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ー校庭ー
はっ、私の『ワールド恋ゾンビ』、略して恋ゾンが危ない気がする。教会の片隅に、打ち捨てられているような……。
シスター長が、まさかそんな真似をするはずもありませんが、一度確認しに行きましょう。HDDのデータは消してしまったのです。BDに残っている録画データしかもうないのです。
−生徒会室−
石宮先生が○されていないだけでもまだましだわ。
でも、昨晩のあの騒ぎの渦中の人物となっている縮君は行方不明のままみたいね。
[まあ、彼の開発したスーパー青汁が世に出なかった事は普通に良かったのかもしれないが]
― 中庭 ―
[中庭で時を待っていると、シスターがまた独りやってきた。]
大丈夫ですよシスター。
あの鬼のことは私がよく知っています。
負けることなど、あり得ないと言えるでしょう。
私が負けると思いますか?
[彼女らの信頼するシスター長がどのような人物であるのかは知らない。だが、ここに至るまで多くの人に声をかけられた。即ち彼女らが面影を重ねるシスター長とはそれなりの信をおける人物である。]
貴方達は私が帰ってくるまで教会を護ってください。
何、私は必ず帰ってきますよ。
敵は私がコアを壊されると機能停止してしまうことを知らない。後電磁パルスにも弱い。ですが奴はそんな知能を持った相手とは思えません。
[メイドロボは、迂闊にも要塞と化した教会を稼動させるリモコンを教会の中で落としてしまった。彼女がその事に気付かぬまま、戦いの時はすぐそこまで迫っていた。]
―教室(英語教諭サイド)―
「その通りです、よく出来ました雪宮さん。
より自然に訳すると
『ボブは笑いすぎて鼻からサーモンカルパッチョが出た』
となります。はい、ここテストに出ませんよー。
皆さんも笑いすぎには注意しましょう。
ちなみに授業のブッチをした暁には
その机の上に花瓶ごと花を飾った上で
成績下げますからね雪宮さん。」
[遠まわしの却下ですよふたみこさん。]
それにしても。
[ここ最近報告が上がった事を列挙していく。
アーヴァインの○。ひきこもりの突然○にまほうつかいの失踪。恋の十字砲火による教室消滅、靴下無双、学校がロボットになった揚句ロボゾンビーとの決戦、冷泉の○、超青汁の開発、クリストファーのファー事件、世界線崩壊未遂、さらに生徒・教師で失踪者数名]
特異点かっ。
― 中庭オブ教会付近 ―
[またシスター長だ。今日はシスター長を指しての訪問者が多い。声をかけるべきか悩んだ後、メイドロボはすっと縮地法で距離を詰めた。]
貴女もシスター長を探しておられるのですね。
[CV.桑島○子]
えぇ。というよりあなたがシスター長だと思うのんですけれど?違うの?
私は冷泉恭子です。京子の姉です。
昨日、妹が急遽留学することになったから、代わりに恋ゾンや特選ドラマBDを持ってきたんです。もう受け取りました?
ちょっと気になったから、今日もまた来たんです。
私が……シスター長……?
[メイドロボはグギギ、と頭を押さえた。]
れいせん、きょうこ。
なぜでしょう。私はその名に親愛の情を感じます。
不思議ですね。
BDなら先ほど受け取りました。
ですが、私はちょっとした事件に巻き込まれてしまい、メモリーが吹っ飛んでしまったようなのです。何故なら私は旧式戦闘型(ry)ですので。いわゆるロボです。
つまり、そのシスター長とやらが私であるのですね?
シスター長……。
[だめだ。蘇ってはならない。メイドロボに眠るシスター長が囁く。何故ならあいつは極度に死亡フラグが立てにくいからだ!]
旧式戦闘特化型メイドロボ瀬織ちゃん培養フォーマット4和風スタイル、瀬織五月。なのに彼女の「シスター長」の単語が私の奥底のバッテリー的なものを震わせる。
私は、一体……。
シスター長?大丈夫?寒い中庭じゃなくて、暖かいところでお茶でも飲みましょう。
折角だから近くのスタバにでも行きましょ。
しかし、こうなってくると残っているのが・・・・・・
羽島、マルグリット、シスター長、クリストファーの4名か。
[リストを見つつ、そっとシスター長を”保留”のボックスに移動する]
個人的には羽島の成敗には興味はあるが、ぐむむ。
マルグリットとクリストファーのどちらといわれると、ぐむむ。
[あっこの長官シスター長はこのまま放置プレイのつもりだ!]
大丈夫です。これでも正体不明の研究員に作られた最高傑作。南極から熱帯まで耐久は保障されています。
ですが、スタバというのはとても良さげな響きがあります。是非行ってみましょう。
[その時、空が雲に覆われた。
否、3mもの黒い化け物が冷泉の後ろに立っていたのだ!]
はっ。
危ない冷泉!
[メイドロボは振りおろされるふとましい腕から咄嗟に彼女を庇った。]
くっ
まさか昼間から現れるとは。
クエスト情報と違う。
無事ですか、冷泉さん……。
[無残にも切り裂かれた背中から人のものとも思えぬ黒い血が流れた。勿論オイルです。]
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