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[少女はにこにこ笑っている。
いつもと変わらず笑っている]
ハルのことは、気にしなくて、いいんだよう。
[なんだか気遣わしげに見えるグレイヘンには聞こえないように、こっそりそう呟いて、少女は笑う]
ハルは、みんなのことも、忘れちゃうから。
みんなも、ハルのこと、忘れていいんだよう。
私は、君の手は必要ない。
否、君はおくれない。
[差し出された手。握ることはしない。
私を先導する者はいない。]
………そのものは、名も知らぬ女だ。
リヴリア=ブロアは、もういない。
死ぬなり、生きるなり好きにすればいい。
[リヴリア=ブロア。その名がある限り
死ぬか、幽閉かその二択しかない。]
……常春に伝える必要はないよ。
あの子は……自分でわかるのだ。
[忘れると、いう形で]
― 少女たちの部屋 ―
[真っ白な空の中、ふたり手をつないで飛び上がって
夜明けの向こうまで駈け上がる――翔け抜けていく。
綺麗な白い羽根がひらりひらりと目前を舞っている。
まるで天国みたいな景色。
そうだ。そうだった。なぜ忘れていたのだろう。
美月は、逝くために戻ってきたのだ。
あの場所が天国だったのだろうか。
ひときわかがやく星に手を伸ばした。
まるで天のおひさまになったみたいに輝いて……
それじゃあ、天国まで導いてくれたあのひとは、きっと]
………ぇんい… ぁま………
[ 天使さま ]
………。
[「私」の意識は「星売り」から離れ、
「星売り」の行動を冷めた思考で追想する。
まるで、さっき見ていたばかりの夢を振り返るように。
よくもまあ無邪気さの裏返しの残酷さを発揮したものだ、「星売り」。
「いっしょ」の中に、渡り鳥の少女を見事に含めていなかったのだから。
結局、みんなの幸せを願うその裏で、
誰かを好きになるのを恐れ続けた結果、
私、が好きになれたのは―――]
−病室の一画−
[慌しくなる気配に追い立てられるように
僅かに睫が揺れて瞳が虚ろに空を見上げる。
窓の外から聞こえてくる喧騒、人の声。
針の刺さった腕を動かさないように注意しながら
上体だけをゆっくりと起こして外を眺めた。
窓ガラスには、薄らぼんやりと見たことのない自分が映っていた]
[此処へ来てずっと、変わらずあった光景。
この花畑を紡ぎ続ける心の裏にあったものを
見る事は叶わなかったけれど]
桜吹雪は、ハルにお任せね。
きっと――ふわふわで、お花の良い匂いもして。
集めてお布団にしたらよく眠れると思うんだわ。
[世界の綻びを覆い隠すくらい、降るように。
花守の呟きは聞こえない。
だけどきっと自分も此処で果てると、思うから。
独りぼっちではない]
それじゃあ。
2人を送って、くるね。
[もう一度また逢えるから。
いつもの小ちゃな仕草で手を振った]
――そう、そうね。
貴方も介入者なら。
心配の必要は、なかったわね。
[手を再び支えていた少女に添える。
彼女の名はもうないのだと、そう聞いて。
少しだけ目を細めた]
……ありがとう。
さようなら。
[短く別れの言葉を告げ。
最後に一つだけ、呟いた]
ハルは――全部判っていたのかも、しれないわね。
――……いこう。
[リヴリアだった名も無き少女に声を掛ける。
顔を出していた本来の面影を幼い外見の中に収めて]
リヴリアは、うまれかわるの。
それで。
ほんとのじぶんになるの。
だから。
[今にも崩れ落ちそうな空を見上げた。
何度こうして翼を広げただろう。
だけどこれが最期だ]
はっぴー、ばーすでー。
[その囁きと一緒に、渡り鳥は最後のユメを渡る――**]
[目を閉じて、ふるり、と天井から顔を背けた。
数cm動かしたところで力つきて溜め息。
好きになれた人――いたのだろうか。
分からない。考えたくもない。
考えたらまた、「星売り」に戻りたくなりそうで。
だけど]
………。
[心の奥、自分にして自分にしてならざる者の声が、
はっきりと聞こえる]
マルガレーテという名の少女は誰にも顧みられない。
生まれ、眠り、そして死んだという事実だけ。
それすらも忘れられる薄い人生を送った。
誰に愛される事もなく。
誰を愛する事も知らず。
けれど、そんな子供は世の中に掃いて捨てるほどいる。
消費すらされなかった生はそれでも。
きっと、欠片ほどの自由はあった。
夢という名の、施設という名の鳥籠の中。
本当の自由を知らず。
仮初めの気侭を自由と名付けて。
[花びらの、お布団。
グレイヘンのその言葉を、想像しただけでわくわくした]
うん、今日はお昼寝日和だもんねえ。
夢みたいに素敵な光景の中でお昼寝したら、きっと気持ちいいよねえ。
楽しみにしてるねえ。
[手を振るグレイヘンに、そう言って少女は笑って手を振り返す。
聞かせるつもりのなかった呟きへの、ダハールへの返事には、へにゃりと笑った]
ありがとう、ダハールちゃん。
[少女の知らぬどこかへと、旅立っていくダハール。
グレイヘンに送られていくリヴリア。
少女が二人のことを忘れてしまっても、二人は少女のことを覚えていてくれるのかもしれない。
自分にできないことを、二人に期待したりはしないけど]
だけどそれでも幸せだった。
グレートヒェン。
あるいは、グレイヘン。
そう呼んでもらえた記憶が。
現実ではない世界であれど。
確かにあったのだから。
ありがとう。
ハルはそこにいけないけど、ハルの思い出を連れて行ってくれて、ありがとう……。
[消えていくダハールの後ろ姿。
舞いあがって遠ざかっていくグレイヘンとリヴリアの姿。
それぞれ見送って、少女は呟いた]
ありがと、ねえ……。
[そうして、少女は花冠を編みはじめる。
いつかグレイヘンに約束した、たんぽぽの花冠。
きっとこれが少女の編む、最後の花冠**]
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