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―地球防衛軍・本拠地―
僕の学び舎に、品の無い指名手配じみた貼り紙があちこちに貼られていたわけだが、貼った者を責めるべきか、貼らせる様な事をした者を責めるべきかと問われたら、当然後者だよな?
[授業を終えた学は、本拠地に入るなりそう言うと、防衛軍のポスターを丸めて、もぐもぐしている長官の頭をひっぱたいた。]
ー生徒会室 ー
[シスター長に貸すために持ってきた大人気ドラマ『ワールド恋ゾンビ』であるが、なんたることか、京子は改めて見始めてしまった。]
面白い。悔しいけど、面白い。*
まあ、派手に闘争姿勢を明らかにしている者たちの中にエイリアンがいる理屈は解らなくもない。
一連の、靴下騒ぎはエイリアンにとっても、闘争心の隠れ蓑になる気はする。
逆に、穏やかに目立たぬようにしている中にもいる可能性は、それなりにあるな。
――新聞部――
以上の観点から、我が新聞部でも靴下泥棒撲滅のため特別特集を書かねばいけないと提案いたしますっ
「そりゃ確かに生徒会からも注意喚起を求める記事をと依頼はあったがな、なんか学園中にベっタベタ張り紙でてるしそう大きく取り上げる必要は」
あ・り・ま・すっ
私だって今日も鏡の前で髪をとかしてた間に靴下が無くなってたんですよ、こんな危険は乙女のピンチが大ピンチじゃないですか。
もういっそ我々新聞部が犯人をとっ捕まえるくらいの勢いでいくべきと申し上げます!
僕は昨日、デュリンダナさんをエイリアン候補として推したわけだが、今ひとつカメラに捕らえられていない、縮君や石宮先生辺りも気になっている。
あと、彼だが、先生なのか、生徒なのかどちらなのかな。
誰も知らないようなら、普通に不審者だと思うのだが。
[そう言ってVTRのクリストファーを指差した。]
長官よ、イケメンに思えないのは俺の眼が悪いのか?
まあそれは良い。
しかし、エイリアンとはいったいどのような生態を持っているのか。
エイリアンよりこのシスター長の方が危険に思うのだが如何だろうか。
もっとも、そう簡単に見つかるような真似はすまいと思うのだがな……。
[過去分のモニターチェックをしていると、あの女生徒より発育のいい娘、否、胸が映っていた。よく見れば耳も尖っている。
たまに耳の先が尖っていたり、耳朶が恵比寿のようだったりはあるかも知れないがこの耳は少々異様である]
「言いたいことは判ったがその前にずっと言っている学園祭の」
これですねっ
[ばんっ とぶちょーのデスクに紙束を叩きつける双海子さん。びっしりと書き込まれているのは初等部から大学まで学園全部の出し物ごっそり。]
青汁喫茶を筆頭に喫茶店やB級グルメなど飲食類の一覧とメニュー、価格、食べ歩きツアーの推奨ルートまとめだし。展示類も写真付きで、私見ながら特に面白そうなところ・力の入っているところは別リストにピックアップ。各部活動や委員会別にもリストは作ってありますし、グラウンドや体育館で行われるイベント系のスケジュールと見所もインタビューしてあります。それから出し物からの逆引き索引も最後に。
「………お前どうしてこれ自分で記事にしない」
ですから美学に
[ヘッドバット!]
あきゅうっ?!
[巻き戻してVTRを見ながら]
なるほど、クリストファー君は大学生だったか。
何か学園内で唐突に記憶を失ったらしいが、何が原因なのだろうな。
エイリアンに寄生されたとか、記憶喪失の振りをしている可能性はあるのかもしれない。
今日は、クリストファー君かデュリンダナさんを推しておこう。
ン?
[袖を引っ張ってくる存在に振り向いた。
一由だと認識すると首を傾ける]
どうした。探されていたようだが、何処か校舎が壊れてたりしたわけでもないんだろう?
― 要塞 ―
[雪宮と別れた後、教会に戻ってきたシスター長は石室でぐったりしていた。今日は大変な冒険が続いた気がする。]
あ。
冷泉さんにゾンビものを借りないと。
生徒会室にいるのかなっと。
[椅子から立ち上がろうとして、指が震えているのが分かった。
どこか動き辛い。シスター長は今日借りることを諦めた。]
うーん。運動不足だろうかな。
[余談だが、御厨叔父に発注された際に調整したのが最後で、消息が分からなくなってからはスクラップ前提だったため耐久性諸々の調整がされていない。有体に言うとネジが一本外れたメイドロボはそんなに寿命とスタミナが多くなかったりするのだが、それはまた別のお話である。
とにかく一休みすることにした。コッペパン齧りながら。
あぐあぐ。]
――いしだ、さん。
[律儀に刺繍を読む]
いいこと教えてあげようかなって、思って。
[うっすら微笑みそっと耳打気味に]
……あのね、昨日保健室に運んでもらったあの子は、
潔白ですし、エイリアンじゃないですよ。
…うわーお。
一由君占い師ですかそうですか(
つまり、占われているんじゃないかなコレね…。
確か、2日目判定なかったよね…。
あははうふふ。
[ぱこん!]
あいたっ!ひどいやないか御厨はん!!
[あんたどこの出身や]
まあ、デュランダラと大人の味は確かに興味はあるな。
それとレッド君。君今なんて言ったんだね!?
[まさか貴様、今回も自分の心地よいタイミングで死ぬつもりか!?そうはさせるか!!]
良いこと?
[耳を寄せると、昨日の女生徒の話だった]
そうか。エイリアンでは無いのか……。
ならば襲う必要はないな。
[では同じように発育したこの耳の長い女もエイリアンではないのではないだろうか。
そこまで考えたところで]
一由、それが良いこと、なのか?
何がどう良いことなのか、良くわからないのだが。いや、間違えて倒さなくても良いというのは、良いことなのだろうが。
[そもそも名前も知らなかった]
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