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/*ほんとにそう呪ったのです…。
ハンスさんの、もともとの呪いを、一番邪魔しない
&メルさんがいたから…。
その後、ハンスさんから、あいつ=メルさん
名前きいて、かなりほっとしました。
― 駅 ―
[見慣れた駅舎が見えた]
……戻って…これました…ね。
[安堵のためなのか、今まで見た光景のせいなのか、物凄い疲労感が襲って来た。]
[サイズはナッツにあわせてある。細工は彼の手によるものだろう。まるで売り物のように丁寧に作られており、二連のそれぞれの先には、本当に小さなものだけど、ダイヤがはめ込まれているように見えた。
感情を抑え切れなかった。]
うぅ…
あああああああ…!
忘れられないよ、
いやだよう、死なないで…
[大声で泣いた。老人は何も言わずに彼女をずっとなでていた。]
『君は私の人生の翼だった』
[しばらくの後、老人はそう呟いて、長い息を吐き、目を閉じた。
ナッツはその頃には、泣きつかれて、老人の手の中でネックレスを握ってじっとまるくなっていた。]
(ありがとう。あなたも私の40年の翼だった。)
― 母の病室 ―
[母が眠っている。
過ごしてきた過去と変わらない姿で。]
これが……選ばなかった未来?
[声を震わせながら、ベッドへ近づいていく。
傍らには先程より大きく、それでも今より幼い自分の姿。
跪いて、母の手を握っている。
これは。]
最期の、日……。
[母が消えてしまった、あの日。
あの言葉を聞いてしまった、あの日。]
・・・。
来る前で母上が持ちかけようとしたのは、
確かマリアという名前だったな。
[*12殿様蛙*味の葉巻を取り出して火をつけた。
話を聞かずに列車に乗ったが、
その時断っても断らなくても、
今の状況が然程変わりはしないだろうと分かっていた。]
/*
あう。過ごしてきた過去って二重言葉だ。
そして私だけ長い気がするよー。
いやでもまあ、流れ決めたし、やるだけやろう。
[ふと気づくと空を飛んでいた。
あたりは真っ暗で先が見えない。
泣きながら暴風雪の中を飛んだ夜を思い出した。
でも、胸元を覗き込むと、そこには確かにきらきらと細かく光るネックレスがあり、ナッツに不思議な心強さを与えてくれた。
遠くにぼんやりと、あたたかい橙色の光が見えてくる。
スターライナーの明かりだ。
その揺らめく光は、昔見た商船の明かりを思い出させた。]
ん、あれは…
[ふと、列車とはまた別の方向にきらりと光がはしったように見えた。(>>394)]
なんだろ?
[周りは元の荒野に戻っている。
光の方に向かってふわふわと飛んでいった。]
「母様、寒くない?」
「ああ、寒くないよ」
[握り締めていた指先が少しずつ透明に近づいていく。]
「母様、苦しくはない?」
「ああ、苦しくないよ」
[優しい微笑みを湛えた声が、少しずつ遠くなっていく。]
「母様、母様。大好きよ」
「私もメルが大好きだよ」
[大好きな笑顔が、少しずつ消えていく。]
[荒野を壺を背中に乗せて歩いていく。遠くの岡に1匹の獣がいる]
もう、大丈夫だから。
[重い言葉は要らない。自分が受け止めたから。幻獣としての姿を失い、すっかり老いた獣は、景色に溶け込むかのように姿を消した]
[魔女ではないけれど、最後の命で願ったのは、
祈りのような――呪い。
メルがその人なのかどうかは、わからないけれど…]
(If your heart is in your dream…**)
[次の部屋に置かれていたのはシグネットリング。
冷たい輝きを持つ金色の指輪。
彫られているのは双頭の烏。
烏黒ダイヤの会議に出席するようになってから送られたもの。]
・・・。
[一族の正当なる一員として歩む事を定めづける。]
・・・・・・。
[左手に嵌めたシグネットリングが、
まるで共鳴するように冷たい光を反射した。]
久しぶり。
[もう忘れかけていた自分の本当の姿、それを最後に取り戻した]
[そして静かにその目を閉じる。新しい運命を信じながら]
母様……。
[大切な人が消えてしまう瞬間は、何度見ても胸が押し潰されるように痛む。
それにこれが通ってきた道と同じだとするのなら、もうすぐ。]
「メル」
「なあに、母様」
[聞きたくない。
耳を塞ごうとしたけれど、指一本動かすことができなかった。
聞きたくない。
音に近い声だけが微かに漏れる。]
大丈夫なんて、そんなの。
[吐き通せもしない、嘘を吐いた。]
― 駅の売店 ―
[体を引きずるように歩いていると、売店の店主に声をかけられた]
『あらぁ〜おにいさぁ〜ん。お帰りかしらぁ〜』
[口調と声の違和感を感じて振り返ると、>>319]
え、ま、まぁ…
[引きつった顔で答えると、オネェな店主は嬉しそうに微笑んだ]
『よかったわぁ〜、ここは帰れない人も多いのよぉ。
おにいさん、運がよかったのねぇ。』
[と言いつつ、いたずらっぽく「うふっ」と笑って]
『想い人がいると、帰って来られる率が高いみたいよぉ?
おにいさんにも、想い人がいるのね、そうでしょ。』
[疲れが100倍に膨れ上がる。曖昧に笑って聞いていた。]
[近づくと、それは壺を背負ったスッチーだった。(>>408)]
??
スッチー今光ったりした?
キューちゃんと一緒かと思ったよ。
…この星どうだった?
わたしは、すごくいいものもらっちゃった。
この星に降りて良かったわ。
[まだ泣きはらした目が少し赤い中、もう一度胸元のネックレスを見た。]
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