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― 教会 ―
[一旦、教会の中に入り、長椅子に座っていた。
くろい本を指の腹でなぞる。]
…………?
いえ、哀しいわけでは。
これに触れていたら、自然と出てきました。
[近くにいた女性――シスターBに、「泣いているのですか」と訊ねられた。メイドロボはその段になって涙と呼ばれるものが頬を伝っていることに気付いたが、原因は分からず終いなのであった。]
[女性――シスター達が教会を後にした頃、ふとメイドロボは顔を上げる。誰もいないはずなのに、気配を感じたからだ。]
…………。
人間ではないようですね。
[じっと見つめた。
高く空に伸びる神の家、その天井に迫らんと在る黒い靄。
黒と呼ぶにはなお濃く、影絵と呼ぶには墨のよう。]
とても黒く、とても禍々しく、とても、哀しい。
貴方に渦巻いているのは負の感情、でしょうか。
[くろいばけものは、応えるように吼えた。]
なるほど。貴方のものではないのですね。
負を吸い取り、読み取り、溜め込み、雪ぐ。
人には業というものがあります。
幾度生まれようと、幾度輪廻を越えようと、変わらないもの。
それは、人と上手く関われないという劣等感であったり、夢を叶えるだけの天性の才能がないことであったり、人により美しいと見られたいと感じたり、またそのようなものを愛でたいと思う心であったり。
それは人間を窮屈に生きさせます。同時に、窮屈に悩む人間は、その人間としての個性を得るでしょう。
血と共に生まれ、血を抱いてしぬ、その赤い色のように。
ならきっと、貴方のその体を形作り、それに嘆き、怒り、苦しむ貴方の業も、変わらないでしょう。
どれだけ死に、どれだけ生まれようとも。
貴方は貴方にしかなれない。
[涙はもう一筋。
メイドロボは、また、どうして流れるのだろうと不思議に思い、――くろいばけものに一撃を貰って、倒れ伏した。
BDの袋とくろい本はしっかりと抱きしめたまま。
くろいばけものが、どこかへ逃げる音を聴いて、意識は途絶えた。**]
―防衛隊管轄内高等部教室棟保健室―
[見知らぬベッドの上で、学は目を覚ました。]
む、ここは……?
[作りは高等部の保健室に似ているが、また別の場所にあるもののようだ。
ガラスを隔てた向こう側が、エイリアンの隔離室になっているらしい。]
ああ、そうだ確か僕は……
[どうやって、やられたか思い出そうとすると頭痛がする。
一時的な記憶の混乱だろうか。]
しかし、何だな、魔眼持ちの一由君を生かしておく辺り、エイリアン側は「防衛軍よ来るなら来い!」という方針なのかもしれないな。
潔いと言うか、人知れず生存する事を望んでいない気はする。
あるいは、マルグリットさん辺りがエイリアンなのかもな。
あるいは、僕はエイリアンにやられたのではなく、野崎君を呼び止めて鬼にやられたのかもしれないな。その方が流れ的にありな気はする。
まあ、記憶が無いのでその辺は解らないが。
――朝です――
ぐっすり夢も見ないで寝たと思うけど全然寝てないわー。
[連日睡眠不足っぽい感じの双海子さんです。ネタに困ると時間がどんどんかかりますよね。]
「おはようございます双海子さん」
おはよータック。あれ、ロックは?
[ルームメイトのミタさんに気付かれないようひそひそ声。ぐったり普通のぬいぐるみと化しているなめこを見てタックに質問の双海子さん。]
「昨日捕まえたバンダースナッチをエトラ・ドリナへ戻しにいっています。そろそろ戻ってくると思うんですが…」
あーそっかー。
じゃあ着替えるからちょっとかばんの中に入っててね。
[目隠しめかくし。]
そういえば1pt残っちゃっててなんだか物悲しさがあったねー。
[パジャマを脱ぎながらなんの話ですか双海子さん。]
あれ、今日は着替えのシーンにカメラが残ってる?
[だってそろそろイベントが]
「おーっす双海子。昨日捕まえた幻獣でちょっとおわあっわああわわわわあ」
お約束なんかすんじゃなああああいい!!!
[なめこの顔面に広辞苑がめりこみました。]
おはよう双海子さん朝からどしたのー?
[お、お、おはよーミタさん。やーゴキブリがいたように思ったんだけど気のせいみたいーあははー]
「当然起きちゃったミタさんに大慌てで笑って誤魔化す双海子さんでした。」
「おはよう双海子さん朝からどしたのー?」
お、お、おはよーミタさん。やーゴキブリがいたように思ったんだけど気のせいみたいーあははー。
[当然起きちゃったミタさんに大慌てで笑って誤魔化す双海子さんでした。]
[修正完了。]
よーし学校いくよがっこうー。
[以上、学生寮からお届けしました。]
おはよう諸君!
いやー昨晩は大変だったようだな、しかしようわからんが成敗出来たようで何よりだ!
まあ、人間だったんだけどな!
・・・・・・で、御厨はんは何処にいったのかね?
おはおうおはいあう。
[トーストくわえて出勤です。
遅刻しそうだったらしい。]
ブラックさんとの
共同征伐で地球を救ったので眠くって……。
あ、人間だったんですか!
そっかー、あはは。
[わるびれない。]
ぇ?
昨日僕らをサポートしてくれてたところまでは確かにいたんですけど……。
ま、まさかエイリアンに!?
あっ
[トーストはバターを塗った面がかなりの確率で下に落ちる法則発動。]
あーぁ……
[悲しそうだ]
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