情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
[16]
[17]
[18]
[19]
[20]
[21]
[22]
[23]
[24]
[25]
[26]
[27]
[28]
[29]
[30]
[31]
[32]
[33]
[34]
[35]
[36]
[37]
[38]
[39]
[40]
[41]
[42]
[43]
[44]
[45]
[46]
[47]
[48]
[49]
[50]
[51]
[52]
[53]
[54]
[55]
[56]
[57]
[58]
[59]
[60]
[61]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
[この星で見る、生前の嘗ての過去で有り未来は、
受肉していない英霊の身にとってもまた、幻覚や幻影であろうか?
*否、或いは―――*]
― ??? ―
あら、ここは……。
[気づけば無心で歩いていて、周りから人の声がした。
声、というより活気とでもいうのだろうか。
喧騒、人の気配、そういったものがどんどん強くなってくる。]
あ、ごめんなさ……い。
[不意に人とぶつかったような気がして、慌てて振り返る。
そこに見えたのは――生まれ故郷の景色だった。
驚きに目を見開いていると、下方から声が聞こえる。]
「ごめんねー! また明日!」
[その声は、どこか自分に似ていて。
その姿は、幼い頃の自分にそっくりで。
今の姿は見えないのだろうか。
周りの大人も、その子どもも、何も言わずに通り過ぎていく。]
「メルちゃんきをつけてねー!」
[幼い頃、よく一緒に遊んだ女の子が遠くに見える。
その声の先には、幼い頃の自分がいた。]
これが……選ばなかった未来。
[無意識に近い状態で呟くと、ふらり。
人ごみの間を急いでかけていく、幼い自分の姿を見やる。
向こうは小回りの利く体だからか、すいすいと前へ進んでいくが、こちらもまた人に当たる心配がない。]
まるで、幽霊になったみたいね。
[聞こえるはずもないのについ囁きながら、見失わないように早足で小さな背中を追った。
その角を曲がれば。]
「かあさま、ただいまー!」
[見覚えのある、こじんまりとした家があった。]
「おかえりーメル!」
[ドアを開ける必要もなかった。
壁を通り抜けるように家に入ると、少しやつれた母の姿があった。
自然と目に涙が浮かび、体が微かに震える。
見逃すまいと慌ててまばたきをすると、小さな雫が零れ落ちた。]
「かあさま、今日はたまごがあるからね!」
「あらあら嬉しいねえ!」
[簡素なキッチン。古びたフライパン。
手にした籠に入れた卵を取り出して、嬉しそうに母に見せる幼い自分。
母はやつれてはいたけれど、以前のはつらつさは失われておらず、大好きな太陽みたいな笑顔を浮かべていた。]
【契約書
もし、わたしが出発までに戻らなければ、
わたしの荷物は処分していただいてかまいません。
わたしの行方を捜して頂く必要もありません。
何があっても、この星の関係者およびスターライナーの乗務員に
責任を問うことはいたしません。】
××××年○月▽日
シリル・グリーン】
かあさま……。
[その後の光景は、どれも見慣れたものばかりで。
ちょっと焦げてしまった目玉焼きとミルクに浸したパン。
それを母の元へ運んでいく。
ありがとうと頭を撫でてくれる母。
嬉しそうに微笑んで、一緒に食事をとった。
今日あった出来事を話して、これからのことを話して。]
「病気だからって、気持ちまで沈む必要がどこにあるんだい!」
[そう言って、からりと笑った母の姿が思い出された。]
[楽しい時間はあっという間に過ぎて、暗い暗い夜が来る。]
「かあさま、となりでねていい?」
「……もちろんさ。おいで」
[優しい声のかあさまの隣に潜りこんで、狭いベッドにふたり横になる。]
「かあさま」
「なんだい?」
「いつもいっしょにいられなくてごめんね」
[服の裾をぎゅっと掴んで、そんな言葉が漏れる。
本当は、ずっと傍にいたいけれど。
現実は優しいだけじゃなくて、生きていくためには働かなければならなかった。
元々母の仕事を手伝っていたから、職に困るということがなかったことだけが幸いで。]
「メルがいるから、つらくないよ。寂しくないよ」
[そう言って、大好きな暖かい手で頭を撫でてくれる母に抱きついて、静かに泣いた。]
かあさまは、寂しく、なかった……?
[聞いたことのない言葉。
つまりこれが、選ばなかった未来なのだろう。
今までと変わらない毎日を過ごして、終わりが来る恐怖に震えている。]
それでも、かあさまは。
[呆然とただ立ち尽くしたまま、すやすやと眠る幼い自分と、慈愛に満ちた表情でそれを見つめる母の姿を目に焼き付けた。]
そう、ね。
うん、大丈夫。覚悟はできていたから。
[母が眠るまでその姿を見つめて、寄り添って眠る親子に背を向ける。
壁を抜けて外に出ると、夜空に満天の星空が輝いていた。
上を見上げる。
よく星が見えるように、涙が零れないように。]
答えが分かって良かった。
かあさまに会えて良かった。
[ぽつりと呟くと、少しだけ気持ちが晴れた気がした。
目を閉じると雫が零れた代わりに、今見てきた光景が浮かぶ。
きっと長生きはできなかっただろう。]
それでも、かあさまは幸せに生きられたのでしょうね。
[そう、信じたい。
けれど、それを信じれば。]
― ??? ―
[目を開けば、元の場所に戻っていると思っていた。]
え……ここ、は。
[愕然と目を見開く。
手足は震え、立っているのがやっとだった。]
ど、して……。
[先程までの家より、ずっと綺麗で白くて広い。
綺麗な花が咲き乱れ、甘い香りに満ち溢れている。
母は、綺麗なものと甘いものが大好きだったから。
見覚えのあるこの場所は、]
かあさま……?
[選んだはずの未来――病室。
そこに眠る母の姿があった。**]
/*駅がふたつ・・・板からだと、
どうしてこう推敲できないのでしょう、すみません><、
鳩からでちゃんと発言できる方、本当に尊敬…。
[過去にどんな選択をしても間違っていない。
そんな思いはあの時届いただろうか。
メルヴィの姿が遠ざかり、ハンスも歩き始めた。
荒野は白っぽくも赤茶けている。]
・・・。
[選択はあったのだろうか。
違う未来を見れるのだろうか。]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
[16]
[17]
[18]
[19]
[20]
[21]
[22]
[23]
[24]
[25]
[26]
[27]
[28]
[29]
[30]
[31]
[32]
[33]
[34]
[35]
[36]
[37]
[38]
[39]
[40]
[41]
[42]
[43]
[44]
[45]
[46]
[47]
[48]
[49]
[50]
[51]
[52]
[53]
[54]
[55]
[56]
[57]
[58]
[59]
[60]
[61]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新