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なんかまだ読み切れてないけれど明日はスイミングだから睡眠ぐしますのー
[まほうつかいのようなキレがない]
とりあえすわたしは冷泉さんがらぷさんだという事実に笑いが止まらないwwwwwwwwwwwwwwあのロボ対決wwwwwwwwwwwwww
今回は珍しくごしゅじんさまの位置がわかったので満足して寝ますの。おだいじにですよぅ。
[国代せんせーをなでなでして毛布もぐりこみ**]
― 教会 ―
[盟譜学園に冬がやってきた。あの事件の日々からどれほどの時を経ただろう。恐らく二ヶ月は経っていない。割と最近の出来事だ。
変わったことと言えば、盟譜学園で起こった数々の事件が○TAに知れ渡ってしまい、入学予定者の半分が去ってしまい、在校生も従来の三分の二に減ってしまった。]
ここも静かになったものだな。
シスターの数もめっきり減ってしまった。
[靴下泥棒の暗躍。エイリアン留学制度の摘発。エイリアン密輸の摘発。21世紀型ゾンビの疑惑。戦闘型メイドロボのシスター長。私は魔法聖女なの! と突然叫び出し徘徊する生徒達。どこを向いても問題だらけだ。
魔術によって善良な生徒達を避難・転校させた御厨学の功績は大きいと言えよう。]
いつかまた春が来る頃に、この学園も騒がしくなるだろうか。
[ちなみに教会はどこかへ飛び去ってしまったので、絶賛再建造中だ。]
[一時は廃校になるのではとの噂すらあった。だがこの学園を愛する生徒達の署名活動により一難を去り、今はすっかり平穏を取り戻しつつある。あくまで見かけの上では。]
さて。私も荷造りを終えないとな……。
[シスター長はと言えば、メイドロボであることが発覚してしまったため、○TAに問題視された。残念ながら20001人に増殖したりファンネルをぶっ放したりなんとか博士もびっくりの発明力に庇う声は上がらなかった。]
後は本と、着替えくらいか。
……ん? これは。
[借りたままのBD。それと、すっかり黒みが取れてしまった本。
どちらも返さなければならないものだ。すっかり忘れていた。手近にいたシスターに、持ち主へ返すようにお願いして、シスター長は荷物を入れたダンボールを持ち出した。]
さて。これからどこへ行こうかなあ。
あり得ないあり得ないと思っていたけど、私が一番あり得ない。
[何せメイドロボである。量産型である。ついでにクマムシレベルの生命力を持つよう魔改造を施されている。ちなみに彼女は瀬織五月4号だ。
あてはない。どこを旅しても自分は死なないし、壊れないだろう。
この先、永遠を生きることになるのだ。急ぐ必要はないだろう。]
この学園のように、短い期間で変わってしまう場所もあるかもしれない。まさか赴任当時は自分がメイドロボだったり、靴下泥棒が現れたり、ゾンビが暗躍していたり、魔法聖女を名乗る生徒が奇行を繰り返すなんて思いもしなかったな!
・・・・・・職ナシかあ。
[こうして瀬織五月のニート生活が始まった。
それでも明日がある。明後日がある。この学園で起こった事件ほど刺激は無いかもしれないが、まだまだ多くの事件と巡り合わなければならないだろう。
明日の勇気を得る為に、冷泉に借りたBDの内容を思い返した。]
「やはり、時代はペンタブだと思わない?」
彼女は笑った。白いカーテンから漏れる光がとても綺麗で、朝靄に包まれる彼女のペンタブレットは、とても美しく思えた。だが、そんな彼女も、既に現代医学では手の施しようが無い段階まできているのだ。
「大丈夫だよ。ペンタブレットは不滅だ」
僕は彼女のペンタブレットをぎゅっと握りしめた。ペンタブレットに国境はない。僕たちはペンタブレットと共に出会い、ペンタブレットと共に生き、ペンタブレットと共に愛し合ったのだ。これしきで折れてしまうペンタブレットではない。現に、彼女はペンタブレットを握り締めながらも明日の奇跡を信じて、この最上階で医療の発展を待ち続けているのだ。
「もう諦めたはずなのに、愛用のペンタブと一緒にお日様の下を歩きたいと思ってしまう。勿論、アナタも一緒よ」
「……そうだね」
彼女は現実主義者だった。敵対する関連企業をM&Aと株式を駆使して潰し、自分の会社を発展させるためには根回しだって怠らない。聞けば、中学時代からそうして生きてきたらしい。そんな彼女が、夢見がちなことを語る。いや、もしかしたら彼女は本当に信じているのかもしれない――。
次の日、彼女の容態が急変した。僕は職場を飛び出し、2tトラックに3台ほど轢かれながらも無事に病院へと到着する。だが時は既に遅かった。彼女が握り締めていたペンタブは無残にも折れており、彼女自身も目を硬く閉じたまま動かない。
「ゾン美……目を開けてくれよ! 僕とペンタブと一緒に世界を見て回るんだろう!? ゾン美、ゾン美ぃいいいい!!!」
取り乱す僕は医者に優しく諭される。激昂のままに振り返る。だが、拳を振り回すことまでしかできない。なぜなら先生は、その手にペンタブを握っていたのだ。
「鹿羽ゾン美さんが作った新しいペンタブです。彼女は最期まで闘った。……これは貴方に先へ羽ばたいて欲しいというメッセージだ。今は取り乱す時かもしれません。ですがいつか、彼女の面影をこのペンタブに思い出すべきでしょう」
もう、何も言えなかった。黙ってペンタブを受け取り、その日は彼女の身内を待って、帰宅せざるをえなかった。
何も考えたくない。こういう時、暗闇は僕を癒してくれる。癒してくれるという言い方は間違いだ。これは侵略だろう。皮膚を溶かし、骨を啄ばみ、血に混じる。上も下も、右も左も分からない、途方のない浮遊感。
メッセの音がする。誰かからメッセージが来たらしい。だがそんなことは関係がない。今の僕の現実は、地面を介して聞こえる自分の血流の音と、ゾン美がもういないという事実。二人でペンタブを見せ合うことはもうできないのだ。
「今くらいは……休ませてくれないか」
またメッセの音がする。やめてくれ。今だけは現実に引き戻さないで欲しい。僕はおもむろに手を伸ばし、コンセントを引き抜いた。強制終了の影響でデータが吹っ飛んだり、PCがイカれてしまったかもしれないが仕方が無い。もう、何もかもどうでもよくなった。
「…………」
雨の音が聞こえる。これはゾン美の涙なのだろうか。そういえば、二人が初めて会話をした日も、冷たい雲がのしかかる雨の日だった気がする。だから僕は雨の音を着信音に設定したのだ。つまり、これは僕の携帯の着信音である。
「……………………………」
現実から逃げようとした途端にこれだ。人間社会はかくも忙しない。人の一生は限られているというのに、労災から尖閣問題まで、様々な事件で溢れている。僕はだんまりを決め込んだ。
だから、僕は知らなかったのだ。これが運命の選択――いや、もう、僕は「携帯電話に出ない」という選択肢を選んでしまっていたことを。
彼女の作った最期のペンタブが、僕を恨めしそうに見ている気がした。
食欲が無かった。食べなければ生きていけない。そんな理屈さえも思考に入ってこない。モノを考える、という動作を怠っているためだろう。
「…………もう朝か」
仕方なく、僕はコッペパンをひとつ食べることにする。胃は空腹を警鐘していても、僕自身が気付かない。だからこれは自動なのだ。こうして、テレビをつける動作さえも。
つけたチャンネルではニュースが放映されていた。速報らしい。とある宅で遺体が消えたとか、何とか。朝から物騒な話だ。何より、否応なしに彼女のことを思い返す。まだ現実の喧騒は、僕には早い。リモコンの電源ボタンをそっと押した。
同時に、チャイムが鳴る。朝から来客だろうか。今のテレビで分かったように、今は誰とも話したくない。少なくともゾン美の通夜に向かうまでは、こうして一人の時を刻みたい。
チャイムの次は、ノックだった。随分と激しいノックだ。時折、猫が引っ掻くような音が混じっているのは気のせいだろうか? 朝からの来客は碌な相手がいない。昨夜の苦情か、なんとかの会の勧誘か――ともかく居留守を決め込んでいると、来客はいなくなったようだった。静かになったのだ。
「……すみませんね」
そこにいない誰かに謝った。窓の外を見る。鳥の影が、一つ、二つ。
日常は変わりなく回っている。そのことを告げるように、鳥が鳴き――それら全てが、玄関から聞こえた破壊音に塗りつぶされた。
「!?」
驚く暇もなく、慌しい足音が屋内に侵入してくる。僕は咄嗟に通信空手の極意を思い出し、護身術のいろはを頭の中で反芻しながらソファーの後ろに隠れた。
あれは、誰だろう。足音は何かを探すように歩き回っている。いや、歩き回っていると呼ぶには生易しい。あれは漁っているのだ。ゴミ箱を、冷蔵庫を、コンロを、台所につるしておいた玉葱を! 僕は食べ物を漁られる恐怖に耐えられなくなり、ペンタブをぎゅっと握り締めて、ソファーから顔を出した。
そこにいたのは――僕が逃げ続けた、現実だった。
口の中のコッペパンが苦い。急いで飲み込む。喉を詰まらせかけたが、何とか事なきを得た。後ろを振り返る。もう誰も追っては来ないようだった。
「あれは……」
僕が行った悪事といえば、せいぜいインサイダー取引とワライタケの密輸くらいだ。追われるような覚えは無い。警察なんかあり得ない。泥棒などでもないだろう。いつまでも現実逃避を続ける頭の中に答はある。それを吐くようにつぶやくことは、僕にとっての最後の生命線だったのかもしれない。
「あれは……あれは、ゾン美……!」
ウィンドウショップのマネキンが僕を見つめている。帽子を深く被って目は見えないが、恐らく白目を剥いているのだろう。マネキンも驚いているのだ。だが僕にマネキンと見詰め合う時間は無い。かといって戻る勇気も湧かない。携帯――ああ、家に置いてきてしまった。
僕は偶然にもテレカを持っていた。『温泉重工』と書かれたテレカだ。さすがは温泉重工、なんでも手を出している。僕は温泉重工に感謝をしながら、テレクラの広告がこれでもかというほどに貼り付けられた公衆電話ボックスに駆け込んだ。
警察なら――或いはどうにかしてくれるかもしれない。
―― 結論から言えば、それは大きな誤りだった。無駄に広いスクランブル交差点に無駄にステップを踏みながら行き交う人々に混じり、僕はスクリーンを眺めていた。
警官。身元不明の女性に襲われる。
スクリーンには、変わり果てたゾン美と警察官が街の人々を襲っている様子が映し出されていた。燃え盛る電柱。崩れ落ちた家屋。速報だ。ライブだ。カメラマンらしき人が「危ない!」と叫ぶ。すぐ後ろにゾン美がきていたのだ! そこで映像は途絶えた。
「あの時、僕が逃げなければ」
愛とペンタブに国境はない。そう誓ったのではなかったか。彼女が少しゾンビ化したからと言って、突き放すなど愛が足りない様子だ。無駄にステップを踏みながら通り過ぎていく人々も、無言で僕を攻めているように思えた。
「こうしちゃ、いられない」
今の僕には彼女を止めるだけの力は無い。抱擁する力も無いだろう。まずは彼女を取り巻くゾンビを排除しなくてはならない。とにかくこの国は危険だ。急いで関西国際空港までの路線を辿り、○H0741便に乗ってフランクフルトへ。必ずこの地を再び拝むとペンタブに誓いながら、僕は旅立った。
「こちら認識番号931。時刻はヒトマルマルマル。状況は以前変わりない。そちらの状況を教えてくれ」
黒ずんだパイプ。油の臭いがこびり付いた床。ひび割れのひどい机を囲んで、男達が資料を覗きあっていた。皆迷彩服に身を包み、兵士のような格好をしている。一人は無線を手に状況の報告と了承を繰り返していた。
「先輩。街の方面を奴らが囲んでいるというのなら、山の方を抜けるという手立てはどうでしょう?」
顔立ちの幼い兵士が訊ねる。資料を払い、その下に埋もれていた地図を指差した。だが兵士の一人が首を振る。彼によれば、山を越えるには装備が無く、仮に"奴ら"に追われた際に遊撃が不可能になってしまう、隊列が組めないからだ――とのことだった。
「でも、このままここにいたら犬死ですよ!」
少年のような顔つきの兵士は声を荒げる。だが、他の兵士は疲れきったような表情を返すだけで、何も言い返さない。中には忌々しげに舌打ちをしている兵士もいた。
彼らの沈黙を破るように、鉄の扉が開かれる。この部屋へ通じる唯一の扉だ。それは部屋に蔓延る男の兵士ではなく、やはり迷彩服に身を包んだ、女性のようであった。
すれ違うように少年の顔立ちをした兵士が部屋を出て行く。
「……? おい、待て二由。どこへ行く!」
女性の兵士が声をかけるが、彼は止まらない。何があった、とその場に留まり続ける兵士に尋ねるより先に、再び鉄の扉が開かれた。
「? ……これは何の騒ぎだ」
「リーダー」
兵士達が一斉に立ち上がる。だが、リーダーと呼ばれた男は一瞥すらせず、二由と呼ばれた兵士が出て行った扉をじっと見つめていた。女性兵士が代弁するように報告する。腑抜けた兵士に愛想を尽かして、短気に及んだのだと。
「何故誰も止めなかった!」
男は走り出した。
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