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一発ネタのはずだったのに
恐ろしい世界線になってしまった……!!
どうしてこうなった。
きっとあの世界線よりもサイコパスしてない僕なんだ……。
え。普通に通りすがりの方がかしてくださいまして、一由さんもご存知なのかと。
洗濯いたしましたのでご安心……からは程遠いかもですが。
[まさかの盗品。
いいつつ石田氏に向き、]
そう……大事な方が、いらっしゃるのですね。
ご家族は心配されているでしょうし……
いえ、タイムスリップであれば、うまくすればズレなく戻れるのでしょうか。
詳しくはありませんが。
[450年前にすこしだけ思いを馳せた。
時代的に家庭もってそうだし。]
おはようございます雪宮さん。
行き着く先とはこんどは一由さんが450年前にタイムスリップというお約束でしょうか。
そして心配したエイリアンが時空をこじ開けてときをこえる─────
「た ま ご や き」
タイムマシンくらいなら御厨邸さん家で魔本回収しているメイドロボに頼むと爆発オチ付きで作ってくれそうだよね。
Dメールを送りますか?
このメールは更にひどい世界線に飛ぶ可能性があります。具体的には雪宮双海子が生き別れの妹だったり、一由智がハーレム状態(男含む)だったり、マルグリットが学園の番長だったり、白水立海が未来人だったり、まほうつかいの正体は<<一由 智>>だったり、石田太郎がタイムトラベラーではなくただのフリーターだったりするかもしれません。
ニアはい
いいえ
『一発ネタも、続けていけばそれは一発ではなく継続的ネタとなり
最終的には、そりゃこうなりまっせ兄ちゃん』
[気付いたら昨晩ツンツンつつかれてました。スケッチブックが。
おはようございます。ダビングテープを、手に入れたぞ!!
やばい教育的に全くよろしくないね(
ウチのマスターも、流石に今回の聖杯戦争は薔薇咲かなかったな!
と思っていたらそんな事はなかった。
何を言っているのか(ry
わたしはめぐさんの男らしさにときめいてユリの花さかすかとふとおもったそんな朝。
偶然ですね石田さん。
実はわたし、未来からきたんです。
450年ほど先の世界から。
こんなになにもかも不便で、しかし人がいる世界とは良いものですね。
私がいた場所では、神という存在しないものを崇めるくらいしか、他者というものを認識できなかったのです。
人類は衰退し、一人ひとりが隔離され、管理された社会だったので。
[ちょうてんかい]
アメリカへ渡るためには海を越えなければならない。だが、航空機の大半はゾンビによって砕かれていた。空路が鎖されたとなれば海路しかないだろう。その為にはまず河へ向かう必要がある。そこで一晩を明かし、僕たちのペンタブを結集した舟でアメリカへと渡るのだ。
移動は困難を極めた。隊員達は襲い来るゾンビと、極度の精神的、肉体的疲労に耐えられず、一人、また一人と犠牲になっていく。河に辿り付いた時、メンバーは既に僕と、残り二人となっていた。
「リーダー。いつでもアメリカへ渡れます」
女性の隊員が話しかけてくる。聞けば彼女はお婆ちゃん子だったらしい。そしてその祖母というのが稀代の発明家で、彼女に発明の技術と魂を教え込んだらしいのだ。彼女が中心となって造った舟はターボ機能までついている。
だが、海も川もゾンビ禍に汚染されている。海洋生物だって危険だし、波に対処しきれるかも怪しい。それでも僕たちにはペンタブがついている。ペンタブを信じるしかないのだ。
次々とペンタブ船に乗り込む隊員達。そして僕と女性の隊員が乗り込もうという時、気配を探知した。振り返る。そこには女装したゾンビ――ニ由がいた。
教育によろしくなさすぎるー!
大焦りするよ……すごく……すごく……。
記憶消して回らなきゃ!
いや、返事……あったから つい。
つい。
……本当だな![ひどい>ばら]
「リーダー。……トドメ、刺してなかったんですね」
女性の隊員は咎めるような、哀れむような口調で呟いた。答える暇は無い。僕と彼女はそれぞれのペンタブを握り締め、ニ由を睨む。動きは鈍い。これならば一撃で、今度こそトドメを刺すことができるだろう。そう思っていた。
女性の隊員のペンタブが翻る。それはニ由の頭部に直撃した。ゾンビの血は赤い。ならば鮮血が彼女の美しいペンタブを汚していなければならない。だが、そうはならなかった。ニ由の頭部はペンタブを受け止めていたのだ。
「そんな……!」
ニ由の爪が女性の隊員を穿つ。女性の隊員は急いでコチラへと退却した。ゾンビに傷つけられたという事実。ゾンビを治療する薬はまだ開発できていない。これは――もう、どうにもならない。
それでも、あのアメリカなら、自由の女神を擁するアメリカなら、彼女を治療する術を知っているかもしれない。僕は彼女を庇うように前に出た。
小さな金属音が鳴る。
それが何か――と確かめるより先に、僕は彼女に突き飛ばされていた。走っていく。彼女の手には、しっかりとロ○クール勢のマウスが握られていた。
二由を女性の隊員が抱きしめる。まるで母のように優しく。この一枚はまるで聖母マリアの肖像画だ。だとするならば、二由は今この時、赤子の心に戻ったのだ。彼の格好は女装。つまり二由にとって心の故郷とは、女装だったのかもしれない。
ロ○クール勢のマウスが爆発する。
二人は、爆炎と破け散ったニ由のスカートに包まれ、見えなくなった。あの布地はシルクだ。ニ由は服装に煩かった。なるほど、ゾンビとなってもなお、深層心理とは生き続けるのかもしれない――。
「ゾン美……」
彼女は僕を覚えているだろうか。ニ由が女装癖を忘れなかったように、ゾン美も僕のガンプラ趣味を忘れていないことを祈ろう。女性の隊員と二由の冥福を祈りながら、僕は船に乗り込んだ。
「待たせたな。……二由とアーノル子は、もう帰ってこない」
隊員達はそれぞれの反応をする。一人は食って掛かり、殴られた。恐らく頬の骨にヒビが入っただろう。そんなことを気にしている暇は無い。まずはアメリカだ。アメリカへ渡れば、きっと何とかなる――。
隊員のユキミヤとマルグリットがやってきた。河に辿り着く際に合流した新たな生き残りだ。彼女達は問いただした。ニ由とアーノル子の最期について。ニ由の女装癖について。彼はどのような女装を行っていたのか。布地は何だったのか。何を基調にしたコスプレだったのか。だが、僕に答えられることは限られている。あのスカートの布地は、シルクだった――。
『おれにまかせときな』
マルグリットがプラカードを掲げる。彼女は肉声ではなく、プラカードで意思疎通を図るきらいがあった。彼女の持つプラカードは多種多様だ。一体どこに持ち歩いているのだろう。花柄から水玉模様まで様々、素材とて檜に松に……とにかく色々だ。
双海子が舵を取る。その手は細かく震えていた。当然だ。彼女は寒がりだ。この海上は堪えるだろう。それでも彼女には舵を握ってもらわなくてはならない。
僕たちの旅路は、明日へと繋がっているのだろうか――。
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