情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
[16]
[17]
[18]
[19]
[20]
[21]
[22]
[23]
[24]
[25]
[26]
[27]
[28]
[29]
[30]
[31]
[32]
[33]
[34]
[35]
[36]
[37]
[38]
[39]
[40]
[41]
[42]
[43]
[44]
[45]
[46]
[47]
[48]
[49]
[50]
[51]
[52]
[53]
[54]
[55]
[56]
[57]
[58]
[59]
[60]
[61]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
[「100年眠り続けるなんて、呪いと同じじゃない?」
子どもの頃、理不尽な力不足の魔女たちに腹を立てて、
母にそう尋ねると、彼女は少し微笑んで答えた。
「…それでも、生きている限り、希望はあるでしょう。
いつか…茨の棘で血を流す痛みを怖れずに、
見つけ出してくれる王子様が現れるかもしれないから」と]
ねぇ、具合、どう?
『はは、あんまりよろしくないな。
…実際のところ、もう、駄目だろう。』
[老人は疲れたように長いため息をつくと、痩せてしわしわになった腕を布団から出し、ナッツに手を差し伸べた。
ナッツは、老人の手に乗っかるように体を預けた。
冷たかった。]
『…今でも目を閉じると思い出すよ。
わたしが子供だった最後の夜。
君と一緒に中央都市の上空を飛んだ。
街灯と家々の明かりは眼下であたたかくゆらめいて、
夜空の月と白い星ぼしは静かにわたしたちを照らしていた。
わたしたちはいつものように、雲の上までぐんぐんのぼったあと、街一番の高さの教会の十字架に向かってスピードを上げて一気に飛び込んで、そのまま煌々と光り続ける灯台と、港の酒場と、波間に見え隠れする商船の明かりの方に飛び抜けていっては笑いあった。
月の光の中で君は今と何も変わらず綺麗だった。』
『わたしが飛べなくなった日。
君はきっとわたしの元からいなくなってしまうと思っていた。
でも、君は、終わりの今このときまで、わたしのそばにいてくれた。
そう、あの日からずっと、わたしは君を…』
[光の中から姿を現した。帰って来たのではなく、今形となったのだ]
ここは?
[きょろきょろと周りを見渡すと、どこまでも荒野が広がっていた]
何度も、ここは通ったよね。いくつもの人生があったんだ。
大丈夫だよ。ちゃんと、私の中に受け継がれているから。
[ナッツは老人の顔の横に飛んで行き、呟いた。]
わたしが卑怯だったのよ。
あなたが飛べなくなった日から、あなたはわたしがいつでもあなたの元を離れられるようにしながら、それでもわたしと一緒にいてくれた。
わたしも怖かったの。
あなたが飛べなくなって、もしかしたら、わたしはあなたのことをそんなに好きではなくなってしまうのかも、って。
あなたに甘えて、そのまま何も言わずにここまできてしまったけど、でもずっとわたしはあなたのそばにいた。
つまりはそういうことなのよ。
ごめんなさい、わたし、何もいえなかった。
[とめどなく涙があふれた。
老人は、指でナッツの涙を拭った。]
自分は誰なのか、きっとみんなも一度は思ってるよね。
私は、誰でもなかったんじゃない。誰でもあったんだね。
[ついさっきまで自分そのものだった光の渦を眺めると、少し微笑んだ]
キューちゃん。
[誰にも教えなかった、自分の名付け親の名前を呼ぶ]
これであんたが、私の生みの親だよ。やっぱり家族だ。
キューちゃんの思い、受け取ったからね。
[ぐらりと景色が揺れて]
(あぁ…ここは師匠の家…)
[自分が過ごした時代。師匠が大怪我をして寝ている]
(お金がなくて、あのケチな薬屋から薬が買えなくて…)
[無意識のうちにポケットに手を入れると…]
(……!!)
[思い出した。]
……これを、ディーンさんのところに持って行ってくだださい。「龍の涙」といえば、高く買い取ってくれるでしょう。
[師匠の枕元に桂川から受け取った龍の涙を置いた。]
[いつの間にか、手元には新しい壺が置いてあった]
結局、私に壺をくれたのは師匠だったんだね。
《昔は壺を使って星屑を集めてたもんだ》
自慢気に話していたあれは、私がこの世に現れた原因となっていたんだ。
[大切そうに壺を撫でる]
やっぱり、壺って不思議だね。
[師匠から、夢枕に立った男性にこう言われたと、そして、その通りになり、師匠の怪我を治すことができたこと…]
(……こんなところで繋がってたんですか)
[師匠の家を出て、しばらく歩くと、景色が今まで以上に揺れて…]
[だから…解けない呪いならば。
苦しみも痛みも恐れも、変わらないかもしれないけれど、
涙を止めることはできないかもしれないけれど、
祖父や父と同じになってしまう(>>2:*68)のを
止めることはできないかもしれないけれど、
せめて、一人(>>*0)では、ありませんように…と。
傍らに、共に在り、苦しみを分かち合ってくれる誰かが、
涙を拭ってくれる手が、ありますように、と。
もう一つの、呪いをかけられたらと思った。
100年眠るのと同じくらい、
何の解決策にもならないかもしれない、無力な呪い。
魔女ではないから、届いたかどうかは、分からないけれど]
『…わたしは、とても幸せだった。
最期まで君がそばにいてくれて。
わたしが君の最期にそばにいられないことが悔しいよ。
今日はわたしばっかり幸せだ。
…でも、君は、わたしのことを忘れてほしい。
これからの何百年、こんな風なこと全てを覚えていたら、君がつぶれてしまう。
わたしを他の、もっと楽しい、いろんな事で上書きするんだ。
変わらず空を、飛び回っていて欲しいんだ。
君の最期のときが、私と同じくらい幸せであることを祈って…
これを…』
[どこから出してきたのだろうか。
彼の手のひらの上には、小さな、二連のネックレスがあった。]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
[16]
[17]
[18]
[19]
[20]
[21]
[22]
[23]
[24]
[25]
[26]
[27]
[28]
[29]
[30]
[31]
[32]
[33]
[34]
[35]
[36]
[37]
[38]
[39]
[40]
[41]
[42]
[43]
[44]
[45]
[46]
[47]
[48]
[49]
[50]
[51]
[52]
[53]
[54]
[55]
[56]
[57]
[58]
[59]
[60]
[61]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新