情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
[16]
[17]
[18]
[19]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
道化師 リヴリア は、無口 ローザ を占った。
次の日の朝、夢見る ヴェル が無残な姿で発見された。
《★占》 無口 ローザ は 【人狼】 のようだ。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、道化師 リヴリア、道化師 ダハール、渡り鳥 グレイヘン、太陽の子 ミズキ、お花畑の ハル、無口 ローザ、星売り カスミ、岬守 シン の 8 名。
[それは、微かな音。
それは、微かな変化。
それは、微かな揺らぎ。
けれどあった。
変わらないはずの世界だったのに。
変わらないはずの毎日だったのに。
それらが確かに変わったのだ。
一人の世界が終わった。
それ、以上の変化があったのだ。]
[時化、が来る微かな前兆が。
次の季節、が来る微かな前兆が。
星降る時間、の微かな前兆が。
太陽が翳る微かな前兆が。
道化る時間の終演、の微かな前兆が。]
…そう。
[彼女の声は聞こえない。
ただ伝わる感触だけが曖昧にそこに彼女がいることを教えるばかり。
彼女は
海を見下ろしていたのだろうか?
空を見上げていたのだろうか?
私にはわからない 私には見えない。
現の瞳を以って 見つめた虚のセカイ
そこに彼女はいなかった]
[『夢から覚めちゃったら、夢のことは覚えていないのかしら?』
遠い昔、こことは違うセカイの中で
あちらとは違う世界の中で
私とあの子が絡み合う夢の園で、そんなことを問うたことがある。
『忘れてしまうのは悲しいよね。
せっかく同じ時を過ごせるのに
忘れちゃったら悲しいよね。』
忘れることが幸せであることもあう。
そんなことすら知らぬ幼い心
心は忘却を恐れた。
夢の続きを現で夢で 紡いで紡いで築きたかった。
『手をつないでいたら忘れないかしら?
つないだ手を離さなかったら、覚えていられるのかしら?』
夢が現が二人を分かつともそこに繋がるものがあれば…
── 私はあの子の手を握った]
[ズルリ…
不意に身体の底で音がする。腐る音が 朽ちる音が
背筋が凍るような思いが、私を夢に引き戻す。
湛えていた蒼は深緋に戻れば、目の前には先ほどと変わらぬ様子の少女の姿。
にこりと笑う少女の顔を少し呆けたように見ていただろうか?]
ボクのみるもの?
[酷なことを言ってくれる。この子もあの子も言うじゃないか。
仮面の中の仮面は嗤う。]
そうだね。では見に行こう。
ボクの見るものを見せてあげよう。
代わりにキミの見るものを見せておくれ。
丘で海で山で空で
はじまりのはじまりを見に行こう
おわりのおわりを見に行こう。
[夢の象徴たる夢の少女が旅だったことは知らない。
だから偶然の産物なのか、作為があるものなのかは何もわからない。
けれど…“それ”は感じていた
己が夢の世界で現を使う虚の者だからなのかもしれない。
今傍らの少女がこの場に介在するからなのかもしれない。
少しずつ変わっていく予兆を胸に抱く。
嗚呼ダハール。貴方は私を傲慢だと言う。
そうだよそうだよ
だって傲慢でなかったら、できないんじゃない?
家族を殺すことなんて…ね?
だからね、ダハール…私は──]**
[何が彼女の「幸せ」なのか、しかし少女はそれを聞かない、問わない]
………渡り鳥さん、に?
[唐突に渡り鳥の少女の名が出てきたことに、
ことん、と首を傾げた後]
あったかいことは、しあわせなこと?
[それなら。
暖かい手の持ち主がこうしてずっと手を握っていれば。
彼女はきっと、しあわせになれる?]
[――すっ、と花畑の少女の手に、もうひとつ「星」を握らせると、
名残惜しそうに手を離した]
もう、行きますねえ。
[そろそろ時間だ。
お星様に会いたくてしかたがなくなる時間。
だけどずっとここにいてもお星様には会えないから、
彼女の手を離して花畑を出るのだ。
星売りの少女は欲しがりになるのだ]
また、来ますねえ。
[最後に大きく右手を振って、ふわり、と花畑を駆けていった。
星のある方を目指して**]
/*
欲しがりになる、そんな夜にリヴリアとしょっちゅうあってたんじゃないかなあ、っていう、妄想
行き場所を迷う時間を有効に使って回想を落とすのもあり、か
ダブルミーニングですよう 欲しがり/星狩り
今日のデフォ:ローザ
・・・・・・・・・・・・。
[仮面の手をつかんで微笑む。
"ボク"が見るものなら
いくらでも見せてあげる。
だけど"僕"が診るものは、見せてあげないよ。
君にはまだ早すぎるからね。
仮面の中で起こる異変に気がつけないのは
・・・が異変そのものだからだろうか。
それとも、世界の異変が隠してしまったからだろうか。
仮面のそばで、甘い考えをめぐらせる]
[ゆっくりと瞳を開ける。]
・・・・・。
[なにか、違和感。
だけど違和感がなにかわからない。
わからないことがわからないなんてもどかしい。
近くにあるリヴリアのカルテを引き寄せた。
付箋に「メンタルケアの必要性」と書いて
数値が並ぶ下にぺたりと張っておいた。]
― 山の端の森の中 ―
[白い翼がつつんで作る、薄暗いたまごの中。
その場所は『夜』に似ている と
ミズキは薄ぼんやりと思う。
とろりとした眠気すら覚えるあたたかな空間。
築いてきたプライドが少し、崩れる時間。
反射的に目元がじわりと熱くなった]
良く、ないよ。
それは…… ちっとも 良くない。
[ちいさな子供のようにふるふると首を横に降った。
良くないと言った所できっとどうしようもない、
それでも子供のわがままのように望みを口にする]
飛び続けたら疲れ果ててしまう。
疲れ果てたら死んでしまうよ。
死ぬのは、だめだ――…死んでは、
………。
[続く言葉は見つからない。
それきり言葉を失って。]
[続く言葉に詰まってしまい、ぐっと深く黙り込む。
そうしてどこかへと飛び立ってしまう渡り鳥。>>1:213
行かせちゃいけないと思うけれど、
きっとミズキでは巣にはなれないことは分かっている。
太陽に憧れて、
それでも太陽にはなれないことも、分かっている少女には]
ああ…… いつでも。
私と話をしたいと思ってくれるなら。
[一筋流れた涙を土のついた手でごしごしと拭い、
にこりと一つ、けれど弱々しい笑みを浮かべた。
ちいさな手が髪の飾りに触れる。
髪を飾る決して枯れない赤を、やわらかな白が彩る]
…―――ありがとう。
また、な。 グレイヘン。
[歩み去っていく渡り鳥の背に、
感謝と再会を願う言葉を投げかけた*]
― 少女たちの部屋 ―
ヴェル?
目が覚めた?
[広い部屋。
少女ごとに区切りが付けられるカーテンの奥。
まだぼんやりとしている少女と、医師は対面していた]
あ、そうか、私のこと、知らないわよね。
貴女のお世話をすることになっているの。
私のことは、シャルって呼んで頂戴?
[ふわ、と笑い。
ひと通りの診察を終えると、軽く頭を撫でて、一度その部屋を後にした]
あらローザ、目が覚めたの。
[彼女が戻ったのは、彼がカルテに付箋を貼った後のこと]
ヴェルなら、さっき目覚めたわ。
あんまり口を利いてくれなかったけれども…
心の準備ができていたからかしら、すごく動揺しているってわけでは、なかったわ。
― 夏山の沢 ―
[森を出て家へと向かう途中、
夏の沢の、まるみを帯びた小石の上に腰を下ろした。
木立の合間から夏の日差しが降り注ぎ、
よく日焼けした肌の上には汗の玉が光る]
よいしょ………っと。
[沢の水は澄み渡り、
無数の小魚がひれを揺らす姿がよく見える。
傷ついた足を、その冷たい水の中に恐る恐る浸した]
[太陽になりたかった]
『無事二十歳を迎えた患者さんも大勢います』
『ご家族と、何よりご本人の頑張り次第としか言えません』
『希望を持って、決して あきらめないで』
[ミズキは「太陽になりたい」
その望みだけはどこにいたって忘れない。
だって。だって……
太陽になれば、 もう泣かないで済む から]
[ぱしゃりと透明な水を掛けて、
傷を負ったふくらはぎの泥と血を流す。
傷の中に冷たい水がじん……と染みて、
けれどこんな痛みはどうということもないと思った]
…………っ。
[唇を噛み締める。
ミズキは太陽にはなれない。
誰かを暖めることはできない。誰かの帰る場所にもなれない。
けれど、もう「夜」にも戻れない。
―――涙は、流れなかった。*]
[――――思い出す。]
いたいよ…… …こわいよ。
[真っ暗な夜の部屋。
狭いベッドの上でくるりと背を丸めた。
夜の中では、誰も自分を見ていないから]
ごめんなさい。 ごめんなさい……
[太陽の下で流せなかった涙は夜の中に隠した。
月が在るべき場所の中に]
[泣きながら過ごす長い夜、
よく脳裏を過ぎる姿がひとつあった。
病室で見た、短いテレビ番組のなかの少女]
[ミズキが夜を見上げるのと同じように、
その少女は夜を見上げていた。
その瞳はミズキと違い、涙に濡れていなかった。
ただ真っ直ぐに、夜空に遠く遠く、光る星を捜して]
[寄宿舎にその知らせが届いたのは4年前。]
[寄宿舎の朝は早い。
6時の鐘で起床し、半にはミサだ。
けれど、その知らせが届いたのは
それよりも、もっともっと早かった。
それはまだ夜明け前、だった。]
[実家の焼失と両親の死、
姉は意識不明の重態。]
[教授たちに言われるよりも早く
水平線、光が伸び始める中駆け出した。
……途中で車で教授に追いつかれたが。]
[案内された病院で、
生命維持装置につながれ、
包帯だらけの姉に、
透明なカーテン越し面会した。
……面会といっても彼女の意識はなかったが。]
[追って詳細が伝わってくる。
不審火、不始末ではなく、
姉による焼身自殺だったと。
両親は巻き込まれたのか?
それとも、意図的な……心中だったのか?
そこまでは、
当の本人の意識が戻らない以上、闇の中で。]
[何故?]
[と、思う気持ちと]
[嗚呼……]
[と、思う気持ちと]
[彼女が何か避けていたことは
何かの切欠であり、合図だったのではないか?
誰にも憚らず聞ける場所、
聞ける機会は、一緒に眠るだけであったのに。]
[夜空の星は、だいたいみんな恒星だ。
太陽のように強く輝く星の光だけが、
幾千の夜を超えて、私たちの見上げる夜空に届く。
私達が見上げる太陽だって、
遠い遠い宇宙の果てに行けば、無数の星の中のただひとつ。
そんな感じのことを、ナレーターが解説をつけていた。]
[ならば、――月は?]
[いいえ。まさか。
この地球の、ちっぽけな衛星ひとつ。
太陽を映して輝くだけの星。
あの星々の元まで届くわけがないでしょう。]
[ちっぽけなやせっぽちの星の光は、
きっと何処にも届かないのだろう。
同じ夜空を見上げている。
こんなに、こんなにずっと同じものを見上げているのに
同じ夜空の美しさを知っているのに
彼女の眼に、この姿が入ることはきっとない。
あんなに楽しそうな、星を見上げる少女には。]
[それは当たり前のことで、
でもそれが悲しくて、悔しくて―――**]
[休みのたび、見舞いに向かった。
ICUから個室へ移されても
姉の意識は戻らず、ただ、その隣で手を握った。
……そのまま、眠ったのは
休暇に入るや否や、休みもろくにとらず
病院に向かったからか。]
[それは見慣れた世界ではなかった。
それは見慣れた姉ではなかった。
そこには見知らぬ少女もいた。]
[話を聞くチャンスだと思った。]
[同時に、闇の中、そのまま知らないほうが
お互いのためなのではないかとも思った。]
[横たわる事実はあまりにも重く。
けれど、自殺の噂は確定じゃない。
両親の死の原因だって……
幻の世界、道化師の姉がそこにいるだけで
いいではないかと、
わざわざ、酷い傷をさらに酷くするように
抉る真似事は必要なのだろうか?]
― 不変の常春 ―
[花が風に揺れて頬を掠める。
暖かい、まどろむのに最適な……だから
ここに来た訳だが]
ま、まぶしい……
[もそり、と、フードを出来るだけ
目深にかぶって昼光さえぎろうと。
花畑、木陰はなかったっけ……
などと、疲労で動けないまま思う]
[まどろむ最中、意識が途切れれば
ぼんやりとこちらに意識が戻り
逆に、あちらの意識が戻れば、
こちらは寝息を立てて。]
道化師 ダハールは、岬守 シン を投票先に選びました。
― こみち ―
[太陽と月が挨拶をする宵の空の下。
昼でも夜でもない時間。
あの時別れたその場所で。
渡り鳥は少女を待っていた]
ヴェル。
[やってきた少女の表情を見て。
――大丈夫だ、そう思った]
こわがらなくて、いいよ。
さいごまで、ちゃんと。
ぐれいへんがいっしょにいるから。
ヴェルはまいごになったりしない。
ちゃんとかえれるよ。
[悠然と翼を広げる。
橙と群青が入り混じる空と大地の狭間。
侵される事のない、白。
ふわりと踵から宙に浮き上がる。
やがて爪先もゆっくりと大地から離れ。
両手を差し出し、少女の手を取った]
じゃあ。 いこ。
[ベリー色の瞳が閉ざされる。
つられるように少女もまた目を閉じた]
――ユメのむこうへ。
[少女の中から重力が消える。
深くて広い微睡みの境界を抜けて。
次に目を開いた時にはもう。
彼女の意識は*現実の中*]
― 少女達の部屋 ―
[ヴェルとはカーテンを隔てて別の場所。
シャルロッテの声が聞こえる。
無事目覚める事ができた様子にほっと一息吐いた]
――……。
[ベッドに腰掛けたままフロアの一点を見詰める。
ぐらりと平衡感覚が消えて。
がしり。
両手を突っ張って。
ベッドから転落するのを堪えた]
[視界にかかる白い霧が少しずつ晴れていく。
とても、険しい表情をしている事が自分でも判った。
ヴェルとそのまま顔を合わせる事はできそうになくて。
空きのベッドの上でしばらくじっと体力が戻るのを待った]
[岬の家に向かう途中、海を見てみた。
波の音がザ・・・ザン・・・となっているが
少しだけ、穏やかなはずの海が
ほんの少しだけ
乱れているような気がした。]
[先生方やヴェルの声は聞こえていたが
特に異常があるものではない。
強いて言うなら目覚めているらしき
ツヴィンクル先生に腹パンしたいぐらいか。
けれど、当然その体力はない。
近場の寝台で何かの音がした。
衣擦れ、寝息は聞こえない。
ツヴィンクル先生にはシャルロッテ先生が
何か、話しかけていた。では]
グレートヒェン 起きてるんだ。
[ぼんやりと思っただけだが、
思考がくちに出た]
うん。わかったあ。
[教えて、と言うカスミ>>7に、安易に少女は約束をする。
少女が、ピラフに星の旗を立てる日は、来ない。
だから、その約束が果たされることもないのだろう。
そんなことを、少女は考えない。
頼まれれば、頷くだけ。
何の重みもない約束]
うん。グレイちゃんに、お願いされたんだあ。
[首を傾げるカスミに、こっくりと少女は頷く。問われる言葉に、同じように首を傾げた。
合わせ鏡みたいに]
ぽかぽかお日様は、あったかくて気持ちいいよねえ。
だけど、リヴリアちゃんの手は冷たかったけど、だけど一緒に踊ったのは、楽しかったよう?
[返した言葉は、問われた言葉とは微妙にずれている。
"しあわせ"ってなんだろう?
多分その問いの答えを、少女は持たない]
[ダハールが起きたときに腹パンを食らわせにきただろうか
こちらは擬似の少女の肉体なのでダメージなどは
いまいち食らわない。
ダメージを食らうほどの力がダハールになかったのかもしれないけど。]
僕が大人の体に戻ったとき、いくらでもパンチしていい
だから今はちょっとタンマ、な?
[頭をなでられるなら撫でながらダハールにそう言うだろう]
[カスミの手が離れ、少女の手にはもうひとつ、星が残る。
もう行く、というカスミに頷いた]
うん。カスミちゃん、いつもありがとうねえ。
またねえ。
[振られる手に、同じように手を振り返して、お花畑を駆けていく背中を見送った]
……今、ヴェルと一緒に来たから、ね。
[一つ呼吸を整えてから。
聞こえてきた声音の主を思い描く]
貴方も、起きてたのね。
――少し、いつもより疲れた気がするわ。
貴方は何とも、なかった?
[夢の世界の転調は。
ヴェルを丁度あちらから連れて帰ってくる時に現れた。
その違和感が単に二人分の意識を運ぶだけの
負荷であったならば杞憂なのだが]
― こみち ―
[夢見る少女の姿は、夜が明ける頃にはすでにこちらにはなく。
小道の脇に渡り鳥が横たわっているだけだった。
見上げた空、流れる雲が少し早いような。
そんな気がした]
――かえれた、ね。
[ほんのりと笑みを浮かべる。
薄い胸がせわしなく上下していた]
ああ……ヴェルは、帰りたがってた……
半分、寝ているけどね。
ちゃん……と起きたら、休息に、ならないし
[あれ、気づかれた?と、自分が声を
出したことには気づいていない。
寝ぼけ眼の声が、ゆっくりとかえる。]
そう………だねぇ……
ちょっと、考え、すぎただけ……
に、しちゃ……眠い。
シンのとこ……で、飯 くったんだけどなぁ
あの子、なんか、こっち適応できるんじゃない、かなぁ……
わかんない、けど。
[カスミと別れたあと、ふたつの星をポケットにしまって、少女はレンゲを摘み始める。
リヴリアと約束をしたから。
少女の約束は軽いけれど、忘れない限りは果たされる]
……あれえ?
[花冠を作るには、それなりの数がいる。
せっせとレンゲを摘んでいた少女は、やがて不審な声を上げた]
お花、しおれてる……。
[常春のお花畑。
日が暮れることも、季節が移り行くこともない、永遠のお花畑。
いつも花はきれいに咲き誇っているはずなのに。
詰もうとした一輪のレンゲは、力なくしおれていた]
おかしいなあ……。
[いつもより小さくそう零した少女は、世界が綻び始めたことをまだ知らない]
[何やらパンチとかそんな単語が聞こえてくる。
道化師の少女を取り巻く込み入った事情は知らず。
――男の友情でも芽生えたのかしら。
とか明後日の事を連想した]
[そうして、レンゲを摘み進めるうち、拾い拾いお花畑のかなり外れの方まで来て]
んー?
あれ、なあに?
[お花に埋もれている何かを見つける。
枯れるはずのない花がしおれていたこと。そのことが、心に少しの影を落としていた少女は、新しい事件に飛びついた。
そうして、別のことに夢中になれば、またすぐに楽しくないことは忘れてしまうのだから]
なにかなあ?
[摘んだレンゲを落とさないように気をつけながら、軽やかな足取りでお花畑を駆ける。
やがて、日陰を求めるダハールに、小さな影を落とすだろう]
[ふっと、日差しが少し、和らぐ。
それよりも前に、可愛らしい声、軽い足音。
行き倒れの体現者は、
そのままの姿勢で、
少しだけ、仮面をつけた顔を上げた。]
や、やぁ ハル お邪魔しているよ
……この花畑は 木につく花は愛でられない、かな?
[彼女が望めば生えたりしないだろうかと、
風で揺れるタンポポの中で たずねた]
夢の中でも、あまり動き過ぎると。
体力は削れるから、ね。
[眠いというのには]
……自覚症状があるなら。
無理をする心配は、しなくて良さそうね。
でも。
少し、気を付けた方が良いかも、しれない。
何だかあちらの空気がいつもと違うわ。
[彼が一朝一夕で夢の世界に身を置いているわけでもない点も含め。
違和感が自分だけのものではないかもしれないと思うと気がかりだった]
シン……?
何か戻れそうな、兆候、……?
― →海岸線 ―
[手に下げたバケツの中には、
ぴちぴちと跳ねるニジマスや、岩魚。
バケツを片手に川沿いを下っていけば、
やがて海の見える場所へと開ける]
おや…… リヴリアぁ?
[遠目に見えた二人組の後ろ姿に、大きく声を掛けた。
43回追いかけた背中だ。背中を見れば分かる。
その隣を歩く鈴の髪飾りをつけた姿は、
誰だかひと目では判らなかった]
[近づくと、それは寝転がっている(?)ダハールだと知れる。
顔を上げたダハールに、少女はいつものように愛想よく挨拶をした]
ダハールちゃんだったんだあ。こんにちはー。
……ほえ? 木につくお花?
[唐突な質問にぱちぱちと瞬きをする。
お花畑が、ひたすらだだっぴろい草原であることの理由。
それは単純に、少女が春に咲く花がよくわからないから。それだけの理由だった。
腕組みをして、うーんと少女は考える。
やがて、ぽんと手を打った]
木に咲く花……ああ、桜!
お花見、素敵だねえ。
さくらんぼが食べられたら、いいよねえ。
ダハールちゃん、一緒にお花見、しよっかあ?
[少女が微笑むそこには、いつの間にか当たり前のように、一本の桜の木が満開の花を咲かせている。
花吹雪が舞う中を、少女は楽しげに笑った]
……終末、近い、かも
ねーさん、言ってたし……
巻き込まれたら……多分、死ぬ。心、が
[空気が違う。その言葉に、
先程あった姉の言葉、思い出す。]
シン、と、少し、話したんだけど
……すごい、興味と、実行力、だよ。
実験、と言ってたっけかな。
海水で、豆腐、作ってるんだ……
いつかは、皆に振る舞いもしてみたいとも。
あの子の親御さん過保護、何だっけ?
ちゃんと、話し合って……
彼女に、無理が、ない、範囲で
その興味を生かしてあげたら……ここ、よりもっと、
沢山、実験できそう、だしさ……
海が珍しいのかい?
[幾度となく海を見つめるローザに、そんな言葉をかけて歩く。
よもや実際の海を珍しがるとは思ってはいないけれど。
そうやって頭に浮かんだ言葉をを掛けて回る。
“知りたい”とそう言って、
少女は私と共にセカイを巡る。
“知りたい”と思うのは私とて同じだ。
知るためにセカイを巡るのだから。
その“知りたい”
その裏の見えない思いは同じ“知りたい”なのだろうか?
違う“知りたい”なのだろうか?]
ハルの子は、花のセカイ
星狩りの子は 星のセカイ
おひさまの子は 太陽のセカイ
潮騒の子は 海のセカイ
いろんなセカイ……
[どれひとつ同じセカイはない
セカイも違う 人も違う。
同じでなければわからない。
だから旅するようにセカイを巡る
言葉を 表情を 身体を巡り
私の知らないあなたを探る旅を続ける]
……終末?
[姉、というと彼と対を成す道化師。
夢の中でも道化の姿をしている彼女は、
何処か底知れない――世界を俯瞰しているような
そんな立ち居振る舞いをする人物だが]
心が死ぬ、ね。
あの世界は心で描かれている世界。
心が死ねば確かに、それは世界の終わりにもなるのでしょうね。
[もし少女達の心が外的に潰されるなら、
その前に少しでも戻るつもりのある者は連れて来なければならない]
……杞憂であれば、良いけれど。
[まだ転調の僅か後。
確証めいた事は言えなかった]
[瞬きする様子を、下から見上げ頷いた。
なお、中身は少年だが外見10歳程度の少女のスカートを
覗き見る趣味はない。]
――――わぉ
[やはり、と言う感想と同時に理解できても感情は驚く。
草原の花畑に樹齢、何年だろうか?
桜が聳え立ったのだから。
淡い花びらが舞い仕切る。
その花々は地面に柔らかな木漏れ日を作り。]
………お花見、いいね。いい、お花見日和だ
シンのところのパンでも一つ貰ってくればよかったよ
[頷きながら、照る日を避けるように
桜の根元へと草原を這って
……この桜は、いつまでも散りきらないのだろうか?
そんなことを、花吹雪の中思う]
んー?
[こてり、3者の会話に首を傾げる。
話題となっていたシンのカルテに手を伸ばす]
ああ…そうね。
眠ってしまってからしばらくも、ずっと手元においていたし。
適応…、ね。
……ご両親が、お話し合いに応じてくれればいいのだけれど。
どうかしら。
[連絡先が書かれた行を指でなぞり、むーん、と悩みこんだ]
……そういう、事。
[シンの現実での姿を思い浮かべようとする。
確か病弱で――こちらに来た切欠そのものは判らないが。
いつ頃からこの世界にいたのか、
最も古株に当たる自分でもよく判らない少女だったか]
……居場所は、知ってる。
会いに行ってみるわ。
[当たり前のように花を咲かせる桜の木。
少女の中に、"たった今存在するようになった"という認識はない。
既に少女の中で、存在して当たり前のものとなっている。
だから、驚くダハールに、にこにこと笑ったまま首を傾げた]
シンちゃん?
ふうん。
[少女はシンという女の子に、会ったことがない。
己の領域を離れない者同士、今までそんな機会はなかった。
海辺に住んでいる、ということだけは聞き知っている。
だから少女は無関心をつらぬく。
海は、嫌いだ]
[シャルロッテの声を聞きながら]
……核心的なところが何か。
眠っている理由は本人にしか解らないから。
どうにせよ、少し探りは入れなければ。
ならないでしょうね……。
[いつの間にか体は横になっていた。
目を閉じたまま少しだけ頭を抑える]
やあおひさまの子。
[振り返れば見知った少女の姿。こちらのセカイの歳は近いはずなのに、まったく異なる小麦色の肌。
快活な髪
手に持ったバケツを覗き込めば、川魚の群れ群れが淡水にキラリと輝いた]
今日はお魚かい? ふふ、海のお魚は良く目にするけれど、川のお魚はちょっと珍しいねぇ。焼いて食べるのかな?
ローザ、すぐにかくれんぼはいけないなぁ。
かくれんぼはちゃんと挨拶してからだよ。
[自らの後ろに隠れるローザの背をとんっと押して、ミズキの前へ進めようとする]
どうだろう……杞憂……で、見過ごして
後悔、するぐらいなら……
[枕に顔をうずめる。
後悔するぐらいなら……
…………
口をつぐんだ後、意識がしばらく途切れた。
その頃、あちらでは、
桜吹雪を見上げたところで。]
…………入院、しているん、だから
目覚めたあと、
無理のない、範囲で 色々
やらせちゃ、え……
[シャルロッテ先生をそそのかす。
必殺事後承諾。
患者の意思を優先しました。
を言って、寝台でにやり、笑う]
[暖かなそよ風が吹くたびに、桜の木は花びらを舞わせる。
けれど、決して散りきってしまうことはない。
永遠に満開の花を咲かせながら、ひらひらと花びらを舞わせ続ける。
それは、とても美しくて。
とても幻想的で。
とても不気味な光景かも、しれない]
……おなか、空かせていきな。
おいしーぞー
[等とも寝ぼけた声が口にした。]
ロリコン先生が姉と
今、向かってたはずー
[呼吸が傍目にも普通に見えるくらいになってから。
もそもそと両手をついて起き上がる]
――そら、が。
[落ちてきそうだ。
なんて脈絡の無い事を思う。
そして恐らく事実でもないのだと思う。
ただ、1人の少女を送り出した時。
翼に感じた、重さ]
――……。
[翼を引き摺り、歩き出す。
誰かに会わなければ、そんな気持ちで]
どうにせよ。
あちらの事を感じない事には。
どの道……私が、動くのは……。
あちら、側……だし……。
[すぅっと声が小さくなっていく。
微妙な沈黙も、その後のやり取りも。
聞いていたけれど、何も言わない――]
[…黙って、一度ダハールの頭を小突き]
そうね…
探ってもらえる?
あまり、ご両親が話したがらないの。
何度かお会いしたのだけれど…原因については口を噤むの。
[一段と薄い彼女のカルテ。
ふ、と溜息を付くと、グレートヒェンのほうに向かって頷いた]
[消して散りきらず、ただ、ただ
あたり一面を薄紅に染め上げる木の根元。
幹によっかかる。永久機関、
そんなものはありはしないのに。
今、思いついたばかりなことを忘れてしまったように
新たな植物を新鮮味をもって
触れる様子もないハル。]
嗚呼……そっか。
[シンの話題はすぐに途切れた。
興味がない、と言う風に。
あの子も、この子もここから、離れられない。]
[けれど、ハルの様子に何か思うことは
きっと、己にはおこがましい。
自分も、この世界に介入と言う形で帰らないのだから。]
――ハルはお花見、楽しいかい?
入院してる間で出来る範囲…ね…
何があるかしら。
[リヴリアのことはダハールにほぼ任せている状態。
シンについて、夢のなかの情報を読みながら、
やりたそうで、可能なことはなんだろうと、考え始めた*]
[それなら尚の事、やはり当人の様子から見当を付けるしかない]
ん……。
[小さく頷いて、嗚呼カーテン越しだったかと思い直し。
聞こえるくらいの声で、返事をした]
[花畑を出て、しばし後。
さほど歩いてはいないのに、頭上にはもう星空が広がっていた。
ちかり、ちかり。
瞬く星が、いっせいに尾を引いて動き始める。
視界に映る星が全部流れ星になったのか――いや、それにしては遅い、ような]
…………。
[この現象を説明できる言葉を少女は持っている。
持っているけれどここは夢の中。言葉は隠れて頭に浮かばない。
花水木の少女といると、月という言葉までも隠れてしまうように。
道化師たちが仮面に顔を隠すように。
あるいは花畑の少女が、周囲から夜を遠ざけてしまうように。
隠して遠ざけてしまいたいものが、少女にもある]
……にせものの星空、みたい。
[呟き、そして――思い出す。
その「にせものの星空」は、一夜の星の動きを説明するためのものだから、]
夜が――明けちゃう。
[時間の流れが早いのだ。
そのことに気付いても、しかし少女にはどうしようもなく]
[シャルロッテに軽く小突かれれば
くすくすと笑いながら、
寝ぼけた声で痛がって。]
ともかく、料理、すごいよ……
先生も、習った……ら?
多分、理系……
[そう呟いた声を最後に
ダハールの寝台からは規則正しい寝息。
静かに、あちらで目覚めた]
[足は水辺へと向いていた。
分かれ道で、立ち止まる]
――……。
[片方は水の流れのままに海へ通じる。
そして、もう片方は常夜の領域]
あはは、キミに不覚を取ってしまったからねぇ。
その伸びているだろうピノキオさんの鼻を折ってあげないと、狩りに邪魔だろう?
そう思って秘密の特訓をしていたのさ。
[『たくましくなっただろう?』とボロをひらひらさせて素足を見せるが、勿論なんの変わりもない、青白い脚。
どこまでもちがう彼女と仮面の脚。
この脚が山野を奏ね駆け抜ける]
[何か納得したような言葉を漏らすダハールに、少女は特に興味を示さない。
にこにこと笑顔を向けるだけ。
ずっと綺麗な桜を咲かせてくれる木の根元に座って、少女はご機嫌で花吹雪を見上げる]
うん。いいお天気で、本当にお花見日和だねえ。
お花もとってもきれいだし。
あっ、そうだ!
ハル、リヴリアちゃんに花冠作ってあげるんだった!
[ぽんと手を打つと、桜の木にもたれて、少女はレンゲを編み始める。
舞い散る桜の花びらもいくつか混じったかもしれない]
ダハールちゃんも、花冠、ほしいー?
[彼女の胸の内はわからない。
わからないからだろう、仮面はその一歩をすっと進めて、彼女の鼻を微かに触る。]
んー思ったほど長くなっていないね。
? ふふ……かわいい子だろう? ローザというんだよ。
今は親睦を深めて清く正しい文通から始めようと交渉ちゅうさ、
苛めるだなんて人聞きの悪いことを言うねぇ。
愛でてるんじゃないか。
んー? さては妬いてくれてるのかい?
眩しいキミに妬いて貰えるなんて嬉しいねぇ。
かわいいねぁ。よしよしキミも愛でてあげよう。
[嗤いながら撫でようと髪に手を伸ばすだろう。
その思いを戯れ言の中に隠す仮面。
彼女の胸の内がわかっていたら、もっとおちょくっていたかもしれない。
微かな異変に気付かぬふりをして
変わらぬ様を見せつける。]
…っ!
[出し抜けに名前を呼ばれて、そちらを向く。
眠そうな瞳に、暖かそうな白い翼]
渡り鳥、さん……。
[少女の頭上、想定は外れ、夜は、明けない。
星たちはいつの間にか最初の位置に戻って、夜空に軌跡を描く。
にせものの星空を映す機械が壊れて、
投影を延々と繰り返しているかのよう]
――こんばんは。
[挨拶の言葉は自然、夜のものになった]
おほしさま、たびをしてるの?
[見慣れぬ光景を見上げて、問うた。
これは星売りの世界、だから。
きっと星売りが知っていると。
そう、思ったらしい]
カスミは。
おほしさま、さがし?
[こてんと首を傾げ、星売りの傍へと歩いていく]
……花ってすごいよなぁ……
そこに、咲いているだけで いいんだから……
[楽しんでいると頷くハルに
改めて桜と花畑を見やる。]
へぇ……リヴリアに、か……
折角ハルが作ってくれるんだから、
似合う服を着ればいいのにな
[ここで、彼女の名を口にすることは少ない。
本人には言わない。彼女の性格上
否定してくるなんてわかりきってるから。
だから、他の少女に彼女のことを
尋ねたりするときぐらい。
今の、道化師の彼女に花冠。
昔……豪奢なドレスではなく
動きやすいからって、木綿のワンピースを着ていた
そのときならよく似合ってただろうな、と思いつ
にこにこ笑いながら器用に編み上げる少女を
穏やかに笑いながら見る。が]
へ?……や、僕はいいよ。
似合うわけないしさ
……花だって、ハルや他の少女のように
似合う子にかぶってもらった方がいいだろう?
キミは“妬く”のが上手いけれど
潮騒の子は“焼く”のが上手いからねぇ。
あはは、焦がしてしまうのかい?
ボクは残念ながらそちらの方は“役”には立たないからね。
それで、キミを嗤ってあげられないのが残念でならないよ。
そうだねぇ焦がすのならお魚じゃなくて、心を焦がしてあげればいい。
ローザ、この子は眩しい子だけれど、太陽を見て目がいたくなるようなことはないからね。
見て、遊んで、焦がして貰うといい。
肌と心を
[戯れ言に戯れ言を混ぜても戯れ言
けれど、本当の中に嘘があるように嘘の中にも本当はあるのかもしれない。]
[見せられる脚はむしろ不健康そうに細くて、
この脚が何故あんなに速く走るのか未だに不思議だ。
翼の生えた人間がいる世界で、
そんなものは今更の問だとわかっていても]
失礼な、鼻なんか伸びてないぞ?
なんったって私の実力だからな。
でもリヴリアが特訓頑張ってくれるなら、
私もまた受けてやっても………っ、 …ちょっと!
[青白くとも、未だそこに脚があることに
かすかに安堵して気を緩ませた隙を狙われた。
鼻に触れた手をぺいっと払うが、
頭に手が伸びてくれば避けようとしても触れられて]
長くなるわけがないだろう!
妬いてないってば……話せこのペテン師!
[気恥ずかしさで逃げ出したい……どころか、
心配したことを損した までの気分である。]
ダハールちゃんは。
"そこにいるだけ"じゃだめなの?
[せっせとレンゲを編みながらも、ダハールの言葉を耳に入れ、少女は首を傾げる]
ハルだって、ここにいるだけ、だよう?
[そして、それだけが、少女の望み]
リヴリアちゃんの、お洋服?
ああ、リヴリアちゃん、今日はちょっとくたびれた格好だったねえ。
[リヴリアの服装については、のんびりとそう返した。
7年前から続く今日の話。
これからもずっと終わらない今日の話]
ふふ、大した自信だ。
じゃあすぐそこだけど潮騒の子の家まで駆けてみるかい?
いや、ボクの挑戦を受けてください王者様。
受けて負けて『ぐぬぬ』ってする顔をする貴方様を肴にランチを頂きとうございます。
が、いいのかな?
[どう? っと言わんばかりにミズキとローザに小首を傾げたまま眺めてみせ]
お料理も、潮騒の子と競ってみたらどうだい?
キミならめきめき追いつけると思うのだけど。
ありゃ。
[花冠を断られると、意外そうな顔をした。
これまで断られたことなんか、なかったからだ]
ええーっ、ダハールちゃんだって、似合うと思うよう?
ムラサキツユクサなんか、ちょっと大人っぽくっていい感じじゃないかなあ。
[レンゲを編む手を止めて、検分するようにまじまじとダハールを見つめる]
……僕はね
”いるだけ”どころか、いるのもだめ
だってさ。リヴリアに、言われちゃった。
いっそ、桜とか樹木だったら、
傍にいられるのかなぁ
[首をかしげた少女に
泣き顔のお面のまま、
さめざめと泣くしぐさ一つ。
の後、おもむろに顔を上げて]
まぁ、それでも いるんだけどね?
……ハルが同じに言われたら、どうする
[ずっと、ずっとい続けているらしき少女。
けれど、彼女の中では、一日の出来事。
洋服の話には
「ハルみたいな服もきればいいのにねぇ」
と、こちらものんびり返す。]
[ただ、意外そうな顔には軽く目を逸らす。]
あー、いや、その……ムラサキ……?
ツユ何とか?はさておき、さ。
[まじまじと見られている。
園芸部でもない少年には花の名前は
難しくて、それがどんな花かもわからず
まさか、男だから勘弁とも言い出せず
彼女の視界をさえぎる様に両の手を顔の前に。]
[思い出す―――
星を追うようになったきっかけ。
辛い出来事があって、逃げ込むように入った丘の上の見慣れぬ建物――天文台。
そこで見上げた星空が、傷ついた心を洗い流してくれたから、今の自分がいる、と。
マイクを向けられて、そんなことを語った記憶がある。
まばゆいスポットライトで照らされた気分のまま。
けれど、天文台でのもうひとつの出会いについては話さなかった。
秘めた恋心まであけっぴろげにしてしまう気がして。
星を追いながら、星空に楽しげな眼差しを向けながら。
心の中ではその人の背中も追っていた]
こんばんはあ。
[明けぬ夜をちらりと視界に入れた後、夜の挨拶を返す]
………旅をしてるのとは、違うんですよう。
流れ星じゃないんですよう。
でも、んー……、
お星様、急ぎ足で歩いてるみたいで、落ち着かないですねえ。……わたしが。
[説明になったかどうか分からなくて、困ったような笑顔が浮かぶ。
渡り鳥の少女の問いかけにゆるく頷いた後、少女もこてんと首を傾げて]
……もしかして、いっしょに探してくれるんですかあ?
/*
じわじわ。(設定を出す音
未定ではないけれどたいみんぐというやつがね
あ、でも告白したか否かがまだ……にゅーん
この後彼が女の人と仲良く歩いてたのを追っかけたのがきっかけで失恋します
まあ、いい。
そうとなったらローザ、君も走るだろう?
あの家まで競争だ!
[気を取り直して。
もう目前に見えるシンの家を指差して、
ローザに向けて笑いかけた。
手に持つ二つのバケツのうちの一つをリヴリアに渡す、
ローザへのハンデだ、と伝えながら。]
位置について―――……
よーい、ドン!
[少し逸り気味に有無も言わせず、
砂浜のかけっこへと*駆け出して行く*]
ながれぼし、ちがう?
そっか――たびびとさんじゃ、ないのね。
[急ぎ足、落ち着かない。
眠たげな表情には感情らしい感情は浮かんではいない。
ただあるがままに大きな瞳で夜空と、
そして困ったように笑う星売りを映した]
カスミがさがしてるおほしさまは。
どんなおほしさま?
ぐれいへんにも、とどくかな。
[一緒に探す。
その言葉に頷いて星売りを見上げた]
ボクを調味料にしても“ろく”な味にならないんじゃないかい?
[ろくなことにならないんだろう? とクスクス嗤いながらも仮面の中で巡る思考。
貧弱な……出会った頃のあのたどたどしい様子ならばそうだろう。
けれど、最初とは見違えるように良く回るようになった舌。
無論『話す』と『味見』ではまるで違うのだろうけれど、その眩しいまでの向上心を見せる彼女からは、やはり少し何かがひっかかる]
ふふ、ならばそちらの方はボクの方がキミよりがんばっているようだね。
聞いて驚くといい。苦節5(6)年にしてボクはついにウサギちゃんリンゴを作ることに成功したのだよ。
[ふふふ、と胸を張ってみせる。
……それは“現実”での話なのだけど。]
[二人の対話に、微笑みを浮かべて聞いていたが
突如として始まった競争にはただ目を丸くした。
バケツのひとつをリヴリアに渡すとかけていくミズキ。
呆然と見送る。]
/*
「聞いて驚くといい。苦節5(6)年にしてボクはついにウサギちゃんリンゴを作ることに成功したのだよ。」
姉さんwwwww不器用すぎるwwwww
いるのも、だめ……?
[強い拒絶の言葉に、少女は小さく息を飲む。
それから、困ったように眉を下げた]
どうしたんだろうねえ?
リヴリアちゃん、そんな意地悪、言う子じゃないのになあ。
それでも、ダハールちゃんは、リヴリアちゃんの側にいたいんだあ?
ダハールちゃんは、リヴリアちゃんが好きなんだねえ。
……うらやましいなあ……。
[そう口にしてから、少女はきょとんと瞬いた。
それは、意図せぬ言葉。
うらやましいって、なんのこと?
少女には、心当たりがない。
少女の望みは、いつまでもずっと、ずうっとここにいること。それだけのはずだ。
誤魔化すようにへらりと笑った少女は、続くダハールの問いかけに、困る、と端的に答えた]
そんなこと言われたら、ハル、困るよ。
だって、ハルには他に行くところなんて、ないんだもん。
[カルテを読みながら、本体の体の数値も確認する。
毎日のチェックだ。
このまま少女の世界に入り込んだまま肉体が死ねば
普通に死ぬよりも恐ろしいことになる。
そのリクスも重々承知の上。
少女たちを救いたい、なんて気持ちがないわけじゃないけどそんな聖人でもない。
医者という職業について、それていてこの役割に与えられた報酬は大きかったのだ。]
世界が、終わる・・・か。
[そう答えた時、少女の顔から、表情は消えてしまっていたかもしれない。
少女にはわからないこと。少女は、考えないこと。
"楽しくないことは、なかったことに"
やがて、少女はケロリと表情を取り戻す。
顔を隠すダハールに、にこにこと楽しげににじり寄って]
ダハールちゃんは、恥ずかしがり屋さんなんだねえ。
[のんきにそんなことを言うのだった]
[困ったような表情。
それ自体がハルには珍しい。
編みかけのレンゲの花冠を持ったまま。
彼女が自身の言葉にきょとんとする様子を
彼女の言葉に苦笑を返しかけた泣き顔の仮面で
じっと見た
…………うらやましい、その言葉を発した彼女を。]
[困らせてごめん。そう、口にするよりも早く
とうとう表情が消えたハルは
いつもの様子を取り戻す。
浅く息を吐いた。
彼女の様子が、
見ているこちらが切なくなった。
でも、当の本人は、
きっともう、忘れてしまった。
だから。]
だ〜〜〜 そうです、そうなんです。
それはもう仮面をかぶるくらいには。
なのに、にじり寄ってくるような、子は
……えいっ!
[楽しげににじり寄るハルに調子を合わせて、
真紅のローブ姿は顔(仮面だが)を隠していた両の手で
彼女を捕らえながら軽く抱きしめようと。
……忘れてしまったとしても
彼女の感情を安堵させられればいいと、
怖い話を聞いて怯えた自分が
そうされて安堵したように。
時折刃物で切り傷をこしらえ
包帯を巻いていた手がしたように、
その黒髪をそっと撫でようと。]
やれやれ、ボクを出し抜くまでになったなんてやるじゃないか。
[駆けていく背を眩しげに眺め、傍らで呆然とした様子のローザへ顔を向ける。]
元気でいい子だろう?
もっとも……いい子じゃない子はいないのだけどね。
ここには。
[『ああ、一人いたか』と小さく呟いてから、バケツを持ち直し、走り征くミズキはこうしている間にもどんどん離れていくだろう。
もはやまともにやって追いつける距離ではないのだけれど]
ー回想・ハルの少女1ー
[この世界にきてほんの間もない頃の話。
最初に飛び込んできた世界は
花畑の近くの草原だった。
おだやかな春の気配を近くに感じ
風に目をつぶった。
そんなとき、髪に絡まっていたリボンが解けて
風にさらわれた。
こちらの世界で身に着けているものをひとつでも
見失えば元の世界に戻れなくなるし
なにより来て早々の失敗なんて始末書ものだと
そのときは考えて、慣れない体躯でリボンを追った。]
……わ、ぁ。
ロマンチックですねえ、流れ星を旅人さんにたとえるって。
[とん、と、手が「星」の入ったビンを叩く。
表情には感嘆がすんなりと滲み、大きな瞳を見つめ返してふわりと笑う。
――前に、どこかで誰かが、
似たようなセリフを言っていた、ような?
取りとめない思考が浮かんで、ぱちりと瞬きひとつ]
ん〜〜〜……、
夜明けの空に、ぽっつーんって残ってるお星様。
ばいばいしたいんですけどねえ、いっつも寝ちゃうんですよう……。
[夜と朝の境界が曖昧に引かれる時刻。
あの時、夜が明けると呟いた時、
ついにその時を起きて迎えられるのか、と、期待と不安が少女を一通りかき回していった。
しかし現状はこれである]
たぶん。……がんばって起きてれば、きっと。
[前向きな言葉をかけはするけれど、
渡り鳥の少女はお世辞にも夜更かしが得意そうには見えなくて。
言葉が続かず、星空に視線をそらした。
そもそもこの夜が明けるのかどうかは、ひとまず考えないことにしながら**]
勝負は勝負だ。挑まれた勝負を無碍にする程ボクはできた子ではないからね。
ローザ。キミも駆けよう。
それが彼女の望だ
無理はしなくていいよ。でも自分のできる精一杯を。
それが勝負だからね。
[戯れで挑んだのは自身の方なのだけれど、そんな都合の悪いことは棚にあげておく。
前を見据える、彼方の背を睨み付ける。
嗚呼良かった。彼女は未だ燃え尽きることなく
太陽を求め溶けることなく、の地上の翼は素足に宿っている。
ならば私も駆けていこう。
弾けて活きる生を近くで眺めに
私は駆けた
波踊り 風薫る 海原の裾野を]**
/*
ザ・あとづけ
黄昏時は、起きて迎えられる
ただ、極端に短いというか、ぱっと来てぱっと切り替わるというか たぶん そんな感じ
/*
もしかして落ち=目覚めに向かった方がいい……?
Q.そういえば裏目標:相方より先に落ちない、は
A.…………ナンノコトカナー
/*
リヴリアゎ走った……
ミズキにまけない……
でも……
もぅつかれちゃった…
でも……
あきらめるのょくなぃって……
リヴリアゎ……
ぉもって…
がんばった…
でも……
バケツ…重くて……
ゴメン……
まけちゃった……
でも……
リヴリアとミズキチャンゎ……
ズッ友だょ……!!
[楽しくなかったことはすっかり忘れて、楽しげに笑いながらダハールににじり寄る。……と、不覚にも捕まってしまった]
わあっ!
あははっ!
[不意打ちに驚いた声を上げたあと、少女は心から楽しげにきゃあきゃあと笑ったけれど]
どうか、したの……?
[髪を撫でてくれる手が、あんまり優しかったから、程なくして少女は少しおとなしくなる。
花は春の象徴。
けれど、少女は自分がどうして春に固執するのかも、夏と海をあんなに拒絶するのかも覚えていない。
自分が夏に、何をなくしたのか、そんなことは覚えていない。
"嫌なものは嫌"としか言い様がない。
だけど、髪を撫でてくれる手が、あんまり優しかったから]
……かぁくん……?
[呟いた言葉は、無意識。少女の覚えていない名前。
きっと少女は、呟いたことすら気づいていない]
[鏡のように他人の表情を映す星売りを確か何処かで見たのだ。
柔らかい笑顔、喜ぶように翼が微かに揺れる]
ながれぼしさんは。
だれかに ねがいごと とどけるためにはしってるのかなって。
だから、いつもかけあしで。
だから いっちゃうまえに。
いそいでおねがいしなきゃ、だめなのかなって。
[星を集めた瓶の中。
詰まった星には誰かの望みがかけられているのだろうか。
そんな事を思う]
よあけの、おそら。
あかと、あおが、いっしょになって。
しろい、おそら。
[太陽の光にかき消されず残る星。
とても強く光る、星。
眠らない小鳥は狭間の空の色は知っていた]
ぐれいへん、おきてるよ。
いつもね、きのあなの なかにいるの。
でも、おそとにいたら。
みつけられるかも、しれないね。
カスミは。
あさと、よるの、まんなか。
いってみたい?
[満天の夜空を見上げる。
まるで、行けるとでも言わんばかりに]
ぐれいへんは、おほしさまのつかまえかた、しらないから。
でも。
カスミをおそらまで。
いっしょにつれていってあげることなら。
できるんだよ。
[その誘いに、星売りは何と答えるだろうか――**]
[腕の中で、きゃっきゃっと笑う姿は懐かしい。
当時は自分もほとんど同じ年齢で
こんなにすっぽりと、
包み込むことは出来なかったが。
指通りのいい黒髪を
梳くように撫でているうちに大人しくなった
ハルにたずねられて、
緩く首を振って……どうも、しないよと。]
[小さな呟きが聞こえる。
誰か……男の子の愛称じみた、何か。]
[彼女が亡くした世界を思い出す。
仮面越しに額に額を重ねる動作は
応えるように頷く仕草にも似て。]
[散りきることのない桜吹雪の中、
彼女が、道化師の緩く回した腕を解くまで
小さな姉さんを、大きな弟は抱きしめていた。
暖かな、木漏れ日の中ただ、ただ静かに。
――*穏やかな時間だけが、ただ、ここに*――]
渡り鳥 グレイヘンは、星売り カスミ を能力(襲う)の対象に選びました。
渡り鳥 グレイヘンは、岬守 シン を投票先に選びました。
料理くらい、私だって作れるわ。
[――否。
学生時代、家庭科は3だった]
……世界が終わる?
全体的なものなの?
……リヴリアや、ヴェルだけのことかと思っていたわ。
シンも、ね。
…おおきなことになりそう、なの?
道化師 リヴリアは、岬守 シン を投票先に選びました。
道化師 リヴリアは、道化師 ダハール を能力(占う)の対象に選びました。
−海岸線の家−
…理系?
[首を傾げる。
自分の実験の結果を既に平らげた仮面を眺め、
そして漸く少女の食事も終わろうとしている。
海に、聞いて少女に浮かぶのはやはり一つの苦笑い]
[泣き顔の道化師を見送って
食事の片づけを済ませると、少女は夜光貝を削り始める。
緑の層の下、白い薄い層を削り、漸く表れ始める眩い遊彩。
口元を緩めたのも束の間、緑や白とのコントラストをはかるように
慎重に手元では水につけた紙鑢が動く。
空を見上げれば、眩しいのか淡い色の瞳が細まった]
…海じゃないところ、
[見上げた視線を磨き上げた貝に落としながら呟く]
[磨く手は続く。
呟きは海のほうへと流れてしまった。
アクセントに緑と白、真珠の遊彩を中心に。
頃合まで磨きあがった大きな貝、
少しばかり油を表面に馴染ませて更に光沢を出す。
指先を使ってよくすりこんで完成したものはテーブルの上。
角の取れたガラス片と流木を積み上げて支えて
人がよくやってくるほうに置いた。
空になった籠を抱えてまた波打ち際へ。
今日はどんなものが流れ着いているのか、
日が巡らなくてはそれは少女にもわからない]
[流れ着いていたものを籠の中に拾い上げる。
硝子の浮き玉、帆立の貝殻。美しい桜貝。
また蟹が打ち上げられていて、沖へと放り投げて海へお返し。
海草は今日も幾らか上がっていて]
天草があるといいけど…、
[海草を拾い上げながら歩く最中、
明らかにいつもは流れてこないものが一つ。
白い布の様な塊]
…なんだろ、
[籠を置いて、その白い布を波で洗って広げてみる。
一瞬の沈黙、波の上に洗ったばかりの白い布が落ちて
波に攫われてやがて少しずつ遠くなっていくそれを
慌てて拾うために追いかけて、腰まで使った海の中。
流れてきたものを恐る恐るもう一度確かめる。
いつ振りか、白藍の着物。
見覚えがある。ここに来るまで、自分が使っていた]
…、…
[皺がきつくよるほどに襟を握り締めて息を吐き出す。
身体に当たる波はちゃぷちゃぷと細かい
まるで鈴波と呼ばれるもののようであった。
大きくよくないことが起こる前触れの波]
…嫌。
[小さく呟いて、海から逃げるように浜へと戻る。
やがて近くなる、海岸線へと走ってくる少女たちの存在
見つけて少女は漸く着物を握り締める拳の力を抜く。
着物を籠の奥に押し込んで浮き玉で隠して、
この海にいる自分の存在を示すように大きく手を振った**]
お花畑の ハルは、星売り カスミ を投票先に選びました。
[ぱちん! と耳元で火花が散ったような気がした。
はっと少女は顔を上げる。
しばらく呆然とダハールの顔を見つめていたけれど、やがてはっと我に返り、誤魔化すような照れ笑いを浮かべた]
ダハールちゃん、ごめんねえ?
なんか……なんか、ちょっと、懐かしかったんだあ。
[そっと腕を解いて、少女は口元に貼り付けたような笑みを浮かべたまま、目を伏せる。
懐かしい?
何が?
少女には、懐かしむような思い出なんか、なんにもないはずなのに。
考えない。考えるな。
むずかしいことは、考えない。
楽しくないことは、なかったことに]
………。
[淡い微笑が浮かぶ。
親が寝しなに聞かせてくれる御伽噺に、目を輝かせて聞き入る子供のような。
けれど気持ちまでももうすっかり子供――というわけではなく、
心の中の冷めた部分が、これは夢物語に過ぎないと告げていた。
ただ流れるだけに過ぎない星に、自分の都合で勝手に物語を生み出して。
けれど、物語の方がずっと綺麗だから。
微笑んだまま渡り鳥の少女に、こくり、と頷いてみせた。
ほら、ビンの中の「星」だって。
わたしの、だれかの、みんなの願いごとが詰まってると思えば、
こんなにも綺麗]
白い、お空……。
[また、期待と不安がごちゃ混ぜになって襲いかかる。
夜明けが来る前にいっつも眠ってしまう少女は狭間の空の色を知らない、
そういうことになっている]
あったかそうですけど、横になれないんじゃないですかあ?
ああ、それでいつも眠そうにしてるんですねえ……。
[合点が行った、という風にゆるりと瞬きを繰り返した後、
続く問いかけに、目を、見開いた]
素敵ですねえ。お星様の近くまで行けそうですねえ。
連れてってくれるんですかあ?
[期待先行。
片方の手を翼みたいにぱたぱた、と羽ばたかせながら、
自分がお空にいるところを想像して、笑みを浮かべていたが、]
かえったらみんなにもお話して――――……おはなし、して、
[ふいに空虚になる。
ぽろり、と片方の目から涙がこぼれ]
―――…帰りたくない。
[夜を裂く囁きは少女自身の耳にも届かないほど小さく、小さく。
表情を驚きで満たして、ワンピースの袖で涙を拭う]
ごめん――かえれなくなるんじゃないか、って思ったら、
こわくって……。
だって、わたし、まだ、みんなとお友達になってないんですよう……。
ミズキちゃんときのう、お話できたんですけど、
うまく、ばいばいできなくて。
[星売りの少女を「この世界」へとひきつける強烈な存在があるとすれば。
それは頭上で広がる明けない夜のぬるい闇ではなく、
地上で野山を、森を、色んなところを駆け巡る『太陽』だった。
涙は止まらず、こんな顔を見せたくないとばかりに、
くるり、と渡り鳥の少女に背を向ける。
「星」を抱えているから両手は使えない。
とっさに手離すという発想が出てこない。
月明かりが――眩しい。
今すぐ隠れてしまえばいいのに**]
……… っ。
[『嫌だ』。
まだお友達になれてないのに。
ようやくあの子の気持ちとわたしの気持ち。
触れ合えた気がするのに。
このまま、どこか気まずいまま、帰れないところまで飛んでいきたくない]
……昨日、言ってましたよねえ。
わたしが泣いてくれたら笑うの、考える、って。
[そう思うのに、嗚咽を絞りきるような声、の後に出てきた言葉は、
どこか素直ではないもの、だった**]
/*
まさか泣くとは思わなかった……
そしてミズキちゃんには「わたしがいなくなったらどうする」的なことを訊く予定がごらんのありさま
わたしは説得に応じられる応じられる……
ウサギちゃんりんごに5年?
君、それはいくらなんでも不器用すぎだろう。
りんご剥きなら私のほうが上手いぞ。……多分。
[獲物を捌くことなら出来る少女は、
やれやれ、といった様子で小さく肩をすくめる。]
それにしても懐かしいな。
私も、昔はよく……
[味など二の次の、ただ栄養を摂取するための食事。
そんな中で唯一好きだったのがうさぎりんごだった。
けれどその内に、りんごを噛む力も、
それを嚥下する力すら無くなって、
自分の舌で物を食べることが、出来なくなって―――]
[考えれば考えるほど暗がりに落ちていく。
ならば―――考えてはいけないのだ。]
……よーい、ドン!
[自分で自分のために号令をかけて走りだした。
先手を切って。風を切って。
後ろでリヴリアが上げる文句の声も、
唖然としたローザの表情も、届かない。
砂浜の上、ときどき足を取られそうになりながらも
太陽宿す脚は駈ける―――『翔ける』]
[泣き出すのを堪えたような声だった。
一度だって聞いたことのないような、
それでいてもうずっと前から
笑顔の裏にちらちらと、見え隠れしていたような]
泣いてる、の、 か………?
[困惑と、心配とを織り交ぜた声で問いかける]
[夏の山はまだ太陽天高い昼の時間。
けれど遠い野の方角を見やれば、
黄昏――そして夜の訪れる、暗い空。]
……星売り、 ―――……。
[どこかから、星が泣いている声が聞こえた気がした。
けれど走り出すことも、振り払うことも出来ないまま
太陽の子はその場に佇む。]
[空を見上げる青葉の瞳は、
世界の異変に未だ気づかない。
夏の野山に存在しないはずの月が上る。
陰る太陽――隠されゆく光。
これからはじまろうとしている、*日蝕に*]
[巡る刻の輪廻 駆け抜ける風
私は彼女と44回目の駆け逢いを紡ぐ。
視線の先に揺れる日輪と大地の髪
躍動する肢体 眩しく煌めく汗
それを追いかけ 走る 走る
踊るように 跳ねるように
少しの間、逢えなかった刻を一片に集めるように見つめながら。
彼女は私をもう超えた
43回目のあの日から、私は彼女をもう振り返る責務も権利も失った。
彼女は翔け征く 大地の翼を命に宿し 生命を燃やし。
私は駆けるだけだ。私に翼はないのだから。
生は凍っているのだから。
だからもう追いつけない。
“異変”が訪れさえしなければ]
[44回目の駆け逢いは、その異変によって終わりを告げる。
おひさまの振り返す手が止まる。足が止まる。
翼が止まる──]
……
[見上げた空 太陽に蝕れる月の掌
雲を払い、その雄大にして艶やかな身体を侵す理
現の世界ならば、物珍しいことながらも起こりうる朔日の戯
けれど、ここに世界の理は存在しない。
ミズキの元に月が昇らぬことは、おそらく知らない。
私が彼女に会いに行くのはいつも昼と定めていたから。
同時に私が星の彼女に会いに行く時は、
黄昏を待って宵を纏うのだけれども……
それでも、“それ”がおかしいことは
彼女の様子を見ればわかることだ]
おひさまの子、ゴールは自ら向けに来てくれることはないよ。
翔け征くのだろう? 翔け抜けるのだろう?
なら、今はまだ佇む刻じゃない。
……それに潮騒の子が待っているよ。
真昼の子は焦がすだけでいいのだよ。
焦らすのは真夜中の所行だから
[追いついたのなら、バケツを持たない方の手で肩を抱いて、仮初めのゴールへ誘ったことだろう。]
むりにつれてったり、しないから。
[怖れの理由を語る様子に耳を傾ける]
カスミが、へいきっておもえるようになったら。
それから、おほしさまにあいにいけばいいの。
ぐれいへんは。
ひとりでは、いっちゃったりしないから。
[夢が少女を拒絶する可能性もまだ。
今は知らないから]
ミズキと。 おはなしできたら、いいね。
[背を向ける星売りの素振り、敢えて見ないふりをする]
それじゃあ。
ぐれいへんは、いくね。
[月明かりを見上げて、わざと羽音を立てて飛び立つ。
涙を見せたくないというのなら。
せめて泣くのを我慢しなくて良いように]
[そして、手を振っていたシンへと緩やかに手を振り返し歩み寄る。]
やあ潮騒の子。今日も海は煌めいているね。
今日もキミは輝いているね。
ああ、今日も大漁だね。ステキなものを拾えたかい?
[その籠に彼女にとって“ステキ”ではないものが入っていることなど露知らず、膨れあがった籠を眺めて常と変わらぬ様子で語りかける]
浜風が聞かせてくれたのでね。
ここに来れば美味しいご馳走を頂けると。
波風が教えてくれたのでね。
早く来ないと育ち盛りの欲張り泣き虫君が
全部を平らげてしまうよと。
陽風が誘ってくれたのでね。
今日は川魚は美味しいよとね。
だから、ボクはお腹の声で答えたのさ。
たいへんたいへん。
背中がくっつくまえに急がなきゃ
ってね。
浜風が聞かせてくれたのでね。
ここに来れば美味しいご馳走を頂けると。
波風が教えてくれたのでね。
早く来ないと育ち盛りの欲張り泣き虫君が
全部を平らげてしまうよと。
陽風が誘ってくれたのでね。
今日は川魚は美味しいよとね。
だから、ボクはお腹の声で答えたのさ。
たいへんたいへん。
背中がくっつくまえに急がなきゃ
ってね。
だから走ってやってきたのさ。
おかげで汗だくだ。はらぺこだ。
[カラカラ嗤いながら、手に持ったバケツをシンに見せる。
端の方で、いつの間にか肩から下りていた白蛇が、戻ってきたかやって来たかわからない子蟹と対面し、遊び遊ばれ弄ばれて、尻尾を巻いて帰ってきた。
その口に石花菜の欠片を咥えながら。
空に見せ始めた“異変”の痕
崩れていくセカイ
海の様子はどうだっただろう?
そして彼女たちの様子は?]
潮騒の子、変わりはないかい?
[期せずして慮るような言葉が口をついた]**
― こうや ―
[月明かりを背に渡り鳥は海辺を目指す。
だけど]
――……?
[荒れ果てた野に迷い込んだ。
正確には今まさに朽ちていこうとする野に。
そこがかつて夢見る少女の棲んでいた場所と判るのに
幾らかの時間を要した。
誰かが夢を去ったとしても。
時間をかけて極自然に理が消滅するか、
あるいは他の誰かの夢に同化するか。
少なくともこんな姿で残ったりはしない]
[小さな姿を見下ろす。
呆然と見上げていた姿が動き出す。
時を止める為 色々なものを置き去りにした姿は
言葉に、微か綻びを乗せて。]
……そっか、懐かしかった……か。
いや、謝ることはないよ。
――…………思い出ってさ、思い出すと、楽しいよね。
その時の、楽しかったこと、とか思い出して。
[お人形めいた笑い方に見えるハルに
そう零す。
それは、子供 の楽しみ方
……では、ないかもしれないが]
―海岸線の家―
…ミズキ?
[振っていた手を止めて少女たちのやり取りを見る。
なにか話しているその後ろ、太陽は少し光が弱い。
バケツを揺らしながらやって来た二人に
再び緩く手を降りながら近づいてゆく]
いらっしゃい、…浜風?
──ああ、もしかして
[泣き顔の道化は情報源となったらしい。
籠を抱えたまま建物の方へと歩き出す]
パンとハムの事ね。
……小さい頃さー 姉さんと手をつないで寝ると
同じ夢を見ることができて
そこで遊んで楽しかったなー、とか。
よくさ、夢って見た後忘れちゃうて言う話を聞いて
姉さんが、それについて聞いてきたこともあったな……
逆に……忘れてしまうのは……
忘れられるのは……悲しい
せっかく同じ時を過ごせたのにさ
忘れちゃうのは……楽なんだけど、さ……
[解かれた腕、道化師からも腕を解いて
軽く、頭を撫でるに留めて。
リヴリアとは言わず、姉と口にしながら。
遠い昔、口にしたことを、もう一度口にする。]
なーんて、僕も年かなー
近頃疲労が抜けなくてね?
懐かしいなぁ……あの頃……楽しかった。
[そうして、彼女の髪から手を離して、
両の手を地面につけ、
そこに体重を預けて空と花を見上げ笑う。
懐かしさ、遠い思い出。
もう戻らない、無邪気な日々。
胸が、痛む。同時に、その痛みさえ 大事 だと思った]
[バケツの中を覗けば蟹がいる。
蛇が負けている器の中には淡水魚]
いい型ね、綺麗。
んー…獲れたてだろうけど焼こうか。
生はちょっと危ないからね。
塩竃にしてもいいけど、出来るかな…。
[川魚らしい、しゅっとした細いフォルム。
見下ろしてあれこれ思い付く実験方法
それを遮るような道化師の声に
顔をあげて少しばかりの沈黙]
…。
この浜は、毎日どこかしら何か違うから。
[浜に打ち上げられるものも。
訪れるものたちも、また]
道化師 ダハールは、無口 ローザ を投票先に選びました。
[走り出したリヴリアに、少しだけ困った顔をしてから小走りで追いかける。
チリンチリン小さな鈴が小さな音を立てる。
二人を見失えば岬の少女のところへも行けなくなってしまう。]
渡り鳥 グレイヘンは、岬守 シン を能力(襲う)の対象に選びました。
[もう少し。もう少しすれば、"楽しくないこと"はなかったことになる。
そう、思っているのに]
思い出すと……楽しい……?
[まるで反対のことを、ダハールは言う。
"なかったことにする"のを邪魔するように、きょうだいの話をする]
ハルは、ハルは……。
[自分に言い聞かせるように"ハル"と少女は口にする。
はーちゃんなんて、知らない]
ハルは、思い出なんて、いらないんだあ。
楽な方で、いいんだよ。
[にこにこ、いつものように見える笑みを浮かべながら。 いつものようにおっとりした声に聞こえるように。
けれど、いつも血色のよかった頬は、今は紙のように白い]
ハルは、なんにもいらないの。
ハルは、このお花畑があればいいの。
だって、なんにもなかったら、
なんにも、なくさずにいられるでしょう?
[だから、少女は空っぽでいい。
記憶も、思い出も、心も、笑顔も。
なんにも持たないがらんどうでいい]
― そら ―
[風がいつものように行き先を教えてくれない。
それはこの世界に訪れつつある予兆なのか。
それとも]
――……。
[気付けば荒れた波の上にいた。
水際すれすれで滞空すると足の裏を白く泡立つ波が舐めた。
底に何かが潜んでいるかのような深い海。
その上を滑るように、爪先を海水に遊ばせながら。
陸地を目指して海岸線へと滑空する]
…新顔ちゃん?
[こちらに頭を下げた少女をじっと見る。
見覚えのない顔、いまの段階ではただただ異質な存在。
籠をテーブルの脇に起きながら少女たちのために椅子を引く]
まあ、立ち話もなんだし…座ったら?
いま、何か用意する。
[どうぞ、と椅子を指し示す掌]
[ 余りに沢山、一度に、大事なものをなくしたから
無くす事への恐怖。
それでも全く持たずにいることはできない。
事実、彼女はこの花畑だけを持っている。
………現実で話した会話、世界の終末……
杞憂であれば、いいのだけれど。
彼女の現実の身体が、まだ保てばいいのだけれど。
けれど、今は、それらは言えない。
紙のように白い表情を見ればそれは一目瞭然。]
……………そっか。
ハル、顔……白いよ。
たっくさんしゃべったから疲れただろう……?
ちょっと、昼寝しようか?
花びらのお布団で。
[中身があろうと、なかろうと
彼女は今ここにいて、
それを選択しているなら……
もし、世界の終末が確実となったら
また、お話をすればいいだけだと。
そう思って、話題を切り上げて
わざと髪を乱すように、わしゃわしゃと撫でた]
― かいがんせん ―
[海に臨む家が一軒。
丁度リヴリアやローザの反対側からやって来た形になるか。
多分、シンが向いているのとは反対方向。
ローザの姿に目を留めて。
ぱちり、瞬いた]
随分、仲良くなったみたいね。
[鈴の音の出所がいつもと違ったから。
そんな感想を抱いた]
……カスミは。
もう少し時間が必要みたい。
今連れて行っては、きっと心残りができる。
体の方さえ、問題ないなら。
[それと、付け足す]
――夢の世界が、やっぱり変調しているわ。
眠っている子達の体に何か変化は。
出て、いない?
―回想:ローザちゃんと出会った時のこと―
[その時、少女はマーガレットを摘んでいた。
誰かのお庭から種が飛んできたのかな……なんて、少女は考えない。
お花畑は、春の象徴。"春に咲くお花"という少女の曖昧なイメージで成り立っているそこには、野草もそうでない花も、本来なら時期のずれている花も、でたらめに共存していた。
結構な数を摘んで、少女は満足気に頷く]
これだけあったら、素敵な花束になるねえ。
……だけど。
[そこでハタと困った。花束にしようにも、まとめるものがない。
丈夫な草を使って束ねようかとも思ったけれど、それもなんだか可愛くない]
どこかにリボンとか、ないかなあ。
うう〜ん……。
……えっ!?
[その時、風に乗って、まさに花束にうってつけの素敵なリボンがやってきたのだった]
わあっ! なんで? なんで?
すごい! すごおい!
[びっくりしつつも、少女は物事を深く考えない。
歓声をあげながら、早速リボンを使ってマーガレットの花束を作る。
きゅっと蝶々結びにして、満足気に頷いた時、リボンを追いかけてローザがやってきたのだった*]
[けれど、少女の知らぬところで、けれど着実に"世界の終末"は近づいていて。
目覚めた時、少女は気づくのだ。
リヴリアのための、まだ作っている途中のレンゲの花冠。
決してしおれるはずのないそれが、しおれてだめになっていることに]
リヴリアに、ローザ。
――ミズキもいるの?
[岬守の姿があるのは当然なのだが。
いつになく人が集まっているのを見て足を止めた。
濡れた足にはあちこち細かな砂と、
流れ着いた水草が引っ付いている。
いつもならずっと飛んでいたかもしれないけれど。
森の中で花水木に手当てをしてもらった翼を休める]
なにか、あったの?
パンのみならずハムまで食べてしまったのかい?
まったく贅沢な子だ。トール神が知ったら雷ではすまないね。
では私はパンとハムと、この川魚、ああ塩焼きで構わないよ。
あれがこの子たちの魅力がが最も生きる食べ方だろう?
それとデザートにフルーツなどあれば頂こうか?
お代はいつものように、星屑のように数多の讃辞と
三日月の笑顔を贈ろうじゃないか。
蕩けるような甘いものが良いかね?
ローザは甘いものは好きかい?
それともお嫌いかい?
[しれっと告げながら、シンの視線に気付いて、後ろに隠れようとするローザに手を回す。
柔らかな髪を撫で上げて『彼女がシンだよ』『この子はローザ。可愛いだろう?』と簡単に紹介してあげる]
そうなのかい?
……いや、そうなのだろうね。
昨日と違うことなど何一つないのだからね。
[現ならばある意味の真意でもある。
けれど、このセカイではなにか酷く空虚にも感じてしまう。
自分で言った台詞であるにもかからわらず。
ちらりと、彼女の持っていた籠に視線を落とす]
[昼寝の言葉に頷く様子を見る。
このことも、きっと忘れてしまうのだろうか?
また起きたら、
花を摘んで、花冠を編んで。]
そう、その素敵な布団でゆっくりお休み。
怖い夢は見ないように
寝付くまではここにいるから。
[相槌を打ちながら、髪から、枝から
舞い降りる花びらを見る。
彼女が目覚めたとき
枯れた花冠を見ることは知らない。
記憶を閉じ込めた様子を見るのは切なくて。
”かぁくん”のことも、
きっと忘れてしまうのだろう。
かわりに、自分が覚えておこう。
今度、思い出したら”かぁくん”に
似合う花冠をお願いしてみようかな。
そんなことも、少し思いつつ。
ハルが眠ると道化師の姿は不変のはずの
花畑から姿を消した]
おや、ソラの子。
キミもローザを御存知なのだね。
[一瞬、明らかに知っていた風のダハールの顔が脳裏を掠めるが、すぐに頭を振る。
ハルも彼女を知っていた。他にも知っている者はいるだろう。
ましてや、グレイヘンはソラを超える者。私より永くこのセカイに居る者。
私より多くを知る者だ。知っていてもなにもおかしいことはないだろう]
なにかあったといえば何かはあるよ。
花びらより重いものを持ったことがないボクが
こんなバケツを持たされて居るんだ。
これは一大事だね。
[カラカラと嗤いながらも、彼女の姿にすの嗤いを止める]
なにかあったのかと言うのならば
ソラの子キミもどうしたんだい?
砂塵と水草をアクセサリーにする趣味は
ボクの記憶にはないのだけれど?
なにか、あったのかい?
[蝕は未だ微かな異常ではあったけれど、よりソラに近い彼女なら何かを……少しずつ変わるセカイを知るのではないか?
そう問いたげに、グレイヘンを見つめた]
リヴリアは。
ひさしぶりなの。
[ちょこんと手を上げる仕草と一緒に翼も揺れる]
きょうのかぜは。
なんだかいつもと、ちがうね。
[7年間、眠り続けている少女。
夢の世界で眠る時、彼女が見るのは夢のまた夢?
それとも現実?
そんなことは知らない。
そんなことはわからない。
現実世界からこの世界に逃げてきた少女は、夢の世界でも眠りに逃避する。
ダハールの気配に安心して、少女はことんと眠りに落ちる。
自分ではない誰かの気配。
それは、現実世界の少女が、もう持っていないもの。
だから、きっと、それは多分、本当は求めてはいけないもの**]
ローザのすわってるおかは。
おそらから、よくみえるの。
いないときも、あるけど。
[少女の髪についているリボンと。
いつもと違う様子の道化師に首を傾げた]
リヴリアとローザはなかよしさんなの?
その、りぼん。
[バケツはいったい何に使うのだろう。
お料理だろうか、と見当違いな事を考える。
嗤うのをやめた道化師の仮面を大きなベリーが捉える]
そういえばひさしぶりだねぇ。
ボクもあちこちふらふらする子だけれど、
キミをこれだけ見かけなかったのは
ずいぶん前以来になるのかな?
[揺れる柔らかそうな翼に目を細める。
だが、次の言葉には微かに細めた目は揺らぐ]
……風が?
[少し駆け、浜辺の真ん中で立ち止まる。
仮面を外し、空を見上げ
風をこの身に感じる。
……わからない。私にはまだ
微かに下弦の月が歪む]
ちがうのかい?
なにか。
[先程抜け出してきた荒野と。
その前に見た流れ星の光景を思い出して。
最後に花水木と別れた時まで記憶が巻き戻ると]
ヴェルのいたばしょが。
かわっちゃったの。
ヴェルがいなくなっちゃったから?
でも、これまでも。
ぐれいへんは、いなくなったこ、もっとしってる。
こんなのは、はじめて。
[一度足を見下ろして]
それから。
カスミが、ないてたの。
ああ、なかよしさんだよ。
これからもっとなかよしさんになろうと思ってね。
セカイを散歩していたところさ。
[りぼんと問われて、最初は首を傾げたが、嗚呼と自らの解かれた髪を指さし、それからローザの髪を撫でて鈴の音を奏でさせる。
仮面を映し捉えるベリーを、髪の影から白蛇がこっそり捉え返す。……どんな目で見ていたかは知らない。仮面は後ろには目がないから]
――うん。
いつもは、おそらをとんでたら。
かぜがばしょをおしえてくれるの。
[赤い、三日月。
どんな思いでそれは形を変えるのか。
常のおどけるような色がない仮面に渡り鳥もまた神妙な面持ちで]
カスミのとこから。
ヴェルのとこにきたんだって。
かぜは おしえてくれなかったし。
ヴェルのとこからここにくるときも、そう。
[いつもは空を流れる風で自分の居場所が判るけれど。
その感覚が薄れる様を拙い言葉で表現する]
ん――……、
[沈黙。
ワンピースの袖で目元をごしごし拭っているせい]
その調子だと、笑ってはいないようですねえ。
[けろり、と。
声はいつもの調子を取り戻す]
もう平気、ですよう。
怖かったのがもう、過ぎましたからねえ。
[素直に眠りにつく少女。
花びらがすこしづつ降り積る。
散りきることのない花びらが
彼女を生き埋めにしないかと、心配になって
時折、顔周りのそれらを、
起こさぬ範囲で払って。]
さよなら、今 の ハル。
[睡眠が深くなる頃を見計らい立ち上がる。
真紅のローブから淡い花びらが舞い落ちて。
残るのはフードや、髪についた
数枚くらいなもの。
起きたら、今のハルはいなくなる。
そのことに寂しさを感じながら、
それを感じるのが、
今のハルが本人に忘れられても
あの時いたのだという証。]
夢の子のセカイが?
[聞き返そうとして、それに続く言葉に口が止まる]
いなくなった……
[嗚呼征ったのかと…小さな溜息と共に空を見上げる]
そうだね。キミはボクよりも知っている。
征った子を 逝った子を
そこはやがて夢に染められることも
知っているんだよね。
けれど……はじめて?
そんなに夢の子のセカイはかわってしまったのかい?
夢にも染まらず 消えもせず
ハムとパンと…それからジャム?
ジャムよりハムがいいっていってたけど。
とりあえず、火をおこさないとね
[籠を置き、空になった手が食材の入ったバケツへ伸びる。
このまま蛇まで一緒に入ってきたら、待つのは捌いて蒲焼の未来]
お礼よりも改善点のほうがいいな。
実験に考察はつきもの。
[隠れたままの少女を見やり、ふうん、と相槌一つ。
背後へと向かう道化師の声、少女は振り向いて軽く手を持ち上げた。
羽に絡んでいる海草を手を伸ばしてつまみ]
…次はお味噌汁かなあ…。
[若布だった]
[道化師の影から覗く白蛇。
鳥にとっては本来天敵で。
最初見た時は怖がって羽根を散らしながら
空の上に飛び上がった事もあったものだ。
今はもう、平気だけれど]
おさんぽ。
そっか、それでローザはおかにいなかったの。
おともだちできたの、よかったね。
リヴリアもなんだか、たのしそう?
[鈴の音と潮騒が混ざり合う。
自分の持ち物を分け与えるということ。
そこには何かの感情がある]
― 常春の花畑→ ―
[ゆっくりしていたからか、
ずいぶん回復した気がする]
………なんか、変な雰囲気……
[花畑から出て周囲を見る。
なにか、空気が違う感覚]
[少女がまた一人、姿を消す事。
それはここに長く住まう者には驚く事ではなく。
此処にいる限りでも長い馴染みである道化師が
空を見上げる様子を目で追った]
いく と くる。
くりかえして、せかいはつづく。
[他の夢に滲むでもなく、面影を残すでもなく。
荒れ果てた野原の様子を思い浮かべてゆっくり、深く頷いた]
まいごに、なったのかとおもった。
そのくらい、わからなかった。
でも。
みおぼえは、あったの。
[自分の見た場所は間違いなく夢見た少女の世界。
肯定の、小さな沈黙]
[へびはじーっとべりーをみつめる
みつめるみつめる
みつめてみつめてぷるぷるする
おいしそう
けどやっぱりぷるぷるする
さっきのことをおもいだし
かばやきにならなくてよかったとぷるぷるする
だからべりーはあきらめた
ぺろっとしてしまったらきっとはねのこに
こんどこどかばやきにされちゃうかもしれないと
おもって]
――そうなのかも、しれない。
きこえても。
いつもとちがって、きこえる。
だから、わからなくなる。
[此処が見知った場所か、知らない何処かへ迷い込んだのか。
おわり。
潮騒の狭間に飲まれていった言葉は。
耳に届かなかったのか、反応をしなかった。
ただ、海を見て。
それからまた集まっていた面々を見る]
泣いていたというけれど、星狩りの子になにかあったのかい?
悪い王様の銀河の星屑を独り占めされてしまったとか?
[……これは、以前戯れに言った自身の台詞だ。
『星が好きなのかな?
どうしてわけれくれるんだい?
ボクなら大好きなものは
全部独り占めしてしまうかもしれないのに
空まで届く籠一杯に拾い集めて
それでも零れちゃったらあげるかもね』
そんなことを言ってもみただろうか?
随分前だから少し記憶が曖昧だ]
― 海岸線の家 ―
やっほう、シン。ご飯食べにきた。
[リヴリアと共に運んできたバケツを渡し、
シンが提案する料理に嬉しそうに笑みを浮かべた。
しかし、まだ言葉少なだ。
リヴリアがよく話すから。
これも理由の一つだが、それ以上に――。
右腕を飾る太陽に視線を落とす。
………と、]
グレイヘン。
[少し前に別れた渡り鳥の姿が見えれば、
やや気恥ずかしそうに笑いかける。]
………異変?
ヴェルがいなくなったって、
初耳なんだけど。
[首を傾げた。
無論ローザほどではないが、
ここに来て日の浅いミズキにはそのこと自体が珍しい。
ヴェルの領域について話す二人には、
そんなこともあるのか、という様子で頷いていたが]
星売り………やっぱあいつ、
[カスミの名を聞けば、
苛立たしげに強く唇を噛み締めた。]
変調、してるの?
…少し待って、心拍数確認してみるわ。
朝はなにもなかったの。
…ヴェルが起きてから、まだやっていないから。
[ばたばたと聴診器とカルテを取り出しながら]
……心電図もいるかしら。
誰からとるべきかしらね…
[だれなら目覚めさせても大丈夫か、問うように]
[やがて、少女は目を覚ます。
長いこと眠ったのか、ちょっとの間だったのか。
それはよくわからない。
時の止まったお花畑で、長いも短いもないかもしれない]
良く、寝たあ……。
[ふわ、と小さくあくびをしながら、起き上がる。
目をこすりながら辺りを見回すと、桜の花吹雪が目に入るばかり。
ダハールの姿はどこにもなかった]
えっと、確か……。
[まだ眠たげな顔をしたまま、少女は記憶を反芻する]
[花水木の傍には白い羽根。
眠たげな顔にも笑みが浮かぶ。
少し珍しい雰囲気の笑顔だったから、余計に。
2人が星売りの事に反応すると]
カスミには、ないしょ。
ないてるの、みられたくなさそう。
だったから。
[お友達になれていない。
そう彼女の口に上がった花水木をちらと見る]
ぐれいへんが、きいたの。
「カスミはどんなおほしさまをさがしてるの?」って。
[夜が眠りに就く最後の時まで輝く星。
それが彼女が掴まえたい星だという事。
一緒に掴まえにいこうと誘って断られた事を話す。
そこまでいってから、少し間を置いて]
[誰かがいなくなる。誰かがまた増える。
いつでも、それは岬守にとって伝聞のかたちで届く。
海の傍らにあるこの建物から、離れられない。
震える羽の飛沫を食らいながら、
こまごまと羽の手入れをしてやる手はとまる気配がない]
おみそしる。
豆を醗酵させた調味料のスープ。
焼き魚とあわせたら、抜群。
…でも、グレイは生のほうが好きかな。
[鳥とは、得てして生の魚を飲み込むもの]
― 夜から昼へ ―
[お星様に会いたいと思えば、いつでも会える領域。
この約一年の経験で見定めたその範囲を出て、]
どこ!? お山はどこっ!?
[迷っていた。
おかしい。まっすぐに花水木の少女のいそうな場所――すなわち野山を目指していたはずなのに]
ダハールちゃんが来て、一緒にお花見して……。
恥ずかしがり屋さんのダハールちゃんに、逆襲されて、遊んで……。
それで、疲れて寝ちゃったんだあ。
[都合の悪い記憶は、なかったことに。
少女の記憶は、とても都合のいいように修正される。
楽しい記憶だけを残して]
ああ、そうだあ。
ハル、リヴリアちゃんに、花冠作ってあげるんだった!
[ぽん、と手を打つ。
リヴリアとの約束は、覚えている。
花冠を作るのは、楽しいことだから。
――――……けれど]
[シャルロッテの声に少女達の顔を、現実での姿を思い浮かべる。
体にもし負担がかかるとしたら誰だろうか。
何人かの姿を思い浮かべ。
そこに含まれた問いの色に逡巡する。
ローザとダハールにも優先させた方が良いと判断できる者が
いるかどうかを問いかけながら。
もしいなければ]
――シン。
[と名前を挙げた]
起こすなら。
負担がかからないよう、算段はつけてみる。
………カスミ……?
どうしたのさ……?
[ここは夜ではないし、
星を売っているようにも見えない
その姿と声に、道化師はゆるくかしげる
肩の上で切りそろえた髪が揺れて、
名残の桜の花びら、一枚、落ちた]
[今はゆっくりと夢の中、歩いていて。
彼女たちのやり取りは聞こえない。
終末を向かえほころび始めた世界、
余分を抱える余裕はないと、
夢を見るでもなく、何するでもない
新人研修医を、世界が吐き出してしまうかもしれない]
ああ、水面の子……
[確かアリエルだったか…その子のことはよく覚えている。
クマんも方は…これは私の来る前にいた子だろうか?]
ヴェルがどこかに帰りたがっていたのは
ボクも聞いたよ。
[逝くのではなく“帰る”何かを思い出したのか
何かが解けたのか…それは私にはわからない]
帰れたのなら良いのだけれど。
[小さく息を吐いて、それからグレイヘンに問いかけられたミズキを見た。
カスミとミズキの仲は、まあだいたいは知っている。
おひさまは表情には出る子だったから。
深くは聞いたことはなかったけれど]
ごめ、ん。
[飛沫が直撃したのに気付き、しゅんと羽根が垂れる。
翼をいじられるのは本来慣れないはずだが。
岬守の手付きは器用で心地良い。
毛羽立っていた翼も段々綺麗に整っていく]
おまめの、すーぷ。
[グレービーソースの方を思い浮かべる、食文化。
想像されたものが掛け離れている事には誰も気付かない。
“はっこう”の意味が解る様子であれば違ったかもしれないが]
ぐれいへんが、いきてるおさかなさん――?
[生、その言葉にベリーが真ん丸になった。
ぶんぶんと首を振る、そんな可哀想な事しないっ、と。
実際の主食が真っ赤な果実なのもあるにはあったけれど]
シンは。 なにも、おかしなこと、ない?
渡り鳥 グレイヘンは、無口 ローザ を投票先に選びました。
[グレイヘンの言葉にひとつ瞬いた。
泣いていたという星売りの、その願い]
探す……星?
そんなの、聞いたこと無かった。
[その星なら、何度だって見た。
太陽が昇ると同時に目覚めると、
空に残るひとつの星。
夜の名残―――ミズキが嫌うそれを、
星売りは見たいのだと言う]
え…………なん、で?
[編み掛けだった、傍らのレンゲの花冠に目を落とし、少女は絶句する。
決してしおれないはずのレンゲの花が、くったりとしおれていた]
なん……なん、で。
ど……して。
[編み掛けの花冠のことは、なかったことにされなかった。
それは、楽しい記憶のはずだったから。
けれど、目の前の出来事は、ちっとも楽しいことではなくて]
なんでえ……!?
[悲鳴じみた少女の問いかけに、答える声はない。
ぽかぽかいつも暖かいはずのお日様が、雲に隠れる。
春にそぐわぬひいやりとした風が頬を撫でていった**]
[そして続く問いには、やはり顔を顰める。
噛んだ唇から血が滲みそうなぐらい、
とびきり苦々しげに、呟いた。]
………嫌いだよ。
[一言をぽつりと零す。
心からの苦々しさを吐き出すように]
あんな奴大嫌いだ。
絶対に友達なんかじゃない。
どんなに酷いこと言ってもへらへら笑ってばかりで、
今だって……絶対に、
私の前じゃ泣かない、あんな奴。
かえる。
[空を見上げる]
――うん。
かえりたいって、いってたから。
それがかなったら。
いちばん、いい。
[こちらの世界から直接死出の旅に発つ者もいる。
そういう場合は大抵、振り返れば予兆があるものだ。
例えば、夢の中にいる内に彼女を取り巻く世界の方が
少しずつ衰えていくだとか、形は色々だけれど。
今回は、変化が急過ぎたし。
まだ少女のいる内に何かを感じた者もいなかっただろう]
…シンね。
ちょっととってみるわ。
[他に返事はあっただろうか、とりあえず、とシンの心電図を取り始める]
………。
[同時にみゃくをとりはじめる。
やがて、結果を取り終えると、カルテと見比べて]
…不整脈だわ。
少し……、負担もかかっていそうね。
目覚めてからのケアはこっちでするわ。
………ぅ。
[声の調子に、少しだけ、圧された。
素直になるべき状況でそうなれないことへの罪悪感が募る]
………、ごめん、なさい。
わたし、ミズキちゃんに、心配してほしかっただけなのに、
なのに、そんな……
[花水木の表情の変化。
星売りの願いも、自分も初めて聞いたもの]
ひどいこと、いったの。
[嫌いだと言うけれど、願い事を知って初耳だと零す様子は。
気にかけている者の、言葉のようで。
じぃっと真っ赤な瞳が若葉を見詰める]
カスミは、おともだちになりたいって。
いってたよ。
なれないままかえっちゃうのは、こわいって。
だから、おほしさまも、さがしにいけないって。
さがしにいったら。
もどってこれなく、なりそうだからって。
[この言葉を聴いて。
花水木は、どうするだろう]
元々濡れてたし、大丈夫。
[それでも渡り鳥の身震いがとどめをさしたのは
言うまでもなく明らかであり、零れる小さなくしゃみが一つ]
…ちょっと、着替えてくるね。
[首を激しく振る渡り鳥の姿、その頭を撫でたあと少しはなれる。
テーブルの上には磨き上げられた巻貝の遊彩。
ミズキが星の子へとむける言葉に
少し眉を顰めはしたが鳥の問いかけがそれを消した]
…そうだなあ。
ここに、これだけ人が集まってること自体が
珍しいかな、とは思うけどね。
[少し待っていて、そう言葉を残して奥に消えた。
暫くすればパンや兎のハム、ココナッツミルクの碗を
大きな盆に載せてまた戻ってくる。
グレイへンの前には、まだ少し残っていた寒天の器**]
[歩きながらも視線はあちこちに向かう。
頭上の空、足元で揺れる草花、右腕でちかりと瞬く星。
お次は、]
あ――……道化師、さん。
お山に行くつもりだったんですよう。なのにこっちに来ちゃいましてねえ。
[近くへ現れた人影へ。
顔には辛うじて力ない笑みを浮かべたが、状況を説明する声は沈んだまま]
お花……。
[ひらり、と落ちる桜色を見てとって、呟きひとつ]
[2人は意識を潜らせているのか。
それとも、歪み始めたユメを幅まれ言葉が伝わっていないのか。
あちらの世界、近い場所にいるはずの医師の気配が。
以前より薄く感じて]
……先生。 ローザも……後でで、良いから。
ちょっと、気になる。
[辛うじてシャルロッテにそう告げる。
ただ、元より体の弱いシンが不整脈であるというのには
当然そちらを優先する]
わかった……この不安定な状態が、続くなら。
[当人の意思を確認し切れぬままでも]
お願いします、先生。
[そう言って、夢の中シンの意識を手繰り寄せようと。
ぎゅっと目を閉じた*]
/*
わたしは今のところデフォから動かす気はないですけどねえ >ハルちゃんメモ
これは、これは……共鳴ログではカスミの本体の素が漏れてるッ!?
望みを叶え 望みに抱かれて逝くのがこのセカイ
帰りたいと願ったのなら
帰れたはずだよ。
[何故なら自らが作るセカイなのだから。
幻に抱かれながら夢は消える
その者と共に
私の知るこのセカイはそのはずだった。
実際、グレイヘンほどではないにせよ、私もこの目でいくつもの夢の終焉を見つめてきた。
なのに──]
おひさまの子
キミは最初から翔べたのかい?
ボクとキミは出会ったときから友達だったかい?
太陽は輝くのだろう? 照らすのだろう?
自らで自らを陰していては太陽にはなれないよ?
おひさまの子
[大嫌いだ、友達じゃないと彼女は言う。
ならば、何故嫌いな者が、友でない者の思いを知らぬ事を気に掛けるのだ? とそう言葉無き言の葉は続く]
[零れたくしゃみ、気遣うように岬守を見る]
だい、じょうぶ――……?
[眠たげな表情が一瞬、危惧の色の中に霞む。
まじまじと、戻っていく後ろ姿に視線を送り。
やがて食事を持って戻ってきたのにも、
美味しい寒天を喜ぶよりも気遣わしげな視線が先に立った]
…………山?山って……ミズキの……?
[その言葉に、仮面の奥で目が瞬く。
もし、泣き痕が残っているようなら
そのことにも目を瞬かせて。
もちろん、笑みの様子と声にも瞬いた。
この前カスミとあった時、
ミズキが通りすがったことを思い出せば
友達になりたいとは言っていたが……
友達に、なりに行くという風じゃなく見えた]
ん……?ああ さっきまで、ハルのところにいたから。
綺麗な桜の木、現れてね。
………君にも綺麗なものや、
やすらげるものが、今は必要に見えるけど?
[けれど、今は昼で。
彼女が好きな星は見えない。]
[終焉を予見していないのであれば、こんな言葉はかけなかったのかもしれない。
彼女は太陽ではない。
太陽に憧れているのは知っている。
けれど、太陽たらんと欲すれば、より速く
彼女は駆け抜けてしまう。それは消えゆく夢のセカイには似つかわしくないのだと、そう思っていた。
けれど]
/*
リヴありがとリヴ。
PC視点子供口調で騙しているけど。
言ってる事は全部真っ黒な赤です。
さいごまでがんばるの。
ローザがぐあいわるそうだから。
ローザ?
…そういえば、少し長いわね。
夢の中でもみかけてはいないの?
[たしかに、不眠不休と似たような状態だ。
かなりの負担がかかっていたとて不思議ではない]
ヴェルの様子みるのと一緒に、
シンがいつ起きてもいいようにしておくわ。
あとの子はまたそのあとにも調べておく。
道化師 リヴリアは、太陽の子 ミズキ を投票先に選びました。
[新入りの無口な少女はどんな顔でそこにいただろう。
あるいは、どうしていただろう]
ローザも、だいじょうぶ――?
[さりげなく、声を掛ける。
歪みはじめた世界。
やって来て間もない少女の体は無事保たれるだろうか。
瞳の色は、憂いを乗せて]
[顔を上げる。]
ともだち………?
[呆けた声で呟いた。
その言葉が自分に向けられたものだとは、
到底信じられなくて。
ぼんやりとグレイヘンを見つめた後、勢い良くかぶりを振る。]
友達――なんて、
なんで、そんなに馬鹿なんだ。
私なんてどうでもいいだろう。 私なんか………
[世界の異変は始まっている。
けれど、世界の終焉を望むものは
少女の中にいるだろうか?
終焉を望まない少女の願いを
世界はできる限り叶えようと、
弱った者を吐き出して延命も考える。]
[ ―――友達。
そう呼べる存在なんて、無きに等しかった。
小さい頃から入院続きで、
学校にはろくに通えない身体。
院内学級のこどもたちは、ひとり、またひとり、消えて行く。
病が治ったのか、それとも―――
それは、夢の中から消えて行く少女たちの姿にも似て]
うん、ミズキちゃんのお山ですよう……。
[花水木の少女の名が出ると、どうしてもしゅんと肩を落としてしまう。
仮面の向こう、目を瞬かせる様子は見えないが、
さっきまで泣いてたことを思い返して、]
あ、でも、これ、はミズキちゃんのせいじゃあないですよう。
[自分の顔を指差しながら告げる。説明というには言葉足らずな一言]
わあ、ハルちゃんのところでお花見をしたんですねえ。
[少女が訪れた時にはなかった桜の木、しかしそれを変だと思うことはなく]
きれいなもの、やすらげる、もの……、
分かりました! お水ですねえ!
[そう言った途端に、身体が現金にも喉の渇きを訴える。
思い浮かべるのは、昨日いろんなことがあった、丘のふもとの水辺]
それを、カスミがほんととおもってるなら。
ミズキにわらわれなくないから。
ミズキのまえでは、なかないの。
カスミはミズキに、ひどいことなんか、させたくない。
だとしたら。
[自分を卑下する言葉を吐く少女を真っ直ぐ見上げて]
ミズキはカスミより。
“ミズキなんてどうでもいい”のほうがだいじで。
カスミを“ばか”にしようとしてる。
だから。
カスミのことを“ばか”にできるんだ。
カスミは“どうでもよくない”って。
いってるのに。
――どうでもよくないミズキを。
カスミはゆるしてるのに。
[花水木に、背を向ける。
そうして荒れる海を見た。
誰もいない遠い海の果てを見ながら。
渇いた瞳で、まるで泣くのを我慢しているかの*ように*]
……………。
[『心配してほしかった』
その言葉の意味が理解できず、言葉も失った。
涙を見せようともしないのに、どうして心配なんて出来るだろう]
……意味が、分からない。
[首を振った。冷たい声を向けた。
けれど――そう言いながら同時に、
その感情には覚えがないこともない。
泣きたいのに泣けなくて、けれど心配されたい。
それはいったいどんな時だったか。
分かりそうなのに、
思考するのを止める――止めようとする。]
[ミズキの名前にしゅんとする。
それなのに山に?
……辿り着けないのは、
いこうと思う意思に対し
沈む気持ちが引き起こした現象だろうか?
泣き顔の仮面の奥で考えて。]
僕なんて、ご覧のとおり泣き顔晒しっぱなしさ
[説明に泣き顔を
さしてくつくつと笑ってみせる。]
そうそう、綺麗な水は、
顔を洗うにも最適だね。
……塩水で顔を洗うのは
目に染みるからあわないから……丘のふもとに行こうか
[彼女の言葉に、奇しくも
ダハールが思い描いたのも水辺。
姉がシンの所に行くといっていたのもあって]
/*
らすとうるふ。
息切れしないように。
ある程度は回るように投げっぱにするの。
囁き少なくてごめんね。
お墓明日から賑やかになるからごめんね、先生。
/*
いまーじーん。
きっと何者にもなれないお前達に告げる。
という某アニメのミラクルフレーズが
頭の中から離れないここ数日。
そのアニメ自体はちゃんと見てないんだけど。
監督さんの演出は面白いのでちょこっと拾い見したら。
おやすみなの。
………そんな簡単にわからないって、
諦めないでくださいよう。
[どこかふてくされつつもその言葉には、
星を売り歩く15歳の少女に出せそうもない重みが乗る。
星に興味を持ち、その不思議を追いかけてきた18歳の少女の意思が、明確に介在する]
……いっしょに、考えましょうかあ?
[誘う言葉はおそるおそる、紡がれる]
[黙り込むミズキと背を向けるグレイヘン
交錯する思いと思い
交わるのか隠れるのか太陽と月
海も哀しいのか 海も泣くのか
その様相を確かに変えて波は寄せて
そして退く]
……
[沈黙の中を、小さく頷いた彼女の鈴の音が奏でる。
私はその背をそっと抱く。
奏でる鈴が二重に重なる。重なり征く月と太陽を模したように]
終わりは何時訪れるのね
[終わりははじまった
ではおわりのおわりは……
その刻は近いのだろうと 私の身体は朽ちることで告げていた。
熟れた果実のような薫りが微かに──]
[相変わらず胡散臭い声だ。
諦めるな、なんて、
自分の胡散臭さが悪いとは微塵も思わないのか]
…………。
[けれど――いつもの胡散臭さと同じ調子で紡がれた言葉、
それは明確に恐れを含んで揺れて]
………… ばか。
[少しの沈黙の後。
照れくささを含んだような、
微かにはにかむ声が二つのブレスレットを揺らした。]
[夜空にとどまらず、少女自身にも「目的地に着けない」というちょっとした異変が起こっている。
気ままに星を売り歩く分には困らないが、目的を持って動いているので現在進行形で困っているわけで。
「迷った」程度にしか思っていない少女は、内なる異変に気付いていない]
……なるほど。確かにそうですねえ。
[一本取られた、という風にぽん、とビンを叩く。
仮面の奥から聞こえる笑い声につられて笑みが浮かぶ。
歪な鏡が反映するのは目に見える表情だけ]
やっぱりあそこですよねえ。
行きましょう!
[告げて、二、三歩先行して、急に止まる。
やがてしずしずと戻ってくると、泣き顔の道化師のローブにするり、と触れて]
[くすりと一つ、はにかむ息が漏れる]
………… ばか。
[一筋の涙が頬を伝う。
手元で、太陽のブレスレットが微かに揺れた。]
リヴリア、グレイヘン。
[ぽつりと彼女たちの名を呼んだ。
シンがまだその場にいたのなら、彼女の名も。
ゆっくりと目を閉じる。]
もし、私が「わたし」じゃなくなっても…………
君たちは、私を『友達』と呼んでくれるかな?
[はたり、はたりと流れる涙は止まらない。
けれどそれを拭おうとすることはしなかった。]
また迷ったら困るので、
案内して欲しいんですよう……。
[拒まれなければローブに触れたまま、そうでなくとも泣き顔の道化師から片時も離れないまま、
丘のふもとを目指すことになる。
その最中、ふっと口の端に笑みが浮かぶ。
花水木の少女の名を聞いてもしゅんとすることなく、朗らかとも言える調子でふわり、ふわり、と道を行く。
星のブレスレットが、涼しげに揺れていた**]
[こちらの言葉に納得する様子。
笑みも、先ほどのものより笑みで。
仮面の奥で安堵して、
先行し始めた彼女の後ろを
鳴らない鐘がついた杖で追い始めた。
が]
―――………?
どうか、したかい?
迷子にでも、なりそうと思った?
[ローブに触れる様子にゆるく首をかしげて。
後ろをついてくる自分が。
先ほど目的地につけなかった彼女が
迷子になることを恐れたのだろうか?
と、ローブに触れてくる手に思う。
もちろん払うことはなくて。]
さっきの「馬鹿」と違う……!
[何が違うのか、明確に言葉にはできなくとも、
含まれる感情の違いを感じ取って声はわずかにうわずる]
…………ふふ。
[それは、確かにはにかんでいるように聞こえた。
だから、少女は笑う**]
[クスリと嗤い、ミズキの前に立って
そっと仮面をはずす。]
どこにいこうと
どんなになろうと
ミズキはミズキだよ。
私は何時だって君を忘れない。
君と過ごした日々は消えない。
どんな世界であってもね。
私と君は友達だ。
[涙を指でそっと払う。
それでも止めどなく涙は溢れるのだろうか?
太陽の雫は輝くのだろうか?]
征っておいで。翔けておいで。
太陽を目指して 星を探しに
太陽はいつだってそこにある
星は何時だって輝いている。
それを教えに
君が駆け抜けるのならば
君が輝くのならば
太陽は決して欠けたりしない。
星はきっと見失うこともない。
征き先は セカイが教えてくれる。
さあ……
かまわないよ。
はぐれない様につかむといい。
一張羅だから、やぶかない程度の力でね?
[こくりとうなづきカスミに
真紅のローブ、その袖を差し出して。]
……おや?
今度は上機嫌、だね?
あとは、顔を洗えば完璧だね?
[今、ないた烏が何とやら。
足取りさえも、ほの明るく輝度を持ち。
ボトルの中ではない星が揺れる中
カスミは今度は目的地に着く、
道化師には自分の変化によって
経路が変化する干渉力はこの世界にないから]
道化師 リヴリアは、太陽の子 ミズキ を能力(占う)の対象に選びました。
[とびきり難しい身体で生まれてきた。
身体もこころも大人にはなれない。
それどころか年々弱りゆく。
まるで子供に戻っていくかのように
美しい満月が欠けていくかのように
出来ることが段々と減っていく。
身体も―― そして、「こころ」も]
………うん。
[笑顔のままこくりと頷いた。
結局拭われきれなかった涙を、
服の裾で強引にぐいっと拭う]
私の分のごはんも残しておいてくれな。
全部食べちゃったら、許さないから。
……――― 行ってくる!
[背中を押す言葉と同時に、
少女は海に背を向けて、駈け出した。*]
― 丘のふもと 水辺 ―
[丘のふもとは、少女たち固有の領域を
つなぐ役割を持った場所。
自然にない現象はなく、ただ、そのままの自然。
故に終末が近づいても破綻は少なく、
今現在は道化師には何も感じない程度で。
カスミが顔を洗うようならば、
ゆっくりとそれを見ていた。
時折、春の名残、淡い色が水面に落ちて]
[『ありがとう ありがとう』と
ぽろぽろ零れる太陽の涙と共に
私は彼女を抱きしめて……放つ。
それから駈け出す彼女を見つめ続け【彼女を送りだした】。
涙は流さなかった。
だって道化は笑うのだから
友達を見送るのに涙は似合わないのだから。
だから、笑って見送った。
心では……ううん、なんでもない]
……
[その背が遠ざかり、見えなくなれば
グレイヘンを見て戻っているのならシンを見て
最後にローザを見つめる。
ここに居て、ここにはいない彼女の姿を]
誰が届けてくれるのかな?
夢を…幻から遠い光の先へ
[私が知る今唯一の“異常”
けれども、いや…だからこその“可能性”
どういう顛末を迎えるのか
どういう終焉を迎えるのか
他に彼女のような存在がいるのか?
弟は……どうなのか?
それは私にはまだわからない。
私を見たいとそう語った“異常”
見せると言ってくれた“可能性”
私の全てを見せてあげられるのは
いや、見せてしまうのは
彼か…彼女なのだろう──]**
……ばか。
[脱力したような呆れたような元の「馬鹿」だった。
なんでそう空気を読まないんだろうこの子は。
妙に恥ずかしくなって、繰り返す]
ばか。 ばーーーぁぁぁぁっか。
[気恥ずかしさと、嬉しさを織り交ぜて]
[駈け出せば、きっと道に迷うことはないだろう。
響き合う太陽と星は互いを導き合う。
それはかつて、強く強く願ったその結果。
この想いよ、この光よ、
どこかで空を見上げる人に 「とどけ」 ―――と**]
― →丘のふもと ―
[駈け出せば道に迷うことはない。
たとえばハルとシンのように
心から願えば出会わないことも可能な世界で
出会いたくもないのに幾度も出会ってしまったのは
きっとどこかで願ってしまったせいだ。
「会いたい」 ………と。]
[真っ直ぐに駈けて行く。
丘のふもと。水辺に佇むふたつの影のもとで、
星が揺れて太陽を呼んでいた]
あれ……、ダハール?
[泣き顔の方の道化師の姿を認め、
足は一旦少し躊躇いを見せる。
けれど意を決して、ふたたび速度を上げて]
おぉーーーーい!
つか、 まえ、 たっ!!
[星売りの右腕を、太陽揺らす右手が捕まえた。]
無口 ローザは、岬守 シン を投票先に選びました。
無口 ローザは、岬守 シン を能力(襲う)の対象に選びました。
[ここには、まだ訪れぬ終末の兆し。
水面を滑った風は心地よい。
それは静かな嵐の前触れなのか]
……ミズキに会いに行くって……
この前言ってた、みんな、
と、お友達になりたい……から?
[カスミにそうたずねたり、
ハルと話していて思ったことを
その考えをまとめたり……]
[ハル、はなくしたものを忘れた。
またなくしてしまう事を恐れてもいた。
そうして、楽しい事だけを抱えて
花畑で、笑って過ごすことを選んでいる。]
[では、姉は?]
[会えば帰れといってくる。
全く忘れていない、こちらのことを。
高い可能性……意図的なもの故の?
低い可能性……偶発的なものでも?
どちらにしても、多分、とても痛い。
けれど、それでも忘れていない。
ハルを見れば、
忘れられる環境だとわかるのに。]
[いくつもの仮定を考えながら、
結論は出さない。結論は出せない。
未だ、微かに香る
熟れた果実のにおいは……知らない*]
[と、言うか……]
ミ、ミズキーーー!?
[驚くわ]
[話題の人というか、時の人というか。
駆ける速度が少し、下がった気がした。
が、前日ここ、でカスミを見た。
そのときとは、纏う空気が全く違う。
考え事はあっという間に霧散して
カスミの腕をつかむさま 泣いた仮面の奥で
青を瞬かせて驚いて。
結論は*出ない?出さない?*]
─ 現の幻燈・幻のはじまり ─
『ええ、寒い冬の夜でした。
珍しく雪も降り積もっていましてね』
[そう語り出すのは、屋敷の使用人であったノーマン・ストラガン(63)。
あの屋敷でリヴリア・ブロアを最後に見た一人である。]
『年を取ると寒さが堪えますでしょう?
ですので、先にお暇をいただいて……
ええ、足があまり良くありませんでしたから
私は一階で、旦那様方の住居は上の階でした。
ですから…私は助かったのでしょう。
見てしまったのでしょう。
あんなお嬢さまのあのお姿を』
[膝をさすりながら、老人は寂しそうに笑う]
『ええ、笑っていたんですよ。
焔の中を 見えづらかったのですが
血を流していたと思います。
こう、頭から目を伝って頬まで…
手には燃えた薪…でしょうか?
持っていたので、ええ…おそらくは
気が触れた?? いやいや滅相もない。
聡明な方でした。
怒りっぽいところは、まあありましたけど、
私たち使用人や……
ああ、お坊ちゃんには特にお優しかったですね。
ええ、仲の良いご姉弟でした。』
[老人は目を細め、まるで昨日のことを思い出すかのように窓の外を眺める
『流石に成長されてきてからは
……ええ、お年頃ってやつですかね。
少し余所余所しくもありはしましたが……
それにお坊ちゃんは、家を離れておりましたから。
目に付くと言うほどでは。
ご家族とですか?
そうですねぇ…奥様とはあまり
会話をされている様子は見受けられませんでした。
似たところがありましてねぇ。性格とかお姿とか
他に…ですか?』
[うーん? と絞り出すように頭をひねって]
『ああ、そうそう
あの日の少し前から、風邪をこじらせたとかで
伏せっておりました。
随分高熱にも魘されていたと、そう伺っております。
ようやく回復された頃に……
はい。
理由ですか? さあそればかりは私ではなんとも。
思いつくとすれば、奥様とのご関係でしょうか?
それとも……』
[一件は事故として世に流れる。火事による事故死だと。
他に見たという者の証言を合わせると、大凡この老人の証言は正しいと、そう公表されぬ調書は語る。
一夜にして焼け落ちた屋敷。
そこには当主とその夫人である二人の遺体と、何故生きてるのか不思議な程に痛ましい娘の姿が運び出された。遺体には切り傷かがあったとも伝えられている。
そして、老人の証言の通り、その娘リヴリア・ブロアの片目は切られたように……失われていた。
スキャンダルを怖れた親族による隠蔽。
その顛末を知る者は──] **
−回想−
[優しさに溢れる少女。
初対面だけど、穏やかに笑いかけてくれる]
その………リボン、
あ、私
の………
[ボイスチェンジャーで喋ってるような違和感。
ヘリウムを吸ったような、だけどヘリウムみたいな愉快さなんてない。
もじもじとしながら、関わり方を模索する。
名前を聞かれたら、ローザを伝える。
そしてしばらくは歓談するだろう、この世界を探るために**]
無口 ローザは、道化師 リヴリア を投票先に選びました。
無口 ローザは、おまかせ を能力(襲う)の対象に選びました。
ぅー………馬鹿って言うほうが馬鹿なんですよう!
というか何でそんな嬉しそうに繰り返してるんですかあ……。
[呆れ? 驚き?
そんな感情はすぐに通り過ぎていき、]
………あはは。
[鈴を転がすような笑い声、ひとつ]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
[16]
[17]
[18]
[19]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新