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−海岸線の家−
[着替えて戻ってきた時には、ミズキの姿は無かった。
用意した食事や、甘いもののトレイをテーブルに置く。
渡り鳥が、こちらを見ていた。手が触れる。
勢いを以って振りほどけば、簡単に解けそうな小さな手だった。
ただ小さく、喉が震えた。
流れ着いた着物に囁いた言葉と同じ]
───いや、
[小さな声。
消えてゆく、存在]
[海岸線の家は残っていた。
少女の作ったものも、磨いた夜光貝も、食事も。
何度も海に戻されていたバケツの小さな蟹と
籠の中にあったはずの白藍の着物だけが
少女の世界から、消えていた**]
−病室−
───、─。
[機械の音が、聞こえていた。
潮騒の音は、もう聞こえなかった。
ゆっくりと開いた視線の先、
覗き込んでくる存在に瞬きを少し繰り返す。
喉がひりついて上手く出てこない声。
おぼろげな世界、家ではないことだけを視認した。
白い袖口から伸びた先の手を、緩く見やる。
酷く痩せてはいたけれど、シャルと名乗った女と
あまり変わらない大きさの手にそれは見えた**]
[グレイヘンが二人の手を取る。
解けていく身体を前に、私は少しの躊躇の後に
ローザの前に身をかがめる]
ローザ、その髪飾りはキミが持ってお行き。
嗚呼、超えては持って行けないのだろうけれど
それは、ボクがキミに委ねたものだ。
また来たときに迷わぬように。
キミを忘れないように……
……全てを見せてあげられなくて
ごめんね。
[ぎゅうと抱きしめて、消えかかる手に己が手を宛がって
耳元でナニかを呟いた]
ソラの子はどこへ行くのかな?
ボクは…うん…しゅうかくを届けに行こうと思うよ。
忘れん坊なあの子が忘れないうちに…ね。
[ミズキやカスミは気にならぬ訳ではなかったが、彼女が向かったセカイは私にはわからなかったから。
それに私は彼女を【見続けた】。その眼で駆け征く姿を……
ローザと異なり、彼女の姿は見えなくなることもなく、己が足跡をこのセカイにしっかりと刻んでいた。途切れることのない繋がるセカイを。
ならば…セカイが導くのならば、また逢うことも叶うだろう。
二人だけの紡ぎを経て舞台に上がる太陽と星の輪舞を、この目で観ることも叶うだろう。]
ああ、ソラの子
叶うならひとつ訊かせておくれ。
このセカイの子じゃない子たちが
このセカイに居続けてしまうのは
やっぱり重荷になるのかい?
[この場で別つのか、共に行くのかはわからぬが……
そう、グレイヘンに問いかけた。
脳裏に儚く消えるローザの姿を巡らせて]**
─ 少女の幻燈 ─
夢の世界はね、全部が繋がってるんだって。
昔の偉い学者様が言っていたの。
……って、本に書いてあっただけだけど。
[夢の木陰で寝そべって、この子の髪を撫でながら小さく舌を出す]
ちょっと怖いけど、ステキよね。
だって、みんなの夢と私の夢が繋がってるっていうんだもの。
ダハールの夢にも行けるのかな?
[夢はいつも一方通行
この子が私の夢に来て
私はこの子を出迎える
この子が私の夢から出て
私はこの子を見送るの
嬉しいけれど、ちょっとずるいなって……
この子は私の夢を知っていて
私はこの子の夢を知らないのだから]
遠く離れていても
大好きな人と夢で会えるなら
怖い夜も怖くないよね
暗い夜も暗くないよね
[私の夢にはこの子しかやってこないけれど
この子の夢にはもっとにぎやかなのかしら?
もっとたくさんの、この子の大好きな人たちが
やってくるのかしら?
── 柔らかい頬を指でつま弾く]**
道化師 リヴリアが「時間を進める」を選択しました。
道化師 リヴリアは、渡り鳥 グレイヘン を能力(占う)の対象に選びました。
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ところでこの流れ(私がそうさせてるのもあるけれど)村建てさん最終日陣営よね?
(中身あてとかちょー苦手ですけど!)
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