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ええーっと『スペースシップ サスケハナ』・・・
サスケハナ!?
我々の宇宙船と同じ名前じゃありませんか・・・。
形がぜんぜん違いますね・・・。
[まあ宇宙は広いから同じような名前の船があってもおかしくはないのだが・・・]
そういえば、博士が昔乗っていた船の名前もサスケハナ号だとおっしゃってましたね。
まさかキャプテンの船ですか?
/*芳さん、いろいろありがとうございます!
芳さんの設定をうかがえたの嬉しかったです。
レリアPC設定出せたのもありがたかったし、
レリアを理解しようとしてくださったのが、
とても嬉しかったです…
わかりにくい子ですみませんでした…><。
いやあの船ではないな。
[確かに昔、私はキャプテンと一緒に宇宙を駆けていた船の名前がサスケハナ号で、自分の宇宙船にもつけているのだが・・・、私の思い出の中のサスケハナ号はこういう船ではなかった。]
しかし、これは一体・・・。
[似たような名前の船があってもおかしくはないが・・・、どうもおかしい。
いきなりの展開に列車に戻れなくなってしまった事実はすでに意識しなくなっていた。]
もしかしたらこの船の持ち主も博士みたいにそのキャプテンのファンだったりして。
あっ、ハッチが開きますよ。
[ハッチが開くとそこに二人の少女が立っていた。
一人は赤い服を着た少女、もう一人は白いセーラー服を着た少女である。]
・・・。
未来は、決まっているのでは?
[屋敷があった。]
俺の未来は。
[勝手知ったる屋敷の廊下を歩み一室に入る。
マホガニーに似た光沢のテーブルの上に、
指輪が置かれている。
妖しげな光を放つ女性用の指輪だった。]
[薬屋の前で佇む。中から女性が出てきた]
『あなた、カンロさんのところに薬、届けてくるわね。』
[見覚えのない若い女性が店の中にいる店主と思しき人物に声をかける]
「あぁ、いってらっしゃいエルア、気をつけて」
[中から現れた人物を見て息を飲む。それは明らかに自分だった。さらに]
『マルセー、ちょっとフリッツと散歩にいってくるよ』
[幼い男の子と年配の女性が出てきた。
自分の記憶にはないが、先程の世界で出てきた母親が、歳を重ねた感じである。]
(これは…これはどういう…)
[さらに、別の世界では、自分が家族を持ち、幸せに暮らしているということだろうか。]
これは。
[政略結婚のために造られた烏黒ダイヤの指輪だった。
顔も見た事のない相手と結婚させられるのは憂鬱と、
湾曲的破局をしようと一度は考えたものだった。
宇宙カジノのルーレットで賭けに出し見事負けた。
最終的にはイザベラから返して貰ったが・・・。]
[つまり、人生の選択肢は何もひとつだけではないということだ。]
……好むと好まざるとにかかわらず…か。
[不可抗力で他に選択肢がない場合もあるだろうが、
細かい枝分かれの末にあるのが、今の自分である。]
『教授、どうやらあの人たちがそのようですぜ。』
『そのようね。あなたたちこんなところで立ち話もなんだからこのサスケハナ号に招待するわ。』
[教授と呼ばれる少女・・・とはいってもこんな年で教授とは・・・まだ若そうに見えるが・・・]
桂川君、あの子もこういっておるし、折角じゃから入ってみようかの?
[気になることもあるし、とにかく入ってみなければ。]
博士いいんですか?
もしかしたら私たちを油断させて、
『これからあなたたちは生贄になるのよ。そう新しい科学の発展のための礎になるのよ。ふふふ。』
とかいうに決まってますよ。
[博士は美少女によわいのは先刻承知なのだが、もしも博士に万が一のことがあれば、ユディトさんにどう申し開きをすればいいのか、とにかくおそるおそる船の中に入ることにした。]
あの時、断らなければ?
[賭けで手放しても破談にはなっただろう。
取り戻したのは烏黒ダイヤに後ろ髪を引かれたため。
最後に婚約を断ろうと決めたのは・・・。]
俺も選んだという訳か。
[振り向いた。
尼栗色の髪の女性が寄り添う姿が通り過ぎる。
傍らの自分は今と変わらない顔をしている。
名前はエマ。幾つもの星間企業を束ねる資産家の娘だ。
エマと婚約すれば家と家の結びつきは強くなっただろう。]
― ぼろ屋 ―
[ぼろ屋はあのぼろ屋と何も変わらない。
玄関扉の下の方には猫用入り口のようなナッツ用の小さな扉がついており、そこから屋内に入る。
ベッド際においてあるランタンの灯だけが光源の薄暗い室内で、老いた彼がベッドに寝ていた。]
ああ…
[彼は600年以上前に死んでいるし、ここは地球から遥か遠く離れている。
間違いなくこれは自分の意識や記憶から作られた幻だろう。
それでもこみ上げるものがあり、少し泣きそうになった。]
[老人はナッツに気がつくと、ベッド上から声をかけた。]
『ナッツ、お帰り。この吹雪の中、どこに行ってたんだ?
しかし、止まないな…』
[老人がゆっくり窓の外を見た。
いつの間にか外は暗い吹雪になっている。
とたんに家の中が冷え切っていることに気づいた。]
寒いじゃない、駄目じゃない、だから…
[死んじゃうのよ、といいかけて気づいた。
これは、彼の…]
『いいんだ、ナッツ。近くに来てくれないか。』
[黙って老人の枕元にふわりと飛んでいった。
ランタンに照らされた彼の顔は年齢以上にやつれて見えた。]
[何にも逆らわず流されて、
不幸も幸せもない世界で生きてゆく。
今はその生活が、息がつまるように少し色褪せて見えた。]
そろそろ、終わりの時間。
[周りの風はするすると辺りへ広がって行き、霧散してゆく。宇宙全ての者達がたどり着くこの星に、また帰ってゆく]
スッチー、また、きっと。
[強い思いがここでもまた新たに生み出された。それは、どこまでも純粋な思いだった。そして、それは形となって現れてゆく。その様子を満足そうに見つめ、静かに眠った]
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