステルは眸を瞬かせた。]
[……今の反応は?
女も、少女のただならぬ様子に気付いた。
だが尋ねるのにも気後れして。
知らない振りは、できなかったけれど。]
そう、ランス。
あいつなら、……なにか、知っている、かもしれない。
[違和感が強く、強くよぎっていた。
それを言葉に還元できないまま、ぎこちなく話す。]
[感情の発露、少女の記憶に関わるなにかがあった。
…………それは。
喜ばしいはずの、ことなのに。
触れてはいけなかった予感がした。]
大切な友達。
[その言葉はとても温かい。
けれど温かいが故に、胸に突き刺さる。]
だからこそ、おれはおまえを危険な目に遭わせたくない。
それに、言ったろう。
おまえはこの村に、なくてはならない。
ナデーシュや、スー……マスターのことだってあるだろ。
[差し差されたままの左手を握りたい。
けれどそれすら出来ず、手は、力無く下がったまま。]
ぎゃー!触手まみれで死ぬのはいやーっ!
[ぬらぬらと光るそれらに顔を青ざめさせる。
一瞬体を硬直させてしまったのを見て取ったのか、カインに体を抱えられてしまう。
奇妙なステップを彼が踏んだと思ったら、景色がぎゅん、と過ぎ去っていく。
とりあえずいろいろ思うところはあるのだが。
私が荷物扱いされるなんて、とか。
いざとなったら私だってズボンを下ろすことをためらわないぞ、とか。
あれ、私は彼の前であの姿を見せたことあったっけ、とか。
忘れちゃったなあ、なんて。
何か落っこちてきたから、それを反射的に口にくわえた。
甘い。
やがて、過ぎる景色に変化が表れる。
鬱蒼として恐ろしい、奇妙で正気じゃない生気のある森から、
どこか、何かを諦めたような、精気の枯れ果てた地のような。]
構わないよ。
集落か、教会か。
その辺にいるだろうさ。
[脳内に警鐘が鳴り響く。
直感のすべてがやめておけと忠告する。
しかし。
それが何になるだろうか?
硬直して痛みすら覚える足を動かして、
なにも考えるなと自分に言い聞かせて。
不自然な笑みを浮かべた。]
[世界が猛スピードで飛んでいき、その速度がゆるくなってきた辺りで、特別にこの森でも大きな部類にあたる木に激突した。
むしろよくここまで、途中の樹木に遮られなかったものである。
抱えていたパースを、反射的に庇うよう、煙草くさい服でぎゅむと抱きしめてから、どさり、比較的低めの草の生い茂った大地に落ちる。
ばさばさ、斑模様の葉っぱが灰の代わりに二人の上に降ってくる。
そこは、歪な植物に侵食されつつあっても、誰かが暮らしていたと判る場所。]
……っぐ〜〜〜〜、痛あ……
[第一声はまだパースを抱きしめる姿勢で動けないまま、当然の呻きだった。]
手紙狂い パースは遅延メモを貼りました。
[特に何事も無く家にたどり着くと、わたしは後ろ手に扉を閉めます。
マスターの奥様の遺品である化粧台が、わたしを出迎えてくれました。
鏡越し、すっかり痩せてしまったわたしの顔と、目が合います。
知らないうちに解けかけていた包帯に、そっと手を触れました。
結び目に手をかけると、簡単にそれは解けて行きます。
嗚呼、やはり、広がっている、と。
晒された左の頬を見つめて、わたしはそう思いました。
もともと肌はそこまで焼けていないのですが、それだけでは済まされないくらいに肌は白く染まっています。
爪を立てると、チョークのように表面が削り取れます。
表面にはもう、感触はありません。
ただ、水などに触れると、この渇いた白い肌は酷く、痛むのです。
今はただ痛むだけのこの咽喉も、そのうちに灰へと変わっていくのでしょう。
灰が齎すこの病の悲しい所は、死してしまうとそのまま亡骸も灰と化してしまう所です。
何れ死ぬなら、わたしも、マスター達と同じお墓に入りたいと思っているのに。]
[分かっているのだ。
どうせ灰のもと、誰もが死ぬのだと。
自分もそうなるのだと。
それはあのとき、前の村で。
夫が死んだときに思い知らされた。
逃げるようにその村を離れ、今の住まいに移って。
毒舌もいくらかなりをひそめて。
この土地で骨を埋めても後悔はしないと。
決めたことを、忘れてはいない。]
さ、おいで。
こっちを抜ければ早い。
[少女の前に立って、脇道に入る。
空を見上げたのは涙が滲むのを忘れるためだ。
自分にも羽が欲しいと、女は強く思った。]
研究者 トロイは、ランダム を能力(占う)の対象に選びました。
……それが。
それが、君の望みなのかい。
[分かっているのだ。これは男の我儘だ。
ギュルを教会へ連れ戻したのも、
ランスを引きとめようと腕を伸ばしているのも]
君にとって、一番救われる選択なのか。
[手が取られることは、なく]
………………………。
ごめん。いつも、我儘ばかりで。
[男は声を震わせながら、笑う]
君を困らせるようなことを、よく言って。
[ぽたり、ぽたり]
本当に優しいのは、君の方だって。
いつだって思ってた。
[涙を流しながら、
それでもできるだけの笑顔を、友人へ向けた]
[唇をかみしめながら、わたしは顔に包帯を巻き直します。
えいっ、と心の中で掛け声をかけながら立ち上がると、化粧台へとずんずん歩んでいきました。
引き出しの一つから、飾模様の入った、両の掌を広げた程度の大きさの箱を取りだします。
蓋を開くと、わたしにとっての宝物がまだ、朽ちることなく残されています。
箱が無事な間は、きっとまだ、大丈夫でしょう。
その中から一つ。
わたしが初めて舞台に立った時にマスターから頂いた髪飾りを取りだしました。
そっと髪のひと房を結いあげて、そっと髪飾りをつけます。
灰となってしまった頭皮から、ごそりと髪の毛が抜けおちましたが、元より髪の量は多い方なのです。
大丈夫です、気にしていません。
髪飾りをつけ終われば、鏡とにらめっこし、小さく頷きます。
明日の朝はこれでいきましょう、と、小さく笑いました。]
[そんな風に、宝物箱の中を整理していけば、マスターから頂いたものがいくつか出てきました。
その中から、わたしの声を収めた音楽盤を選びます。
もう蓄音機は壊れてしまったけれど、これだけでも持って行って貰いましょう。
そうして、音楽盤は傍らに置き、宝物を箱に片付けようとして、手が止まります。
一つの小瓶に目が留まりました。
小瓶には、飴玉の様にも見える透き通った玉が2つ、3つ、入っていました。
いつだったか、酷く咽喉が痛み、その日の演奏を諦めようかと思っていた時がありました。
その時にポラリスさんから頂いた、異国の魔法の薬です。
普通の薬と違い、特別な魔法が練りこまれていると彼女は説明してくれましたが。
今のわたしのこの身体に、それは効果があるのでしょうか。
わたしは瓶をじっと見下ろしながら、暫し、考え込んでいました。**]
[教会へ行く道の途中には、先程寄った酒場がある。
誰かが立ち寄っているかもしれないと考えれば、
教会方面へ向かう前に酒場に立ち寄るかもしれないが、
セルマは居住区・酒場・教会の何処へ向かおうとしたろう。]
[唐突に呼吸のつまる感覚。衝撃。
みしりときしむ音は、カインか、カインが激突した何かか、その両方か。
密着度が上がったせいで、紫煙のなごりが目にしみる。
土の香りも葉の香りも、かつてのものとは全く違うから戸惑う。]
……ひょい。
ひゃいん、らいひょーふか。
[唇で食んだ飴が押されてつまらないように注意しつつ、まず、ぽんぽんと彼の背をタップする。
呻けるのならそこまで心配無用か、などと早合点しながらも、労るように彼の背中をさする手の動きにした。
鹿のお陰で馬の痛みはほとんどないから。]
いひゃいのは、わはった。
ひゃぐさめてひゃるから、
ひょりあえず、ひょけ。
[ひょけ、の命令にのろのろと従い、らいひょーふだと、力なく手を上げて見せた。
カインの飴の行方を、若干涙目のあまり良いとはいえない目つきが見つけ、何かを言おうとして、背中の痛みにみっともなく呻く。
元々の小さなとある一族の住処が其処だと、意識はしてもはっきり確認し認識するには暫しを要した**]
[教会と墓地は共同になっている。そして墓地があるのは――例によって村の外れだ。死は忌避されるものであり、死病の発生する恐れのある墓地もまた、隔離しやすいよう外れとなる。
かつては小ぢんまりとしながらも荘厳さを保っていた教会も、訪れる人の減少に伴い、また灰によって痛み、荒れ果てていた。
空の灰色を伴って、非情に薄暗い退廃的な印象を醸し出すものに変わっている]
いや。
我儘を言っているのはおれだ。
[首を左右に振る。
友の涙を見れば、胸がひどく締め付けられた。
けれど、涙は出なかった。
災いを振りまいておいて、泣くなど。
できるはずがなかった。]
今まで散々甘えておいての、これだ。
文句のひとつでも言ってくれ。
投票どうしよう。
ランスとエステルは突然死にそうにはないから、そこを避けるか。
マンダムもといランダムも危険かしらん。
毒舌家 セルマは、占星術師 ヘロイーズ を投票先に選びました。
人造妖精 エステルは、占星術師 ヘロイーズ を投票先に選びました。
[――ぱちり。
視線が見慣れない天井とぶつかり合う]
………、おねえさん?
[眠気の取れきっていないふわふわした声で誰かを呼んで、
すぐに、自分で自分の言葉に首をかしげることになる]
なんで。
――ここでねてたんだっけ。
文句か。そうだな。
賭け勝負の結果が分からないまま逃げるなんて、
ずるいよ…。
[泣いたことなんて、
最近ではほとんどなかったのに。
涙を乱暴にぬぐいつつ、何とか言葉を続けて]
投票を委任します。
人造妖精 エステルは、手紙狂い パース に投票を委任しました。
投票を委任します。
人造妖精 エステルは、中毒 カイン に投票を委任しました。
[ゆっくり身を起こすと、身体から毛布が滑り落ちた。
拾い上げて被せなおして、はたと気付く。
思い出したとも言うべきか]
これ、もしかして。
さかばのおねえさんが?
[辺りを見回すが彼女の姿はない。
それを認識すると同時に。
目を覚ましてから――いや、その前からずっと傍を取り巻いていた暖かさが、
すっと消えていったように感じて。
震える。
毛布をしっかり被ったままソファに身を沈めてそれをこらえようとする]
――…っ。
[くぐもった声が漏れるばかりで。
スー自身も気付かないうちに流れ、ナデージュの手で拭われた涙のあとからまた、
もうひとすじ涙が流れることは、なかった**]
[彼がいつもよりも鈍い動きで動くのは、背中が呪わしく痛むからだろう。
原因となった樹木を目視して、これは痛いと顔をしかめた。]
おお、ひょしひょし。
[とりあえず約束通り慰める。
その角についていた土くれをやさしく撫でて落としてやり、背中をそっとさすってやる。
涙目なんて珍しいものも見れたが、その視線は己の口元にあるから]
ひゃるいな、つい、はんひゃへきに。はは。
[悪いだなんてかけらも思ってないような清々しい表情を浮かべ、ばきり、と噛み砕いた。
あたりは―とても、静かだった。
死にすぎて死にきった場所のように、その静けさが耳に痛い。*]
投票を委任します。
研究者 トロイは、中毒 カイン に投票を委任しました。
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