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せん………せ
[長い時間、会話をしていなかった体はうまく声にならなかった。
意識が徐々に覚醒する。
ぼんやりした中で、潜ろうとしても潜ることができない。]
あぁ……
[点滴が繋がっていない方の手を動かす。
ぐー、ぱーと動かし自分の肉体であること実感する。
額の方に持っていき、息を吐き出す]
弾かれたか……
[カスミから返る声に、ミズキはどうするだろう。
と、先日のミズキの態度を思い出し、
この後ミズキの領域に行くまで付合い
仲裁が必要ならするか、などと
カスミの実際の感情知らず思っていた。
平たく言えばそれは杞憂に過ぎないのか。
それとも、もっと悪い事態なのか?
今、ミズキがカスミを
捕まえる様子を前にして。]
――――
[道化師は鳴らない鐘がついた杖で軽く地面をついて。
二人の様子を静かに見守る体。
今までの彼女たちの関係が、足を止めさせた]
[*風が、また少し強くなった意がした*]
[カスミから返る声に、ミズキはどうするだろう。
と、先日のミズキの態度を思い出し、
この後ミズキの領域に行くまで付合い
仲裁が必要ならするか、などと
カスミの実際の感情知らず思っていた。
平たく言えばそれは杞憂に過ぎないのか。
それとも、もっと悪い事態なのか?
今、ミズキがカスミを
捕まえる様子を前にして。]
――――
[道化師は鳴らない鐘がついた杖で軽く地面をついて。
二人の様子を静かに見守る体。
今までの彼女たちの関係が、足を止めさせた]
[*風が、また少し強くなった……気がした*]
─ 回想・星の瞬き ─
あはは、当然だ。
簡単に独り占めができるのなら、
世界中の“いい”ものはもう全部なくなってるさ。
誰かが独り占めしてしまっているだろうからね。
ボクが手を伸ばすよりもはやく
ボクが生まれるよりも前に
[初めてみたカスミの苛立つ様子。
私は気にした風も見せず笑い流す。
嗚呼夜は良い。
隠そうとする綻びを闇が手助けしてくれるのだから。
正直驚いていた。その放たれた感情の星光に]
簡単に手に入らないからそこにあるんじゃないかい?
簡単に手に入らないから欲しがるんじゃないかい?
星もそうさ。
この皮肉と洒落と語呂合わせと言葉遊びで積み上げられた“世界”で
積み上げても積み上げても届かない。
それでも人は手を伸ばす。
手に入れようと手を伸ばす。
……神話の時代から今に至るまで。
そして少しずつ近づいていく。
洒落を現実に塗り替える。
[神話の偶像であった月へ人は立ち
神秘たる夜のドレスであった星々を人は脱がしていく]
[初めに逢ったときの彼女の表情は、
今まで私がここで出会ったどの少女とも違うものだった。
願いを形にする夢のセカイ
少女達が築き上げる夢はそのほぼ全てが
憧憬であり、繭であり、希望で占められる。
だから多くは微笑を纏う。希望を纏う。
彼女はどうだ。
私の仮面が嗤っていたから
彼女の理は彼女の鏡<<仮面>>はその逆を映すのだろうか?
それとも
仮面と仮面が合わせ鏡のように向き合って
嗤いで夢幻を埋め尽くすのか?]
怒らせてしまってすまないね。
悪気があってのことだから
赦してくれることではないよ。
少し違う瞬きを眺めたくもなったのさ。
君の夜の瞬きを
夏に昇る星も愛でたいが
冬に昇る星も愛でたいさ
[姿、形はどことなく似ている。
宵のボロより深い夜陰のワンピース
垣間見える素肌は雨空が如き青白い私のものと比べれば
さながら銀湾……星夜を体現するような玲瓏
そして…不変の仮面と可変の仮面
そんな交わりそうでどこか交わらぬ星の少女に告げた言葉は
挑発であり愚弄であり……共感でもあった]
[無意識の中で
互いに知ることはない胸の内で、私もまた彼女とそう遠くない色を見たはずだ。
無力感に押しつぶされる絶望という名の色を]
どうでもいいものは打ち捨てよう。置いていこう。
持っていても価値がないから。
好きなものは捧げよう。諦めよう
好きになって貰いたいから。
大切なものは委ねよう。托そう。
そこに渡したい想いがあるのだから。
……では、一番大切なものは? 一番好きなものは?
ボクは誰にもあげる気はないよ。
誰にも持たせる気はないよ。
持っているなら奪うまでさ。
奪い独り占めにしてやるさ。
[カラカラと嗤いくるりと廻る]
酷いだろう? 傲慢だろう?
だから軽蔑してくれていいよ。
哀れんでくれてもいいよ。
微笑んでくれなくてもいいからね。
祝福を祈ってくれなくてもいいからね。
酷い子ははけ口にするといい。
愚痴の一つを零せばいい。
溜まり燻る感情を燃やすのがいい。
ずっと仮面をつけていれば息苦しいだろう?
[ハルのように忘却を扱うわけではない
ミズキのようにただひたすらに駆け抜けるわけではない。
幸せを願い、大切なものをばらまいて
星を纏い、星に縛られた少女
歪な仮面は、歪なやり方でそんな星との紡ぎを模索する]*
ー シンのそば ー
おはよう。
[ふわり、とわらう]
気分はどう?
…そうそう、私のことはシャルってよんで。
お世話係りみたいものだと、思ってくれたらいいわ。
[ゆっくりと、顔をみながら話しかけた]
道化師 ダハールは、星売り カスミ を投票先に選びました。
渡り鳥 グレイヘンが「時間を進める」を選択しました。
でも。
はな も み も。
き がかれたら、きえてしまう。
[岬守がとかしてくれた翼をゆっくりと広げた。
2人の少女の手を両の手でとった]
ごめんね。
[岬守に告げる。
彼女の“体”には少し異変が起きていた、だから。
甘い声の少女にも。
世界を渡る事に警鐘が灯っていたから。
翼を広げ、ベリー色の瞳を閉ざす。
風が少し、煩い。
平衡感覚が消えて。
2人の体が徐々に淡く解けていく]
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