情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
― かくしたことば ―
ずっとずっと、太陽になりたかった。
太陽になればもう苦しまないで済む。
こんな痛々しい姿、見せなくて済む。
何度も何度も生まれた意味を問いかけて
お父さんを苦しめないで済む。
どのみち死ぬのなら……
月のように夜に消え失せていくぐらいなら、
幻の世界の太陽になって燃え尽きてしまいたかった。
未完成で生まれてきた、
大切な人を苦しませるだけの「わたし」には
生まれてきた意味なんてきっと無かった。
―――でも、いいよ。
君が望むなら、
君がこの生命に意味を見出してくれるって言うなら、
この意味のない命、君にあげる。
この世界でだって、私は太陽にはなれなかった。
巣を求める渡り鳥を照らしてあげることも
朽ちていく道化師に雨水と収穫を与えることも
けれどね、星売り。
君が望んでくれるなら私は、
君には到底届かない、とおいとおいあの夜空で
きらきら輝いて君のこころに灯る光になれる。
私は君のこころの星になる。
どこかの空に私がいることを君が信じてくれるなら、
私は君の中で太陽になれるんだ。
[ゆっくりと、春は再び訪れる。
日差しに、風に、花に。
香る蜜の匂い、桜も散りきらぬ花に変わる。]
[右手が右手を払う。
俺はその右手を一つ見て、
また、はじめてみた赤に視線を戻す]
それは、リヴリアが決めることではないよ。
………俺は、帰らない。ここに最後まで残る。
家族だからね……最後の。
[今は鈴のない長い髪が春風に流れる。
その髪に手を伸ばし、右手は掴まえれば
………………遠慮なく一房強く引いた。]
― 少女たちの部屋 ―
[眠る少女のまぶたがぴくりと跳ねる。
まばたきをしようとしているのだ。
けれど力無き身体は、まばたきすら簡単には許さない。
重いまぶたをゆっくり、ゆっくりと開く。]
…………?
[ぼんやりと霞む視界。
首を動かすことすら自由にならぬ身体。
そこで少女は悟る。
ああ―――自分は、『帰ってきたのだ』 と]
……ぁ、 …ぃ、
[ わたし ]
[力を振り絞り、喉から呻き声を漏らした。
眠りについていた時間はほんの数ヶ月だけれど、
使っていなかった声帯は弱るには十分で。
ここは――どこだろう。
視界ははっきりとせず、部屋の様子は分からない。
けれどなんとなく、いつもの病院とは違う気がした]
[点滴からつながる自分の腕は真っ白で、酷くやせ細っている。
もう、あの健康な身体は自分のものではないのだ。
脳裏に走る夢の名残は、
繋ぎ止めなければふわりと逃げていってしまいそうだ。
それを忘れてしまわないようにと、
思い返す。別れを。
ぼんやりとした意識の中で必死に痛みを掻き集める]
[皮肉なもので、少女は未だ知らない。
今しがた夢の中で別れを決めたばかりの少女が
すぐ近くで目覚めを迎えようとしていることを。
言葉のかたちにもならないその声は、
医師に、だれかに届いただろうか?]
…………。
[渾身の力で声を搾り出せば、
それだけで力尽きたようにそっと目を閉じた。
涙が目元からふわりとこぼれる。
こぼれた涙は酸素マスクを伝って、
白い枕へと流れ、染みを*つくった*]
渡り鳥 グレイヘンは、道化師 リヴリア を能力(襲う)の対象に選びました。
[まだ夢が夢の形を残す内に。
太陽と星は手を繋いでやって来た。
空を黒く染めるのは太陽に重なった月。
2人の手首でブレスレットが輝く。
それは遠くからでも渡り鳥の標になるには十分で]
――おともだち、なれたのね。
[目を細めて微笑む]
ぐれいへんとおそら。
いっしょにとんで――くれる?
[今ならば。
あの月の裏側まで行ける気がする。
そうすれば花水木が望んだ太陽にだって。
星売りが求めた星にだって。
ほんの一瞬でも手が届くような気がした。
これが終わりのユメならば]
[ならば、その一瞬だけで良い。
彼女達の煌めくユメまで一緒に着いて行きたい。
もうどんな憧憬も叶えられない渡り鳥とは違って。
彼女達はまだユメを創る事ができたから]
いっしょ。
[このユメを超えるまでは。
そして、このユメが醒めるまでは。
左右両の手で2人の手を取る。
翼を広げれば雪のように羽根が散った。
花水木の髪飾りを一度だけ、見やる]
いくね。
[風を払うように大きく羽ばたく。
重さという概念を掻き消すように、向かう先は――そら]
[景色が変わっていく。
近くなる星、小さくなる世界。
綻び欠けて行く夢の大地が遠ざかっていった。
少しずつ2人の存在が薄れて。
意識だけのものになっていく。
それでもきっと。
2人なら、互いの姿を最後まではっきり見る事ができただろう。
空で輝く、太陽と星ならば――きっと。
やって来たのは、まだ夜を保つ星売りの空。
明けなかった夜がもうじき終わる。
握っていた2人の手を引き合わせて、微笑んだ]
[そして、手を離す。
そのまま2人は空に留まって。
その存在が燃え尽きるまでこうやって。
ほら、光るのだろう。
花水木の右手で、太陽が。
星売りの右手で、明星が。
その光がとても綺麗だったから。
渡り鳥は羽ばたく事を忘れた。
風の中を真っ逆さまに墜ちながら。
手を、振った]
ばいばい。
[明けの真白な空に、羽根が、散った――**]
渡り鳥 グレイヘンが「時間を進める」を選択しました。
― 階段 ―
[屋上へ続く人気のない階段は、冷たい。
体も冷え切っていた。
確かに連れて帰って来る事ができた。
だけどきっともう。
私は此処から動けない]
――……。
[不機嫌だった表情がふっと和らぐ。
“グレイヘン”だった頃の面影を取り戻して。
命は燃え尽きようと*していた*]
― 夜を纏う少女の話 ―
[カスミと呼ばれていた少女は。
彼女が眠るきっかけになった事故まで、大病を患うことも大怪我をすることもなく、
ましてや大切な人と死に別れることもなかった。
夕暮れ時、行きかう人でごった返す駅前で空を眺めるのが好きで、
丘の上の天文台を訪れては飽きもせずプラネタリウムに見入っていた、
そんな、ただ星が好きな、少女だった。
彼女の経歴で特筆すべき部分をあげるとしたら、
天文部の部長をつとめていた頃に、頑張る高校生としてとあるテレビ番組に取り上げられたことくらい。
ちょうど、数十年に一度の流星群が見られる時期が近かったのもあり、
それなりの視聴率を稼いだそうだが、
そんな数字に興味などなく、星を見上げる人が増えればいい、と、
素朴に思っていた]
[そんな彼女が、バスの事故から身体は生還してもこころまではかえってこずに、
眠り続けることを選んでいるのは何故なのか――
医師や介入者たちは、彼女を見舞いに来た友人から手かがりを聞きだすことができただろうか。
恋に破れた話。
「星を見つけたら思いを伝える」。
そう決めて、初めて好きになった人へ告白する機会を伸ばしているうちに、
彼に結婚前提で付き合っている人ができたと知ってしまった話。
哀しいはずなのに、彼らの幸せを願うセリフを告げて、別れた話]
『本当はすぐにでも奪ってやりたかった』
『何でこんなこと考えちゃったんだろ、私』
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新