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あ、エルさまぁ。
[戦士を胸で受け止めた格好のまま、おろおろと顔を上げ魔王>>52に視線を移す]
そんな、でも、ちまみれのひとが出て来たんですよぉ。
[自分が勇者にした仕打ちは完全に棚に上げているらしい]
どうすればいいんですかぁ?
[うる、とサキュバスの瞳が再び潤み始める]
血まみれの人……?
ほう、その方、暗黒戦士のソドではないか。
一体何用か。
[魔王メモ:魔王は魔界の住民の名前は全員把握してる]
……ええい、サキュバスよ、その目からこぼれおちそうなものをしまえ!
余はそれが苦手なのだ……!
[目に見えてうろたえた]
あ、あの。
何かお役に立てることは無いかと参上しましたら、イワシが欲しいという声が聞こえたものですから、獲りに行こうとしていたところでして。
それでその……何でか、泣かせちまったみたいで。
[立ち上がりながら、サキュバスに手を差し伸べた]
は、ソドさん、ですか……?
[魔王に言われて改めて血塗れの人を見る。
どうやら同僚らしい。
そして怪我をしている訳でもないらしい。
ちょっと落ち着いた様子で魔王に視線を戻し]
しま……?
は、はいぃ!
[魔王さまが困ってらっしゃる!
サキュバスは慌てて目許をごしごしと擦った]
ごめんなさぁい。
[そしてしゅんとした顔になった]
― 勇者牧場 ―
[きゅぴーんと立っていた頭の毛を手で撫で付けるのは珍しく綺麗に片づいている勇者牧場の前。
>>48なんかごろごろしている勇者を覗き込むようにしゃがんでみた。ついでにほっぺたをむにっと押さえてみた、肉球で]
海界とりにいくらしいぞ、魔王さま。
[機嫌がいい。
その言葉にうんうん頷く]
常夏の島でもおまけに付けたら喜んでくれるかなー
[海→バカンス→南の島。
わーらいおん袋に詰めたまかいぺんぎんがそれほど魔王の琴線に触れたとは予想もしない人狼は、のんきに呟いている**]
あ、ソドさん、大丈夫だったですか?
[おそるおそるといった様子ではあるが、立ち上がるソドを見て安堵の表情。
差し出される手に素直に掴まり]
ありがと。
[にこ、と笑った]
うむ、わかればよいのだ、わかれば。
そうか、ソドよ。
余は今忙しくてな。
何が何でも、イワシが欲しいのだ……。
此度の失態は、余は何も見なかったことにしようと思う。
[口元で笑む。
つまり、さっさとイワシ捕まえてきたら見逃すといっているのである]
サキュバスよ、そなたもわかればよいのだ。
今のそなたの泣き声で場内のものの"気"がだらけたものになっておる。
何とか気付けを、そなたの魅力で行ってくれ。
[だらだらしているワーライオンを、それは気にしている様子だった]
う。 あ、や、そっちこそ、大丈夫……
[本人がどこまで自覚しているかわからないが、間近で向けられたのはサキュバスの笑みである。戦士の心拍数は1ほど跳ね上がった>>60
だがしかし、ここは魔王の御前であった]
は、はひ!
かしこまりましてございます!
[サキュバスを助け起こしてから直立不動の姿勢を取り、魔王の笑みが意味するところを察して答えた>>61]
何としても、イワシを手に入れて参ります!
[身を翻し、廊下を駆けていった。
急いだのは、『そなたの魅力で』云々と命じるのが聞こえたせいもある]
冗談じゃねぇ。サキュバスの本気見たら、オレ死ぬわ。
[そう呟きながら疾走する姿は、間違った青春の一ページのよう。相変わらず血まみれだが]
―魔界森のお屋敷―
[人間牧場のちょっと近くにある魔界森の屋敷の一つでは、雇用型スケルトンがせっせと働いていた。その屋敷の主は一室にて]
むむ…今のは速かったぞ。新記録か。
[魔界マインボールという魔界TVを炬燵に入り、魔烏賊と魔ビール缶をのむ]
[魔界マインボールとは爆弾を抱えた人間牧場の人間を一つの建物のいく箇所に配置し、その配置をよみとって、いくつかの場所に爆弾を選手がしかけ、一度の爆弾で全て破壊するタイムアタックのゲーム。知恵と素早い判断力が求められる、手に汗握るゲームである。魔烏賊をガジガジ齧った...は魔界TVを鑑賞していた。]
はい!
えっと、みんなを元気にすればいいんですね!
[魔王>>61に了解!と敬礼し]
あ、ソドさん?
……へんなのー。
[自身の能力に無自覚なサキュバスは、動揺しているらしい戦士>>62に首を傾げる。
彼が魔王の命令を受ければ]
お魚とりに行くの?
がんばってねー!
[戦士が半ば逃げるように出て行ったとはつゆ知らず、無邪気に手を振って声援を送った]
>>62
うむ。朗報を期待しておるぞ。
暗黒戦士ソドよ。
[魔王の間から全力ダッシュする若者を見送り]
>>65
そうだ、サキュバスよ。
余や魔神なればともかく、それ以下の階級の魔族は、そなたの泣き声の影響を受けてしまうからな。
[真面目に風呂がいつまでたっても沸かないなどということもありえてしまう!]
そなたしかできぬことだ。任せたぞ。
[そんな休息中の折、同じ魔神から連絡が入る>>*2>>*3]
うむ、聞こえておるぞ。
急な話じゃのう。いや、あの御方のことじゃ。儂らには悟られずに壮大な計画を立てておったのじゃろう。
なるほど…海界をこちらに横付けすることで、魔界の部隊を早急に送り込むよう整え、奇襲で一気に制圧しようということじゃな。
あいわかった。任せておけい。
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