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”盟譜学園”
創始者ダーナ=メイフィールドによって建立された、初等部から高等部、大学までを有するミッション系の学園である。
創立100年を迎える2012年、文化祭を目前に学園内はにわかに賑わっていた。
1人目、用務員 栗栖 源一郎 がやってきました。
用務員 栗栖 源一郎は、村人 を希望しました。
−金曜夜・高等部一階−
[私の名前は栗栖源一郎。
いつの頃からか、この学園におけるマスター・オブ・用務員を務めている。ようするにこの学園には用務員と呼ばれる人物は名実共に私だけという事である。
今夜も初等部から大学までの校舎の見回りの任についていた]
へ・・・・・・へーっくし!
さすがに少し肌寒くなってきたな。
[そんな私の肌を温めてくれる家族は側にいないのだが、それは今は語るべき物語ではないだろう。
今夜も夜な夜な懐中電灯片手に夜の校舎を探索する]
[文化祭も近づいて来ているのか、高等部の校舎の中には派手な看板やら張り紙などが放置されている]
ゴミなのか大事なものなのかさっぱり判らんな、せめて歩きやすいように通路に置かないようにしてもらいたいものだ。
[そう愚痴りながらも、はたと高等部教室棟の一階で立ち止まる]
・・・・・・ん、誰かいるのか?
[奥のほうから、物音が聞こえる気がした。
栗栖源一郎たる私は、恐る恐るその方向へと足を運んだ]
2人目、杏里 メイフィールド がやってきました。
杏里 メイフィールドは、C国狂人 を希望しました。
−同時刻/高等部校舎一階−
[いつの頃からだろうか。
この時刻に、この用務員室に通うのが日課となっていた。
自分が何者なのか、もう擦り切れてしまいよく覚えていない。
そんな自分に何を為すのかを教えてくれるものがここにあるから、彼女はここに来るしか無いのだ。
静かな校舎に、がらがらと扉を開く音が響く。
誰も入ることの出来ない部屋。生徒の間では”開かずの間”と呼ばれるこの用具室に、彼女と神父だけは入ることが出来た。
簡単な結界が張られているだけではあるが、この学校の生徒に対してはそれだけで十分有効であった]
ダーナ、私を導いて。
[彼女に自分がどんな感情を抱いていたのか、それすらも朧気だ。
もしかしたらそれは慕情だったのかもしれないし、怨念だったのかもしれない。ただ、彼女の令呪によって縛られていただけなのかもしれない。
だが、少なくとも彼女なしではもう杏里はこの輪廻の輪から出られない。それだけは知っている。
かつて、彼女はダーナの召喚したサーヴァントであった。
今は、人間である。それは願いが叶った結果ではなかった。
この学園の創始者ダーナ=メイフィールドの復活。
それが、残された彼女に課せられた使命だった]
[用具室の中にはテーブルがひとつあり、その上には一冊の本がぽつんと置かれている。
その背表紙には”ダーナ・メイフィールドの日記”と書かれていた。
読む人など杏里と神父くらいしかいないその日記には、死んだはずのダーナの日記が毎日更新されていた。
杏里はそっと、その日記を手に取りページを捲った]
3人目、ダーナ メイフィールド がやってきました。
ダーナ メイフィールドは、おまかせ を希望しました。
[2012年 10月 12日
今年であれからもう100年になる。
聖杯戦争の準備は進んでいるか。
今度こそ、私の復活と、そして第三魔法の成就を。
杏里、私の願いが叶う時が、貴方がその永遠の迷路から解放される日である事を忘れてはいけませんよ。
多くの生贄を代償に、私は蘇り、永遠の命を手に入れるでしょう。
呼び出されるであろう英霊のうちいくつかには、私の意思を植えつけています。
貴方はそれをうまく誘導し、願いを成就するのです]
・・・・・・判りました、ダーナ。
[そっとその日記を机の上に置く。
この日記は結界の外には持ち出せない。読むにはここに来るしか無い。
今日の日課を終え、そっと用具室を出る。
この後、聖杯戦争の開始を見届ける為に。]
−廊下の隅−
・・・・・・ゆ、幽霊?
[物陰に隠れていれば、まるで幽霊であるかのような女性が開かずの間から出てきた。
一体、どういう事なのか。
彼女が去った後、恐る恐るその扉に手を掛ける。
だが]
きょ、今日のところはこの辺で勘弁してやろうじゃないか。
[急に、この扉を開けることに躊躇いを覚えた。
悶々とした気持ちを抱え、そのままこの夜私は他の施設の見回りに戻っていったのだった]
4人目、神父 荏嶺聡一郎 がやってきました。
神父 荏嶺聡一郎は、人狼 を希望しました。
−同時刻/教会 礼拝堂−
――――、
[ステンドグラスより差し込む淡い月明かりに照らされる、十字架に掲げられた聖者の像を見上げていた青年は、聞こえた微かな物音に振り返った。]
おや、今晩は。
このような時間にどうかいたしましたか?
[礼拝堂の扉を開け、入ってきた人影を見て柔らかな笑みを浮かべ荏嶺 聡一郎(えれい・そういちろう)は落ち着いた声音で語りかけた。]
−教会 礼拝堂−
あら、随分他人行儀なのね。
それに来た理由なんて察している癖に。
[つかつかと歩いてきて、神父の前の椅子にそっと静かに腰を下ろす]
ダーナの日記に、聖杯戦争について書かれたわ。
聖杯、英霊の準備は出来ているみたい。
あとは、開始の合図だけよ。
何事にも社交辞令は必要です。
[歩み寄ってきた女生徒――高等部の生徒会長でもある、杏里メイフィールドが腰掛けるのを見つめながら答え、そして続く言葉にひとつ息を吸い込むと、そっと頷いた。]
――判りました。
日付の変わる頃に聖杯の気配を開いておきます。気付いた者達がすぐにでも自ら集い来るでしょう。
[そこでまたひとつ息を吸い。]
見届けたわ。
[自分の右手の甲に、刻印が浮き出てくる。
3画で書かれた”令呪”。聖杯戦争のマスターに選ばれた証]
それじゃ、自分のサーヴァントを呼び出してくるわ。
あとは、よろしくね。
[疼く右手を左手で覆い、すくりと立ち上がり教会後にする]
−金曜夜/高等部グラウンド−
[懐から呪文が書かれたメモを取り出す。
本来正式な魔術師ではない上に記憶も曖昧になってきている彼女にとって、これが無ければサーヴァントを呼び出せない]
何度目、かしら。
[少し下を向き、呼吸を整えた後、彼女は召喚の儀式を始めた。
指を地面に当てると、そこから炎が放たれ、地面に魔法陣を描き始める。
そしてその魔法陣の中央で、彼女は呪文を唱え始めた]
素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ。
降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ.
閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者。
聖杯の寄るベに従い、この意、この理に従うならば応えよ。
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者。
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ。
5人目、バーサーカー がやってきました。
バーサーカーは、人狼 を希望しました。
[呪文と共に魔法陣が輝く。
最初は淡く、次第に強く。それはあまりにも不自然で、惹きつけるような怪しい光。
それは魔術と呼ばれる力の輝き。
それも、英霊という最上級の使い魔を呼び出す代議式]
……これは、酷いな。
[一際強く魔法陣が光り、それが消え去ると―――そこには、一人の男が立っていた]
[声をかけられ、自分の目の前に居る女性を見て―――皮肉げに笑みを浮かべる。
何かを、諦めたかのように]
ああ、そうだな。そんなことだろうと思っていた。
こんにちは。マスター。
バーサーカー、アステリオスだ。よろしく。
随分と退廃的なのね。
私とは気が合いそうだわ。
貴方の内に飼っている獣も、きっとこれから始まる戦争では満足出来る戦場に出会えると思うわ。
そりゃ最悪の戦場だ。ついでにあんたと気が合うってのもぞっとする。
僕は思わず逃げ出したくなるが……。
[目を細め、女をまっすぐ見る]
なあ、勝ち抜けば願いは叶うんだろう?
ええ、勿論。
[冷淡な表情の彼女には珍しく、少しだけ口元が緩むが]
貴方の思いのままよ。
私はいつも学園にいるから、貴方も学園で過ごしなさい。
そうね、高校の教師としてでも過ごせばいいわ。
学校には裏から根回ししておくから。
[根回しなど必要ないのかもしれない。
この学校の中にいる生徒には、本来気がつくはずの異変を気が付かなくしてしまう効果が施されている。
もしこの男が何食わぬ顔で教室に入ってきたとしても、誰も違和感など抱かないだろう]
・・・・・・これで、私の長い旅も。
終われば、いいわね。
6人目、御厨 学 がやってきました。
御厨 学は、村人 を希望しました。
−土曜夜/大学エリア・図書館−
さて、始めるか。
[深夜、大学の図書館で御厨学は小さくつぶやいた。
足元には、チョークで描かれた魔法陣。
その中に、持ってきた叔父の蔵書を数点放り込む。]
墨で書かれた特別古そうなのを、いくつか持ってきたが、上手い事行くのかな?
[感情のこもらぬ瞳で本を見つめると、呪文を唱え始める。
淡々とつぶやくような詠唱の中、チョークの粉は魔法陣の形を保ったまま、ふわりと浮かび、光りを放ち始めた。]
7人目、アサシン がやってきました。
アサシンは、人狼 を希望しました。
−土曜夜/大学エリア・図書館−
[敷かれた陣を魔力が掻き回る。
輪廻のように、或いは渦のように。
異界より滲み出る奔流の色は、澄明な水の青。
白墨で刻まれた紋様を塗り、設置された蔵書を呑む。
陣に近く在った書棚が揺れた。
そのまた近くで眺めていた書棚が揺れた。
彼らをそ知らぬ顔で囲っていた書棚が揺れた。
収められた本がこぞって震える。
彼らの隙間に埋められた影という陰を、或いは陣に放り込まれた蔵書の染みを、奔流は手繰り寄せ、吸い込み――やがて、純黒に染まった。]
[黒。
闇を湛えたような、血を凝らせたようなその靄は
大きく膨らみ、波と成った。
純黒の高波が地に叩きつけられ、飛沫が舞う。
全てが収まったその後に遺されたものは
男が刻んだ魔法陣と、放り込まれた数点の蔵書のみ。]
成功した、らしい。
[極端に鈍いとは言え、学にも感情が無いわけではない。
霧散した闇の中に佇む女性を見て、成功を確信し、じわじわと喜びがこみ上げる。
だが、どう表現したものか、そのイメージがわかなかった。]
ついにやったぞ!ハッハッハッハァー!
[試しに、諸手をあげて高笑いをしてみる。
しかし、今一つしっくり来ない。]
……いや、違うな。何か違和感がある。
よく考えれば、例え嬉しいとは言え、深夜の学校で騒ぐべきではない。
[少し考え、今度は小さく「よしっ」とつぶやきながら、拳を握ってみる事にした。]
こっちの方が納得できるか……。
[どうやら、しっくり来たらしく、学は何度か同じ動作を繰り返す。
ふと顔を上げると、召喚された女性と目が合った。]
[男の所作は猫のように忙しない。
観察していた女の瞳に、此方を向く男が飛び込んでくる。
数度瞬きしてから、息を漏らした。]
ふむ
[周りを軽く見渡し、足元に散らばる蔵書の一つを手に取る。
女の着物は時代錯誤。色は言うに及ばず学び舎に合わず。
紫黒の髪に、赤い花が咲き、肩には薄い衣が掛かっていた。]
外界は遠く、獣の声はより遠く
さしづめ、書物の蔵といったところか
悪しき想いを抱く方が難しそうじゃの
[拾った蔵書を、細く白い指先で払う。]
して、わらわに何用かな
そこな殿方様よ
[視線は伏せたまま、ぱらぱらと蔵書を捲る。]
淡々としているのだな。
[感情的なサーヴァントも、中にはいると聞いていた。
冷静な方が協力しやすいのだろうが、感情表現を学ぶサンプルとなるパートナーを、心のどこかで望んでいたのは事実だ。]
ま、僕の召喚に答えてくれる者だから、さもありなんと言ったところか。
[どういう表情を作るべき考える。
初対面だし、顔は笑みをたたえている方が良いのだろう。
その方が無難だ。]
僕の名は、御厨学。
君には、聖杯の獲得を手伝って欲しい。
[唇の両端を上げ、学はそう伝えた。]
[蔵書を捲る手を止め、女は顔をあげる。]
はっはっは
淡々と、とは
なるほど、そなたにはそう映るのか
ミクリヤマナブ
[髪と同じ紫黒の瞳に、再び笑みをつくる男が映り込む。
女の表情に目に見える程の変化は無い。
宵闇は微細な変化を隠し、声色をいつもより優しく響かせる。]
聖杯を求めるが故にわらわを望む
相承知した
なればミクリヤマナブよ、仮に神仏閻魔があるとして
それらが聖杯に匹敵する神秘を持つとすれば
そなたは願いを彼らに掲げるか?
[心地よく響く声色に、やや身を正して女性の瞳を見つめる。]
聖杯より信頼に足ると言うならば、掲げても良いよ。
それと代償だな。願いは適ったが舌は抜かれるなんてのは困る。
[閻魔と言う単語に反応したのか、学はそう答えた。]
ふむ
意気や良し……とまでは言えんが
その答もまた良し
[言葉と共に、女が夜の闇に紛れたように見えたのは刹那。]
由ありて名乗りを返すことはできん
そなたがわらわを呼ぶことも、今はまだせん方が良い
しかして、わらわの名はしかと此処に刻まれておる
[女が現れたのは、男の背後。
後ろから差し出されたのは、手にしていた蔵書。]
――そなたが必要だと思う時に、必要な名で
わらわを呼んでおくれ
[女の肩にかかっていた衣が、遅れて大気にふわりと靡いた。]
[手渡された蔵書をめくり、刻まれた名に目を通す。
教えておいて名乗れないと言うのは、何か訳ありなのだろう。]
承知した……が、名前を呼べないと言うのは不便だな。
仮の名でも良いから考えておいてくれ。
僕にネーミングセンスはおそらく、無い。
[そう言うと、手渡された本を閉じ、描かれた魔法陣に触れる。
直後、床に擦り付けられていたチョークの粉は跳ね上がり、埃のように辺りに舞い散った。]
街に叔父の残した書庫がある。
叔父は大変な書物好きでね、そこを私設の図書閲覧室にしていたのだけど、現在は閉鎖中だ。
しばらくは、そこが住まいだな。
君が、本とあの独特な匂いを苦手としないなら良いのだけどね。
[学はそう言って、図書室の外へと歩き始めた。**]
苦手なものなどありはせんよ
何事も、それを良しと笑うが興というもの
それに
銭などという珍妙なものをやりくりせずとも良いならば
そら、損得に意義など無いというもの
[女は、歩き出した男の後をついて歩く。]
九十九も八百万も、名を吹き込んでこそ存在を得る
言うなれば今のわらわは名も無き童と同じ
暫しの時は、暗殺者とでも呼ぶといい
[肩にかかっていた衣は次第に薄れ、形を変えていった。
衣だったものは肩から滑り落ち、女の手へ。
いつの間にか、手に握ったものは、扇となり果てていた。**]
8人目、志久真 圭一郎 がやってきました。
志久真 圭一郎は、村人 を希望しました。
−土曜午後/生徒会室−
んー…っ。
[伸び。こきこきと首を鳴らす。
貴重な、ほんの少しの仕事の隙間に。
この時期の生徒会室は騒がしく、稼動が長い。
この学校は土曜も授業があるが、それも午前中だけ。
であるにもかかわらず、学内は活気に溢れている。]
[まあ、仕方がない。
当然のことなのだ。
この学校にとって…
いや、この学園都市にとっての大イベント。
秋の文化祭を翌週に控えているのだから。]
[結果として、生徒会は稀に見る多忙を極める。
元々大学が併設されていることもあって自主自立の精神が根付くこの学校において、文化祭は戦争だ。
予算の配分、計画の許可、ゲリラ的な催事の取締りなど、その仕事内容は多岐に渡り、各方面との交渉は長期に及ぶ。
そのため、盟譜大学へエスカレーターで進学する者の多い盟譜学園高等部の部活、生徒会は、秋の文化祭が終わるまで3回生が引退しないことが多い。
そして、その高等部3回生。
現在生徒会副会長を務めるのが、志久真圭一郎である。]
[ただでさえ忙しい中、剣道部の主将でもある彼は、剣道部のメンバーから予算、スペースの確保について大きな期待を得ていて、それをなだめるのにもエネルギーを割かなければならなかった。
あっちが落ち着けば、こっちが燃え上がる。
このところ、そんな毎日だ。
思わず、深く息を吐く。]
…おっと、溜息なんて吐いてる場合じゃないな。
どんどんやっていかないと、このままじゃ大学の方の時間の流れに付き合わされて帰れなくなる。
−土曜午後/生徒会室−
[生徒会長の杏里=メイフィールドは、学園創始者のダーナの娘であるという事もあり、高等部のみならず学園全体からの支持を得ている。
彼女が何を成したというわけでもなく、また彼女の人間性に特筆すべきものがあるわけでもない。
ただ、彼女の発言力はこの学園にとって特別なものであり、それに疑問を持つ者は誰一人いない。
こうして彼女が生徒会室のある棟を歩いて何年になるのだろうか。
それすらも疑問に思われない。
昨年も、その前も。
彼女は生徒会長であったにも関わらず。
それを皆知っている筈なのに、誰もそれを異様だと気が付かない。
それが、ダーナが作り上げたこの学園の仕組みである]
[彼女の足音が高等部生徒会室の外まで来、そのままがらりと扉を開く。
部屋の中には、見慣れた顔。
志久真という名の副会長。
いつもせわしなく働いている印象が強い彼は、今日も文化祭の準備に追われている]
御機嫌よう。
[ただ一言挨拶をして、自分はいつもの所定の位置に腰を下ろし、机の上に広げられている書類に目を通す]
ごきげんよう、会長様、っと。
優雅な登場だね。
[遅れて登場した、言わずと知れた生徒会長に笑いかける。
それと同時に書類を半分、しらっと杏里の方へ流す。]
じゃ、きびきびやっていこうか。
[文化祭が終われば3回生は引退となる。
この部屋での杏里とのこうした気軽なやり取りももうすぐ終わるのかと思うと、少し惜しい気がしたが、自分は盟譜大学医学部への進学を決めている。
学内に残る以上、杏里との関係が終わるということはない。]
優雅、ね。
[書類に目を通して、手元にある判を押していく]
確かに、優雅と言われれば優雅かもしれないわね。
貴方みたいに私は時間に追われて生きていないでしょうし。
[ひと通り目を通し終わり、志久真の方に顔を向ける。
表情豊かではない彼女なりに、志久真へ愛想笑いを返す]
僕だって、別にいつも時間に追われているわけじゃないさ。
やりたいことをやりたいだけやろうと思ったら、時間が足らないな、って思ってるだけだよ。
[少し口を尖らせてそう言いながら、書類を処理していく。]
でも、確かに、杏里には少し憧れるかな。君は何より、自分が自分であることを大切にしているように見えるからね。
[自分がそこに在ることの価値を杏里は知っているのかもしれない。自分は少しでも先ヘ進まなければ、生きる価値を見出せない。
その差に僕は憧れを抱いた。]
[…それは、何代もかけて魔術を先鋭化させることを生まれながらに背負う魔術師の家系に生まれたから、かもしれないが。別に嫌だと思いながらやっているわけではない。自分で選んだことだ。]
貴方のほうが、自分を大事にしているわよ、きっと。
何をするにも誰かの為に、なんてのは間違い。
それも自分の為なのよ。
だから、貴方は貴方を大事にしているわ。
[そもそも、大事にすべき自分など何処にいってしまったのか。
微かな記憶もまた、風に溶けていく。
きっと、志久真とこうやって会話している時間も、数年後にはまた擦り切れていく]
志久真は、まだ仕事していくの?
私はそろそろ別のところに行こうかなと思っているんだけれど。
[ちょっと踏み込んだ発言だったのだが、杏里の態度はいつも通りだった。それが嬉しくて、こっそりと笑う。]
いや、今やってる分が終わったら、逃げるよ。
で、一通り回ったら、そのまま帰ろうと思ってる。
どうせ明日も来るし、だらだら残っていたら大学の方の仕事まで押し付けられそうだ。それは勘弁してほしいからね。
[残り少なくなった急ぎの書類に目を通す。
「学園都市」と呼ばれる盟譜学園近隣の住民は、多くが文化祭に対して協力的だ。中流以上の家庭が多く、トラブルも少ない。そういう意味では仕事は楽でもいいはずなのだが、何せ規模が大きい。増やそうと思えば、いくらでも仕事は増えてしまう。]
そう。
じゃ、私も明日顔を出そうかしら。
[どうせこの学校から外には出られない身。
少しでも自分のいる場所があるならば、誰かがいるならばとまた明日もここに少し居座る事にした]
志久真君が帰ろうと思ったら、声かけて。
[そう言うと、机の上に置いてあった小説に手を掛ける。
つまらない恋愛小説だが、図書館の本ももう殆ど読んでしまったし、仕方がない]
お、杏里も明日来れるのか。
じゃあ、どんどん仕事を押し付けていこうかな。
[笑う。少し憂鬱な明日が、楽しみになった。]
これが終わったら帰るよ。
ちょっと待ってね。
[書類をファイリングして、「処理済」の棚に入れる。
データは逐一PCに移しているが、だからと言って書類そのものを紛失するわけにはいかない。]
そう。
[読んでいた小説に栞も挟まず、そっと机の上に置く。
また明日、ここで開く為に。
鞄も持たず、生徒会室の扉へと歩いて行くと、ふと足を止めて]
じゃあ、行きましょう。
私は校舎の中を見て回るつもりだけど、志久真君は?
[そう言いながら、後ろに居るであろう志久真へと顔を傾ける]
そう。
じゃあ、行きましょう。
[読んでいた小説に栞も挟まず、そっと机の上に置く。
また明日、ここで開く為に。
鞄も持たず、生徒会室の扉へと歩いて行くと、ふと足を止めて]
私は校舎の中を見て回るつもりだけど、志久真君は?
[そう言いながら、後ろに居るであろう志久真へと顔を傾ける]
じゃあ僕は、外の方を見回って帰ろうかな。
[そう言いながら、生徒会室を出る。
名残惜しい気もしたが、手分けして見回った方が早い。
特に外は暗くなる前に終えてしまわなければならない。]
バーサーカー は肩書きと名前を バーサーカー アステリオス に変更しました。
ああ、メイフィールド君。
よかった、捜していたんだよ。
[生徒会室前の廊下。
部屋を出てくる杏里を見つけ、声をかける]
あら、来週から勤務される先生ですね。
御機嫌よう。
お名前は・・・・・・何でしたっけ?
[表情を変えず、そう言葉を投げかける]
9人目、クリストファー ラヴロック がやってきました。
クリストファー ラヴロックは、村人 を希望しました。
−西ブロック/体育館裏−
――聖杯の寄る辺に従い来たれ
天秤の守り手よ――
[むき出しの土に描かれた魔方陣を片手で触れ、魔力を流し込む。
令呪が現れたのは金曜日の夜。文化祭で提供する料理を何にしようか、などと考えていると、不意に右肩にちくりとした感覚が走った。
現れた三画の意味と、自らの役割を調べ上げ、満を持して迎える召喚の儀式は、あっけないほど簡単に終わる。]
[人の良さそうな、そして困ったような笑みを浮かべ]
はは……。今度は覚えてくれよ。
石宮牛彦(いしみや うしひこ)だ。
少しいいかな? 文化祭のことで聞きたいことがある。
[部屋を出て鍵をかけるなり、見知らぬ人に声をかけられる。
文化祭の関係かと思ったが、新しく赴任する教師のようだ。
一応、生徒会には既に知らされていた。]
ああ、新しく赴任してきたっていう。
生徒会副会長の志久真圭一郎です、よろしくお願いします。
猫 が見物しにやってきました。
猫は、見物人 を希望しました。
[溢れ、迸る魔力。
それが齎すは眼が眩むほどの、刹那の輝き。
魔力がクラスという名の枠組を得て
一つの個へと存在を変えてゆく―― ]
なんや、俺を呼んだのはキミかいな?
狙ってやったんやないとしても、物好きなやっちゃなぁ。
[そんな声が響いた]
猫 は肩書きと名前を キャスター 猫 に変更しました。
[溢れ、迸る魔力。
それが齎すは眼が眩むほどの、刹那の輝き。
魔力がクラスという名の枠組を得て
一つの個へと存在を変えてゆく―― ]
なんや、俺を呼んだのはキミかいな?
狙ってやったんやないとしても、物好きなやっちゃなぁ。
[そんな声が響いた]
挨拶したところなんですが、ごめんなさい、僕は、暗くなる前に外の方を見て回らなければいけないので、先に失礼します。
じゃあ会長、後は任せます。
では、また来週に。
[一礼して、先に外へ出た。
小走りで、まずは運動場の辺りへ向かう。]
10人目、一由 智 がやってきました。
一由 智は、村人 を希望しました。
[例えば、此処に白紙があるとしよう。
何も書かれていない、
真っ白な、まっさらな白紙だ。
その上に、インクで文字を連ねていく。
図形でもいい。
書かれた、その紙を束ねたものを
仕舞いこむ器こそ人間。
銘記し、
保存し、
再生し、
再認する。
記憶と呼ばれるもの。
人を形成する、人を人たらしめる
存在の証明、その在り様。]
[そ*は。
その“*”“***”が***に
***事で*な ****。
問*か**。
問****。
*か*** *――――
**――と*** ―――*****
忘却の果て。****
**―― に、 ******]
―盟譜学園:東ブロック(大学エリア)図書館―
……ぁ。
[何時を示す鐘か。
橙がかった光が窓から差し込んでいるのに気づき
少年は顔を上げる。
傍らには、山積みの本がある。
そのジャンルは雑多で、
片端から漁るように読んでいるさまが見て取れた。
――本の虫、一由 智(いちよし・とも)
全国模試の優秀な成績も相俟って
少々知られた名ではある。]
志久真君、また明日。
[小走りに去っていく青年を見送り]
どう、学園は見て回ったりしたのかしら。
少しは慣れた?
[地理を理解したか、という意味でアステリオスにそう返した]
[志久真と名乗る少年からの、礼儀正しい挨拶。
それに少しばかり感心し、忙しなく去って行く後ろ姿を見送る]
……ふぅん、なかなか優秀そうな腹心だな。
[他人が居なくなれば、演技も必要なく。
口調を変えて、率直な感想を口にする]
できた、かな……。
……えっ、ね、こ……?
[眩い光の向こうから現れた予想外の存在に、拍子抜けしてしまう。
言葉を喋る以上、ただの猫ではない事は理解できた。が、できたのはそこまで。]
喚んだのは、たぶん、僕だと、思う……。
けど、なんで、猫……?
[杏里の問いには、肩をすくめる]
一日体験して学んだことは、僕の居るべき場所じゃないってことくらいかな。
教師をやれってのは冗談かと思ったが、まさか本気とはね。
この僕のクラスと真名、本当に理解してるんだろうな?
なんで猫て、キミも難しい事聞くなぁ。
生まれた時には猫やったし、原因なんてわからへん。
きっとボクが猫やから、猫なんやろ。
[尻尾でパタと、床を叩く。]
ま、それでも不服なんやったら……――
11人目、キャスター がやってきました。
キャスターは、村人 を希望しました。
―盟譜学園:東ブロック(大学エリア)図書館―
……いけない、もうこんな時間か。
閉め出される。
[3冊ほど本を抱えて立ち上がる。
図書委員の権限を最大限に利用して、
今では手に入れることが難しい本を
気ままに閲覧することが智の日課であった。
勉強熱心で真面目な生徒。
人畜無害そうな、やさしげな風貌と相俟って
そんな評価が彼を形作っていた。]
……ああ、先生に
本を返そうと思ってたんだけどな。
[先生、というのは国語教師・御厨のことである。
呟きつつ、智は左手の甲をそっと撫でる。
影になってよくは見えないが、
其処には歪な3画の痣が浮かび上がっていた。]
まあ 今日は大事な日だし。
[暮れなずむ空を、智はうつろを内包した静かな眸で映す。]
明日でいいか。
忘れないようにしないと。
[本には付箋がびっしりとつけられていた。
手続きを済ますと、鞄を片手に図書館を後にする。]
さて、と。
このあたりでまずはご挨拶しておこうかな。
このたびバサカ役をやらせていただきますKAMEです。
話の中心の相方なのでわりと重要な役っぽいですが、平常運転でゆるっとやっていきます。ヨロシク。
−土曜夕方/帰途−
[外での文化祭の準備の様子を一通り見終えて帰途に就く。
と言っても、そんなに家が遠いわけではない。
20分も歩かぬうちに、古ぼけた自宅は見えてくる。
緑に囲まれた、ほの暗い屋敷。
ごく狭い霊地の上に建つ、志久真の魔術、その根城だ。
もう妹は帰っているだろうか。
部活の関係で学校に残っているかもしれないな。]
[そんなことを考えながら、門をくぐる。
もうそこにいるのは、盟譜学園高等部生徒会副会長にして剣道部主将の3回生、志久真圭一郎ではない。
古き魔術の輩、志久真家の当主がそこにいる。]
えっ、あれ、……猫が人間に……。
不思議な人、いや変身する猫かな?
[目の前の男(元猫)を自分の理解できる範囲の存在に引き戻そうと努力する健気な少年。]
ともかく、君が僕のサーヴァントなんだよね。
僕はクリストファー=ラヴロック。
君は……?
[自室の椅子に、深く体を沈める。
そして、じ、っと左手の甲を見つめる。
微かな疼き。
少し前から感じていたが、いよいよ強くなってきていた。
志久真の魔術を越えて疼きを送る何か。
心当たりの数は少ない。
…本命は、待ち望んでいたものだ。]
くりすとふぁー・らぶろっく、やな。
とりあえず暫くの間よろしゅう頼むわ、少年。
いやー。
お固そうなマスターやったらどないしよ思とったんやけど
気楽にやれそうで良かったわ。
[クリストファーの手を握れば、ぶんぶんと振る]
ボクの名前か?
せやなぁ……それがまぁ、いっぱいあってなぁ。
[わざとらしい、考える素振り]
―――うん、それは秘密……ってことでどないや?
あら、今の貴方を見ていると教師でも差支えなさそうだけど。
[悪態に近い言葉を投げかけつつも]
倒すべき相手も学園内に潜んでいる筈よ。
なら、貴方も教師の身分のほうが何かと便利だと思うけど。
それとも、いつここの生徒に手をつけてしまいそうかと。
そんな心配かしら。
・・・・・・あら。
えっと、一由さん。
[今の話を聞かれていないかと心配にはなるが]
今度赴任された、石宮先生よ。
高等部の先生だし、貴方も習うことになるかもしれないわね。
[ぞくり、と、身体が震える。
当代で触れることは遠くかなわぬはずの根源に、自分が触れられるかもしれない。その可能性が、令呪だった。
ぐ、と己の体を抱き、冷静さを取り戻させる。
自室の机の引き出しを開けると、そこに召喚の儀式を行うための道具が揃えられている。自分ではなく、前当主である父が揃えたものだ。だが、その父はもう自分に当主を譲り、表の立場、学者として、アメリカへと移り住んでいる。
父は悔しがるだろう。
だが、今の当主は自分だ。]
そんな心配はしていないけどな……。
まあいいさ。たしかに便利ではあるのだろうし、どうせ短い間だ。適当にやるよ。
[囮としても、これ以上の立ち位置は無いだろうし]
で、今日のご予定は?
う、うん、こっちこそよろしく……。
[ぶんぶんと振られるままに。]
名前を秘密にするサーヴァントって、過去の記録とか日誌によると、マスターが未熟な場合によくいるみたいだけど。
僕ってそんなに頼りないかな……やっぱり子供だから?
[感情の起伏を隠せない様子は見た目や年齢の通り。
不満も露に食って掛かる。]
一応これでも正式に魔術刻印を受け継いだ魔術師だからね。
見くびられるのは心外だよ。
それ以外に理由があるのなら、ちゃんと説明してくれないと。
信頼関係構築のための、最低限の条件だと思わない?
ふう。だめだだめだ、落ち着かなきゃ。
[…召喚の儀式は、聖杯の力が強い盟譜学園内で行わなければならない。時期はよくない。学園祭の直前は、禁止されていても遅くまで人がいる。だが、それは大したことではない。少なくとも、他の魔術師にさえ出会わなければ。]
夜を待とう。
始まるんだ。
…聖杯戦争が。
あー、ちゃうねんちゃうねん。
誤解させたみたいでゴメンなぁ。
[細い目をさらに細めて、からと笑う]
まずな、ボクはキャスターの英霊やねんけど……
所謂、魔術師のクラスのサーヴァントやないねん。
この意味、わかるか?
そんな心配はしていないけどな。
まあいいさ。たしかに便利ではあるのだろうし、どうせ短い間だ。囮としても、これ以上の立ち位置は……。
[近寄ってくる気配を察知し、言葉を止める。
現れたのは一人の男子生徒で、杏里の知り合いのようだった。
杏里に紹介され、彼に一礼する]
こんにちは。
来週からこちらでお世話になる石宮牛彦です。どうかよろしく。
ところで明らかに日本人の顔してないよねアステリオス。
なんで日本人の偽名付けたかな。まあいいやハーフって設定にしておこう。
―盟譜学園:中央ブロック生徒会室前廊下―
石宮 、先生。
[確かめるように名前を繰り返し、
石宮のほうを見た。]
はじめまして。高等部2年、一由 智です。
よろしくお願いします。
[丁寧に頭を下げる。ごく普通の対応であった。]
えっと、教科は何を?歴史とかだったら嬉し……あ、
そうだ。これ、図書館の利用記録です。
[忘れないうちにと生徒会会長に紙の束を差し出した。]
−土曜夜/生徒会室−
[持っていた鍵を使い、生徒会室の扉を開ける。
入って、中から鍵をかける。
ここなら、誰も入ってくることはない。
スーツケースに入れた召喚の儀式を行うための道具をひとつずつ丁寧に取り出し、床に順番通りに並べていく。
父の用意した古びた小物を配置。
召喚の力を安定させる魔法陣を描く。
召喚のための韻を紡ぐ。
全ては来ると知れぬ聖杯戦争のために準備されたものだ。]
ふぅ、ん。
[一見すると軽薄そうに見える態度は鼻についたが、相手の言い分を聞く程度の分別は持っている。]
キャスターなのに、魔術師のクラスじゃない……?
よくわからないけど、キャスターという言葉の意味が違うってこと?
ごめん、僕にはわからないみたいだから、説明してもらえるかな。
あら、ご苦労様。
[一由から図書の利用記録を受け取り]
一由君も、今日は文化祭の準備かしら。
あまり遅くまで学校に残らずに、用事が終わったら早く帰るのよ。
[別の意味での忠告でもあったが]
僕の担当科目は哲学です。
聖書の時間の後にある、選択制特別授業の一つになりますね。高等部なら誰でも受けられますので、興味があれば受けに来てください。
[記憶している自分の役割をそらんじる。
哲学にした理由は、これが一番適当にやれると杏里に言われたからだ]
その通りや、少年。
ボクはキャスターはキャスターでも
[勿体つけるように、一呼吸]
―――……演者《CAST》の英霊、キャスターや。
そして、演者には演者のルールがある。
それは幕が下りるまで自分の本当の名前や存在を観客に見せへん事や。
そんな事したら、お客さんも白けてしまうやろ?
……そしてそれは、もちろんボクにも当てはまる。
この聖杯戦争って演劇の終幕まで、
ボクの真名はお客さんにばれる事はない、ばらす事もできへん。
スタッフロールは終幕に……ってな。
12人目、風来坊 アーチャー がやってきました。
風来坊 アーチャーは、村人 を希望しました。
―生徒会室―
[描かれる魔法陣に、召喚の韻律に鳴動して魔力が送り込まれる。
魔力が形作るのは召喚者の従者たるサーヴァント。
単なる使い間を凌駕した、仮初の肉体を得て具現した英霊の魂―――
それが像を結んだ時、光の奔流が弾け―――
そこには、男が一人じっと立ち、目の前の年若い術士を見下ろしていた。
身長は2メートルを少し越えたほど、この国でかつて着られていた、古風な衣装を身に纏い、小さな黒い帽子を頭に乗せている]
……俺を喚んだのは、お前か?
[短く一声、目の前の男は問うた]
哲学……
[ぱちぱちと智は2度ほど瞬く。]
そうなんだ、
暗記科目じゃないのって、どうも苦手なんですけど。
興味はあります。
授業を受けに行ったときは、よろしくお願いします。
[小脇の本を抱えなおし、一歩下がる。]
それじゃあ、ぼくはこれで失礼します。
先生、会長、さようなら。
[頭を下げ、帰路に着く様子である。]
ふむ……。
[細い顎をつまんで、しばし男の発した言葉の意味を考える。]
……残念ながら仕組みは理解できないけど、僕との繋がりじゃなくて、世界、もしくは聖杯との繋がりによって君のルールは縛られているってこと?
一応確認しておくけど、君の言う観客には僕も含まれているんだよね。
せめて共演者くらいにはなっておきたいと思うんだけど。
仮に、舞台が白けることを覚悟で、僕が令呪の力を借りて君の真名を知ろうとした場合、ルール違反の罰則は何かあるの?
難しいテストがある授業ではありませんので、気楽に受けてくれればいいですよ。
[人畜無害。そんな言葉が似合う少年に、優しげな笑顔で手を振る]
さようなら、一由君。
車に気をつけて帰りなさい。
13人目、菊見 桂 がやってきました。
菊見 桂は、村人 を希望しました。
−土曜/夕方:北・高等部体育館−
ねーねー。
[たん、たん、たん、たんたん]
居残りしてでもパーペキにしたいっちゅう気持ちは
菊見ちゃんも良うわかるんやけどー
[たん、たん、たん、たんたん
たん、たん、たん、たんたん]
流石に下校時間ブッチはさー
俺も帰られへんちゅーかー
[首に引っ掛けた紺色のヘッドホンが揺れるのは
集まって文化祭のステージを前に放課後特訓を繰り返す
クラス一群──まさに一個小隊とも呼ぶべき人数に混じって
とてもそうは見えない風貌の風紀委員長が
彼らに帰宅帰寮を促しているからに他ならない]
[たん、たん、たん、たんたん
たん、たん、たん、たんたん。
ラジカセから景気の良い音楽は響いている。
なかなかのアップテンポにも拘らず、
息の上がる気配のないまま尚も続く振りの中]
なーなー。
まだ本チャンまであるんやしー…
君らそろそろ帰んなさいってー。
ねー?
[それも、まるで毎日彼らと特訓を続けていたかのような
キレのある動きで、その統率を乱さないまま促すから
性質が悪いというか区切りが悪いというか
高等部の体育館は運動部が休部中にも拘らず未だ灯りが消える気配がなかった]
[からかうような杏里の言葉には、面倒そうに息を吐く]
残念ながら、期待に応える気はないよ。適当にやらせてもらうさ。
そもそも哲学なんて、それくらいがちょうどいいだろ?
そんな無茶苦茶なルールって……まぁ、イレギュラーなクラスだから、なのかな……。
……うーん、正直言って全然納得いかないんだけど、現実なんだから仕方がないよね。
[ふぅ、とため息。]
わかったよキャスター。
名前の件は、ルールに従うしかないみたいだね。
でも、君が僕のサーヴァントであることは事実で、君の能力について僕が知るのは問題ないんでしょ?
さすがにそれも秘密じゃあ、力を合わせることもできないし……。
そろそろ暗くなってきたし、続きは僕の工房で聞かせてもらえるかな?
[今更ながら、いつ誰に見られるかわからない場所であることを思い出して、そう提案した。]
ずいぶんと簡潔だな。
だが構わん。その方が話が早くていい。
[左手に隠された令呪。その中に三画からなる、主の証――令呪が備わっている事も、男は知っている]
確かに俺には、求めてここに喚び出される理由がある。
……狙って呼んだのかは知らんが、悪くない。
お前と戦う事に文句はない。ただ、一つ先に言っておく。
[そう言って、その巨体の男は、魔法陣の中でいささかかがみこみ、魔術師を見つめた]
俺の仕えるべき主君は別にいる。
俺はお前と共に戦う事に異存はないが、お前を主と呼ぶ気はない。厭なら令呪とかいう奴を使っても構わんが……
まあ、そういう事だ。
−北:高等部体育館→高等部教室棟−
[振りが続き、音楽が続く中
幾度か責任者に帰宅を促しても動く気配がない]
しゃーないなー…。
ほな菊見ちゃんもっかい一回りしてくるさかい
そんときには鍵返してやー?
ほんま頼むで自分らー
[曲の切れ目で踊りの一群から外れ
声をかけると威勢のいい返事が返ってきた。
呆れ半分、笑い半分で面子にゆるりと手を振ると
その足は校舎のほうへと向かう。
先ほどの名残か、足は軽快なリズムを踏んで
紺色のヘッドホンとともに長い髪がぽんぽん撥ねた]
もちろん、ボクの演じる演劇を喋る事は問題あらへんよ。
ま、これも縁やと思ってあきらめてぇな。
[ぽんぽん、と肩を叩く]
ってわけで、ボクは猫で名前はまだ無いって事で頼むわ。
そんじゃま少年の言うとおり移動しよか?
ところで、地理の把握は出来ているかしら。
もしまだなら、少し散歩でもする?
そうね、とりあえず高等部の敷地とか。
[バーサーカーの方に顔を向ける]
―土曜:学園都市西/盟譜学園前一般住宅エリア―
[通いなれた道を歩く。
秋に花開く金木犀の香りが風にのって届く。
一由智は一人暮らしだ。
学園の生徒が多くすむ学園寮――ではなく、
一般住宅エリアの一角、部屋を借りて住んでいる。
借りている、というには
少々勝手が過ぎる改造が施されてはいる。
現代を生きる魔術師。
その工房であるが故に。]
お互い様だと思うけど。
[苦笑する。
そして、自分を覗き込む目から目を逸らさず、応える。]
僕が欲しいのは忠誠じゃない。
一緒に戦ってくれる仲間と、勝利だ。
それに君が足るなら、極論、僕を嫌っていても構わない。
僕は魔術師だ。
君と一緒に聖杯を勝ち取りたい。
それより大きなものは、何もない。
[難儀なことになったと思っているところ、気楽そうに肩を叩かれ、がっくりと項垂れる。]
……諦めるというか、認めるしかない、よね。
じゃあ、移動しようか。
僕の工房は、東区の住宅街だよ。
父が用意してくれた屋敷だから、僕の力ではないけど。
ご近所で目立つのも困るし、さっきの猫になるか、霊体でついてきてね。
ああ、それと、少年って呼び方はやめてくれる?
僕はきちんと名乗ったはずだし。
呼び難ければ「クリス」でいいよ。
[一通りの要望を伝えて、東区へ*向かった*]
―土曜:学園都市西/盟譜学園前一般住宅エリア 一由の家―
さて、と。
[鞄を置く。
どさりと大きな音がした。
殆ど暮れた西日だけがほの赤く差し込む部屋の壁には、
付箋、付箋、付箋、付箋。
突き刺されたメモ、ピンで重ねられたメモ。
付箋、付箋、付箋、所狭しと付箋。
病的なまでに貼り付けられたそれらは
彼の織り成す結界の構成要素であった。]
はじめようか。
[ちゃきり、と古めかしい小刀を鞘から引き抜いた。]
[杏里の提案には、少し考えてから頷く]
地理の把握か。
聖杯のおかげで頭には入っているが……まあ、自分の目で確かめておくにこしたことはないな。
よし、行くか。案内を頼むよ。
−土曜夕方:北/高等部教室棟1F廊下−
[学内はどうしても慌しかった。
それは学生たちの若さもあるのだろうけれど、
年に一度の学園祭に対する熱気に他ならない。
放課になっているはずなのに教室を巡れば生徒がいるし
早く帰るように促せば飾りつけの花が足りないだの
揃いで着る予定のTシャツのプリントが間に合わないだの
実に心地好い騒がしさだ。
菊見が帰宅を強制するような行動をとらないのも
その心地好さを楽しんでいるからであり
生徒達もまたその自主性から翌日に負担が出ない程度に
無理を通そうとしている──と、彼自身は思っていた]
−土曜夕方/高等部教室棟−
[少し面食らった。
いつもの彼の素行ではあるが、この学園において浮きに浮きまくっている。
これで彼が風紀委員というのは奇跡としか言いようがない。
教室棟の入り口にアステリオスと共に足を踏み入れたまま、不思議な踊りを踊り続ける風紀委員に見入っていた]
[階段から降りてくる足音に気付いて見上げると
女子生徒の一群が賑々しく。
スカートの中を見るつもりはないわけだが
ひらりと手を振って彼女等と挨拶を交わすことも忘れない]
お疲れさん、気ィつけて帰るんやでー。
[勿論、ただのんべんだらりと校内にいるようなら
尻を蹴飛ばしてでも容赦なく帰宅帰寮を促すが
それとこれとは風紀委員長の中では別らしい]
もー、いーくつ寝ーるとー、ってな。
[はあ。
髪の先を指に絡めながらつく溜息は
実に楽しげで、まるで遠足前の小学生のようでもある]
ところで杏里、数学の屋久杉先生と美術の秋山先生に告白したのだが、あっさり断られてしまった。
彼女たちを口説くいい方法は何かないだろうか……ん?
[杏里の様子に気づき、その視線を追う。
そこに、この学園の違和感のような何かが居た]
これはまた、珍妙な。
ふ。はははは……
なるほど、大いに結構!
[答えを聞いてしばし。愉快そうに大声を上げ、ばしっと目の前の年若い魔術師の肩を叩いた]
お前の魔術師としての腕は知らんが、その意気や、まあ好し。
しばし同じ夢を見るには十分だろう。
では、今後ともよろしく頼もうぞ……
…………ところでお前、そう言えば名は何と言う?
[威勢よく言ったはいいが、名前を聞いていなかった事にはたと気づき、真顔に戻って問うた]
ところで杏里、今日は数学の屋久杉先生と美術の秋山先生に告白したのだが、あっさり断られてしまったんだ。
しかし聞けば秋山先生はまだ未婚と言うし、結婚も予定していないという。
まだチャンスはあると思うのだが、彼女を口説くいい方法は何かないだろうか……ん?
[杏里の様子に気づき、その視線を追う。
そこに、この学園の違和感のような何かが居た]
これはまた、珍妙な。
・・・・・・
菊見君、もう少し静かに指導出来ないものかしら。
あと石宮先生、職場恋愛は結構ですけど、もう少し侘び寂びというものを弁えられてはどうかしら。
[季節の節目からだろうか、少し頭痛が]
―土曜:学園都市西/盟譜学園前一般住宅エリア 一由の家―
[小刀は業物であるらしい。
部屋の中心に立ち、躊躇いなく左手首に刃を滑らせた。]
――とじよ<みたせ>
[ぽたり、と 古びた紙の上に赤が落ちる。]
とじよ<みたせ>
とじよ<みたせ> とじよ<みたせ>
とじよ<みたせ>
繰り返す都度に五度……ただ満たされるときを破却する。
[静かな声が響き、円を描いて光が湧き上がる。]
白より黒の全へ到る
我ら、やごころの智を喰らう獣なり。
[――魔力の奔流が風を巻き起こす。
結界を構成する付箋と、中心に在る“本”が
ばらばらと捲れはじめた。]
――つげる<しるす>。
汝の身はわがもとに。
我が命運は汝の剣に。
聖杯のよるべに従い、
この意――この理に従うならば、こたえよ。
[するどい痛みが左手の甲に走る。
目を眇めながら、続けた。
彼の詠唱は独特なものが混ざっていた。一由の一由たる所以を織り込んだ契約の言葉だ。]
志久真。
志久真圭一郎。
志久真という魔術師の家系の今の長。
それなりの力があると思うよ。
もちろん、君たちと…
サーヴァントたちと比べれば、足元にも及ばない程度だけどね。
…さて。人に名乗りを求める時は、自分も名乗る方がいいのではないかと僕は思うのだけど、どうだろうか。
[誓いの言葉を続ければ
眸が淡く、青緑色に色を変える。
魔力が体の中で暴れている――――]
汝三大の言霊をまとう七天。
抑止の輪より来たれ――天秤の守り手よ。
[刹那、――弾けた。]
馬鹿なことを。
与えられた時間は少なく、そして僕は常に本気だというのに。
[杏里の冷ややかな指摘には、悲哀に満ちた表情で首を横に振る]
で、メイフィールド君。そこの彼は何者だい?
志久真、圭一郎。
[反芻するように、噛み砕いてその名を呼んだ。]
聞き慣れん名だがなるほど、姓があるなら由緒正しき家の出であろうな。さしずめ御曹司とでも言ったところか。
いや、気にする事はないぞ。俺も昔はよくそう呼ばれたものだ。
で、だ。俺の名……つまり真名を知りたいという事だな。
[浅葱色の束帯を身に纏ったまま、男は足音を立てて一歩、魔法陣から踏み出した]
俺は『――――』。あるいは『――――』と自称する者だ。
だがこの度の戦では、敵方にそうそう名を知られてはならんのだろう?
お前の好きな名で呼ぶがいい。
−土曜夕方:北/高等部教室棟1F廊下−
[たん、たん、たん、たんたん。
先ほどの振りが、ヘッドホンから流れてくる音楽のせいで
足元で自然にリズムが刻まれる。
危く手まで動き出しそうになったところで]
おや。
[聞こえた声に動きが止まった。
聊か阿波踊りっぽい見た目だ]
静かに指導したら必ず帰るもんかね、生徒会長殿。
どうせならやる気を削がずに上手く唆すんが
腕の見せ所とちゃいますのん。
[間抜けっぽい動作を元に戻しながら
首を傾げて見下ろした。
髪とヘッドホンが幾等か撥ねる]
確かに貴方の言うとおりかもしれません。
しかし、貴方がお祭りのように騒ぎながら注意しても説得力が無いのも事実ではありませんか。
[はあ、と軽くため息をつきながら]
風紀委員長の菊見さんよ。
あ、こちらは来週から赴任される石宮先生。
よろしくね。
14人目、アヴェンジャー がやってきました。
アヴェンジャーは、人狼 を希望しました。
―???―
[上も下も判らぬ、何処か水中の様な場所に 少女は揺蕩っていた。
ぴくりと、指先が動く。薄らと開いた視界に、色は見えない。
真っ暗な――空間で、一度、にど。
その あおい瞳を 緩やかに瞬いた。
喚ばれた ような気が する。]
[ ――だれの、 声。 だろう。
その声を手繰る様に、耳に意識を集中し――
じわりと、
指の先から、己を飲み込む黒に気付く。
音も無く、浸食するそれは]
――― !
[声は、でない。
その代わり、 再び
こぽりと小さな泡が漏れて、再び消える。]
風紀委員長、ね。
なるほど。やる気を削がずにという方向性は素晴らしい。圧力をかけ続ければいずれ、堰も決壊してしまうだろうしな。
[興味深そうにその姿を見、そしてそれをたしなめる杏里を見る。
生徒の自主性とか、校風の自由とか、まあ別にいいかとか、そんな言葉が頭をよぎり……]
来週からここでお世話になる石宮です。よろしく。
[いろいろスルーすることにして、にこやかに挨拶した]
ん、なるほど。
…この時代では、姓があるのは当たり前のことなんだ。
例えばここ、盟譜学園には数多くの学生がいるけど、姓がない生徒はいない。少なくとも僕が知る範囲では、だけどね。
望めば聖杯からこの時代の一般常識くらいは得られるんじゃないかな。それがどのくらい戦いの役に立つかは分からないけど、さしあたり君はこの時代に生きる者に偽装しなくちゃならない。
―盟譜学園前一般住宅エリア 一由家―
[弾ける魔力の渦。
その光が消えた頃、その広げられた陣の
真ん中に増えた一つの影。]
――…、…。
[見る限り――齢十二、三程だろう、
ただの少女の姿をするそれは、
ぱちりと、 不思議そうにあおの眼を瞬いた。]
さて、さっき言った通り、ここは、盟譜学園という。
巨大なる学園都市、その中心だ。
と言っても、ピンと来ないのかもしれないけど。
盟譜学園は聖杯の力がとりわけ強い場所だ。
ここが戦場になることは多いだろう。
君が望むなら、案内しよう。僕はこの場所について詳しい。
必要ないなら、僕の家へ案内する。
僕の家は学園の外だけど、強い結界が張られている。
ここにいるよりは安全だと思うよ。
15人目、白水 立海 がやってきました。
白水 立海は、村人 を希望しました。
──土曜昼/中央ブロック/礼拝堂──
──神よ。
[小さく祈る姿は、首元まできっちりと覆われた修道服。
遺伝である青みがかった髪は、
本人の意志とは反して、生まれつきゆるくウェーブしていた。
今はそれも、修道服のウィンプルに覆われている。
化粧っけの全くない唇が、どうか、と紡いだ。]
まー、そらーそうやけどさー。
恨むんやったら風紀委員会を恨んでちょーだい。
おカタいポジはむーりーむーりー。
杏里は気にいらんやろけど風紀の頭なったんは俺やさかい、
俺は俺のやり方さしてもらう。
[体育館と、教室棟と。
丁度その二つを繋ぐ廊下にかかと軽快な笑いが響く。
見慣れない男を紹介されると、明るい色の瞳がじっと見て
それから年齢一桁代のような暢気な笑顔で手を差し出した。
初対面の相手に握手を求める、というのは
この国では余り見られない風習だが、彼は平気でそれを求める]
菊見ぃいいます。
よろしゅう。
[何の疑いも持たずに、男に名乗った。
自分の姿勢を頭ごなしに注意しなかっただけでも
菊見からはこの男に対して好感が持てた]
浅葱?
[クラス名ではなく、自分の真名に所縁のある名でもない。首をひねったけれど、それが身に纏った衣服の色を指しているらしいと気がついた。]
なるほど、それで浅葱か?構わぬぞ、その名でも。
ああ、やはりここは後代なのだなと改めて感じただけだ。
聖杯からの知識は、ある程度頭に入ってはいる。
俺はお前の事は圭一郎と呼ばせてもらおう。
この時代には位官で人を呼ぶ習慣もないのだろう?それも聖杯から“聞いた”。
いささか気安すぎる気がせぬでもないが、ま。すぐに慣れようか。
風来坊 アーチャー は肩書きと名前を アーチャー に変更しました。
―土曜:盟譜学園前一般住宅エリア 一由の家―
[付箋の結界により、外に漏れることは――ないだろうが。
視認できるほどの奔流は収束し、
やがて一つのかたちを、象る。]
――― っ、
[手の甲の痛みは続く。刃物で切り落とされたなら
こんな痛みなのではなかろうか、
というほどのそれに唇を噛み耐える。
流れてくる魔力の性質のせいだろうか。]
[手応えはあった。
確かな痛みがその証。
小さく笑む。召喚は成功だ。
成功したはずだ、だが。]
……ぇ?
[青緑残る瞳が、青いろの眸とかち合い。]
そうね、それも貴方の言うとおりね。
今度風紀委員会に意見書でも提出するわ。
じゃあ、私は石宮先生の案内を続けるわね。
菊見さんも、程々にね。
先生、行きましょ。
[そう言って、校舎の外へと促す]
16人目、縮 貫 がやってきました。
縮 貫は、村人 を希望しました。
―北ブロック―
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!
[召喚の儀。
その呪文の最後を力強くはなった。
そして同時に光が辺りを包んだ。
手応えは十分、成功以外の未来は予想できなかった]
[光が収まるまでの間に考える。
今回の与えられたチャンス、
そして己の人生のミッションを。
いわゆる魔術の家系に生まれた自分。
ならば、目指すものは一つ。
根源だけであった。
自らの魔術は根源を目指す道筋ははっきりと見えている。
だけど、道筋を進むために足りないものがあった。
だからこそ聖杯を求めたのだった]
盟譜学園。
[その名前を、まずは頭の隅に叩きこんだ。
この地がいずれの知行国にあたるのか好奇心も沸いたが、そこまでは聖杯からは伝わっていない。
目の前の魔術師に聞けばすぐにわかるだろう、そう思い口をつぐむ]
無論、まずは此処の中を見て回る。
必要なら、魂魄のみに姿を変えるが。
[マスターからの問いかけに、即答した]
…?
[己よりも幾らか背が高い目前に立つ青年を見上げ、
かくん。
と、少女は小さく首を傾いだ。
しかし疑問を抱くのも無理は無かった。
見目は――確かに幾らか可愛らしくもあったが、見た目は実にただの少女。
その上、裾の広がる少し長めのエプロンスカートは質素なもので
幾らか時代の古い、欧州の村娘という出で立ちに相違なかった。
それでも、令呪の存在と、その魔力の流れる先が少女だと知れば
疑いようもなく、それが英霊なのだというのは――理解できようが。]
さて、過去を振り返るもの飽きたな。
で、何のサーヴァントだ??
[不躾な口調なのは間違いない。
だけどそれで問題はないはずだった。
相手はサーヴァントで、自分はマスターなのだから]
最優の者を呼び寄せたつもりだがどうだ?
[手に持った触媒を光が収まりつつある方向へと突きつけた。
自分がマスターであると言わんばかりに]
[握手を求められれば、しっかりと返す]
ああ、よろしく。
正解とは得てして一つではないものだ。そして、正解へ辿り着く方法もまた千差万別だと思う。
がんばってくれ。
[手を離すと、そのままその手を振って菊見と別れる]
では、案内の続きを頼むよ。メイフィールド君。**
[光は徐々に収束していった。
そこに現れるのは一体どんな存在だろうか?
楽しむ自体ではないのは理解していたが、
自分の眼差しには期待が宿っていたに違いない**]
なるべく関係ない名前を、と思ってね。
この時代では、強い立場がなくとも人は生きていける。
それは素晴らしいことだと僕は思っているよ。
…そうだね、君がここで「誰」として振舞うかも決まっていないわけだし、その方がいいかもしれないね。
ただでさえ、こんな時間に学内を歩いているのは怪しい。
僕ひとりなら、誰に見咎められても言い訳は立つ。
ええ。
[ちらりと高等部教室棟の奥へと視線を送る。
昨晩、開かずの間に入った時に、誰かの視線を感じたような]
行きましょう、先生。
[少し心に引っ掛かりながらも、教室棟を*後にした*]
/*
>そして「学園内」にて儀式を行うことでサーヴァントを召喚し使役させる事が出来る。
これかあああああああああああああああああああ
盛大に見落としてましたし
すいません
死ぬ
/*
なんか返しに時間がかかってるぞ……
きっと初めてのFate村だから、緊張してるんだ。
いつも通りいつも通り。
というわけで(so)です。議事国以外の場所への遠征は久しぶりだ。
今回は『鎮西八郎』とか『和製呂布』とか『平安ガンダム』とか『オルランドゥ』とか様々な異名で呼ばれる源為朝です。
しかも滝沢馬琴先生の椿説弓張月仕様で。
ラスボスに妖蛟王が出てきたり、二つ合わせると国が平和になる龍の玉が出てきたり、崇徳院がピンチの時にいろいろ助けてくれたりする江戸時代のライトノベルです。
基本爽やかで格好いい奴なので、少しぐらいは活躍できるといいんだけれど……
はいはい、がんばりまーす。
先生も学園祭で学校ん中ひっちゃかめっちゃかになる前に
杏里にキッチリ構造教わっとったらエエですよー。
文字通りお祭やさかい、道知らなんだらえらい目にあう。
[しっかりと返された握手に、笑顔は載せたまま。
案内する杏里の言葉に手を解いた]
オーケイ、首洗ってお待ちしとくわぁ。
[あっけらかんとした響きを去り行く背中に投げる。
この返事だけでも、学園の中では随分異質だろう。
何の遠慮も、躊躇もなしに。まるで脊髄反射のように。
相手が教師であれ、生徒であれ、杏里であっても。
思ったことを、やりたいことを、学園法規に間一髪で触れない程度に
自主自立という看板の下でやってのけていくのが菊見桂という男だった。
二人が去っていく背中を少し見送ったあと
考えるように首を傾げ、長い髪が揺れる。
やがて、なにか自分の中で腑に落ちたのか一つ頷き
階段を上がって二階の見回りへと向かった**]
それは重畳、俺も正々堂々と敵方に名乗ってやる趣味は実のところないからな。
強い立場がなくとも生きていけるのは結構だが、強い力ならば必要だろう?そしてそれを堅固にするのは他でもない、他に先んじる事。
というわけで、案内は任せるぞ!圭一郎。
[少しだけかつての事を思い出し苦い表情になるがそれも束の間、威勢よく目の前の仮初の主―――いや、同士に告げ、魂魄のみとなってかき消えた**]
智を血と化さねばならないというのに。
ぼくもまだまだだな。
[そして、血の滴るままの左手を差し出した。
令呪――契約の証を少女に見せるように、だ。]
はじめまして。ぼくは一由 智。
君を召喚した魔術師――君のマスターだ。
[少女の答えを待つように、じっと、まっすぐ見つめた。]
ちょっと待って、やっておくことがある。
[腕を振り、韻を詠む。
すると魔法陣が周囲の風景に馴染むように消えていく。
これで明日の朝、杏里が異様な風景に驚くことはない。]
これでよし。
[――致し方も無い、が。沈黙は続く。
目前に立つ青年の様子を見やり、
しかし少女自身にその原因の自覚があるのか否か――
何処か不思議そうに、再び逆側へと首を傾ぐと
緩やかに波を打つ金の髪が、肩を滑って僅かに揺れる。
差し出された左手首の傷。
それを見て、あおが僅かにだけ、小さく見開いた。
緋色の滴り続けるそれに対する驚愕にか、ぱく。と一度だけ口を開閉して、
しかし次いだ言葉に、青年へとあおが動く。]
[こくん、と一つ頷く。]
おっと、先に言っておくけど、朝が近付いたら、一旦僕の家へ戻ることにするよ。普段だと日曜は人が少ないものなんだけど、今の時期は例外なんだ。朝になったら人が増える。それまでに、ここで君が「誰」として過ごすのか、考えておいてくれ。
[生徒会室に鍵をかける。]
それじゃ、行こう。
[姿のないアーチャーを先導するように、夜を歩く。*]
……。
[沈黙。その後、瞬きが、二回。
眉を寄せて、考える間が10秒。]
それは、 ……困ったね。
[少女とふたり。ごく真面目な顔で、智は*呟いた*]
[静寂。
相も変わらず、この沈黙が続く。
ようやく静寂を破る小さな呟きに、 あおは青年を緩やかに見た。]
…、…??
[よくわからない、と言わんばかりに首を傾いで
――こくん。 再び、とりあえず、と言わんばかりに頷く。
やはり、少女自身に 青年の困惑の自覚は無いようだった**]
−土曜夜/高等部一階 用具室−
[開かずの間、などと称されるそこに彼はいた。
人の気がなくなった頃を見計らいやってきた部屋の中。昨晩、新たに書き記されたという日記を開き、その文面を大切に、指でなぞる様にして確認する。]
やはり、素っ気無いものですね。
[嘆息。最早一瞥たりとて貰えぬのかと口外に呟いて日記を閉じれば、小さな笑みと共に瞼を閉じた。]
はい。問題ありません。私は私の役割を果たすだけです。
監督者としての、役割を。
[そして再び瞼を開けると、先程までとは違う冷ややかな眼差しで机に置いた日記を見下ろす。]
ああ、ダーナ。
今度の聖杯戦争こそ、君の願いを叶えるだろう。
[そのまま暫く、ダーナ・メイフィールドの日記を見つめていたが。後はひとつの言葉も口にせず、踵を返し荏嶺は用具室を後にした。**]
ところで、マスターの皆さんの苗字が実際に存在するのかを調べてみたところ、僕はいませんでしたが他はいました。驚きです。僕はないっぽい苗字をわざと使っているんですが、皆さんはどうなんでしょうね。あと、地域に特徴的な苗字とかはちょっと中の人予想に使えるかもしれないな、と思いました。例えば白水さんというのは九州に多い苗字のようです。
[バーサーカー、という言葉に一度だけ瞬いて
少しだけ困ったように、僅かに首を傾ぐと、
しかしふる、と否定に首を横へ振って。
青年の視線が床へ――正しくは床の上に置かれたカバンへと向くのに
それを追いかけるようにして、少女のあおもそちらを向く。
取り出されたリングノートに、ぱち。ぱちりと二、三度瞬いてから
興味深い様子でそれへと両手を伸ばした。]
…!…!!
[かして、なのか、ほしい。なのか。
真意は分からないが、そういうそぶり。]
そっか。
[やはり、バーサーカーではないらしい。
ではなんだろう。
少なくとも三大騎士ではなさそうだ。
自分の“性質”からもそういう“王道”は遠かろう、と智は理解している。]
……。
[少女が手を伸ばしてきた。
其の仕草たるや全く無邪気で、つながる径《パス》がなければ本当にただの可憐な少女に見える。智はまた少し困った顔をしながら]
うん。どうぞ。
[少女にペンとノートを手渡し、再び観察体勢に入ることにした。]
(……唖(おし)の英霊かぁ。
心当たり、あったかな)
[少女にクッションを勧めてから
智は取りあえず床に座った。
召喚の儀式の一部として用いた古びた本を手にした。
そこかしこにメモを走り書きした付箋が貼られている。]
(もう、“忘れた”あたりかもしれない)
[本は己の膝の上、智は少女の動向へと再び意識を向けた。]
[手渡されたそれを両手に抱えて、ぱぁ、と僅かに表情が明るくなった。
そうしてさっそく、とばかりにノートを開けようとして、――ふと。
薦められた場所へと視線を向ける。青年が床に座ったのを見て
僅かに首を傾いでからまねる様に、ぽふん、と音を立てて座る。]
!
[…どうやら、その座り心地をお気に召したらしい、
何度かそのクッションをぽふぽふと軽く叩いてから、
ようやく満足げにぺら、と小さな音を立ててノートを開いた。
びっしりと文字の書かれたページを数枚めくり、白紙のページまで飛ばすと
少しだけゆっくりと、子供が幾らか丁寧に文字を書き取るような態でペンを動かし始める。
顔とノートの距離は近い。少々力を入れすぎな感があるが、そこまで気にする様子はない。
気づいていないだけかもしれなかったが。]
[数秒、少しの時間を掛けて何かしらを書くと
できた、とばかりにぱっと身体とノートの距離が離れる。
こく、こくん。と何かを確かめるようにして頷くと、
見て! とばかりにノートを青年の方へと見せた。]
[ v e n g e u r ]
[幼子らしい、少々よれた字で、しかしおそらくそう読める。
問題は、読めたところで ――英語では、ない。]
気に入った?
[話しかけるものの、答えは期待していないようだ。
智の字は丁寧で、そして細かい。
執拗に、偏執的に、書き記しては記録に残す。]
――…… !
[ややぎこちなく書かれる文字と手元をじっと見ていたが
突然目の前にノートを差し出されて面食らったらしく
智は茶色に戻った眸を丸くした。]
…… これ
名前?……じゃ ないよね?
[英語じゃない。と文字とにらめっこすること暫し。]
――ちょっと待って。
[手で制し、智は本棚に手を伸ばす。
否。本棚からはみ出た、山積みになった書籍から
何かを発掘しようとしている。
召喚のためにスペースを空けたが、
それ以外の場所は寝所さえも本の森であった。
希少本から一般書、学術書、歴史書まで幅広く。]
うわっ、 と、と
[崩れそうになる一角を辛うじて押さえ
取り出したのは――分厚い「仏日辞典」であった]
[倒れそうな本の山を背中で支えつつ、
やはり付箋が大量に貼られた辞書を
慣れた手つきでページを捲る。]
……V……V……あった。
vengeur……ヴァンジュール……?
[たどたどしい発音で単語をなぞり、そして]
――――復讐者。
[一般的な“7つのクラス”に
当てはまらぬ答えに辿りついた。
少女を、見る。]
[気に入ったかという問いに、こくこくこく。と
ノートから目を離さぬまま、浅く短い頷きを返したか。
…何処か空返事にも似たそれは、
字を書くことに夢中になっていた証拠でもあったが
ノートを青年に見せた後には、堪能するべく
何度かクッションの上でぽすんぽすんと身体で跳ねる辺り、
事実気に入ったらしいのは目にも明らかだった。
そうして名前、という単語が出れば、否定に首を振る。
僅かに身を乗り出し、何かを伝えようとして
…しかし他に伝える術が思い当たらないのか――
困ったように少しだけ眉を寄せ]
…!
[はた、と制されたそれに、ぱちりと瞬いた。
山のような書籍の塊に手を伸ばすそれを見て、
ふと、気付いたかのように少女は周囲を見渡した。
自分のいた場所こそ、床も見える空間として成り立っていたが
それ以外、ほんの数歩離れてしまえばそこは実に「本の森」であった。
きっと図書館にも匹敵しうるであろう、貯蔵。
もしかすれば、少し離れて森に埋もれて見える
この部屋の扉の外も――そうなのかもしれない。]
[ぽかん、と不思議そうに周囲を見渡していた少女が
再び意識を青年の方に戻すのは
ぱらぱらと、薄い紙が素早く捲れる音をとらえて。
辞書に挟まった、色とりどりのそれ
――沢山の付箋が、ぱたぱたと動くのを見ながら、
それが、ようやく一点で止まるのを、見た。
ノートを抱えたまま、床をのそのそと移動すると
そのページを覗き込むように、身を乗り出した。]
…!
[復讐者。
その言葉に、ぱ、と顔が上がる。
一度だけ、ぱちりと瞬いて 少女は小さく。にこりと笑った。]
―日曜日/盟譜学園前高級住宅エリア・書庫―
[学は、書庫の待合室にあるソファの上で目を覚ました。
叔父の書庫とは言え、かつて私設の図書閲覧室として機能していた建物である。
書庫以外にも、待合室や閲覧室、倉庫、給湯室にトイレなどがあり、生活していくのに不便は無い。]
……。
[無言のまま起き上がり、書庫の電気をつけた。
蛍光灯の瞬きと共に、中央が吹き抜けになった室内が照らし出される。
広さとしては2階建ての、やや豪華な民家程度だろうか。
内部の外壁には本棚が設置されており、天井付近まで本が詰まっていた。]
[給湯室に向かい洗面台で顔を洗った後、閲覧室へ向かう。
テーブルの上で、広げられたままになっているファイルの前に座り、明日の授業の準備をし始めた。
学は、これでも高等部の国語教師である。
いつも無駄ににこやかだが、目が笑っていない妙な先生として、生徒の間で、好かれても嫌われてもいないと言う立ち位置にいた。]
[ふと、召喚した彼女の事を思い出す。
昨夜は魔力の使用で疲れていた事もあり、あまり会話も無く眠りについてしまったが、書庫のどこかにいるのだろうか。**]
……にしても、これは所謂、
“戦争”的にも“格外”なんじゃないか……?
[足の上に置いた辞書、其のページを指先でなぞり、付箋を一枚貼り付けた。
智が寄りしろにしようとしたものは、
血塗られた歴史の一端。
それに関わった者は数知れず。]
アヴェンジャー。
呼ぶには事足りはするけど。
それだけじゃぼくは困るんだ。
君の、「本当の名前」を教えてくれる?
―日曜日/盟譜学園前高級住宅エリア・閲覧室―
[咽が液体を通す音がした。
それは、椅子に座り、体高が短くなった男の頭の上辺り。
彼がファイルを捲る音に紛れてしまう程度の、細鳴り。]
―――― …… 。
[物を言うでもなく、それ以上の音を立てるでもなく
腰に下がっていた瓢箪を盃に注ぎ、また一口を咽に通した。
女の姿は、霊体化をしておらずとも、どこか靄がかかったように輪郭が景色に溶けている。夜から脱した今、その不可思議はより顕著に表れていた。
肩に衣はない。
手には瓢箪と盃のみで、扇子も持ち合わせていない。
代わりに背に負うのは、背格好に似合わぬ金砕棒。]
[暫くもせず、金砕棒はまた形を変えた。
彼が召喚した時に肩からかけていた衣に戻る。
衣から扇に、扇から金砕棒に。
幾度目かの変化を、赤い花が見届けた頃、]
おはよう、ミクリヤマナブ
ここにおったのか
[女は、ようやく声を開いた。]
おはよう。
……何か姿が変わったように見えたが。
そういうものなのか。
[彼女の口から挨拶が放たれる前に、顔を上げていた学は、そう問いかける。]
砂は掬う前が程よく、月は砕ける以前がより恐ろしい
縦令我が我で在ることはできずとも
わららがわらわであることに変わりはない
夜空に浮かぶ月が、そなたの目に何色と映ろうと
それが月以外の何かであることは無かろうよ
[そういうものなのだ、と女は目を細める。
大きく表情を変えずとも、それは笑みのようでもあった。]
方策についてと、報告せねばならぬことがあったのだが
今はお手透きではなさそうかの
[彼が広げたファイルを、瞬きしながら眺めている。]
[笑みを浮かべられたので、反射的にこちらも笑みを返した。]
なるほど、文学的表現が磨かれそうだ。
僕は、漢字がどうとか、作者の考えを述べよとか、生徒達に教える方が専門だからな。
自分で表現するのはからきしで、君の言葉に線を引いて「この文の指し示す意味を答えよ」なんて事をするのが関の山だよ。
[冗談を言った自覚はある。
この場合、どう表情を作れば良いのだろう。
真顔の方が良いのだろうか。
上手く考えがまとまらず、思考を放棄する。]
いや、構わないよ。こちらは大体終わっている。
[溜息をつきつつ、ファイルを閉じると、手を組んで肘をつき、彼女の方を見つめた。]
そう大層なものではありはせんよ
[笑み――どこか行き場を見失ったような男の表情を見つめながら、女はそうか、と一つ頷く。
手にしていた瓢箪から盃へ、透明な液体を注いだ。]
報せの方は、そう深刻なるものでもない
あの学び舎を出た頃から、力の盈溢を感じなくなった
[盃に注いだ液体を、御厨学へ差し出す。
液体からは臭気は発せられていない――ただの水のようだ。]
嗚呼、これはそなたのせいではないぞ
繋索に不備は感じぬからの
村の設定が変更されました。
学校からはずれると、力が減退するのか。
学び舎を戦場にするのは、あまり好かないのだがな。
何せ、十代の生徒達の表情と来たら、まるで綺羅星のようだ。
まだ、感情を制御し得ない年頃と言うのは実に良い。
よく、泣き、笑い、時には怒る。
僕にとって、学校は宝石箱だよ。
……ただ、まあ、ぎりぎりの戦いの中での絶望や憤怒。
その時、彼らがどんな顔をするのか、興味が無いわけではないけれど。
[虚ろな目に、盃へとそそがれた水が映り、揺らいだ。
学はそれを飲み干すと、再びファイルを開き、それに目を落とした。**]
?
[そっか、と理解を得られたらしい言葉に、嬉しげに一つ深く頷いた。
案の定、青年の呟きの意味は理解し得なかったのか
僅かに首を傾げるばかりではあったが、とはいえ
語られなければ知るすべは無し、少女も深く気にすることもなく。
分厚い、モノトーンの書籍の一ページに
鮮やかな付箋が、また一つ増えるのを見ながら
投げられた問いに、ぱちりと緩やかに一つ瞬く。
こく、こくん。と、青年の言葉を反芻するようにして
僅かに頷くと、ノートを手元に寄せ、
先に書いた拙い文字の下に、再びゆっくりとペンを動かし始める。]
[先ほどよりは幾らか慣れた様子なのは、ペンの扱いに慣れたからか
それとも――己の名前だからなのか、
ノートを青年に見せるのに、それほど時間は掛からない。]
[Ma r gu e ri t e]
[書きあがったらしく、ぱっとノートから離れたその表情は
あまりに近過ぎる位置に提示されたノートで隠れてしまった**]
ふむ。
[作業へ戻るらしい御厨学から盃を受け取り、息をつく。
虚ろにたゆたう彼の目を一頻り眺めてから、目を閉じた。]
もう一つ、今後の方策について打ち立てる為に
ミクリヤマナブの趣向を訊ねようと思うたのだが
なるほど
そなたは分かり辛いようでいて、その実、分かり易いな
[女は、くすくすと笑って、背を向ける。]
正しき判断も、正しき方策も、正しき善悪も二の次
方策など、好き好みを定めた上で打ち立てるべきものよ
そなたの趣向はしかと聞き届けた
では、そのように取り図ることにしようぞ
[言って、女は部屋から姿を消した。]
ではな
外に出るなら適当についていく故
安心して出張るがいい
[最後に残した言葉も、やがて薄れて溶けていく。**]
そういえば。
エクストラクラスをやるなら、と以前より考えていたものが
アベンジャー で 言葉を話せない おにゃのこ
だった私に誰か何か一言。
……L'enfart de la punition(罰あたりっ子)……
[儀式の血で汚れて半分隠れた文字を読み上げた。]
そうか。
君は、サン・マロの
マルグリット=ブルイユか。
[ならば。喋らないのも合点がいくというものだ。
あの物語で、確か少女はただただ
血を求める歌だけを歌っていたはず。]
加えていうならば、ここぞという場面では 歌声 を発するとか考えていたあたりまで込みであれあれあれ。
GMには話しましたが今回、別件でももう一騎いろいろネタ被りしている鯖もいたりしたりして私もうこれ以降にFate村あっても参加してもサーヴァントやんないwww
[少女から返るのは肯定。
はー、と息をひとつ深く吐く。]
……そういうこと かぁ
[ひとつ、知識を得た。其のことに安堵する。
だが、問題は山積みだ。]
喋れない、っていうのは
やっぱり、不便、だよ なぁ……… フランス語、全部、おぼえる、にはやっぱり、ちょっと、時間 ……が……
[段々と口調がゆるくなっていき、智は辞書を抱きしめるようにしたままぽすりと別のクッションの上に横になった。]
[魔力の消費が激しい。
“学園”から離れての召喚ゆえに
負担が普通より大きかったのであろう。]
……、 …… ごめ ちょっと
やすむ から
[砂時計の砂が零れ落ちていくように、
意識が闇に吸い込まれていく。
ぼんやりとした眸がアヴェンジャーを見上げた。]
いいかい
…… 、 へやから でちゃ、だめだよ
――……あした、また くわし、く……
[瞼が落ち、一由智の意識は途切れた**]
……とまぁ、そういう訳や。
これで大体ボクの能力は分かったか?
[猫の姿へと戻ったキャスターは
床へと寝そべったまま説明を終えていた]
ややこしいとは思うけど、まぁ頑張ってなー。
[尻尾ふりふり]
──土曜夜/中央ブロック/礼拝堂──
[本来の時間を大幅に過ぎた今、しかしシスター見習いは此処に居た。
その左手には、三角の赤が刻まれている。
事情は、監督役である神父には伝えてあった。
礼拝堂の使用許可をくれた彼への感謝は尽きない。
……といっても、少女の表情はいつもさほど変わらないものであったが。]
……我が白水家の再興を、此処から。
[古くより続く家ながら、魔術師の出生率が下がった白水家。
長男でもない、魔術回路ももたぬ父が現当主を、
代理にしろ努められているのは、
娘の立海が祖父を超えた魔術回路を持って生まれたが故。]
[朗々と謳いあげるは、召喚の祝詞。
手順の一つ一つを几帳面過ぎるまでに順守した、
保守的と言われる古い家の者らしい、丁寧な儀式。]
――天秤の守り手よ。
どうぞ、白水の名のもとに。
[最後の一節。
左手の甲が熱いと感じると同時の、魔力の奔流。
収束してゆく熱の中心を、まっすぐ見つめていた。]
17人目、ランサー がやってきました。
ランサーは、村人 を希望しました。
[魔力が収束していく。
魔方陣から浮かび上がる白刃のような光。
其れはやがて陣の中央に吸い込まれるように消えていく]
――――。
[
その男が求めたものはなんだったのか。
守り導くのが己の役目。
それだけを中に抱いて、男は現代へと甦る。
熱も光も陣から消え失せて、描かれた魔方陣だけがその場に残る。
喚びだした女の前に男は無く、声は女の背後から聞こえた]
/*
神父さまの自己紹介のあまりの神父ぶりに惚れました。
←このアイコンで無表情に両手握って好きですって言いたい
そんなきもち。
お前が俺の主らしい、が――――。
お前は、この戦いに何を求め何を差し出す?
どれほどの信念を持っているのか、まずはそれを聞こうか。
[音もなく立った男は、隠した顔の下、視線だけを女へと*向けた*]
[声は背後。
ぴくりと肩が震え、慌てたように振り向けばその姿を見た。
ほう、と息が漏れる。
すべきことをすべき通りに成せば当然の結果ではあるが、
密かに息を詰めていたようだ。]
……はい。私は白水立海。
白水家当主の孫であり、これよりの聖杯戦争の間、
あなたの主となります。
私が求めるは、我が白水家の栄誉となる勝利。
差し出すは私を。
肉の器は家のため、損なうことはなりませんが……
それ以外の私を、すべてこの戦いへと。
[左手の甲を示し、そこに浮かんだ花弁を見せる。
表情を揺らがせることなく、淡々と意志を伝えた。]
あなたの名を、教えてください。
それと……
[つ、と視線が上向き、]
その、素顔。
見せていただくことは、叶いますか。
[ゆるりと首を傾ければ、衣擦れがさらりと鳴った。]
/*
めも。
・なんで後ろにきたんだよびっくりしたーもー
・あなたの願い事ってなーに?
ところでなんで召喚しときながら名前聞くんですかね。
たいてい触媒とセットで相手確定してるんじゃないですかね。
……間違ってこんにちはする可能性も、あるのか。
触媒が偽物でしたとかいって。
……家の名誉のために、な。
何を差し出すかはそれほど問題ではない。
俺が聞きたいのは、そこにある意思だ。
お前に其れがないとは、言わないが……暫し、主と呼ぶに相応しいかどうか、見定めさせてもらおう。
仮初めの関係とは言え、認めぬものを主と呼びたくはないのでな。
[名を問う女へ一度首を振り、それから嵌められた仮面に手を掛ける]
名は好きなように呼べ。お前を主と認めたときには、俺の名を明かそう。
市井に紛れるため本来ならば顔も避けたいのだがな。お前は判っていた方が都合が良いか。
[灰の混じる黒髪の下、素顔がさらされる。
三十を少し回ったほどの、少し日に焼けた貌。その視線は仮面をつけていた時より格段に和らいだものになっていた]
[わかったか?と猫に問われて、ぽすんとソファに身を預けた。]
わかった……ような気がする……。
あとは実際に動いてみないと、何とも言えないね。
ふぅ、何だか疲れちゃった。
今日はもう何もしないでしょ?
そろそろ休もう……ふぁ……ぁ。
[大きな欠伸。]
そう、ですか……。
わかりました。しかとお確かめください。
[やや硬くなった視線で頷く。
認められぬと、そういう事があるのか。
思いながら]
市井に……?では、あなたは、アサシンの……?
………………すきな、ように……
[顔を認め、心へ刻み。
好きなように、と言われれば、声が途切れた。
眉が寄っていく。]
……え、と……
[指先を唇へあてるも、言葉が出ない。]
−日曜日/東区/自宅−
ん……よく寝た……。
[ベッドから起き出して身支度を整えると、朝食の準備を始める。
昨夜タイマーをセットしていたご飯は美味しく炊けていた。
いりこと鰹節で出汁を取った味噌汁の具は、若芽と豆腐でシンプルに。
甘い卵焼きは、砂糖の入れすぎで表面がちょっと焦げている。]
キャスター、君も食べる?
ん、ちょいと疲れたか?少年。
まー、ボクを呼んだのもあるし無理ないわ。
[すくっと立ち上がり、クリスの傍にとてとてと歩いて行く]
今日のところはとりあえず休んどき。
明日からは、きっとしんどぉなるからな。
/*
たぶん突っ込みどころが山ほどある発言してるんだろうが。きっと問題があればつっこんでもらえる きっと……
シスターっていうか教会と魔術師って結びついてはいないんじゃなかったかとかふとおもったとか ね……
時臣と綺礼をみてたらなんか いけるようなきがしたんだ……
おはよぉさん。
よぉ寝れたか?
[既に起きていたキャスターは
戸棚の上に猫座りしながらクリスを見下ろす]
んーボクはええわ、この体は腹ぁ空かへんみたいやし。
おはよ。おかげさまでね。
[声のするほうに顔を上げる。
続く返答に、少年の顔にはやや落胆の色。]
……そっか。
じゃあ、すぐに済ませるから、ちょっと待ってて。
[手早く食事と後片付けを済ませる。]
お待たせ。
そう言えば、君ってこの辺の地理はわかる?
猫だけに僕も知らないような路地裏まで詳しいのかな……。
ああ、いや――。
そうだな、得物もなければ勘違いもあるか。
俺が使うのは、槍だ。
この聖杯戦争とやらに振り分けられたクラスで言えば、ランサーのサーヴァント、と言うことになろう。
[そう言うと、仮面を又貌に戻し男の手に槍が現れる。
床に立てれば男の身長を優に超え、その先は闇に紛れてよく見えない]
流石の全知全能の存在たる御猫様でも、
行ったことの無い場所まで見通してはおらへんなぁ。
[耳の後ろを器用に掻きながら
くわぁと大きなあくび]
勝手に散歩に行こうかとも思ったんやけどなぁ。
流石に初日から少年ほっといてふらつくのもアレやろ?
[さすが猫。自由。そんな感想を抱きつつ]
んー、昼間から襲ってくる敵がいれば、さすがに僕一人じゃ無理だろうけど……。
危ない時は令呪を使うし、散歩したければ行ってきてもいいんじゃない?
ただし、夜はマスターとしての行動になると思うから、勝手な行動は慎んでもらうよ。
ランサー、でしたか。
なるほど……
[現れた槍に、ぱちりと瞬き。
己の背が低い方とも思わないが、暗い中へ伸びていく先端が見えぬほどの長槍。
そのような英霊といえば、誰がいたろうか。
思考を巡らせながらも、それよりも先に。]
あの……呼び名、ですが。
太郎、と。
お呼びしても、宜しいでしょうか。
[躊躇いがちに、しかし真面目な顔で言った。]
――……よっ、と。
ん、猫は猫で勿論ええもんやけど、
人の体っちゅうのも便利なもんやな。
[頭をガリ、と掻いて]
ほれ、こんなに簡単に掻ける。
正味な話、足攣りそうになるんやコレが。
つ、攣るんだ……。
[意外な事実。気を取り直して]
どうしようかな。
聖杯に選ばれたマスターは教会に報告するらしいんだけど。
他のマスターも集まるだろうし、君の能力的に人型でいる方がカモフラージュになるのかな?
だとすると、キャスターって呼ばない方がいいか……。
[顎をつまんで考える。]
ねぇ、君って役者さんの芸名みたいなのはないの?
−日曜日/大学ブロック・図書館−
[杏里はよくここに来る。
ここは適当に見て回るだけでもそれなりに暇つぶしになるし、気が向いたら本を読めばいい。
元々、本は好きだった。みたいだ。
しかし、もうどれだけ本ばかり読んでいたのだろう。
これから先も、何度も読み返してしまった図書館に足を運ぶのかもしれない。永遠にも近い時間の流れの中で、滞留した泥水の如くそこに留まり続けている。
今日もまた、男女の恋が語られている小説を手に取り、日の当たる席に座り本を読み始める]
せやなー、基本は人間で居とこか。
猫の時は独りが多いやろし。
[床にべたんと座り込む]
芸名かー……せやな、なんか考えとくわ。
こういうのは閃きが大事やからな、なんか思いつくやろ。
……太郎?
[呼ばれた名に、眉を顰めた。
仮面に隠れて表情は判らない]
構わないが、そのまま呼ばれるのも困るな。
何か、姓でも考えておこう。
それで、ここはお前の住む場所ではないのだろう?
[そう言うと、礼拝堂の中を見回した]
いい名前を期待してるよ。
君って呼ぶのもなんだか勝手が悪いし。
あ、あと昨日も言ったけど、僕の事はク・リ・スって呼んでいいんだからね。
[呼び方の部分を強調して伝えた。]
― 日曜日・午前・中央ブロック学生食堂 ―
[日曜日とはいえ、文化祭も近い時期ともなれば生徒たちも多い。
ランチの時間にはまだ早くとも、食堂にはしばしの憩いを求める生徒たちがちらほら居た。
そんな食堂の隅のテーブルで、紙コップのコーヒーを片手に新聞を広げる。
興味の無い時事ニュースに目を通し、この時代、このセカイを把握していく]
……平和なものだ。
[むっ、と眉を寄せた。
が、からかわれている事に気付いて気を取り直す。]
……そ、そうだね。
教会の件もあるし、一度学園の方に行こうか。
今日は日曜日だから、普段なら一般の学生はいないんだけど、今は学園祭の準備で大勢いるはずだから、まず戦闘にはならないと思うよ。
[名前を考えるのが苦手だとか、市井に紛れるといったから一般的なものをえらんだだとか、言い訳じみたそれを披露する必要はないらしい。]
何か、問題でもありましたか。
[ふと陰りが見えた気がしたが、理由は明かされなかった。
はい、と頷き]
此処は、学び舎。
今回の聖杯戦争の戦場である盟譜学園にある、礼拝堂です。
私は此処のシスター見習いでもありますので、
神父さまに願って使用許可をいただきました。
[儀式のためと離れはしたが、まだ彼は帰宅せずいるだろうか。]
此処を片づけ、神父さまへ一度ご挨拶してから戻りましょう。
情報共有は家のほうが都合が良いでしょうから。
[漏れた呟きは、文字列から読み取れる情報に対してではない。
弛緩したようで、それでいて活気に不自由しない、この場の空気。それが自分とはあまりにもかけ離れたものすぎて、呟かずには居られなかった。
ここに居るほとんどの人間が彼のことを知らない。しかし誰もそれを見咎めない。
それは魔術のおかげもあるのだろう。しかし、それだけでこの空気は出せまい。
この学園は広く、大きい。だから元からおおらかで、隙だらけなのだ。
そして、それが許される時代であり、世界なのだろう]
いや、あるいは……。
[言いかけて、首を横に振る。
そうだったとして、だからどうなのか……と]
−土曜夜/教会 礼拝堂−
そろそろお邪魔してもよろしいでしょうか?
[静かに。仮面の男が見渡した礼拝堂の隅――奥脇にある扉の傍から二人へと声をかけた。]
無事に、召喚の儀を終えたようですね。
[槍を掲げる英霊の姿を見つめながら白水へと歩み寄る。]
―日曜/圭一郎宅―
[広大なメイフィールド学園の敷地を――といっても一部だが――圭一郎について魂魄として回ったのもそう長くはなかったやもしれない。いや、中央の建造物だけでも隅々まで見て回れたかどうか、それもこの男には分からなかった。
その後圭一郎に連れられて自宅へと戻ったろうが、陽も落ちており、はっきりとした場所までは知れない。わかるのは、この都市で最も大きな施設がおそらくあの学園という学び舎であろう事と、最もにぎわっているのもやはり学園ではないかという事ぐらいだった]
おー、大丈夫や。
もし戦闘になっても逃げるさかいなー。
[笑いながらすっくと立ち上がる]
ほんじゃ、お陽さんに当たりに行こか。
案内は任せるで?
−土曜夜/教会 礼拝堂−
無事に、召喚の儀を終えたようですね。
[静かに。仮面の男が見渡した礼拝堂の隅――奥脇にある扉の傍から二人へと声をかけた。]
神父たる私への挨拶よりも、監督者である私への報告をどうぞ。
召喚の場として此方をお貸ししましたが、私の立場は中立でなければいけませんので。
[槍を掲げる英霊の姿を見つめ白水へと歩み寄る。個人的な協力はもう出来ないと、告げながら。]
[そして槍持つ英霊へと改めて姿勢を整え、右掌を自身の胸にあてゆっくり静かに礼をした。]
はじめまして。
此度の聖杯戦争の監督者を務めております。
荏嶺聡一郎と申します。
いや、問題はない。
知った顔がその名前だっただけだ。
学舎……。
――シスター? キリシタン、と言うやつか。今はクリスチャンというのだったな。
悪し様に言うわけではないが、余り良い覚えもない。
挨拶をするというなら、ついていこう。
戦と言うには、色々と決めごとがあるらしいから名。
[聖杯より流れ込んでくる知識は、「聖杯戦争」の知識も伝えてくる。
礼拝堂の見回す視線は、「太郎」を聞いたときよりも翳る。
立海が歩き出せば、その一歩後ろを歩く。
身長はそれほど高いわけではないが、立海よりは頭半分ほど大きい]
……起きたか、圭一郎。
[まだ戦の匂いは感じない。だが、それでも眠らずとも構わない男は、巨体を起こしたまま、夜を過ごしていた。
生前の、かの戦での敗北はあまりに苦過ぎた。忘れようとしても、生涯忘るる事などできぬ、敗戦だった。以来、夜に気を許した事などない]
さて、圭一郎。お前は聡い。
だから俺が言うまでもないかも知れんが、あえて言う。
どうやら、お前が学園と呼ぶあの地を離れてから俺の力が少々落ちている。
試してはいないが、生前全盛期だった頃の力も出せるかどうか怪しいものだ。
それに、お前からあまり離れるのもまずそうだ。
この時代の人間に扮するというのも昨夜は一笑に伏すところだったが、少しは真面目に考えてみてもいいやもしれん。
[新聞を一枚めくり、コーヒーを啜る。
とっくに冷めたそれは泥水のような味だった。初利用でバツゲーム意外に需要の無いハズレを引く辺り、さすがの幸運値]
……まあ、ある意味懐かしい味だが。
[諦めたような顔で紙コップを置き、文面へ視線を戻した]
/*
??(・ω・)
仕事中だと、手元に資料なかったから
指摘できなかったけど、あれだ。
マルグリット=ブルイユだと
あれかもしれん。
ゲームの方の名前かもしれん。
原作読む限り、苗字出てないんじゃなかったっけか…
違うっけか…。
うろ覚え。
*/
私のことは、お好きにお呼びください。
ああ……
[ランサーの選んだ言葉に、ふと。
何か考えるようにしながら、此方へ、と促した。
すぐに神父が現れ、探す手間も省けたが。]
神父さま……まずは場所の提供を感謝します。
……そして、監督者たるあなたへ。
私、白水立海は、この度の聖杯戦争において、ランサーを召喚いたしました。
これより戦いへと身を投じます。
よろしくお願いいたします。
[綺麗に礼を取り厳かに報告を果たした。]
……という事でな。
昨日聞いたが、お前、戦以外にも別件を抱えているそうじゃないか。俺にはさほど大事なモノとも思えん、朝議ぐらいにしか思わんが……
まあ構わんよ。夜討ち朝駆けならいざ知らず、昼の日中から仕掛けてくる輩、今はまだおるまい。
お前、これからどうする?
[何を提案するにせよ、ひとまずは付き合うつもりで、目の前のまだ年若い同士に尋ねた]
[名を名乗ってくる監督者の男――荏嶺へ目礼だけを返す。
槍を手に持っているのだからクラスは知れるだろう。
真名を名乗る気はなく。
その槍も手中からかき消える]
しかし、本当に真名出ないな……僕以外はアヴェンジャーのみか。
そしてアヴェンジャーのことは一度ググってもよく分からないという。
既に、英霊は揃っているのでしょうか。
それとも、これは尋ねてはならない質問でしょうか?
[そっと右手で赤をなぞりながら、神父を伺う。]
18人目、セイバー がやってきました。
セイバーは、村人 を希望しました。
――――……
[闇の中にたゆたう感覚に、目を開ける]
………………。
――――(喚ばれた)
[そう感じた、刹那の後だった]
『……来たれ、天秤の守り手よ―――!』
[その声が、聴覚に届いたのは]
[目の前に居る者の不躾な口調。
だがその眼差しにある光を捉え、そのまま片膝をつく]
今このときより私は貴方の剣となる。
願わくば、我が騎士道を、御身の意志と共に導かれん事を。
[頭を垂れた姿勢から、頭だけを上げて]
いかがですかな? マスター。
[静かな笑みを浮かべて、彼を見上げた――]
/*
さて…システム周りを確認しながらやっております。
何を設定しないといけないんだったか。
actはダメでしたよね。ダメだな。確認した。
/*
○発言禁止時間
夜2:00以降は基本発言禁止とします。
○促しを含むアクションの制限
発言数制限の為、今回は「促しを含むアクション発言を基本禁止」とします。
memo
特例はwiki参照ですね。
―日曜朝・一般住宅街一由の部屋―
……、…。
[英霊は、眠りを必要としない。
ともすれば、寝る事は可能だが――それは必須では無く。
そんな中、召喚主が魔力の枯渇による深い眠りへと落ちた結果、
少女は早くもお気に入りとなったクッションの上でちょこんと座ったまま
実に大人しく、窓と本の森の間から差し込む朝日を迎えていた。]
[部屋から出たら、だめ。
その言葉を忠実に守り、……というよりは
どうやら気になった書籍を、一つの山の天辺から手に取り
捲って、もく、と読んでは飽き、また別の山の天辺の本が気になり…
――を繰り返した結果、既に夜は明けていた、と言うのが実際である。
その証拠に、少女の周りには無造作にジャンル問わずの本たちが並んでいた。
…無論、少女自身も部屋を出るなという言いつけを破る心算は無かったが
見目の年齢よりは幼い、幾らか注意が散漫とも言える少女を見るに
結果的にそうなった、と言った方がもしかすれば正しいだろう。]
/*
・「メモを貼った」の表示は非通知にしてください。
メモを貼る欄にそういうチェックボックスがあります
あ、これか。なるほど。
忘れそうだな。気をつけておこう。
−学園内/中央ブロック−
[並木道を抜けて正門をくぐり、キャスターに声をかける。]
ここが学園の中央に位置するところ。
僕ら学生は、毎朝ここから各ブロックに分かれた教室に向かうんだ。
お昼どきになると、そこに人が集ってくるよ。
[学生食堂を指差した。]
アヴェンジャー は肩書きと名前を アヴェンジャー マルグリット に変更しました。
白水立海。
ランサーのマスターとして聖杯戦争に参加された事を確認いたしました。
貴女達に武運のあらん事を。
[特に説明や注意事項等は語らない。考えねばならぬ事は参加者ならば知っているはずであり、何を守り何を破るかは結局当人次第なのだから。
ただ白水の報告に頷き手向けの言葉を紡ぎ。また仮面の男へと視線を向ければ、男の手から長槍が掻き消えた。
沈黙のまま礼を返され、真名を名乗られなかった事については「まあそうでしょう」と胸の内で呟いて。]
[不意に一つ頷くと、読みかけの新聞をたたんだ。
席を立ち、紙コップに残ったコーヒーを喉に流し込む。その不味さに辟易しながら、ゴミ箱に捨てる。新聞も元あった位置に戻す。
サーヴァントは、近くにいるサーヴァントの存在が感知できる]
さて……どんな顔なのかな。
[気負いは無く、散歩にでも行くような足取りで、学生食堂をでる。
気配は、ずいぶん近い]
[不意に一つ頷くと、読みかけの新聞をたたんだ。
席を立ち、紙コップに残ったコーヒーを喉に流し込む。その不味さに辟易しながら、ゴミ箱に捨てる。新聞も元あった位置に戻す。
サーヴァントは、近くにいるサーヴァントの存在を感知することができる]
さて……どんな顔なのかな。
[気負いは無い。まるで散歩にでも行くような足取りで、学生食堂を出た。
気配は、ずいぶん近い]
―日曜朝・一般住宅街一由の部屋―
ん、……ぅ、
……んー……
[本の森の合間から差し込むひかり。
朝を告げるそれに照らされ、
智は眩しげに手を翳し、
身を守ろうと体を丸め]
―――っ、だ、 わ……ッ
[結果。
予想外のところに積まれていた本の山を崩し、直撃を受ける目覚めとなった。]
[指差した方向から膨大な魔力を感知して、身を硬くする。
同時にキャスターからサーヴァントの存在を告げられた。]
だ、大丈夫……。マスターの気配はないから、向こうも戦闘態勢じゃない、はず……。
[緊張した様子で、食堂の方を注視する。]
……最初、と。
わかりました、ありがとうございます。
[再度、深々と一礼。
質問は以上です、と言いかけて]
……あ。
日々の祈りに訪れる事は、できますか……?
それとも、聖杯戦争として不要な訪れは、控えるべきでしょうか。
[その答えだけ聞ければ、ありがとうございました、と場を辞した。]
[指差した方向から膨大な魔力を感知して、身を硬くする。
同時にキャスターからサーヴァントの存在を、まるで野良猫仲間が現れたかのような気楽さで告げられた。]
だ、大丈夫……。マスターの気配はないから、向こうも戦闘態勢じゃない、はず……。
[緊張した様子で食堂の方を注視していると、キャスターに負けず劣らずゆったりとした様子のサーヴァントが出てきた。]
19人目、宍戸 颯 がやってきました。
宍戸 颯は、村人 を希望しました。
― ―
『私、先輩のこと――――…好きなんです!』
[満点の星空の下で――――告げられた、その言葉。
困ったように笑みを浮かべて。
それから――――。
そっと、頭を撫でた。]
『私、きっと、ずっと忘れません。
この美しい星空のこと。』
[涙をためて、こちらを見上げる少女。
その瞳には夜空に浮かんだ光が映りこんでいた。
伸ばした手でもう1度――――。
けれど、今度は拒まれた。
優しくしないで――――、とそう言って少女はその場から去る。]
[空に浮かぶ光の羅列。
それを、そっと見上げる。
ため息が漏れれば、それは白く――。
空へと昇っていった。]
………美しい星空、か……。
[その感性がこの世界においての"普通"。]
[そこに居たのは眼鏡の少年と、どこか飄々とした細目の男性。
相手も気づいたようで、警戒の姿勢を見せる。……もっとも、それは少年の方だけだったが]
やあ、こんにちは。
もし暇なら、少し話さないか?
[少年の緊張を和らげるよう笑みを見せ、声をかける]
普通……か。
[この世界は、至って、狭く、息苦しい。
例えば、常識
例えば、通常
例えば、普通
例えば、総意
――"自由"―― という名の――――束縛。]
"月が綺麗ですね――――"
[そんな風に。
少女にそう答えればよかったのだろうか。
見上げて、気付く。
その日は、新月。
星空の下、己の息だけが、熱を帯びて。
白い――。]
悪くない、上出来だ。
[告げられたサーヴァントのクラス。
そして忠誠を誓う言葉。
上出来どころではなかった。]
縮 貫だ、よろしく頼む、セイバーよ。
僕は騎士道などとは縁遠い存在だが、
聖杯を得る為に全ての手を打つ事をここに誓う。
だから、生き様、誇り、己が持つ力の全てを尽くしてくれ。
[力強く語る。
召喚した時点で契約は成立している。
しかし、相互の意思確認を再度したかった]
―日曜早朝/北ブロック武道場―
閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する――、
[剣道着に身を包んだ青年が淡々と詠唱を続ける。
その右手には太刀が握られている。
語学のための――――、という旅行で頂いてきた護符。
本来なら本人の遺物と確実なものが良かったのであろう。
しかしながら、それを手に入れることはできなかった。
ただ、この戦争で勝つには十分であろう。
15年前の聖杯戦争。
それを知って直後、ここの小等部へと入学した。
厳密にはさせられた、か。
すべてはこの戦争で勝つため――。]
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――
[青年の目が見開かれる。
右手の、三画が視界に入る。
迸る光の渦。
その中心に現われたるであろう姿に、視線を向けた。]
[白水の言葉ににっこりと微笑み。]
ああ、それは大丈夫です。
聖杯戦争の参加者である前に、貴女はこの学園の生徒であり、またシスター見習いとして神に仕える身でもあるのですから。
[ただし、と区切り。]
お祈りの最中に他の参加者がやってくる可能性は、考慮しておくべきでしょう、ね。
[例えここが中立地帯であれどもと、伝え。礼拝堂を後にする白水とランサーの姿を見送った。]
ほれ少年、お茶のお誘いやで?
[相手の言葉にも、特に大きな反応はせず]
やぁ兄さん、そっちも暇なんか?
ボクもごっつい暇でなぁ。
暇人同士奇遇なもんや、これも縁ってやつやろかねぇ。
ひっ……暇じゃ、ないです、けど……、話しても、いい、……よね?
[キャスターに助けを求めて視線を送るも、けらけらと笑われてしまった。]
……もう、これじゃ僕だけが馬鹿みたいじゃないか……。
[周囲に一般生徒がいないのを確認して]
え、ええと、あなたはサーヴァント、ですよね?
もうわかってると思うけど、僕は彼のマスターです。
名前はクリストファー=ラヴロック、クリスでいいです。
あなたは何とお呼びすればいいですか……?
ひっ……暇じゃ、ないです、けど……、話しても、いい、……よね?
[キャスターに助けを求めて視線を送るも、あっさりと打ち解けたご様子で。]
……もう、これじゃ僕だけが馬鹿みたいじゃないか……。
[周囲に一般生徒がいないのを確認して]
え、ええと、あなたはサーヴァント、ですよね?
もうわかってると思うけど、僕は彼のマスターです。
名前はクリストファー=ラヴロック、クリスでいいです。
あなたは何とお呼びすればいいですか……?
[男の言葉には、自然な笑みで返す]
暇人の縁か。なかなか悪くないが……僕の主人はどうも人使いが荒そうでね。
そうそう暇人で居られないのが残念なところだ。
[本当に残念だ]
なるほど、クリス君だね。
僕は石宮牛彦……という名前で、明日からここに教師として赴任することになっている。日中はそう呼んでくれ。
20人目、ライダー ななし045 がやってきました。
ライダー ななし045は、村人 を希望しました。
[ …長き静寂の後
――コツリ…と、床を付く音がした…]
―ふーーーん、呼ばれたんだぁ?
[ 砂嵐の中から杖をついた人影がうっすらと浮かび上がる。 ]
─白水家─
此処が、私の自宅です。
[魔術師としての工房の性質も備えたそこへ、ランサーを招き入れる。
飾り気のない家はしかし、地下や小さな庭も備えた和風の家屋だ。]
必要なものがあれば、仰ってください。
基本的なものであれば大丈夫だと思います。
……報告は、私たちが最初、とのことですが……
おそらく、他の組みも召喚を進めているでしょう。
今宵から調査を行いますか?
[同じく味気ない自室へ招きながら、問いかける。
召喚の疲労を感じながらも、それを押し隠すようにして。]
あー、そりゃ難儀やなぁ。
忙しいのはあかんとは言わんけど、程々にしとかな。
心と体の余裕ちゅうのは大事なもんや。
[うんうん、と頷いて]
なんや兄さん、せんせぇかいな。
まぁ日中は少年のこと安生面倒みたってな。
セイバー は肩書きと名前を セイバー オルランド に変更しました。
ライダー ななし045 は肩書きと名前を ライダー 今はまだない に変更しました。
いしみや……うしひこ……先生……。
……わかりました。
未熟ながら魔術師の端くれとして、一般の方々に迷惑をかけないように、一方的にあなたに利するような事以外では協力します。
って、別に面倒は見てもらわなくていいんだってば!
[耳に入る音。
それを聞いて面倒くさそうに視線をそらした。]
………ちょっと、アレか、マジか。
あー…予想できた範疇だったなぁ……。
うーん……敬意はらってやろうかと思ってたけど。
めんどくさい、
呼んでない、
帰れ。
[肩についた砂を払いながら、呼び出したそれに告げた。]
/*
チヂミ が正しかったね。
まあ 若干なまってるんですよ 外国の人ですから
(これはひどい)
あとチヂミだと美味しそうだからよくない(何が)
/*
宍戸先輩ってやろうと思ったけど、それってわりとグレー。
気付くのが遅かったですね( ^ω^ )!!
あ、お邪魔します!
遅くなってすみませんでした、大学生のお兄さんですよ。
うむ。さすがのノリツッコミだ。
しかしやはり日常に溶け込む以上は、節度を持って相対できる関係でいたいものだと思う。協力体勢が取れるならばなお良いと思うのだがね。
[うんうんと頷き、そして細目の男性へと視線を向ける]
……ところで、君はなんと呼べばいいかな?
[ふう、と溜息をついて本を閉じる]
そういえば、バーサーカーは何処にいるのかしら。
下手に聖杯戦争参加者に絡んでなければいいけど。
[壁に掛けられた時計を見て]
そろそろ志久真君が生徒会室に来る頃かしら。
[音もなく立ち上がり、中央区へと移動を始める]
[その姿は闇に溶ける。
夜道を歩いていても、遠目にはそこに男がいることはわかりにくいだろう。
辿り着いた白水家の家屋を見上げる。
中に入ると、懐かしい匂いが香る。
必要なものと聞くと]
特にはない、――と思ったが、何かこの時代に即した衣服があればそちらの方がいいだろう。
この姿は夜ならばいいが、昼間は目立つ。
かといって、英霊は他に着る物を持たないのでな。
[部屋の中を見回し、それから]
報告が最初でも、他に既に呼び出されてはいるだろうな。
だとするなら、今日は休んだ方がいい。召喚には魔力とやらを消耗するのではないか?
その状態で襲われてもつまらんだろう?
[圭一郎の答えを聞く間、彼の顔を始めて、まじまじと観察する。
――息子に似ている。その器は力ではなく聡明さによって形作られ、人望を満たす。人の上に立つ者の素質を持つ器だ。
息子の事を思い出す。聖杯からは今代の知識しか流れ込んではこない。息子は、遥か古よりの血統を失った彼国の民を導く事は出来たろうか。
見届けたい気持ちもあった。だが、それはできない。
王ではない自分は、いずれかを主と戴く事しかできぬ。]
/*
オルランドはイタリア語読みなんですね。
本当はフランス人なのでローランなんですよね。
でもカトリックちゃんだからイタリア(ローマ)かぶれなの。
今考えました。
ああ、それで構わない。
大丈夫、名前を聞いて安心した。
予定通りだ、最優のサーヴァントだ。
その剣に全てを託そう。
[名乗られる真名は予想通りの名前だった。
だからこそ、確信できた。
これで、この戦争を戦えると]
名前か、あまり人に名前をつけるのは得意ではない。
なにかかつて呼ばれていた名前などはないのかい?
もちろん、身元が割れないようなものに限定されるが……。
ボク?ボクはネコヤ……うん、根古屋や。
名前は……又吉。
[うん、これでええなと頷きながら]
せや、根古屋又吉って呼んだってや。
ボクは根古屋又吉や。
―日曜朝・一般住宅街一由の部屋―
あぃ …った……、た
[本に埋もれて呻いた。
付箋のうち、何枚かが落ちる。
その全ては記憶すべきことと
貪欲に食らい続ける知識の欠片である。]
……あれ、…… ぁ、……
[呆、と一瞬焦点の合わない眸。
像を結んだのは行儀よく座った金髪の娘。]
ああ、……そうだ。そうだった。
[頭に乗っかった本を落としつつ、智は体を起こした。]
……おはよう?じゃないな。寝なくていいんだし。
[ 肩の砂を払う男に一瞥をくれると… ]
ああーーーあー、やっぱり 莫迦かぁ。
[にやにやと、長身の男を見上げながら 嘯く]
[案内された立海の部屋は、やはり其れまでの和室と同じような物だったが、そも華美に飾られた部屋という物を知識として持っているわけでもなく]
寝ておけ。今からが本番なのだからな。
ここで見たおいた方が良ければ部屋の隅にでもいるが、外からの敵襲が心配ないのであれば、隣の部屋でも構わない。
英霊に眠りは必要ないからな、見張っておこう。
そうですね。ただ、聖杯戦争の性質上、あなたのマスターの目的がわからなければ協力関係は築けないと思いますよ。
[人が真面目に話してるのにこの猫め。]
ああ、そうそう。又吉だったね。
衣服。用意させましょう。
……学生服、が、良いのでしょうか。
[学園内部に入ることが多い。
最も多数に紛れるならそこだが、じっとランサーを見つめ]
……。いえ。
大学生に紛れるとして、私服が良いでしょうね。
[メモを作る。明日はまず買い物をすべきかなどと考えながら、
しかし父のもので彼が着られるものがあるかもしれない、とも。]
それは…… ……はい。
では、今宵は休息を優先しましょう。
敵襲に関しては、大丈夫、とは思いますが……
必要不要の判断は、私よりは戦い慣れたあなたの方が良いかも知れません。
[適当に決めたっぽい……というか絶対適当に決めた偽名。
根古屋、又吉。
こっちは一晩悩んだというのになんということかと理不尽な怒りが湧きそうになるが、本当に理不尽なので引っ込めた]
なるほど、根古屋さんですね。どうか今後ともよろしく。
[にこやか]
見張りは、ありがとうございます。
私は肉体的には、どうしても強いとは言い切れませんから。
できる限りは動くつもりではありますが。
……では、最後に。
あなたがこの戦いに求めるものを、お伺い出来ますか。
[じ、と。
見上げる視線は、揺れを知らぬ体。]
―日曜朝・一般住宅街一由の部屋―
…!
[突如上がる声に、ぴくん、と身体が跳ねる。
クッションに身を沈めたまま、
じ、と あおを本に埋もれた青年に向ける事しばし。
緩やかに、しかしようやく身体を起こした青年の言葉に、
こく、こくん、と小さく頷いた。
そうしてクッションからもそりと立ち上がると、
おそるおそる、という態で青年へと近寄って。]
…?
[僅かに、首を傾ぐ。]
[ゆっくりと立ち上がりながら]
……呼ばれていた名で、あまり知られぬ物……。
それなら、おそらくマルグハーヴ(※辺境伯の意)がございますが。
[てっきり、セイバーと呼ばれる事になるかと予想していたのか、少し驚いた表情で。暫く考えてから、そう答えていた]
うん、由緒正しく代々続いた名前やで。
風格が漂っとるやろ?
ちなみに紡がれた歴史は30秒ってとこやろかねぇ。
[からからと笑う]
ん、こちらこそよろしゅうな。
末永くとはいかんやろけどなぁ。
[眼鏡の少年の指摘には、なるほどもっともだと頷いてから、首を横に振る]
いや、僕の言いたいことはそうじゃない。
たしかに僕らは敵同士だ。殺し合うこともあるかもしれない間柄だし、今の時点で相容れないことは分かっている。
しかし、日常生活の面で協力し合うことはできるのではないか……と僕は思うんだ。
お互い、日中に暴れる気はないだろう?
立場分かってんの?
オレがマスターで、そっち従者のはずなんだけど。
いいや、もう。狙い通りだったみたいだし。
バカだから聞きますが。
クラスは?
[こちらを見上げてくる姿に視線を向ける。
相変らずにやにやとしているその顔にため息をついた。]
オレは宍戸颯。
お前のマスターだ。
[早朝の少し冷えた空気の中、やけに声が響く気がする。]
−日曜日/学園中央ブロック−
[生徒会室へと向かうため、学園の中央区に足を踏み入れる。
初等部から高等部、大学までの敷地はこの中央区を通らないと辿りつけない。
ダーナは何を思ってこんな敷地を作ったのか、学生にとっては不便なのではないかといつも疑問に思う。
最も、杏里は通学というものをした事が無いのだが]
あら。
[どうもこの近くにバーサーカーがいるようだ。
それだけではない、他のサーヴァントの気配も]
面倒な事に、なってるかもしれないわね。
[バーサーカーがいるであろう、学生食堂のほうへと足を運ぶ]
−日曜午前/自室−
…いや。
[目を開ける。]
ずっと起きてるよ。
[まだ胸の奥に高揚感が燻っている。]
考えることがたくさんある。
もちろん、やっておくことも。
−日曜昼間/学園中央ブロック・学生食堂−
[嗚呼、と溜息。
やはり、他のマスターやサーヴァントと談笑している様子。
そのままつかつかと歩み寄り]
御機嫌よう。
石宮先生、早速お友達でも出来ましたか?
[精一杯の作り笑いを浮かべ、挨拶をする]
風格……たしかに、僕の偽名より格好いい感じがして悔しいかもしれない……。
[それがシンキングタイム三十秒。根古屋、恐るべし]
まあ、どうせ夜は別の名前で呼び合うことになるんだろうが……それでも、こういう時間帯は仲良くしたいところだな。
[ふ、と根古屋に笑いかける。
短い間という点は、否定しなかった]
では、マルグと呼ぼう。
[クラス名からセイバーと呼ぶ事も考えた。
しかし、クラスを明示するような事は避けたかった]
では、マルグよ。
少し辺りでも散策するか?
何れ戦うかもしれない場所だからな。
見当をつけておくのも悪くないと思わないか?
とりあえず、好きに散策してくれ。
聖杯の知識で足りない部分は分かる限りで解説もしよう。
[自分では見えない何かが見えると良い。
そう思って戦場の下見を提案した]
[体を起こす。
机の引き出しを開け、便箋を取り出す。]
人間ってのは、不便だよね。
眠らずに生きることができない。
僕は周囲から見ると信じられないくらい長く起きているらしいけど、それでも3時間近くはただ眠っている。
ただ眠っている間にも、夜は動いているのにだよ。
それは……、確かにそうですね。
先ほども言いましたが、あなた方に一方的に利すること以外で、一般人に被害が及ばないように配慮するのは、魔術師として当然の姿勢だと思います。
その点に関しては、石宮先生と同意見ですよ。
[理知的な提案に安堵しつつ、頷いた。]
学生服?
……いや、そんなものでなくても、そうだな、私服の方がいいだろう。
何で紛れるとしても、そちらの方が都合がいい。
[休息を優先するという言葉に頷き、自身の体を見下ろした]
どうやら、学園から出るとサーヴァントとしての力が落ちてしまうようだな。
姿を隠すことが出来ないようだ。
それは他も同じだろうからそこまで心配するところではないが、どのような者が敵として出てくるか判らない以上、俺の知る戦とは違うものだ。
だから、ああ。やはり起きていた方がいいな。
[そう言うと部屋の壁にもたれ掛かる。
問われた言葉に、仮面の奥からじ、と立海の方を見]
……さて、何だったか。
[そう言い、肩を竦めて黙した]
……そうか。
[少し前、圭一郎の目を開けての言葉に軽い溜息をついた]
戦の前なら気は昂ろうとも。
しかしそればかりでは身が持たんぞ?
さすがに俺といえども、全てを向こうに回してはよく戦わん。
中にはひとまず手を結ぶべき者もいようしな。
[それ以上言うのはこの聡明な少年には無粋かもしれぬと思い、言わずにおいた]
[背後からの気配にはとっくに気づいていた。
彼女なりの全力で作られた柔らかな声音。それを受け、振り返る]
やあ、ごきげんようメイフィールド君。
ちょっと待っていてくれないか? 実は今、クリス君に美人でフリーの先生を紹介してもらおうとしているところなんだ。
[なんでこんなのを呼んでしまったのかしら]
あら、私というものがありながら随分お盛んですわね?
[足を思いっきりかかとで踏みつけた]
一応言っておきますけど、冗談ですわよ?
[相変わらずの愛想笑い]
─日曜朝/自室─
[起床は、いつも通りの目覚め。
けれどいつも通りではないのが、左手からの微かな熱。
着替えたのは、学園の制服だった。]
太郎さん。
父の服は、サイズはどうですか?
[だいたい同じくらいだと借りてはみたが、
50もとうに超えた父親の服は、大学生を装うには少し無理があるもの。
なんとかならないだろうかと思うくらいには、少し立海の感覚はズレていたが。]
[ 目の前に立つ大男を、背伸びしながら見上げて
相変わらずのにやにやは変わらず。]
帰れと言われれば、この場でお兄さん殺して帰っても良いけどさぁ?
本当にそれでいいのかなっ?ふふん。
[大男の問いには…首を上げる仕草に疲れたようにコキコキと傾げ]
立場って何?従者って誰?
[威厳を持って胸を張り すぅーーと息を吸い込むと 冷えた空気の中荘厳に響く声]
莫迦と判ったなら教えてやろう。
僕はライダーさ!
それはそうだろう。眠らぬ人間がいるものか。
[起きていた、という事自体も驚きだったが、続いて少し声が低くなった]
3時間? というと、一刻半だな。
ずいぶんと気真面目な学生(がくしょう)とは思っていたが。
……それで体がもつのか?
せやせや、心っちゅうのは移ろうもんやからな。
呼び方一つで随分と印象や心持ちも変わろうってもんや。
[微かな顎鬚を指先で撫でながら]
仲良ぅ出来る内は仲良ぅしたいもんや。
友と喧嘩したらあかんなんてこたぁ無い訳やし?
……っと、そちらセンセさんのお知り合いかいな。
[手帳には、実に几帳面な文字で
びっしりと、びっしりとさまざまなことが
雑多にメモされていた。
見るものが見れば、
それは一種の魔術書にも近い。
文字だけに飽き足らず、付箋も重ねて貼ってある。]
ふふ。大丈夫、僕はいつもこんな感じなんだ。
ただ眠るのが惜しいんだよ。
[万年筆を走らせる。
この万年筆も魔術に関わる品だ。
ここは志久真の城。
そうした品が数多く転がっている。]
[彼が支度を終えるのを待ち、切り出すは本日の動き方。]
今回の召喚は、学園で行われます。
報告のある礼拝堂もまた、その中央に。
調査を行うにも、学園内が最も適しているかと。
早めに、仮の拠点とできる場所を探すのも良いでしょうし。
[淡々と伝え、それと、と]
学園祭が近づいており、一般生徒も多くいます。
即座に襲撃を受けることは、それほどないのでは、と見ています。
よろしければ、参りましょう。
……戦場と敵を、見定めに。
[他の参加者も、きっとそこへ。
情報収集のつもりだ、戦いはすまいと思いながら。**]
石宮先生、生憎と僕は先生の女性の好みまでは教えていただいてませんが……。
[痛そうだな、と目を背けつつ。加害者の女性に向かって]
初めまして。僕はクリストファー=ラヴロックです。
石宮先生とは、先ほどお会いしたばかりなので、まだ先生のご希望にそえずにいます。
[思いっきり足を踏みつけられた。容赦なく踏み抜く感じ。サーヴァントじゃなきゃただじゃ済まない]
おいおい、冗談でも質が悪すぎだ。
背筋の産毛も総立ちじゃないか。
[ハハハ……と笑ってから、クリスの様子に眉をひそめる。
杏里・メイフィールドは高等部生徒会長。この学園では有名人のはずだ。
当然、クリスも知っていると思っていたが]
ああっと……彼女は杏里・メイフィールド。高等部の生徒会長だ。
そして、僕のマスターでもある。
[一応、簡潔に紹介した。
おそらくは、マスター同士ですでに感知し合っているだろうが]
御意に。
まず地の利を学ぶは定石でありますね。
[呼称と、偵察の提案。無論、否やは無い>>305]
まずは見渡せる高所が望ましいかと思いますが。
聖杯より得た知識によれば、ここは、学校というのでしょう。
ならば、屋上なるところを目指したく。
[地理に合わせて、最も基本的な射線を把握しておくつもりで、答えていた]
僕はそういう性格で…
自分のやってきたことを捨てたくはない。
ちゃんと仕事はこなしたいんだ。
[ペンを止め、2枚目の便箋に手を伸ばす。]
だから、学校の仕事の方もやりたい。
なるべく迷惑をかけないように頑張るよ。
僕は学生だ。大抵はここか学校の中にいる。
だからなんとかなる。
なんとかするさ。
―日曜朝/白水邸―
[立海の持ってきた衣服は少しきついように思われた]
……少しきついな。
袖周りが特に。
着物はないのか?
とはいえ、目立つか。
[ジーンズも少々きつい。
腹回りは多少緩くあるものの、胸筋周りも布が張り付くような着心地である]
何か上にはあるものがあればごまかせるだろう。
ご丁寧に有難う。
私は杏里=メイフィールド。
高等部の生徒会長をしているわ。
希望に添えなくてもいいわよ、きっと誰でもいいんでしょうから。
あと、君も参加者のようね。
貴方たちとはいい関係でいたいものだわ。
杏里=メイフィールドよ。
今紹介されたように、高等部の生徒会長をしているわ。
希望に添えなくてもいいわよ、きっと誰でもいいんでしょうから。
あと、君も参加者のようね。
貴方たちとはいい関係でいたいものだわ。
……そうかよ。ならば何も言わん。
人の上に立とうとする器には、そのぐらいの気概が必要だ。
[あの敗戦の原因を作った男ですら、その種の気概は持っていた。奴の事は嫌いだったが、共に同じ主を戴いた者同士ではある。その事は認めていた]
それならば結構。
となればまずはその学園で仮の拠点と構えられそうな場所を探すか、逆に敵方を探るか……
俺はそこを考えねばならんな。
ああ、あの……。
失礼しました、僕は中等部なので、直接お目にかかったことがなくて。
[噂に名高い高等部生徒会長を前に緊張する。
ましてやそれがマスターとあれば尚のこと。]
[日本語はわかるか、との問いにこくん。と一つ頷く。
どうした、と問われて、少しだけ困ったように眉を寄せつつ
慌てて、ノートを手元に手繰り寄せると
がりがりと、何かを書いて 見せる。]
[ ますたー? ]
[その疑問符で括られた単語の横に、形容しがたい
ぐるぐるとした謎の黒い塊が描かれている。
…それが何を示すかまでは兎も角
どうやら、聖杯から得た必要最低限の知識に
単語とは言え、日本語の書き取りは幸いにも含まれていたらしい。
…尤も、ただでさえ拙い文字は、
慣れない日本語で更に歪な形を成していた。]
ライダー……。
はいはいはいはい、分かりましたよ。
帰れとか言って、すいませんでした。
[持っていた太刀をしまうと、代わりに箒を取り出す。]
………掃除するから、座って待ってて。
外でやりゃあ良かった。
ああ、そういや。
……ライダーって呼べばいいですか?
[武道場の床に散らかった砂を丁寧に掃除していく。]
……なんとかなる、か。
そうよな、なんとかしてもらわねば困る。
仮にも俺が同士と選んだ者が疲れで万全に采配を振るえなかったというのではな!
[豪気げに呟いた言葉は、しかし少年の『なんとかなる』という言葉に、少しばかり無理を感じないでもなかったのだが]
だろう? 時代は変われど其処は変わらないはずだ。
[定石の言葉には強く頷く]
ああ、そうだな、ここは学校だ。
気をつけて欲しいのはだ、学校にも種類があるんだ。
今いるここは、僕が通う高等部エリア。
それ以外にも若年層が通う初等部、中等部。
年齢が高いものが通う大学。
そして、全ての共用の施設と種類が色々あるのだよ。
[聖杯の知識は恐らく概要だろう。
だから、言葉と共にそれぞれの方向を指して説明した。]
すまない、少し話が逸れたな。
屋上に向かうとしよう。
[説明を済ませると高等部校舎の屋上へと向かった]
[そうして、学園、という言葉にぱちりと一つ瞬いた。
戦争の舞台となる場所の知識は備わっている筈だが
かくん、と首が再び傾く辺り
その場所が、活動場所となる筈なれば
自分はどうすればいいのかと、
どうやらそこに判断がつかない様子であった。]
なるほど中等部。
では教師陣も高等部とは違う顔ぶれなのだね?
つまりまだ見ぬ美女がそこに!
[ぐ、っと握り拳を作り、眼鏡の少年に詰め寄る]
クリス君、君とは仲良くできそうだ。
…と言っても、魔術師としては、聖杯戦争に集中しなきゃならないけどね。しばらく「こっちの世界」の来客はお断りだ。
[便箋をそれぞれ折り、1枚ずつ封筒へと入れる。]
少し遅くなるけど、こっちの処理だけはしておかないと。
[封筒に封印を施し、今度はメモ用紙にペンを走らせる。]
そんなに固くならなくていいわよ。
これからはマスター同士、仲良くしましょ。
[うっすらと笑みは浮かべているが、その視線は冷たいままで]
石宮先生、お二人とはどんなお話をされていたのかしら?
この様子だと、悪い話ではなさそうですけど。
いい関係、ですか。
先ほど石宮先生にも同じ事を聞かれましたけど、やはり返答はお互いの目的次第、ですね。
僕も一介の魔術師ですから、目的も相場通り、我等が術を以って根源へ至ることです。
又吉さんの目的は、現段階ではお伝えできません。
[知らないし想像もできない、とは言えず。ただ、生徒会長の冷たい視線で心まで凍てつきそうなのを堪える。]
い、石宮先生……?
[詰め寄られて、思わず後ずさった。]
ああ、学園で行われるようだな。
あの中が一番魔力が強いようだ。
逆に、あの学園から離れる度に、地の利というものは薄くなっている気がする。
[この身に流れる聖杯の魔力。
恐らく、マスターである立海と離れれば、もっと弱まるだろう事は想像も易く]
いや、拠点は余程自信がない限りは、あまり意味がないな。
キャスタークラスであれば見破ってしまえるだろう。
襲撃は受けなくとも、心配するに越したことはない。
いつどこから、敵は現れるかわからんのだからな。
[立海に続いて家を出る。商店街で揃えるか、と言う話にはもちろん頷いた]
――、……いや、まあ、いいか。
[す、と指を下ろす。
僅かの間虚ろな色の眸が覗いた。]
うんとね。
学生として紛れ込んでもらおうかなって。
大丈夫だよ、あそこは“そういうところ”だ。
うん、でも、
さすがに君くらいの子が
着るような服は用意してないなあ……。
[ふむ、と手帳を見ていたが、程なく立ち上がり]
調達すればいいか。
教会に挨拶に行くついでにさ。
妹と連絡が取れなくてね。もう、あいつも聖杯戦争が始まったことには気付いていそうなものなんだけど。
きっと仕事を押し付けられると思ってるんだろうな。
[メモ用紙を破り、紙飛行機の形に折っていく。]
まあ、実際その通りなんだけど。
[紙飛行機を飛ばす。この紙飛行機は妹の部屋まで飛ぶ。
自分の家の魔術ではない。「客」から譲り受けたものだ。]
[掃除している、「ふう」に小首を傾げながら 尊大に腕を組み]
判ったのなら良い。
「ふう」の謝罪快く受けるぞ。っとーーー!
[堅苦しいのは疲れる。と、ばかりに首を回すと ]
僕のことは、…んーーーーっと、
[人差し指で額をぐりぐりしながら、聖杯の恩恵を受ける。]
ん!「陽太」で、いいよね?この国じゃあアルアルの名前かなぁ。
[「にっ」と歯を見せ、さも得意げに言って見せた。]
あら、ごめんなさいね。
私の目的は、大事な人を生き返らせることよ。
物騒なものじゃないわ。
[多分]
魔術師然としているのね、まだ若いのに。
そういう真っ直ぐな子、好きよ。
[何やら手紙を記す圭一郎を黙って眺める。あれも、何か自分には分からぬ魔術の一つかも知れぬ、そう思いながら。
改めて部屋の中を見渡してみたが、とりたてて娯楽を目的とするようなものは見当たらなかった。部屋の中で目に着くものといったら、壁に並ぶ書物の山だ。
ふと棚の中に、小さな人の映る画像――写真を見つけた。]
お前の家族か。
[しげしげと、しばし眺めていた]
[志久真の家を頼る人間は、多くはないが絶えることもない。
志久真の魔術「適応」は、無力だが万能だ。
環境には慣らしてしまえばいい。消せないものはそれを自然にしてしまえばいい。そういう魔術を志久真は扱ってきた。それしか頼ることのできないモノが「客」としてこの家にやってくる。
だが、聖杯戦争の間、それに力を割くことはできない。]
はい。布陣は重要な要素でした。
敵の動きを予測するにも必要不可欠でありましょう。
……ふむ。なるほど。
知識だけではいささか信じられぬ話ではありましたが。
本当に、農夫から商人まであらゆる民が知の恩恵を享受しているのですね。
[聖杯の断片的な知識が繋がっていく感覚があった]
いいえ、大事な話に感謝を致します。
[そして、屋上へ向かった]
― 北ブロック:高等部教室棟 屋上 ―
[屋上から、ぐるりと確認する。
位置的には4階か。さほどの高さがあるわけではない。
東ブロックの大学エリア以外は似たような高さにあるようだった]
……中央には教会施設もあるようですね。
そして、どうやらこの学校の領域だけが魔力に満ちている――。
[方角、そしていくつかの角度を見て――この後も、マスターの疲労状態を注意しながら、学園エリアの探索を続けただろう**]
[書けてた!と、言わんばかりに ぱ。と顔が明るくなった。
しかし、次いだ問いには一度だけ緩やかに瞬いて。
掲げたノートを、己でもう一度見直した。
…、それで伝わる筈も無いのは当然なのだが
少女にはそれが判らないのか、…それともその表現が精一杯なのか。
少しだけ、困った顔をして。
降ろされた指に、ぱちりと、あおを瞬いた。]
[ へや ] [ でる いい? ]
[挨拶に行く、という言葉に再びよれよれと書いた象形文字は
辛うじて、 そう読めた。]
馬鹿とはなんだ、馬鹿とは。
いいか。愛ほど強く、美しいものはこの世にない。
仮初めの身体とはいえ、こうしてここに存在できた以上、僕はそれを追い求めずには居られないね。
[超本気の顔だった]
[好きよ、という言葉に、視線を逸らしつつ頬を赤らめる。]
べ……別に、あなたの目的が世界に作用するものでなければ、……構わないと、思います、けど……。
大切な人……、ご家族の方ですか?それとも、……恋人とか……?
うむ。君はよく分かっているな、根古屋。
どれだけ真面目で、崇高な話をしていても、最終的にはそこに収束する。
それが男の会話のあるべき姿だ。
…それは。いや、違うよ。
[少し目を伏せる。]
それは僕の母親の写真だよ。
子供の頃のね。
そして、僕の父…当時の志久真家長男の、妹でもあった。
妹か。
[写真の中にも、確かに似たような影は映っている。
小さな少年の横に佇む、さらに小さな少女の姿]
その割に、そんな気配はしなかったが……?
[いるとしたら限界したてで勘が鈍っているのだろうか。あるいは学園から離れた影響か。
考えても仕方のない事ではあるのだが]
−日曜朝/教会−
[日曜学校。礼拝堂には子供達が集い、子供用のミサが開かれていた。
聖書の話を説き、賛美歌を歌い、子供達へ祝福を与えた所でミサは終了し、後は自由にと横手の扉を開き、荏嶺は教会の執務室へと戻ってきた。]
さて、そろそろ他の方々も来られる頃合でしょうか?
[呟き、椅子に腰を下ろすと机の引き出しを開き小さな小瓶を取り出した――]
―日曜朝→昼/学園前商店街→学園―
[学園に向かうついでとばかり、その途中の商店街へと顔を出す。
流石に仮面は外さないわけには行かず、更には髪も後ろで一つに結んでいる。
結んだ先は短いものだったが。
褪せたブルージーンズとそれにTシャツを何枚か、羽織ったジャケットは黒。
立海の後ろをあるき、学園内に入ったのは丁度お昼も前の時間だった]
ではまずどこに行く?
[問いかけ、学園内の地理は立海に任せ、姿を消して後をついていく**]
魔術師の家系はたまにそういうことをするのさ。
魔術回路を増やし、魔術を鋭くするためならなんでもする。
そして僕もそういう人種だ。
もし必要なら、妹と交わることもあるかもしれない。
…ま、そんなことは妹が許さないかもしれないけどね。
2代続けての近親交配はあまりに危険でもあるし。
[何かと偉そうな従者を尻目に掃除を淡々とこなす。]
………陽太。変な名前。
あー……、あるある。いいんじゃない、それで。
[日曜とは言え、武道場には生徒がやってくる可能性がある。
丁寧に、それは丁寧に砂を集めて。
かなりの時間、掃除をしていた気がする。
魔方陣を砂で書いていたのは結果的に正解だった。
朝稽古も満足にできず、もうかなり明るくなっていた。
その間、召喚したライダーを待たせることになったが。]
お待たしました。
………待ってる間、次どうするか、考えて頂いてましたか?
[無表情のまま、見下ろす。]
そう、ですか。
[全校生徒の間でもてはやされる高等部生徒会長の言葉。
彼女の恋人であれば、その噂も風に乗って広がるはずだが、その手の話は聞いたことがない。
残念ながら、その表情から100年の月日は伺えなかった。]
自然の摂理に逆らう願望であれば、無理やり矯正したところで世界の修正もかかると思うし、僕もそういうのはよくないと思います。
でも、不慮の事故とかなら、その願望を許容することもできるかも、しれません。
[慎重に言葉を選ぶ。]
石宮先生、私そろそろおいとましますわ。
生徒会室に用事がありますので。
クリストファー君、それに又吉さんでいいのかしら。
今後も宜しくお願いしますわ。
[そう告げると、愛に飢えるバーサーカーと愛に溺れる猫を横目にその場を立ち去った]
[写真立てから目を離そうとした時、圭一郎から飛んだ言葉に、目を瞬く。そう言えば、目の前の写真は随分と赤茶けてくすんだ色をしていた]
なるほど、それは。随分とまた因果だな。
[再び目の前の同士たる少年を見つめる。自分の息子とさして変わらぬ年頃のようだが、その身に背負う業が、後背に立つように感じられぬでもなかった]
それがお前の覚悟なら、別に構うまいよ。
世の中には兄弟で相争い首を刎ねた家だってある。俺の所のようにな。
?
[日本語が書けた事でご機嫌になった様子の少女は
面白い、という言葉に、笑みのままかくん、と首を傾ぐ。
その笑みが、何処か違和感あるものだろうと
少女に、それは違和感として伝わらない。]
[一緒に、という言葉にこく、と頷くと
青年の身支度が整うまでは、そわそわと、しかし大人しく待つ事になる。
無論英霊に準備などは必要なく、
――精々、貸し与えられたままのリングノートとペンを抱え込む程度。
少しだけクッションを名残惜しそうに見やったが
流石に外へと持っていく事は無かった。]
うむ。根古屋、君は素晴らしい。
そうとも、愛ほど素晴らしいものはこの世に無いと断言できる。
いやむしろ、愛を理解できない人間には憐れみを覚えてしまうね。
その点、我がマスターはかわいそうで仕方が無いな。あの氷の瞳には、恋の輝きなどひとしずくも映るまい。
根古屋、君のマスターはどうだ?
それでいいんだ。
少なくとも僕は不幸だとか思っているわけじゃないし。
実際、僕と妹は強い才能を持って生まれてきた。
[ただ、妹がどう思っているかは分からない。
妹はこの家を嫌っているかもしれない。
妹のことだから、逃げることもしないのだろうが。]
僕の妹の写真は、ここにはないんだ。
いつでも会えるからね。
そのうち君にも紹介するよ。
仮にも年頃の娘だから、風呂は覗かないでくれよ。
[笑いながら引き出しを開け、万年筆をしまう。
この万年筆で書かれた手紙は、宛名の人間にしか読めない。]
石宮先生、私そろそろおいとましますわ。
生徒会室に用事がありますので。
クリストファー君、それに又吉さんでいいのかしら。
今後も宜しくお願いしますわ。
[そう告げると、愛に飢えるバーサーカーと愛に溺れる猫を横目にその場を立ち去った]
[「畳」と言う草を編んだ敷物の上で、長い時間寛いで居たが…スッキリと気持ちよく大の字で寝ていた。(?)
声を掛けられ面倒くさそうに、寝返りを打ち上半身を起こす。]
あーー、良く寝たぁ〜!
さて、済まぬが起こしてくれるか?この躯は少々難儀でね。
[杖を引き寄せ、片手を無表情な「ふう」に差し出す。
引き寄せられ難儀そうに立ち上がると、頭を搔きながら]
どうする?と言われても…なぁ。取りあえず腹が減った。
[きっぱりと言い切った!]
あなたが、死なせて、……。
[その重い言葉に、しばし目を伏せた。]
ごめんなさい、何と答えていいのか、僕にはまだわかりません。
でも、罪を償うことと、次に進むこととは、別のことだと、僕は思います。
何故なら、どちらもあなたの願望に、僕には思えるからです。
両手に持った果実を同時に得られるほど、僕たちの道は易しくない。
僕は、そう教わってきました。
でも、だからこそ、あなたとはまだ闘いたくありません。
今後、か。
たしかにまだ真の恋は知らない年齢だが……その若さ、たしかに期待できる。
いずれ酒の肴にできる話をしてほしいものだ。
ライダー 今はまだない は肩書きと名前を ライダー 陽太 に変更しました。
はは…… いや全くだ。
とんだ愚問だったな、忘れろ。
[人の上に立つ器を持つ人間は、得てしてそうだ。形は違えど何かしら、業を背負わずにはいられない。圭一郎も、自分自身も、それから……彼の主も。]
お前の妹なら器量もよかろう、楽しみにしておくかな。
ああ、俺は風呂など覗かぬ、これでも沽券があってな。
覗かれた事はあったがな!
[先ほどの雰囲気を吹き飛ばすかのように磊落に笑った]
せや、恋するっちゅうことは生きるって事と同義や。
少年には変な道に迷いこまんと、生きてほしいもんやで。
センセもそういう事をいうっちゅう事は
中々重たぁい生を歩んでそうやなぁ。
[チラ、とクリス達の方を見て]
向こうも向こうで中々盛り上がっとんなぁ。
っと、ちょうど終わり際やったか。
ほなボク達もそろそろ切り上げとこか。
中々おもろかったでセンセ。
また機会があれば、こんな風に話したいもんやなぁ。
さて、何やら大事な行事…祭の準備があるんだろう?
今は魂魄になれんからこのままついて行くしかないが…
行くのなら共はしようぞ?
[今代で不必要に目立たぬためなら、このいでたちも変え、今代の人物になり済まさねばねばなるまい。もっとも、七尺弱の自分の体躯に合うような服もそうそうないだろうが。
その辺りは圭一郎と相談してなんとかせねばなるまい]
そう言えば、今更な気もするが。
お前が例の願望器―――聖杯か。
あれを求める理由というのは聞きそびれていたな。
[ついでのように尋ねたのは、多少の想像はついていたから。
このいかにも魔術師然として風格を漂わせる家柄なら、その目的もおのずと古風な―――もっとも一般的な答えに行きつくのではなかろうかと]
…それは…なかなか、いい趣味の人がいたんだね。
[覗きの話題が発展するとは思っていなかった。]
ああ、学校へ行こう。
手紙も投函しなきゃいけないし。
[2枚の封筒を鞄へ入れる。]
そう言えば、ここで「誰」として過ごすか…
狩りの立場は、決めたのかい。
決めておくと何かと便利だと思うよ。
今のままじゃ別行動を取りにくい。
まあ、急ぐことはないけどね。
[引き寄せた杖を見てから相手の手を取る。]
………、いや、やめとこうか。
[介護ヘルパーか、とつい口に出そうになったが。
相手のプライドを変に傷つけるのも面倒くさく感じられてしまった。
ライダーの食欲の言葉に首をかしげる。]
普通のご飯でいいの?
………ホームステイの留学生だかなんだ、って言えば通るか。
っていうか、お前、格好なんとかしろ。
そんな格好で後ろから付いて来られても困る。
[けれど、相手が己の困惑のことなど気に掛けないだろうことは理解できる。
電話を取り出して、居候している叔父の家へと電話する。]
もしもし、オレです、颯です。
おばさん、すみません、武道場まで制服、持ってきてもらえます?
オレの…だと…サイズが………いや。
道具も持ってきてくれれば、こっちで直します。
[近隣の叔父の家に居候してもう何年になるか。
叔母はすぐに言ったものを持ってきてくれた。
待っている間に、自身も剣道着からジャケット、ジーンズへと着替えをすませる。]
………これ、着ろ。
着替えたら裾直してやるから、そしたら学食行くぞ。
[制服を放り投げるも、自分が着替えを手伝う必要があることも気付くとため息を深くついた。]
僕が聖杯に望むのはひとつ。
「根源」への到達さ。
路がそこにあるのなら、踏み入れたい。
門があるのなら、くぐりたい。
魔術師としての、原初的な願いさ。
つまらないだろ。
[苦笑する。]
でも、そのためならなんだってする。
その覚悟はあるつもりだ。
!
[お待たせ、との言葉に出掛けるのだと理解したらしい。
こちらは準備万端、とばかりに
リングノートを両手で持ち上げて掲げて見せて。
目立つ、との言葉に
自覚は無いのか、僅かに首を傾いだが
大丈夫だと言われれば、素直に一つ頷いた。
学園へと至るまでの道のりは、青年から半歩後ろを
ぴたりと引っ付く様にして付いてゆく。]
[そうして呆気なく入手し、手渡された制服に
ぱちりと瞬いて――そのまま歩きだした青年の後を追う為に
とりあえず、リングノートと一緒に抱え込む事にした。
少女の身体には、幾らか大荷物なそれを抱えて、
コンパスの違う歩幅で、時折駆け足になりながら
そうして行きつく先は学園内の教会へ。]
ふ、クソ重たい生は歩んだな……僕の人生は最悪だった。
[ちょっと消沈した。というか過去を思い出して凹んだ]
そうだな、君たちも夜に向けての準備があるだろう。
引き留めて悪かった。
また機会があれば、こうして雑談でもしようじゃないか。
−教会 執務室−
[ガラスの小瓶を掲げて窓から差し込む陽光へとかざしてみれば、色とりどりの金平糖が其々に光を受けささやかに煌めいた。]
ふふ。
[教会へやってきた児童達へと与える為のそれを暫く眺めていたが、やがて察した人の気配に荏嶺は小瓶をまた机の引き出しへと戻すのだった。]
―日曜昼/中央ブロック→北ブロック―
[正面から入った学園は日曜だというのに人の姿が多い。
恐らくは、文化祭のせいだろうと立海が口にする]
まずは一通り見て回る。
しかし連れだって歩くのは目立つな。姿を隠しておくか?
[学園内であれば、霊体になることは出来る。
しかし関係者だと言えば問題ない、と言われて、そのままの姿でついて歩くことにした。
仮面の代わりに、黒縁の眼鏡がオプションに増えている。
食堂や購買部の場所を抜け、立海が普段使っているという高等部の教室棟の方へと向かった]
……全くいい趣味だったな。
人が風呂に入ってるときに大勢で取り囲みやがって…
まあ、だがそれはどうでもいい。
そうさな、『仮』の姿か……
[やはり些か大振りに、腕を組んだ]
やはり俺の風体ではどう繕っても目立とうが、仕方あるまい。
ひとまずは教師という事にしておこう。
確か、北の方に武道場があるのだったな?
俺の格好で見繕える服もそうあるまいし、ひとまずそこの顧問という事にでもしておくか。
[圭一郎の根源に至る、という答え。
魔術師の事はよく知らないが、それが至極基本的な望みである事は理解した。同時に、さもありなんと合点もいった]
なるほどな。いや、お前らしいよ。
ならば、何でもするという覚悟、しかと見届けさせてもらおう。
[話がつけば、時を置いて学園へと向かう事になる。
サイズの合う服がないとは言え、上着だけは、さすがにできるだけ大振りなジャケットを選んで羽織っていく事になるだろうが]
ああ。心配せずとも、きちんと話してやる。
[なんとか取り繕った程度の当代風の衣装を纏って、べきり、と首を鳴らした]
応、では参ろうか。
[何しろ2メートルほどの身長で、霊体にもなれないのでは道を歩けば目立つだろうが、その点は圭一郎も暗示なり、何かしら手を打っているかもしれない。
いずれにせよ、魔術に疎い自分にはあずかり知らぬ領域]
―盟譜学園中央ブロック:教会 ―
[ちゃんと後ろをついてきているのか
時折確認しながら教会に辿り着いた。
学園のシンボルにもなっている、立派な建物である。
門を潜ると、此処が日本だなど、信じられないほどだ。]
ここが教会。
戦争への参加を、告げに行くところ。
なんだか入学式の気分だけど。
[リングノートを抱えた少女の姿のせいだろう。
智はゆるく息一つ吐き、
教会の執務室へ向かうと戸を叩く。]
武道場の顧問か。ははは!
それはいいね。
君に武道を教えてもらったらうちの連中、強くなるな。
こう見えて僕も剣道部の所属なんだ。
と言っても、もうすぐ引退なんだけど。
[外へ出て、学校への道を歩く。]
あっちに着いたら、僕は昨日君を召喚した場所、生徒会室へ行って仕事をすることになると思う。
もし退屈なら、詳しく学校を見て回るとかしててくれ。
昨日は暗かったし、時間もなかった。
戦場の下見としては不十分だったかもしれないからね。
ん……ま、色々あるわな。
[目の前の男の様子に、しみじみと頷いて]
それじゃ、ボクらはこれで失礼させてもらいますわ。
また"どこか″でお会いしましょ。
[そういって根古屋とクリスは去って行った**]
[家を出る時、少しアーチャーが戸惑ったように見えた。]
…ひょっとして、君が道すがら目立つのを心配してるかな。
その心配は無用だよ。僕の魔術は「慣れさせる」が肝だ。
君を見咎める者がいたとしたら、それは普通じゃない人だよ。
[三つのカップにお茶を注ぎ終えるのと、ノックの音は同時だった。]
はい、開いておりますよ。どうぞ。
[砂糖の入ったガラス瓶を棚から取り出しながら扉の向こうにいる人物へと答え、部屋の中へと招いた。]
[手を貸す「ふう」から自身の躯に向けられた目が、何時ものソレであることを感じ取る。
が、どうと言う風も見せずに言いきる。]
僕の躯は王の血の濃さ故の証!
恥じることも、哀れみを受けることも無い。
今後そのような目で僕を見たら殺すっ!
[そう言い切ると、「ふう」の話しかけには応えず、用意された制服も黙って着させられた。
―― ふんっ! ―― 大きく鼻を鳴らす。 ]
悪い着心地じゃぁ無いな。
[お下がりの制服に袖を通して胸を張った。]
[三つのカップに紅茶を注ぎ終えるのと、ノックの音は同時だった。]
はい、開いておりますよ。どうぞ。
[砂糖の入ったガラス瓶を棚から取り出しながら扉の向こうにいる人物へと答え、部屋の中へと招いた。]
[軽く手を振り二人を見送る。
彼の去り際の言葉に、少しだけ苦笑しながら]
ああ。それじゃあ……また、どこかで。
[それは日常か、それとも……**]
[三階に自分の教室があるのだという立海に一度頷いただけでそれほど興味は示さない。
立海の方も何か反応がほしいわけではなかったようだ。
一階から三階までを順に歩いて行く。
先にサーヴァントが来ていたことには、気づかない。残滓を追えるほど魔術には詳しくないからだった]
他の建物も似た感じだな。
[屋上まで出ると、上から各建物などの配置を頭に覚えていく。
ここの一階には開かずの間があるのだという話にも、耳は興味を持たなかった]
なぁに、武道といっても弓だけよ。
他はただ力に頼っただけで、齧ったと呼べるようなものでもない。
[そのまま少し遅れて、後をついていく。車も少なく、街は閑静だ]
わかった。昨日の部屋だな。
では、俺はしばらく好きに回らせてもらう。
[生徒会室のある中央ブロック辺りで、圭一郎とは別れる事になるだろう]
[入学式、と称された当の本人は知ってか知らずか
執務室へと向かう青年から幾らか遅れて、
礼拝堂のど真ん中で立ち止まる。
そうして、教会の高い天井を見上げて、ゆるやかに瞬いた。]
――…、…。
[ぱか、と僅かに開いた口から、呆気。という言葉が良く似合う。
そうして我に返ったのは、ノックの音――と、
その扉の奥から聞こえた声に。
見上げていた視線をそちらへとようやく降ろすと
てて、と駆け寄るようにして、青年の元へと再び戻る。]
では、な。
[圭一郎と別れ、向かうのはまず東、ついで武道場のある北。
他の魔術師の風体はわからないが、おそらく自分の同士程度には年を経た者達であろう、そう考えて圭一郎から聞いた通り、大学部の方から学園の敷地を巡っていく。武道場の辺りはただ地の利を観察するだけでなく、些か感慨深そうに。
休日とは言え他の生徒も出てきているのは祭りとやらの準備のためか。そして、あまり奇異な目で見られないのは、道すがら圭一郎が語った通り、魔力によって他の生徒が自分に『慣れて』いるためだろう**]
−日曜正午/生徒会室−
[扉を開けようとしたら、まだ鍵がかかっている。
今日は杏里と僕以外のメンバーは呼び出さなければ来ない。
そして、まだ杏里は来ていないか、他の場所にいるらしい。]
さて、じゃあ、今日もやっていこうかな。
[不在時に書類を入れておく箱から書類を取り出す。
いつもの席に座り、いつものように仕事を始める。
この「いつも」も、あとわずかだ。]
−日曜/学園中央ブロック・高等部生徒会室−
[生徒会室の扉を開くと、そこには予定通り彼の姿]
志久真君、御機嫌よう。
[いつもと変わらぬ挨拶と、そしていつもと変わらぬ素振り。
そして昨日と同じように自分の席に座り、小説を手に取る]
何、私の顔に何かついてるかしら。
どうしたの、志久真?
[すっ、と立ち上がる。
その表情は、いつも志久真へと向けているそれではなく、冷たいものだった]
[心の中で、冷静な自分が冷たい言葉を投げかける。
…聞きたくない。冷たくなっていくんだ。
体の奥の方。触れて欲しくはない場所。]
はい、確かに。
宣誓といわれましたが特に何をするという決まりがあるわけでもありません。お茶でも飲んでゆっくりしていってください。
…そちらのお嬢さんが、喚び出された英霊ですか?
[差し出された左手の甲を確認して頷く。
テーブルに並べた紅茶のカップを示し、ソファへと誘いながら視線はもう一人の姿へ。珍しそうに辺りを見渡す様が、聖杯戦争のため召喚された英霊と呼ぶにはどうにもミスマッチだった。
思わずクラスや真名は、と問い掛ける。]
そ。
[暫く志久真の顔を見つめた後、また席に座り読書に戻る。
ただ時間が静かに過ぎていく。耳がきーんとなる程の静けさが生徒会室を支配していた]
[――お嬢さん、という単語が自分を示している事は判ったのか
青年の影に隠れるようにして、傾いで顔だけを出すと
神父の方を覗き込んだ。
ソファへの誘いも、じ、と そちらを見やるばかり。
真名とクラスを問われれば、少しだけ困ったように青年を見た。]
はいはい、すみませんでした。そんなに怒るなよ。
[小さな王の頭を2、3回叩く。]
別に恥じることは確かにないけど。
その服貸してやったのも、裾を直してやったのもオレなんだけど、言うこと何もないわけ?
………先に言っとくけど。
この世界でお前に力を貸してくれるオレ以外の人間は、全部慈善だし、哀れみだぜ。
それが、この世界の"普通"。
ちゃんと理解してくれよな、陽太。
[武道場から出てブーツを履けば、1つ欠伸をしてから食堂へと足を向ける。]
[その時、近づいてきた気配に武道場の入り口で振り返る。]
………………。マズいな……。
[マスターの気配はしない。
ここに近づいてくるサーヴァントの気配(>>415)を感じる。
相手のクラスも分からなければ、己のサーヴァントが使えるかも今はまだ判断がつかない。]
……走るぞ、陽太。
とりあえず逃げるから黙ってろよ。
文句は後で聞いてやるから。
[武道場を感慨深そうに見ているサーヴァントの意識がこちらに向かないうちに。
ライダーを抱えるとそのまま食堂に向かって走りだす。
軽いので朝の鍛錬にもちょうどいい運動になった、と勝手に満足するのであった。**]
[刹那、「いつも」という言葉を、冷たい自分が見咎める。
「いつも」とは、一体いつだ?
…彼女は。
いつから、ここに座っていた?]
もうすぐ、生徒会も引退だな。
[言いながら、もっとずっと、冷えていく。
冷たい。体の奥から悲鳴が聞こえる。
それに冷たい自分が蓋をする。]
[青年が先にソファへと腰掛けるのを見やって、
恐る恐るそちらへと近付くと、ぽすん。と隣へ腰掛ける。
…紅茶のカップは、じっと見るばかりで手までは伸ばさない、が。]
―――、…。
[神父の顔をジッと見やり、青年へと視線を移し。
そうして二人の会話を聞いている内に、
――真新しい制服の包まれた袋に、
次第に顔が埋もれていく。
…己のクラスに、偽りなど無いのに。と言わんばかりに
幾らか、拗ねている様にも見えようか。]
アヴェンジャー、ふむ。
[クラスを言われ、特に驚くような様子は見せず。
じっと、一由の背後に隠れるようにしている少女の様子を確認する。
魔術師であるとはいえ、一介の人間でしかないはずの一由よりよほどか弱く思えるその人物が英霊であるとは思いづらくもある、が。]
――イレギュラー、かも知れませんね。
[ぽつり、結論を選び口にする。]
過去にも、七つのクラスに属さない英霊が喚び出された事があったと聞きます。
私も詳しくはありませんが、アヴェンジャーというクラスもきっとその類のものなのでしょう。
―学園:教会執務室―
クラスについては、まあ。
彼女がそういうなら、
そうなんだろうな、とは思ってますけれど。
ああ。そうだ。ひとつ、お願いが。
[話しの合間 紅茶のカップから口を離し、]
彼女のクラス、
ほかのひとには内緒ですよ、
神父さま。
[拗ねたような少女を隣において、
聞き分けのよさそうな生徒の笑みでそう謂ったのであった**]
……なるほど。
[イレギュラー。
そう聞き、聞き分けのよさそうな笑みは透明度を増し]
それは。
本当に面白いな。
[透明ゆえに歪な色を孕んだまま、
こころの底から楽しそうな声で、
そう呟いたのであった**]
おっと、別に貴女が不相応である等とは思っておりませんよ。
まずはようこそ、この時代へと。貴女にご武運がありますように。
[不服そうな様子に、脳裏を過ぎった感想が聞こえたのだろうかと思い。安心させるべく微笑みを浮かべ祝福の言葉を述べる。
それから内緒にという一由の言葉に一瞬だけ動きを止め。]
ああ、そうですね。
では私は公平に、クラスに関し全員に非協力的な対応をとるといたしましょう。
[あくまでも中立の立場を守るという形で。学生の願いを受け入れたと、自分の口に人差し指を一本、立てて見せ。
イレギュラーという言葉に対する一由の反応を見て、何を思うか荏嶺は目を細め暫くその様子を眺めていた――]
あちらが、大学エリア。
図書館があるので、制服姿でもさほど目立つことはありません。
[学内がざわついて感じるのは、近づいた学園祭のせいか、聖杯戦争や彼のような存在たちのせいか。
教会の静謐さに慣れた少女には、どちらにせよ馴染みのないもので。
気配を逃さぬよう警戒を張りながらも、ふう、と小さくため息をついた。**]
―日曜昼すぎ:商店街―
…眠。
[くぁ、と、だらしないあくびが一つ。
服装はいたってラフなので
下手をするとちょっとした海外からの観光客だった。
頭には紺色のヘッドホン、ボディバッグと
至って普通のスタイルだったが手の紙袋だけが
妙な異彩を放っていた。
東京駅新名物、東京弁当。
あきらかにこの辺りではてにはいらない代物**]
―学園内・教会―
―――。
[笑みを浮かべる神父の言葉に、
荷物の中に埋めた顔を一度だけ離し。
――しかし何の機嫌を損ねたか、むぐと頬を膨らませた。
…もしかすれば、不機嫌な原因を聞くことも出来たかもしれないが
言葉を持たない少女に、それを伝える事は難しい話。
――否、それを差し置いても、
…ぷい、とそっぽ向く様子からするにもしかすれば
口が利けても骨が折れる事だと想像だに難くなかった。
まったくもって英霊らしからぬ様子に、
誰が何を思案しようが、気付くことは、ないが。]
[とはいえ青年と神父の会話が終わるまでは、大人しく
暇を持て余した結果、渋々という様子で紅茶に手を伸ばすこともあっただろう。
…少女の味覚には聊か苦かったか、内に砂糖を投入する姿もついでに。
ぶらつかせる足がソファを蹴って、ぼこんと鈍い音を立てたりもしたが
それなりに高価そうな家具が汚れようと、凹もうと
――残念ながら、それは少女の気にするところではない**]
なんや少年、そない怒らんでもええやん。
[どうやら先ほどの自分たちの会話がお気に召さなかったらしい
ご立腹な様子にも飄々とした態度だ。]
いっとくけど、ボクは真面目やでー?
そらもう、ボクの真面目さと言ったら五大陸に響き渡る程や。
いつもいつでも本気で生きてんねん!
……って聞いとるか少年ー?
―学園内・教会執務室―
[ふと、隣の少女が動く。
智はそちらを見てから、瞬きを2つほど。]
どうしたのさ。
[彼女に答える声はなく、
リングノートは抱えられたまま。
小さく首を傾げてから、智は神父に向き直る。
ごく普通に見える、笑みである。]
それでは、ぼくらはこれで失礼します。
お時間ありがとうございました。
神父様、紅茶、おいしかったです。
もう少し早く顔を出していたら、
戦争関係なく飲めたのかな。
[純粋な興味の元、
そう、智は素朴に謂った。
見目が違いすぎるが、
関係はまるで兄と妹のようでもある。。
神父の抱いた感想どおり、聖杯戦争に参加するには
無骨さも勇猛さも足りなく見えるふたりは、
廊下に続く扉の向こうへと消えた。]
似合うも似合わぬもどちらでも良いが――。
お前が問題ない、と言うならこのままで構わん。
[案内される校舎。大学の方に移れば、見える姿も制服でない者が多くなる。
手に持った紙の案内は、既に丸められ、見たのは渡された最初だけ]
図書館、というと書物が置いてある場所だな。
そこへ行こう。聖杯から色んな知識は貰えるが、己の目でみるものとはやはり違う。
[そう言うと、図書館の方へと歩き始めた]
― 北ブロック:高等部教室棟 屋上 ―
そうだな、教会も存在する。
いや、教会が根本かもしれない。
そして出向かなくてはならない。
機を見て向かうとしようか。
[其処まで話してとある事に気づく。
それは、セイバーの格好だった。]
ああ、鎧はやめておこう。
鎧が誇りだと、侮辱になるかもしれないが、
学校で、其の鎧では残念ながら目立ってしまう。
必要であれば、気にいるものを用意する。
[服装の変更を命じたら納得してくれたのか、
鎧は直ぐに解除され、軽装へと変わっていた]
踏む、少しだけ疲労を感じる。
悪いが周りの確認を終えたら一度休ませてくれ。
[サーヴァント召喚の儀。
思いのほか体力、そして魔力を持っていかれていた。
披露はあったが満足度も大きかった。
弱いサーヴァントなら披露もしなかったはずだから]
しかし、早急に休息が必要なわけでもない。
学校の案内ぐらいは問題ない。
学校周りも見ておくに越した事はないだろう?
だから、学校が終わったら僕の家に向かいながらにはなるが、
そちらも合わせて確認を行おう。
[その後は学校のエリア全てを手早く回った。
そして、合わせてそれぞれの施設に関して、
出来る限りの解説を行い知識の共有を行った。
合わせて、商店街で今後の準備のための買出しを行った。
自分自身のもの、そしてマルグのもの双方を……]
[戦場を初めて駆けたのは、元服して間もない頃。
戦に生き、戦場にあった己の場所。
この身体はまだあの匂いを、音を、声を覚えたまま]
しかし、ここまで変わるか。
[礼拝堂はまだ想像の範囲に収まっていた。
白水の屋敷も以前の延長にあるようなもので、だからこそ夜が明けたあとの目に入ってくる景色は、己が覚えているものと変わりすぎている。
図書館までやってくると、その蔵書数にまず目を奪われた]
―自宅―
それでは悪いが少しだけ睡眠をとらせてもらう。
出来る限りで知識として役に立ちそうなものは用意した。
それとこの部屋にあるものは好きに使って構わない。
知識を高める時間として活用してくれると助かる。
[先程購入した簡易食料を口にしながら伝える。
同時に部屋の説明を軽くする。
そして、自身はベッドへと入り休息へと入った]
―学園内・中央ブロック―
んーと。それじゃ、まずは制服、着ようか。
[少女に呼びかける。
どうも、拗ねたままであるらしい。]
……、……困ったね
[しゃべれない、といわれたときと同じ言葉を、
今度は苦笑交じりに呟く。]
ほら、いくよ。
[智はごく自然に少女の手を引いて、車椅子用の個室トイレで着替えてもらうことにした。]
― →日曜日 ―
[疲れていたとは自覚していたが、
予想を遥かに超えていたようだった。
気づけば朝を通り越して日だ大分進んでいた]
すまない、大分時間がすぎていたようだ。
さて、今日も再度探索と行こうか。
合わせて、学校の教会に挨拶に行こう。
焦る必要はないが、早く済ませておくに越した事はない。
[再度の探索の提案と目的地を告げて、
共に自宅から外へと向かった**]
[己が生きた後の時代。
今日までどのような歴史を辿ったのか、細かなことはわからない]
あの棚の下にいる。連れ立っていく必要もないだろう?
[どうせ同じ室内なのだ、と、歴史書の並ぶ棚の方へ足を運んだ。
古い一冊を取り出し、ぱらぱらと捲る。
それから又別の一冊を]
……265年。
[呟いて、それから数冊の本を手に、テーブルの並ぶ場所へ来ると、座って*読み始めた*]
―日曜:学園内・中央ブロック―
[待機時間中、本を読む。
「ソクラテスの弁明」――大学図書館で借りたものだ。
銀の栞が数十ページ進んだころ、
すっかり着替えた少女が顔を出す。]
うん、いいんじゃないかな。
似合うよ。
[素朴な笑みで、高等学校の制服に身を包んだ少女を出迎えた。機嫌は直ったろうか、じっと見つつこう続けた。]
学校、案内するよ。ここは学校の真ん中。
ぼくは高等学部に通ってる。あっちの方。
今日は日曜だから人も少なめだけど、
ほんとはもっといっぱい居る。
……あ、もう参加者も
来てると思うから気をつけて。
まあ、昼間から襲われるってことは
少ないんじゃないかなぁ……多分。
……そういえば君ってどうやって戦うの?
後で教えてよ。
[人影のない廊下を歩きながら
日常会話そのものの調子で語りかける。
庭に出て学校案内の看板を指し示し、「ほら、ここ」と説明する様子は、本当に転入してきた下級生を案内する上級生の図に見えた。]
−教会 執務室−
[二人を見送った後、荏嶺聡一郎は机へ向かうと数枚重ねられた便箋を取り出し、ペンを手に取った。
一枚を捲り、二枚目にはランサーという書き出しの文字と、白水立海についての事柄が書き込まれているのを確認しさらに捲る。]
アヴェンジャー、でしたね。
[少しだけ考えるような素振りをして、荏嶺は”八枚目”を開くとそこにアヴェンジャーという書き出しと、一由智についての事柄を書き始めた。]
[口元には、笑み。]
五大陸どころか、5メートル先にだって響いてないと思うよ。
さっ、暗くなる前に、教会への報告を済ませておかなきゃ。
[キャスターを待たずに、すたすたと歩き始めた。]
―日曜:学園内・中央ブロック―
[入学案内のパンフレットを傍らの少女に手渡す。]
これ、地図だから。
そのノートに挟んでおいたらいいよ。
[謂って、自分の令呪に視線を落とした。
――痛む。知的興味から手の甲に
刃を滑らせたときとよく似た痛みだ。
ゆうべの手首の傷は、包帯で隠されている。]
居るね。居るよ。
―――楽しみだなぁ
[文化祭を待ち望むのと同じ笑みで、そう謂った。]
―日曜日/盟譜学園前高級住宅エリア・書庫―
[瓢箪から水が、一滴、二滴。
落ちる雫は段々と少なくなり、遅くなり、ついには盃へと注ぐ液体が出なくなった。]
佐久那太理に落ち
[手にしていた扇を翳して、一言呟く。
瓢箪から発する淡い光。瞳に映した後、緩く蓋をした。]
[部屋の端に座り込み、景色を眺め上げる。
天井まで支配を伸ばす書の数々。
群なす匂いと、刻まれた月日と、それから、重量。
彼らが一斉に本棚から滑り落ちたなら、無事では済まないだろう。さりとてその気配は無い。微動だにしない。]
まるで塀じゃの
[静まり返る世界には、全ての知識があって、あらゆる道が鎖されている。書の保存のためか、日当たりも悪い。
学が住まい、住まってきたのであろう世界を暫く瞳に映す。]
―――― ……
[何を零すでもなく、ただ時間だけが過ぎていった。]
息苦しく感じるかい?
この本たちは、僕の先生であり、母なのだけどね。
主に感情表現面での事だが。
[本棚を見上げ、佇む彼女に声をかける。]
―日曜:学園内・中央ブロック―
[少女が不思議そうな顔をすると、
智は人畜無害そうな笑みを浮かべた。]
ほら。
白い紙にはソレを埋め尽くす文字や、
図形が必要だろう?
……そういうことだよ。
[そのまま学校の案内は続き、
道中、文化祭直前だからか気を利かせて開いていた購買でチョコレートプレッツェルを購入した。まだ拗ねている少女への、まあ――賄賂である。]
[降ってきた声に、顔をそちらへ向ける。]
強いて心地を比ぶるならば、懐かしきが近うある
[盃を傾け、水を飲み干し、一息を零す。]
ミクリヤマナブの情操の師か
それは、今も、であるのかな
一応……ね。
これには登場人物がどんな感情を抱き、どういう表情をするか、逐一書いてある。
だが、作者の意図がある文章だ。
登場人物の仕草は全て意図的だ。
今は、この中では物足りないな。
[そう言うと、背広の上に、持っていた茶色のコートを羽織る。]
少し、外に出ようか。戦う場を事前に見て、予習しておくのも悪くないだろう?
[表情は多分、このままで良い。
そう判断した。]
はっはっは
なるほど、それで――
[宝石箱か、と。
続く言葉は、僅かの笑みに溶けた。]
意図は謀り、謀りは呪いともなる
されども、水面に濁る月もまた月ではある
どれ、戦の備えがてら、そなたの月とやらを探しに――
[手にしていた扇が、形を変え、金砕棒へと姿を変える。
一拍。
女は、ため息のようなものをついて、その形を消した。]
―日曜:学園内・中央ブロック―
ぼく これ、好きなんだ。美味しいよ。
[無邪気にチョコレートプレッツェルを分け合うころにはもう随分時間が経過していた。
道中、休日返上で文化祭準備をする同級生らに
・・・・・・・・・
「その子が噂の転校生?
超かわいいじゃん。紹介してくれよー」
などと言われる場面もあったがそつなくかわし、今に至る。]
……見事に《改竄》されてるし、
ぼくには別に必要ないけど
偽名、あったほうが体外的にはいいのかな。
どうしよっか。
[教会のある中庭に面したベンチに腰掛け休憩しつつ、少女に問いかけた。]
―日曜:学園内・中央ブロック・正門前―
[学は、書庫から高級住宅街を通り、正門前まで来ていた。
彼女の姿は見えない。だが近くにはいるのだろう。
門をくぐると、右腕の内側にある令呪が、他の魔術師を検知する。]
どうやら、他にも予習している人がいるらしい。
[生徒だろうか、あるいは同僚だろうか。
こういう時、どんな表情をすべきか悩む。
とにかく、歩みを進めることにした。]
――っつ、……
[不意に左手の甲を押さえる。
“痛み”が接近の合図。]
……参加者、近くに居るみたいだ。
気をつけてて。
[少女にそう告げ、巡らせていた視線が一点で止まる。]
おーええこっちゃ。
百里の道も一歩から、5メートルでも響きわたりゃぁ
そのうち世界だって駆け巡るっちゅうもんや。
教会?
あー、なんや行かなあかんのやったなぁ。
ボクも行った方がええんやろうかねぇ。
[めんどくさそうにぐいーっと背伸び]
うん、背伸びは猫のがしやすいわ。
……ま、ほんならいこか?
ああ、君なのか。
……弱ったな。
[ふと口に出た言葉に自分でも驚くが、表情は変わらない。]
一由君。
令呪、あるんだろう?僕と同じように。
[そう告げて、じっと表情を観察する。]
―日曜:学園内・中央ブロック―
[智の丸くなった目が一度二度と瞬いた。
もう一度確かめるように左手の甲を見て]
先生。……あれ、そうなんだ。……そっかぁ。
……ちょっとびっくりしました。
[苦笑じみた表情になる。
特に何か隠そうという様子は見られない。]
はい。
ありますよ。令呪。
[胸に手を当てるように左手を掲げ、
緩やかに右の指でなぞると、
魔術で隠していた歪なかたちの痣が浮かび上がる。]
― →中央区 ―
……〜♪
[そのまま、足は中央ブロックへ。
足を踏み入れれば、何かの気配を感じたのだろうか?
刹那の無言となるも、直ぐに鼻歌を歌いだす。
だが、少年はそんな風にはなれないようで……]
んー、どうした少年。
もっと気楽に楽しい顔せなあかんで。
眉間にしわ寄せとったら、ビリケンさんも逃げてしまうわ。
なるほど、そうなるのか。
面白いな、君は。
[一由を真似て、目を瞬かせてみる。
ついでに苦笑じみた表情をしてみるが、いつもと変わらない。]
まあ、ここで何かする気もないんだが、ちょっと興味があって来てみた。
本を貸してたよね。タイトルは忘れてしまったが……。
―日曜:学園内・中央ブロック―
面白い……です?
[小さく首を傾げた。
目の笑っていない先生、と皆は謂う教師であるが
智は気にせずよく質問したり、本を借りたりしていた。
彼の表情がを、じっと見つめる。
その、何処か抜け落ちたような―――]
じゃあ、散歩みたいなものですね。
――……はい。
文学全集の第5巻をお借りしてます。
でも困ったな、今日まさか居るとは思ってなくて
家に置いてきちゃってるんです。
[手帳でタイトルを確認した後、
忘れ物をした生徒らしく、ばつが悪そうな表情となった。]
いや、いいよ。良ければ、それは君に上げよう。
いつも、楽しませてもらっているお礼だ。
もし、邪魔になったらその時に返してくれればいい。
それじゃ、散歩の続きがあるので、失礼するよ。
[軽く片手をあげて、そう言うと学はきびすを返した。]
[文学全集にしか載っていない短編というものがある。
それをどうしても読みたくて、頼み込んだのだが]
――え?
[あげる、と謂われてまた智は目を瞬かせる。
楽しませて、という方も疑問符だったが。]
でも、貴重なものなのに……。
[邪魔になることなんてないんだけどな、と
また少し困った顔をし]
ええ、と。分かりました。
……えっと、お気をつけて?
[教師の背に、やや間の抜けた挨拶を向けた。]
おやおや
おのこが当惑しておったぞ
[生徒と見られる男の子から去っていく御厨学の背に、女の声が落ちる。]
片割れも若々しく、あれはさぞ活きが良かろうて
いずれも刈り取ることになろうがよ
―日曜日:昼頃:武道場―
[ >>433 ぺしぺしと頭を小突かれ、むっとして「ふう」を睨み
――が、後に続いた言葉。不思議そうに深紅が数度瞬き 暫しの後合点が行く ]
あ、ああ。 あーーっっと・・・・ そのぅ くっそ!
『感謝するっ!』
[言い慣れない言葉なのだろうか。拗ねたように横を向くと耳まで赤く染まる。]
ああ、無論承知した上で召還されたんだ。
しかし、「ふう」意外にそんな目をされても気になどせぬ。
言っておくが、僕と「ふう」は協力関係だからな、だから戦闘以外では「ふう」が僕を助けるのも当然のことだ。
違うというのなら、戦闘で僕が「ふう」を助けた時の感謝の言葉を期待しよう。ふふん
[先ほどの言葉はオマケだと言わんばかりに悪態をついて後に続く後ろ姿
所詮急合わせの制服、見た目にも大きい肩幅がより一層英霊を華奢に見せていた。]
―日曜:学園内・中央ブロック―
……、……びっくりした。
[今一度繰り返し、
ベンチの背もたれに背を預け、痛む令呪を摩る。
物言わぬ少女の視線を感じて口を開いた。]
ああ、あの人はね、ぼくの先生。
先生って謂うのは、勉強を教える人でね。
国語の担当で、結構よく話を……
――……あれ、でも。
先生サーヴァント連れてなかったな。
[別行動か、それとも気配遮断できる者なのか――と、首を捻る。]
……まだ、何か来るらしい。
僕の勤める学び舎は、いつの間にか人外魔境の様相を呈しているな。
[再び反応する令呪を抑えつつ、そうつぶやく。]
あれがそうなんか?少年。
そう固くなりなさんな、心に余裕が肝心やねんで?
[ふんふんと鼻歌を歌いながら
呑気に歩く先には一人の男]
やぁ、こんちは。
ボク根古屋言いますねん、よろしゅうなぁ。
魔も人も、欲を有すという意味では皆同じ
畏れもまた絆の一つと言えよう
畜生とて欲を持つ
ただ、その形を異にするだけなのだ
案ずる必要はありはしまい
そなたはそなたであるために、彼らを飲み乾せば良い
これは……若いな。
[猫背の男の横にいる少年を見つめ、学はつぶやく。
それから、キャスターを見つめて]
君のその顔は、笑っているのだろうか。
何か楽しそうだが、何が楽しいのだろう。
[と、問いかけた。]
―日曜:学園内・中央ブロック―
ああ、でも。
そういうことも、あるよね。
[左手を、空に翳した。]
こんなにも沢山、《しるす》ことがある。
――楽しみだな。とても、楽しみだ……。
[うたうような声。
智は眸を緩やかに笑みの形に細めた。]
これは……若いな。
[猫背の男の横にいる少年を見つめ、学はつぶやく。
それから、キャスターを見つめて]
根古屋君と言ったか、君のその顔は、笑っているのだろうか。
何か楽しそうだが、何が楽しいのだろう。
[と、問いかけた。]
何が楽しいて、決まってるやないか。
生きることがや。
生きてるなら、笑って楽しまな損やで。
ボクは損するの嫌いやねん。
だから笑って過ごすんや。
ん? おい!!
[ >>434 近づく気配に声を掛けよう、と…「ふう」も気がついたようだった。
英霊は身構えるが、「ふう」に戦闘意志は無かった。
返事をする間もなく軽々と抱えられ食堂前まで 『姫抱き』 のままエスコートされた。]
― 食堂前 ―
[周りは、早めの昼食を取ろうと言う生徒達。注目を浴びているのは間違いなく…
良い鍛錬だったとばかりに満足げに英霊を降ろす「ふう」 英霊はふるふると小刻みに震えながら板張りの床に足を降ろす。
震えているのは勿論恐怖の為などでは無く・・・]
う ううっ!!
「ふう」 お、お前・・・ ぶ… ぶわっ ぶわっっか、かーーーーー!!
[手にした杖でビシバシと「ふう」の背中を殴る。
周りでは腐女子たる女子生徒の『きゃーっ!痴話喧嘩?』『美少年の方が攻め?』
などと・・・聞き捨てならない会話が飛び交っていた。 ]
自然と笑顔がこぼれるわけか。
それは、実に羨ましいな。
僕も笑顔ではあるが、その方が無難だからと言う理由だしな。
ふむ?だが笑わねば損と言う気持ちがあるのなら、あえて笑顔と言う事もあるのかな。
面白い。
ああ、僕は学と言うものだ。よろしく。
[虚ろな目を光らせて、自己紹介をした。]
まぁまぁ、その話今でなくてもええやろ?
小難しいこと考えるの、あんまり好きやないねん。
[からからと笑う]
マナブくんでええかな、よろしゅうに。
よろしく。
うむ、そうだな。
この学園には勤めて3年になるが、多分、今、僕はとても楽しい。
名残惜しいが失礼するよ。
[学はそう告げて、歩き出した。]
[小柄とは言え英霊。怒りに任せた突きが「ふう」にヒットすると音無く「ふう」の躯が崩れ落ちる。]
あ、しまった!!おい、ちょ…
[やり過ぎた!とばかりに手を止めたが時既に遅く…絶賛気絶中であった。
周りの生徒達が手助けを申し出るが丁重に断ると、
杖を付きながらも気を失った「ふう」の首根っこを引きずり何とか食堂の椅子に座らせた。やれやれとばかりに英霊も椅子に腰を下ろす。
本来はセルフサービスなのであろうが、食堂のおばちゃんが英霊の杖に気を利かせ注文を尋ねに来てくれた。
― 甘えておこうか ―
メニューを見て幾つかの注文を済ませ、椅子に躯を預けた。]
そりゃええこっちゃ。
後は、自分がその楽しさを忘れへんようにせぇへんとな。
大抵のもんはつまらなくなったりせぇへんもんや、
自分がつまらなく感じてまうように変わっただけの事なんやから。
[歩き出す男には軽く会釈だけをして、
己も再び教会の方へと歩き出す]
ほれ、見てみぃ少年。
特になんもおこらんかったやろ?
―日曜:学園内・中央ブロック―
―――ん、ッ
[掲げていた掌をびくりと震わせた。]
……、教会が近いからかな。
今度は誰だ、ろ。
[“ろ”、でベンチから立ち上がる。
促すように少女の方へ肩越し視線を向ける。]
─日曜/東ブロック/図書館─
は……
[調べ物があるのだろう、ランサーと別れて一人。
綺麗に結ばれたタイを抑え、壁にもたれる。
初めてこうなったのは、ずっと幼い頃。
魔術師として成長を重ねるうちに頻度が上がったこれは、成長痛のようなものだろうかと思ってはいたものの、これほど苦しくなったのは初めてだった。
召喚の影響だろうか。
座席を探すも億劫で、壁際で小さく呼吸を繰り返した。]
ありゃ、またかいな?
今夜は出会いの多い夜になりそうやねぇ。
[微笑む顔は変わらず、愉快そうに]
どないする、少年。
多分向こうさんも気付いてるで?
―東ブロック・図書館―
[三冊持ってきたものの、その殆どは読まずに図解や写真などを見るのに留める。
昔を懐かしむわけではない。
どちらかと言えば、確認が主な目的だった]
このように書で確認するというのも、変な話だな。
――。
[立ち上がり、三冊を元の場所へと戻す。
それから、立海の姿を探した]
[吸って、吐いて。
繰り返せば、発作的なそれは長続きはしない。
経験上知っているから、助けを求めることもなく。]
……ん。
[動ける。
判断し、ライダーを探した。]
太郎、さん。
調べ物は、すみましたか?
[吸って、吐いて。
繰り返せば、発作的なそれは長続きはしない。
経験上知っているから、助けを求めることもなく。]
……ん。
[動ける。
判断し、ライダーを探そうと顔をあげ、]
太郎、さん。
調べ物は、すみましたか?
[首を傾げた。]
―昼頃/北ブロック・武道場―
[しばらく、学園の敷地の北に位置する武道場を眺める。学園内は多少は生徒の姿も見えるとはいえ、この区域はそう騒がしくはなく、ただ館内から武術につきものの、威勢のいい男女の掛け声が響いてきていた]
……ん?
[ふと違和感を感じ、振り返る。その時は、齢二十前後と思しき男が、小柄な少年を抱え上げ、慌てたように遠くに去っていく(>>434>>500)のが見えただけだった。何か、少年のあげる声が、遠くに響いていた]
……抱えていた方はわからんが、抱えられていた方、あれは……
ただ者ではあるまい。恐らくは。
[それだけ言うと、口をつぐんだ]
どれ、俺も此処にばかり腰を据えていても始まらんな。
[部屋の隅にいたらしい、立海の姿に気づくと、そちらへ足を向けた]
済んだ、と言うわけではないが、これ以上は見ずとも良かろう。
それで、どうかしたのか。
少し顔色が悪いようだが?
[口調や息づかいから判断して告げる。
召喚の儀というものはそれほど体力を使うものだろうか、と考えて]
あまり余裕がないのであれば、戦闘はやはりしない方が良い。
俺がお前を認める認めないに関わらず、お前の不調はこちらに影響するのだから。
― 中央ブロック移動中 ―
[出会ったのは二人の少年。
傍らにいたのは少女と、猫背の男。
月が、濃く輪郭を取り戻し始めた空を見上げた。
星は見えないが、先に伸びる道は薄暗い闇ばかりではない。]
無骨ではあるが、建物には人の息吹を感じる
命は短く、時は永く
はてさて
[草鞋は土を踏む。四角い建物に阻まれても空は見える。
先を行く御厨学の背を一瞥してから、少し目を閉じた。]
― 学園内:食堂 ―
[運ばれて来たランチセットを物珍しそうに眺め、恐る恐る口に運ぶ。「ふう」はテーブルに突っ伏して気絶続行中だが、気にする風もなく幾つかのセットを平らげ]
うん!…中々美味であった。
[満足げに食後のお茶を堪能中]
―日曜昼過ぎ:商店街―
[東京弁当の紙袋をゆらゆらとさせながら背の高い影はあるく。
今頃、東京駅では、この弁当が売り切れている頃だ。
まさか駅から一時間以上も離れた街で誰が考えるのか。
人気ナンバーワンのその一折がこうして揺られてお持ち帰られているなど]
……朝早くとかまじ無理やって…
[眉間に軽い皺を寄せた人影は盟譜学園学生寮へと向かう。
朝に弱い人間には、早起きしたその昼の太陽が辛かった]
―北ブロック・食堂付近―
[食堂の近くを通りかかった、学は魔力の気配を感じる。]
中に何かいるな。少しのぞいておくか。
姿を消しているが、傍に彼女もいる。心配はあるまい。
[扉を開くと、椅子に座って食事を待っているらしき、英霊がいた。]
―北ブロック・食堂付近―
[食堂の近くを通りかかった、学は魔力の気配を感じる。]
中に何かいるな。少しのぞいておくか。
姿を消しているが、傍に彼女もいる。心配はあるまい。
[扉を開くと、椅子に座って茶をすすっている、英霊がいた。]
どうも…… ぁ、いえ。
[否定しかけ、首を振る。
自身のサーヴァントに隠し立てする意味は無いだろう。]
発作的に、息苦しくなることがあるだけです。
一度起これば、次が近いということはあまりありません。
……しかし、そうですね。
今日は戦闘を回避するつもりで動きます。
[これで認められぬというなら、どうしたものか。
思いながら、ともあれ、と足を動かし]
出ましょう。
此処には、相手の影も見つからぬようです。
……昼食にしましょうか?
[はて、サーヴァントは食事をどうするのだったか。]
―中央ブロック―
[その後、屋外の敷地についてはある程度視認し終えた。
一つの学び舎内とは言え、開けた場所も多く、建造物も多い。ここを戦場とするのは、確かに悪くはなさそうだった。
それにしても、どの建造物も高い。これが当代では当然のように建てられているというのだから、聖杯に聞き知ってはいても、驚きを覚えずにはいられない]
……ふむ。
[ざり、と土を踏む足を止める。少年が数人、少女と男と、それから他にも草鞋の女の姿]
……なんだ。随分と、いるではないか。
/*
あ。アーチャー狙いだったんだけど、いっちゃった。
中央多角なんだよーやだよー
食堂ももう二組いるしなあ。
個人的には菊ちゃんにもあいたい
/*
宍戸くんめもより。
>縁故お好きにどうぞ!別に振られて困る縁故ないはずなんで。
こんなこと言われたら許嫁ですとかふりたくなるのが私です。
しませんけど。
―日曜:学園内・中央ブロック―
折角だし、行ってみる?
[少女に向けて、
「友達に声をかけようか?」
というような気安さで問う。
問うが、もとより心は決まっている。]
おっと!!
[気配を感じ取り啜っていた茶碗をとん。と置いた。
「ふう」は気絶したままだが、いざとなれば馬車を呼び出して場所を移動することも可能だろう。]
ふふっ、面白い。
[ゆっくりと視線を扉へ向けた。]
― 学園内:食堂 ―
[霊体化しているとは言え、世界が消えてなくなるわけではない。だから周りの風景は健在だ。それが例えば、満足気に茶を啜る少年と気絶しているようにしか見えない青年でも。
黙して語らず。全て世はこともなし。めでたし。]
おっと!!
[気配を感じ取り啜っていた茶碗をとん。と置いた。
「ふう」は気絶したままだが、いざとなれば馬車を呼び出して場所を移動することも可能だろう。]
ふふっ、面白い。
[気配は扉から近場の席に移動する。ゆっくりと視線を席に移し…確認するとにこやかに手を上げた。]
こんにちは。
発作? ……判っていれば策を立てるのに問題はないな。
だが、いつ起きるか判らないというのであれば、頭の端には置いておく。
回避するのは結構。相手が仕掛けてきたら、乱闘にはならんよう避けるさ。
[昼食に、と言う声にそうだな、と頷いて]
ついては行くが、残念ながら英霊に食事は不要でな。少々残念だ。
[立海から一歩後をついていく。
中央ブロックの食堂がある付近まで来ると、サーヴァントの存在に気づく]
/*
きみらどこにいるのですか。
食堂:アサシン・御厨・ライダー・宍戸・バサカ
中央:アヴェン・一由・キャス・クリス・アチャ
どっか:セイバーペア
生徒会室:杏里・志久真
我々は東から食堂側へ。
[どうやら声をかけられたらしい。]
こんにちは。始めまして、だよな。
この学校では、見慣れない顔だね、君は何処の誰だい?
[そう問いかけてみる。]
─東より中央へ移動─
…… これは。
[中央エリアへ向かう。
多くの一般生徒に紛れる幾つかの人影……否。]
わかりますか、太郎さん。
……近づきますか?
[左手の感覚。
聞くまでもないだろう、確認を。
ちらりと見上げる眼鏡の下は、どんな色をしているか。]
ほーれ少年。
迷ってる間に向こうさんからのお越しのようやで?
[からからと笑う]
一発、にこやかに挨拶でもどや?
男は度胸、うじうじしとったら始まらんで。
……多い。飯時だからか?いや……
[マスターまでは分からないが、さすがにこれだけいればサーヴァントが近くにいる事には気づく。ゆっくりと、後ろを振り返った。
清楚な雰囲気の女と、ものものしい雰囲気を放つ男が見える]
……おう、お前らも飯か?
[不敵に笑み、一声かけた]
ああ、何人か集まってるようだな。食堂の中と、それから――。
[立海に言われ頷いたところで、少しばかり前にいた男が振り返った。
其れがそうだと、気づくと眼鏡の奥から話しかけてきた男を見る]
……そうだな。昼飯時だろう?
[サーヴァント相手であればなにも被る必要はない。
とはいえ、視線は柔らかいまま、返事を返した]
―日曜:学園内・中央ブロック教会側―
[無害そうな、優しげな笑顔で智は少女を促し手を引いた。
令呪がずきずき痛むのも、愉快であるかのようにだ。]
――― や。
あいさつに来たよ。
[にこやかな男と、少年に声をかけるさまはごく“普通”だ。]
(ひい、ふう、みい)
[この場所へ集まりつつある気配の数を数える。
区画に限定して言えば気配は更に多くあるが、特別濃い気配は三つ。無論、目の前の少年も含めてのこと。
無言の最中にあって、金砕棒は変化を見せない。
周りを見渡し、机と、窓と ―― 多くの形を確認した。]
やー、どーもどーも。
そちらさんからご足労させてもぉて、ほんまに堪忍なぁ。
[顎鬚を撫でながら、からから]
うちの少年はどうも初心な上にお固ぁて。
あれやなぁ、やっぱボクが男手一つで育てたからやろか?
母親の一つもおれば違ぉたんやろぉけど。
[適当言った]
ああ、そうだな。飯時だ。
仕方がない、今日は休みの日だったからな。
それにしても…”多い”な。
[目の前の男女に、傍から見れば違和感のない様子で声をかけた]
ああ、俺は明日付でここに赴任する、『西金 真』という者だ。
まだ何分越してきたばかりでな、こちらの事はよく知らん。
そういうお前達二人はここの生徒と……?
[昨日圭一郎と決めた仮名を告げ、探るように(実際のところ、見え透いた会話だろうが)二人を見た]
宍戸君か、君が高等部に属するなら、僕が授業を担当する事もあるかもしれないな。
ん?……颯?
[そう言い、横で寝ているらしき、学生の顔を見る。]
ふむ、見た事がある顔だ。君のお友達は、以前、高等部にいたようだな。
食堂で寝るとは、疲れているのかな。
[頼んでいた食事が来たので、食べる事にする。]
−日曜昼過ぎ/東(外):盟譜学園寮−
おばちゃんただいまぁー。
[学生寮の管理人室に軽く声をかけると壁に手を伸ばし
自室の部屋番号の下に掛かった寮内にいることを示す木の名札を表にする。
そうすると、菊見桂と墨書きされた文字が白い文字に変わった。
不在の時は名札の文字が黒く、在室なら白。
外泊時は、木札そのものを外してしまう。
今時古臭いシステムではあるが、頑なに変える気配はない。
寮生の間では、きっと管理人の拘りということで話が片付いていた]
これ、おみやげ。
[手に提げていた東京弁当の包みを窓から押しやって
上にあがろうとしたところで手紙が来ていると
中から差し出されたので引き換えに受け取ることになった]
[二階へ上がってすぐにある部屋へと上がる間に
350円の切手が貼られた封筒の端はほぼ開けられ
中から出て来た便箋と、とある紙片に目を通しながら
鞄から鍵を出し、片手で開けて靴を脱いでベッドに腰掛けた]
…速達やなくてもええんちゃう。
ま、ええけど。
[封筒には差出人はないが見覚えのある封蝋に
それ以上は何も言わないで薄い色の瞳が上から下に何度か揺れた。
読み終わると明らかに面倒くさそうな顔をして溜息一つ。
それから便箋と共に零れ落ちてきた紙片を確認する。
何を意味するものなのかはわかっていた]
西金、さん。先生。
私は、白水立海と申します。
もしかしたら、すぐにお世話になるやも知れません。
[名乗りに対し、几帳面な会釈を送る。
太郎と呼ぶことにしたランサーは、苗字をどのようにするのだろう。]
食事時ですから、食堂も繁盛するのでしょうね。
皆、「求めて」いますから。
此処にしか無いものを。
……貴方も、欲したからこそ、此処へいらしたのでしょう?
[淡々とした視線は、相手を射抜くよう。]
―日曜:学園内・中央ブロック―
[ぱちん、とひとつ瞬く。
それから、興味深そうに瞳の色を深めた。]
母親はふつうひとりかなあって思うけどな。
ふたつとか、あるのかい?
軽快な訛りだね、西のひと?はじめて聞いた。
[奇もてらいもなく、素朴に質問する。]
暇だけど、集まりすぎるのは不自然だから行かないとこう。
しかし、村の時間帯的にはもう遅い時間に移行してるはずなんだけど、まだ昼食時なのか?
そうそう、何処から来たかも聞かれていたんだったな……
[にまりと笑うと、顎をぐいっと中等部の校舎の方に向けた]
…………西の方からな。
で、そちらが白水さんか。名前が立海。
なるほど、いい名だ。ひどくいい。名は体を表すとでも言うべきか?
いや、悪いな。生徒とは言え女性の扱いは苦手、気に障ったらすまんな。
[はは、と豪放げに笑う]
そうか、そんなに食堂に「求める」ものが?
[振り返った食堂は、匂いこそ此処まで漂っては来ないが、調理の熱気は少し肌に感じた]
おう、俺も求めてここに来た。腹が減っては戦もできまい?
[射抜くような視線には、特に動揺を見せる様子もない]
文化祭が近いらしいからな、人が多いのは。
そう言うあんたも、「多い」一人だろう?
西金、さんね。
俺は、――石田太郎、と言う。
それこそ明日から、こちらの大学に講師として招かれてな。
[口をついて出てくる「嘘」に内心で笑みを浮かべた。
苗字は当たり障りのないものを選んだ。
立海の問いかけに、どのような答えを返すのか、西金へと視線を向ける]
二人以上おる人もいるんちゃう?
そんな複雑で心が擦り減りそうな家庭事情、
ボクはちょっと御免やけどなー。
ん、ああこの喋り?
結構気にいっとるんやけど、変やろか。
[ふむぅ、と首傾げ]
ちなみに普通の喋りもできる。
少々堅苦しくて、私はあまり好まないのだがね……。
[声色まで渋めに変わったり]
[封印は陰十六八重菊。
菊見の人間で、この封筒の来た意味が
解らないものなどいない。
お役目だと。
知らせるための封印。
知らせるための封蝋。
中から零れ落ちる紙片に溜息が出た]
西。
[顎を追い、視線を向ける。
波打つ黒蒼が揺れるもつかの間。]
……?
…… いえ。初めて言われた、だけで……気にはしません。
[不思議そうに笑う顔を見た。
「求める」はもう少し広い意味で言ったつもりだったが、]
確かに。食事を欠かしては、健康を損ないますし。
貴方は、お一人ですか?
それとも、どなたかとご一緒で?
[関係者は、何かしらの肩書きを得て此処へ、学園へと集まる。
明日から務める教師はいったいなん人になるのだろう、と考えながら、立ち話もなんですし、入りますか、と示して見せた。]
そうかそうか、そういうあんたも俺と似たようなものというわけか。
石田、太郎、さん。
[実に当たり障りのない名前だ。実に淀みない嘘には感心する。少なくとも、自分よりは口数は少ないらしい。]
大学の方か。何を教えているのか興味はあるが。
俺はここの高等部の方だ。
この学園も広いから、昼間気軽に顔を合わすのは難しいかもしれんな。
―日曜:学園内・中央ブロック―
ああ、うん。
そうか、ありうる話だね。
[―――本の知識だが。]
ううん、似合うと思う。
……じゃあ、生粋じゃないのかな?
[探る、という様子でもなく尋ねる、が]
―――……!!
[目を見開いた。
早変わりした声に驚き、そして見るからに感動していた。]
―日曜:学園内・中央ブロック―
……、…。
[手を引かれたまま、
青年よりも半歩後ろ、じ、と。軽快に喋る相手>>544を見やる。
その様子は、どうにも警戒というよりは――
物珍しさに幼子が夢中で視線を逸らさない様子に近く。
そうして、突如口調から声まで変わるその様子に、ぱちり、と瞬いた。]
…??
[不思議、とでも言わんばかりに、
握ったままの青年の手を、ぐ、と僅かに引っ張った。
どうやら、凄いと思っているのは少女も同様だった模様。]
いや、今は一人だ。
何分まだ越して来たばかりなんでな。
……そういうお前達は、学園の案内か何かかな?
[実に白々しい会話だとは自分でも思うので、特に深く追求するつもりはない。大体、そう腹を探り合う性分でもないのだ]
まあいいとも。
構わないなら、ご相伴させていただこうか。
[食堂に入る誘いなら、断る理由はない]
講師と言っても、選択制の講義の一つだ。
そんなたいしたものではない。
この立海を介して縁を持ったのでね。
まずは、学園内を案内してもらっているところだ。
[昼間、と言う言葉に苦笑を浮かべる。立海が食堂を示すと頷いた]
なるほど、僕の元教え子だし、無茶させず、大事にしてやってくれると嬉しいね。
……さて、腹ごしらえもすんだし、僕は失礼するよ。
[学は食事を済ませ、会話を切り上げると、食堂を出ることにした。]
[ベランダに出ると、今時珍しいかな金属バケツ。
そこに封筒と便箋を放り込み燐寸を擦ること一度。
残念ながら炎は夢など見せてくれないが
バケツに放り込むと封筒と便箋をちゃんと灰に還してくれた。
炎によって融解し蒸発していく封蝋が
僅かに甘い匂いを含んでいたことで上質の蜜蝋だと解る]
あー…明日郵便局行かな…。
何で今時振り込みちゃいますのん。
[面倒くさそうに呟く声一つ。
紙片は少し書き込み、三文判を押して財布にしまう。
参った、と一つ呟きながら再び靴に足を通す。
明日あたり放課後のバイトを変わって貰わねば
郵便局に行くタイミングがないものだから
今日出ている他の生徒に代わってもらう算段をつけるためだ]
そうかい?
まぁある種の趣味というか、特技といった所かな。
……あかんー、疲れへんけどごっつ疲れるー。
[ぷしゅう、と空気が抜ける様な感じ]
元々は素ちゃうかってんけどな。
気に入ってずっと使てたら慣れすぎてもうてなぁ。
まぁ、別に問題ないからええねんけど。
[ふぅ、と一息++]
村の設定が変更されました。
[御厨学が立ち上がると、その後をついていく。
収穫は多く、危険も多く。
出口を見据えれば、濃い気配の二つはそこに。
一瞥してから、何事もなかったかのように草鞋を進めた。]
―中央ブロック・正門―
[マルグを伴って学校の正門へと到着した。
周りを見渡してみるも特に異常は無かった。]
さて、どうなるか。
[覚悟を決めつつ敷地内へと脚を進めた]
[首を傾げながら向けられた視線に
ぱちん、と瞬いた。
やはり青年から半歩下がった位置のまま、
じ。と見つめて数秒。
こくん。と頷いた。
隠す心算は、無いらしい。
どうせ隠せないのだから――というよりは
そこまで、考えていない可能性は十分にあるが。]
―日曜:学園内・中央ブロック―
うん、そうだよ。
[特に隠すことも無く、告げる。
気配は分かるし通じ合うのだから――と、智のほうは考えたうえでだ。]
でもすっごく恥ずかしがり屋なんだ。
勘弁してあげて。
アヴェンジャー マルグリット
>メモの存在をすっかり忘れていたなんてそんな事は…。
>
>■場所:がっこう!
>■時間:わかんね
>■接続:いまから
わかんね。
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(噴いたらしい)
[食堂の中に入ると、やはりいくつかのサーヴァントの気配。
気配に対して姿が足りないのは霊体化しているからだろう、と視線は彷徨わず立海の背を見る]
西金、さんは、何を教えるつもりで?
[歩きながら、西金へと問いかける。
その一方で、立海が声を掛けた男へと、視線を向けた。
サーヴァントの気配がするのは確か。
けれど姿は見えない]
[頷く様子を見れば、
細い目をさらに細めてほほ笑む]
ありゃ、そりゃ残念やわ。
ボク可愛い子とお喋りするん好きやねんけどなぁ。
でも無理強いはあかんよって諦めとこか。
よろしゅうなー、お嬢さん。
[よろしゅう、と告げられた言葉に一度だけ瞬いて
こく、こくん。と一つ頷いた。
そうして、は、と気付いたようにぴくっと身体を揺らすと
リングノートに、きゅ、きゅ。と何かしらを書きこんで
ぺ、と男へ向けて見せた。]
[ よ ろ しく ? ]
[よれた字を辛うじて拾って読むと
何故か疑問形。]
[こんにちは、と折り目正しく昼の挨拶とともに、自然に彼の周囲を見やる。
違いは、感じる。]
先生も、なのですね。
……お一人ですか?
[違う、と思いながらも。
姿を隠している何者かがいるのだろう。
入り口で立ち止まっては迷惑だろうと、少し身体を避けさせて。]
……科目か?古文漢文、その辺りだな。
そういうあんたは何を専攻しているんだ?
[さらりと尋ねて、食堂の気配に辺りを見る。
2人。片方は見てとれるが、もう一人はどうも姿が見えないようだ]
……なるほど。
[一筋縄ではいかんな。と思う。
御厨という教師と白水との会話も少し気にかかる部分はあるが]
全く、何て魔力だ。憩いの場である食堂ですら、この有様とはね。
[じわりと手のひらに汗がにじむ。]
このはり付いた様な笑顔が、そんなに珍しいのかね
[集中する視線を感じ、そうつぶやいた。]
−→日曜午後:中央エリア/購買部カフェテリア−
シナモンカプチーノで、ぬるめがいいでーす。
[休日に制服を着るほど真面目ではない。
大学生だって歩いている校内なので、休日と放課はお構いなしだ。
休日返上の教師や大学生が珈琲を嗜むのをよそ目に
カウンタースペースから奥に声をかけると
中から自分同様の学生アルバイターの姿がちらと見かけられた。
とりあえず注文ついでに捕まえた相手に
明日のシフト交換を依頼するとあっさり良い返事が来たので
あとは優雅にカフェインとシナモンのハーモニーを楽しむだけの
緩い休日の午後に変わってしまう。
窓際のカウンター席に座りながら、ぼんやり外を眺めること暫し]
…神、そらに知ろしめす。
並べて世は事も無し。
[シナモンの掛かった白い泡をすす、と慎ましやかに啜り呟いた]
正確にはお一人ではないな。
そうでなければこんな物騒な場所には近寄れないだろう?
憩いの場である食堂ですら、この有様だ。
[やれやれと、大仰に首を振る。
多分、これは正しい反応のはずだ。]
[素直な回答だ。]
先生とご一緒の方……お会いしたかった、ですね。
物騒?なぜですか?
[ゆっくりと見あげ。]
此処は、憩いの場 でしょう?
[今。それを崩すおつもりがありますか、と。
視線で問う。
あなた方も、と、初めに西金を、そして自然に中の「来訪者たち」を見た。]
[親元を離れて随分たつが、この学校に着てからは
今のところ毎日が適当に騒がしく刺激的だ。
勉強が大変だといわれたら大変だし、
学校の中でアルバイトするのだって体力的にしんどい時もある。
それを凌駕してしまう何かがこの学園にはきっとあるのだ。
…と、菊見自身は思っている。
親に勧められた学校であるが、受けたのは自分の意思である。
結局のところ意思の力なのだろう。
楽しいと思えば苦境も楽しい。
辛いと思えば幸福も地獄に変わる。
休日を返上して行われている準備やら練習で
今日も学園の中はどうも賑やか。
この雰囲気がまた、好きなのかもしれなかった。
まさか、学園の中で大変なことが起きようとしているなど
少なくとも彼は微塵も理解していないわけだが]
!
[ぱ、と
リングノート越しの顔が僅かに明るくなった。
――どうやら、猫。の単語に反応したらしい。
そうして青年のつっこみには、ぱちりと瞬いて
かくん。と首を傾いだ。
疑問符の使い方が間違っている自覚 ゼロ。]
似たようなものだ。日本史の一部を、キリスト教に絡めさらに詳しくと言うところか。
この学園的には、キリスト教の日本史上での変遷を説いてほしい、と言うことだったが。
[立海と御厨と呼ばれた男を見る。
その掛けた言葉から、御厨という男も、聖杯戦争関係者なのだと分かった]
[せっかく気合いを入れたのだが、男と3組は入り口で和やかに談話している。
会話までは聞こえぬが雰囲気で判る。
ギシッと、音を立てて椅子の背もたれに寄りかかり
「ふう」に言い聞かせる。]
ちぇっ!気合い入れて損したな。
「ふう」早く起きないと、情報取り損ねるぞー。
[他人事のように気絶している「ふう」に話しかけてみたり…]
もちろんそうだ。
こう膨大な魔力が凝縮していては、あまり心が休まらないが、僕はここが憩いの場であろうと努力するよ。
しかし、白水さんがこの件に関わっているとは意外だな。
魔法陣を使うのは、教義的にありなのかね?
そうそう、そこのお嬢さんの言う通りよ。
物騒なものか、飯を食う時ほど人間心休まる時はないだろうに。
[白水に同調しつつ、必要なら当たり障りのない程度の紹介は交わすつもり。
そう言えば圭一郎の姿は見えないが、例の生徒会室という場所でずっと祭りの準備に励んでいるのだろうか。結構なことだな、と少しばかり憐憫を込めて思いだした]
なんや、猫が好きなんか?
[顔の変化に気が付けば
そんな風に語りかけて]
ボクなぁ、実は色んな動物の鳴き真似できるねん。
中でも猫はちょいと自信があるでー?
特別に、少しだけ見せたるわな。
[そういってコホンと一つ咳をすれば
まるで本物の猫同然の鳴き声を上げる]
どや、中々のもんやろ?
なるほど、キリスト教……ね。
確かにここの学園には似つかわしいんだろうな。
[よくは知らない。ただ、ここがその宗教にまつわる学舎であることぐらいは、圭一郎から聞き知っていた。
御厨もまた魔術師なのだろう、と話の端々からはわかるのみ]
[目の前の二人の様子を見ながら
やんわりと微笑む]
自分等、ええ関係でおれそうやな。
ええこっちゃ、仲良いっちゅうのはホンマええ事や。
っと、そういや名前聞いてへんかったな。
ボクは根古屋、こっちの少年はクリスや。
よろしゅうなぁ。
[どうやら、生徒らしき女も御厨学の知人だったらしい。
後の二人からは澎湃たる魔力を感じる――言うに及ばず。
女生徒がお会いしたかった、と言えば瞬いたが
女は薄く笑むだけで、彼らの会話を聞くに留める。]
(二人。背後を合わせて三人。難儀なことになったものよ。されどまだ時ではない。みすみす分を捨てるわけにもありはすまいよ)
[慎重に、狡猾に、老獪に、冷静に。
御厨学の首根っこの位置を確認して、一息ついた。]
−日曜午後/生徒会室−
[張り詰めた糸のような沈黙。
少しの衝撃で千切れてしまいそうな。
体の奥の方が冷たくて、震えそうだった。
そんな自分の背中を、後ろから見つめているような感覚。
眠ってしまいたい、と身体のどこかが叫んでいる。
そんなわけはない、と一笑に付す自分がいる。
何人もの自分が、バラバラに自分を刺している。]
― 学園 ―
[マスターと共に学園へ。これで二度目だ>>558]
御意のままにお進み下さい。
万難は私が排しましょう。
[マスターの利き手の逆側、半歩後ろから声を発する。
警戒を怠らないその姿は、今は学園の制服に身を包んでいた]
心休まる、か……。
[この食堂の風景そのものが、平穏そのものでもある、と思うのだが。
立海の傍に立ち、御厨の周囲へと気を配る。
対魔術師で遅れを取ることはないだろうが、サーヴァントが相手になれば話は別である。
主と認めたわけではないが、それでも命を落とすことがあればそこで己の道も途絶えるのだ。
いつでも守れるよう、右手は空いたまま]
― ―
[意識 は 遠く ――――――。
それは、明滅して。
受信するのは――、過去。]
父さん!!!!
とう……さん……っ!!!
なんで、なんで……!!
[一族の掟に従いその刃を突き立てられる父。
曇った刃から滴りおちる血に己の涙が混じる。]
なんでっ……、なんで、とうさっ………――――…!!
[受信した映像は――――。
満月を見上げる父の後姿。
小さな嗚咽が静かな夜の空気に混じる。
己の手に握られた大きな刀は小刻みに震える。]
なるほど、根元はそこという事か。
つまらない事を聞いたようだ。
[眉間に指を置き、首を振る。
やや、大げさだったろうか。]
おや、恥ずかしがり屋の彼女が、現れたようだ。
[青年の説明に、ぱちりと瞬いて
ノートへの紙面へと視線を落とし]
……、?
[首が、傾いた。
理解していないのか、他に疑問点があるのか
流石に、その動作まででは、わからないが。]
父さんが大好きだった。
いい子供でいることが。
父を殺すことになるのなら。
ボクの本当の居場所はドコにあったんだろう?
[そうして猫が好きか、と投げられた問いに、
ぱっ、と顔が上がった。]
――!!
[本物と言っても差し支え無い、その鳴き声に眼を丸くする。
じぃぃぃ、と穴があきそうな程に男の顔を見て、暫し。
きょろ、きょろ。と周囲を僅かに見渡して
青年から少しだけ離れ、少しだけ遠巻きに
男の側面へと回りこむと、背後を覗き込むようにして――]
…?
[おかしい、と言わんばかりに首を傾げた。
どうやら、本物の猫がいると勘違いした模様。]
―中央ブロック学生食堂―
[小さな王様に諸に入れられてしまい不覚にも意識を失ってしまった。
打ち合いのときにもこんな風に意識を失うとだいたい夢見が悪い。
微か戻りつつある意識の中、周囲の気配に気付く。]
…………おいおい、マジか…。
[数は正確には把握するつもりもないが。
なんだか起き上がるのが面倒くさくなってきた。
しばらく考えてから、ライダーへと視線をやる。
視線が合えばなんだかどうでもよくなったので、後は任せて狸寝入りすることに決めた。]
― 前日のこと ―
[疲労を押して学園を案内するマスターのためにもと、要所を押さえるように学園の地理を叩き込んで。
帰路の道でセイバーは言った]
マスター、おそらくですが、今の私の姿は…。
マスターと同様、「学生」となるのがよいかもしれません。
[そうして彼は学生服を手に入れる事になる>>461]
― 前日のこと ―
[主の部屋を荒らす真似はせず、用意された『現代書』を手に取る>>463]
……。
[文字を読むのに苦労は無い。聖杯からの知識がそこは後押しをしていた]
……。
[特に重点的に吸収するのは、『学校』そして『魔術』―― 時は、すぐに過ぎていた]
[…静かだ。
時折、歓声や物を運ぶ音が外から聞こえてくる。
文化祭を間近に控えた盟譜学園。
その中心に自分はいるはずなのに、遠い。
全て、遠い出来事のように思えた。]
…日曜なのに、たくさん人がいるね。
……お食事は、終えたところでしょうか。
あまり引き止めてもいけませんね。
[やがて、すっと身をずらす。]
西金さんたちもおまたせしてすみません。
御厨先生、 ────また。
次にお会いするときは、お連れの方ともご挨拶させてくださいませ。
文化祭直前ですが、授業は休みにはなりません、よね?
[今はまだ、顔合わせに過ぎない。
これ以上引き止めても、得られるものはあるまいと。
何もない顔をして授業を受けるというのも、なんだか不思議なものだと思いつつ問う。]
ははは、今のはボクやで?御嬢さん。
[にゃあ、と再び一鳴き]
そんだけ引っかかってくれたら、
ボクも真似のし甲斐があるってもんやわ。
ま、そのうち本物の猫にも会えるやろ。
ボクが保証したる。
ああ。心休まるね。
[この、辺りに充満する魔力と意志の渦を除けば、何も起こらないかのような風景は、確かに安らぎだった。
自分の人生には、縁絶えて久しかったものだ]
……さて。
[当初の目的を忘れているわけではない。
魔術師と思しき姿、その従者であろうと分かる姿。それらを視界に収めつつ、さりげなく机を前にかけ蕎麦をかき込んで、日曜の午後は過ぎる]
…待ち合わせ、初等部にしようか。
[ぽつりと呟く。]
ここや高等部じゃ、迷惑がかかるかもしれないからね。
[少し笑う。何が、迷惑になると言うのか。]
だったら、音楽室にしない?
私、音楽室が好きなの。
[小説を栞も挟まずぱたりと閉じ、そのまま立ち上がって]
行くわ。
[何処かにいるバーサーカーにも夜のことを伝えなければと、そのまま生徒会室を出た]
ああ、お連れ様だ。
少々恥ずかしがり屋で、いつもは隠れているんだ。
いや、なかなか楽しかった。
白石さんの力強い一面が見えた気がしたよ。
授業はもちろん通常通りだな。
[そう告げ、ここを去る事にする。]
[書類を整理し、ファイリングする。
いつものように棚へ。
さして広くない、長い時間を過ごした部屋を見回す。
…思えば、なんて幸せな時間。]
…!
[再び聞こえた猫の鳴き声にようやく、
目前の男が鳴いたのだと気付いて、ぱちりと瞬いた。
数秒。じぃぃ、と見やってから
わあああ、と言わんばかりに破顔する。
実際に会えたわけでもないというのに、
余程猫に会えるらしい事が嬉しかったのか。
何かしらをノートにぐるぐるぐるーと書くと、
ぱ。 と男の方へ嬉しそうに見せた。
ぐるぐると丸い物体に、
四つの棒が刺さっている、絵。
…恐らく話の流れ的に猫の心算のようだが 正直画伯。]
−日曜夜/南ブロック・初等部教室棟 音楽室−
[バーサーカーと共に、音楽室の扉をがらりと開ける。
二重窓の外に見える月が部屋全体を照らし、杏里の顔はまるで幽霊のように青白く暗闇に浮かび上がった]
夜の校舎って、不思議よね。
帰らないとって気分になるから。
昼間人がいるからなのかしら。
居場所を失った私でも、そんな気持ちがあるんだって事を思い出させてくれる。
[恥ずかしがりや。
耳慣れない言葉が聞こえて、立ち止まりかけるも、再び歩を進めてその場を去るに倣う。ただ途中、少女の方を振り返り、]
闇を歩く時は努々気をつけよ
運が良ければわらわに会えるやもしれん
[言葉だけを響かせて、今度こそその場を後にした。]
[倒れる椅子とともに身体が投げ出される。
変に注目されるのは困るのだが、今の音でこちらに注目が剥くか。]
……………お前ねぇ……。
[明らかに不機嫌そうに小さな王を見下ろす。
けれど、周りの女子生徒から大丈夫かと問われれば顔色を変えて。]
ああ、ごめんね、驚かせてしまったよね。
陽太が騒いじゃってごめんね。
ところで、あそこにいる人たちって皆顔分かる?
[彼女たちからすれば違和感は感じない。
要約すればそういったニュアンスの答えが返ってくる。]
そっか、ありがとう。
[女子たちに爽やかな笑顔を向けて礼を告げる。
そして、ライダーへと視線を向ける。]
…………。
で、誰と交渉したいの?
[ざっと見た感じで、どの組み合わせになるかまでは分からない。]
[一通りの学園内の見分が終わった頃にはそれなりの時間。
自らの同士の元に、再び戻って様子を伝えておいた]
さて……圭一郎。こちらの用事は済んだ。
ずいぶんと食堂に集まっていたな、真名がわかりさえすれば、あれはちょっとした壮観だったろうな。
……何か行くところがあるようだな?
[そのただならぬ雰囲気を見てとれば、黙って魂魄としてつき従う]
トモくんにメグちゃんやな。
よっしゃ、覚えたで。
[少年と智の会話を聞きながら
戦いという単語が出ても表情は変えない]
ん、それ猫の絵かいな。
上手に描けとるで。
可愛いかどうかは保証できへんけど、
きっと会えるからええ子にして待っとくんやで?
[西金が先に蕎麦を食うのを見ながら、さらに食堂を後にするのを見届ける。
御厨から少し離れた場所に、声が聞こえた。
女の声。
闇を歩くとき、と言うなら、セイバーではあるまい、と見当をつける]
あちらさんもそのようだな。
マスターの方は、知ってる顔か?
[立海が声を掛けた方を示し、小声で問いかける]
[横で無慈悲な感想が聞こえた途端、
くくっと笑いを堪える]
そりゃあかんでートモくん。
後で怒られてもボク知らへんよ?
[まだ笑いを堪えながら、ゆっくりと立ち上がる]
さて、そんじゃそろそろ先を急ごか。
日も暮れてきてもーたしなぁ。
[外へ出たところでアーチャーと合流する。]
…それは、僕も行ってみたかったね。
でも、その通りだ。
やらなきゃいけないことがある。
一旦、家へ戻ろう。
そして、夜にもう一度ここへ来る。
−日曜夜/南ブロック・初等部教室棟 音楽室−
帰らないと……か。
そんな場所がなかったのは僕も同じだけど、そんな悠長な気分にはならなかったな。
もっと切実に、帰りたい、と。
そう、ずっとずっと求めていたよ。
[夜の学校。その静謐を慮るよう、静かな声で返す]
だから……そう思わない君はきっと、このセカイをそれなりに気に入ってるんだと思うんだがね。
−日曜夕刻/自室−
[代々志久真家の当主が使ってきた重厚な机、その引き出しの一番上、唯一鍵のかかる引き出しの中にそれはある。]
…思ったより早く使うことになったな。
[古ぼけた、鈍く銀色の光を放つ短銃。今は知れぬいつかに、志久真が「客」から譲り受けたという魔術礼装だ。]
いえ。大丈夫なら、いいのです。
食堂で暴れる……?なんて、珍しい、ですね。
……宍戸、さん。
[颯さん、と。
初対面の頃は呼んだこともあったけれど。]
―――…!!
[まさかの青年に寄る芋虫呼ばわりに、驚愕の顔をした。
本人としては、会心の出来だったのか明らかにショックを受けている。
…そもそもこれが芋虫とすれば、
この胴体から生えている4本の棒は一体何だというのか。だれもわからない。
フォローと言わんばかりの猫の絵、と指摘する男の言葉が無ければ
再び拗ねるところだった。 多分賄賂で復元は難しいレベルで。]
…!!
[いい子にして待っていれば、猫に会えるらしい。
ぱぁ、と嬉しそうな笑顔を零して
こく、こく!と 勢い良く何度か頷いて見せて。]
[袖を引かれれば、渋々と大人しく青年のところに戻ってくる。
先程男にも見せた、(あらゆる意味で)天才的出来栄えの絵を
もう一度青年へと見せつつ、
じ、とノートの上からちらりと視線だけを覗かせて、相手を見た。
…にゃんこ。
と言いたげだ。]
…すまないね、浅葱。
これを取りに来たんだ。
[これを使うのは始めてではない。
だが、今回ほど、この銃を冷たく感じたことはない。]
もう他の準備は全て終わっている。
−日曜午後:中央エリア/購買部カフェテリア−
…あ。
[シナモンカプチーノを傾けていた指が止まる。
そういえば、学祭の関係で風紀から
生徒会に通さねばならない書類があったような
それを思い出したのは虫の知らせか。
眉間に皺を寄せ、首を捻っていたのだが]
お。なにこれ。
[目の前に出て来たちょっと丸みのある
愛嬌のあるケーキが出てきたことに首を捻る。
出て来た方向を見やると、カフェのおばちゃんこと
可愛いお姉さんがいた。
ちなみに、可愛いお姉さん、までで一つの呼称だ。
そう呼ばないと、まったく反応を示さないことも学内では有名だ。
何でも聞けば、顔を出したついでに学園祭で出す
おかまケーキの試食をしろということらしい]
―日曜夕刻/圭一郎宅―
[陽もとっぷりと暮れかかる頃、再び圭一郎の自室に戻る。学園を出ればやはり魂魄ではなく生前の姿のまま。
銃器を取りだすその姿を眺めていた。
言わなくても分かる。武具を手に持ちする事は一つ]
―日曜日/盟譜学園前高級住宅エリア・書庫―
[学園を出た学は書庫へと戻り、自身の英霊について、いくつかの文献を紐解いていた。]
複数のイメージがあるらしいが……全く、曖昧で捉えどころないな。
[そう言って、手に持っていた文献をおく。
開かれたページには「鈴鹿御前」の名が記されていた。]
―盟譜学園前高級住宅エリア・書庫―
碧眼の少女
猫背の男
愉快な少年
眼鏡の男
浅葱色の和装
残り一組か
夥多なる収穫であったな
[閲覧室の扉に手をかけながら、声をかける。
御厨学は何かを呼んでいるらしい。
脇から見えた書の汚れは、見覚えのあるもの。]
ふむ
[開きかけた扉を再び、そっと閉じ、そのまま給湯室の方へ向かった。茶でも淹れ終える頃には、彼もそれを読み終えているだろう――。**]
アサシン は肩書きと名前を アサシン 鈴鹿御前 に変更しました。
[焼き立てを切り分けてきたのだろう。
幾等か暖かい気配があり、何より底に敷き詰められていた林檎が
芳ばしそうで、カラメル状の砂糖がまた美味そうな色をしていた。
もう片方はチョコスポンジにバナナだったが、
こちらは既に冷えているらしく温かさは感じられない]
これ幾らで出しますのん。アイスとかそーいうんは付けんの?
[ちょい、とフォークで林檎一欠けら。それから本格的に一切れ。
まだ温かいので林檎が予想以上にジューシーだが
カラメルのほろ苦さとスポンジの甘さが丁度良い]
飲み物つきでその値段やったらそこそこちゃいますのん。
学祭で出すにしたらちっと高いかも知らんけど、まあ
[原価を考えればこんなものだろう。
即席のオープンカフェきちんと座って食べられることを考えれば
悪くはないだろうというのが双方の見解となった。
おかげで、生徒会に出す書類の有無は
頭の片隅から記憶の彼方に消えてしまった]
[立ち上がった相手をぱちりと瞬いて見やった。
相手が猫背と言え、その身長差は遥かに高く。
随分と見上げる形になる。]
……、…。
[かえっちゃうの?
と言わんばかりに、首を傾ぐ。]
気に入っている、ね。
[バーサーカーのほうに振り返り]
憧れかもしれないわね。
きっと自分にも普通の人生を歩めたらどんなにいいか、って。
[英霊となる前の事など擦り切れてしまいろくに思い出せないが、幸せだった瞬間もあったのだろうとうっすら感じていた]
そうかな……そうかもね。
高校生のときはもっと暴れてたかもしれないけどね。
って、あれ……?立海ちゃん……だよね?
ちょっと雰囲気変わったから分からなかったよ。
[にこ、と笑みを浮かべる。]
ごめんね、陽太も頭下げてるし、許してやってね。
[呼び方の変化。
それに気付いているのか気付いていないのか。
彼女の頭をぽふぽふ叩いて、許してもらうことにした。]
ん、御嬢さんとはまた会う事もあるやろ。
それがどんな形かは、ちょいとわからへんけどな。
ま、できれば笑って会いたいもんやね。
[そうして少女と少年の2人にひらと手を振れば
猫背の男と眼鏡の少年は教会と向かっていった**]
[青年の表情に頬が膨らんだ。
いもむしじゃないもん!
ちゃんと あしあるもん!
と、声を出せたならば間違いなく出したであろう苦情と共に
ノートを青年の顔面近くまで持ち上げながら、ねこ! という主張。]
[しかし贔屓目に見たとしても
いもむしかはさておき、 ネコかどうかは疑わしい出来なのは間違いなかった。]
……それは、なんとも難儀なことだ。
[杏里の言葉に肩をすくめ、音楽室に入る。一歩一歩確かめるように教室内を移動し、その広さを確かめる。
戦闘には十分な空間。
これからここで、聖杯戦争の初戦が始まる]
杏里、何か弾けるかい?
序章の始まりくらい、優雅な曲と共にと思ったりは?
[壁際にピアノに近寄り、慈しむように撫でる。
からかうようにマスターへと視線を移す]
既に今代の装束は脱ぎ捨て浅葱色の直垂のみを身につけている。
程なくその姿は編み上げられた魔力のイメージを纏い、大荒目の鎧に星のついた兜、三尺五寸の太刀、黒羽のついた大矢三十六の箙、それに―――何よりも、今代にはありえないほどの大弓を手にしていた。つまりは、それは完全な中世風の武者姿であった]
では、参ろうか?
そうですね。確かに…。
――開始≪はじまり≫が近いと言う事もあるでしょう。
……学園に入ってから、いくつか、私と同じ気配もわずかに感じます。
[あまり魔術感覚の鋭敏な方ではないが。『強者』の気配は確かに感じ取っていた>>634]
―学校・中央ブロック―
厄介だな、近くにいるぞ。
[何がとはあえて、言わなかった。
だけど、それで通じると思っていた。
言葉の裏などを読めるかを試す心算もあった]
よし、急いで教会を目指す。
[周りを見渡して人気の少ないところを選択した。
そして、素早く教会を目指した]
[どうやら知ってる顔らしい。話す様子を横目に見る。
宍戸、と言う男には頭を一度下げて。
どうやら話の内容から大学生らしいことは判った。
その傍にいるのがサーヴァントだとは思うのだが。
あまりそう見えないのは雰囲気のせいかと、じっと陽太と呼ばれた方を見る]
御意に。
[言葉の裏を読むなどの意識は無いが、彼の選択肢は常に一つ。
マスターの意志を最大限に尊重するという点において、結果的に最良の選択肢を引き出しているだろう。
気配は控えめに、付き従うように教会へ続く>>650]
……宍戸さんも。
[マスターの一人なのだ、という語尾は消えて。
交わした言葉から、知り合いであることはサーヴァントにも伝わったろう。
学園が舞台とはいえ、なんと知った顔ばかりの戦争だろうか。
情報収集が楽と考えるか、知られているゆえの不利と考えるか。
食事しながらの軽い自己紹介などをはさみ、ともあれ他の参加者を気にしながらの今日という一日は過ぎてゆく。
本当の「戦争」は、明日からか、今宵からか。
認めさせるという大きな課題もある己のサーヴァントへ、そっと視線を向けた。**]
ああ、そっちも感じたなら間違いないな。
[試すも何も無かった。
考え自体が間違っていた。
反応しあうのは自分達だけではなかったのだから]
理想は此方の存在を隠し相手を認識する事だな。
そして、一気に仕留める。
[軽く考えを伝えてみる。
もちろん理想であり、実現は難しいとは理解したうえでだが]
とにかく急ぐか。
[ねこでしょ!
むふん。と、青年の言葉に
自慢げな少女が教会の近くで見受けられた。 所謂ドヤ顔である。]
…?
[会う事もある、という言葉にぱちりと瞬いた。
――戦争の事をさしている、と考えるのが自然では、あるが。
となれば、青年ではなく少女だけを指すというのは不自然に思えて。
かくん? と僅かに首を傾げはしたものの、
しかし教会へと入っていく男と少年の背へと向けて
小さく手を振り返すことになった。]
/*
○学園内
・マスターは、同エリアに他マスターが存在する場合感知出来る。(令呪)
・マスターは、同エリアに他サーヴァントが存在する場合感知出来る。(令呪)
・サーヴァントは、同エリアに他サーヴァントが存在する場合感知出来る。(魔力感知)
・サーヴァントは、マスターを感知出来ない。
○学園外
・マスターは、同エリアかつ一定の距離内に他マスターが存在する場合感知出来る。(令呪)
・マスターは、同エリアかつ一定の距離内に他サーヴァントが存在する場合感知出来る。(令呪)
・サーヴァントは、同エリアかつ一定の距離内に他サーヴァントが存在する場合感知出来る。(魔力感知)
・サーヴァントは、マスターを感知出来ない。
これか
多少下手でも構わないさ。
ここは学舎だ。未熟な者が未熟なまま、全力で輝くところだろう。
むしろここでは、その方がお似合いだ。
[静かに微笑み、ピアノから離れる]
ま、弾きたくないなら別にいいがね。
応とも。参ろうか圭一郎。
[ぽん、と肩に手をやって横に並び歩きだす。
学園の敷地内に入れば魂魄となってつき従い。
その脚の目指すまま、音楽室へと向かった]
教師なら、知っていても当然だな。
ここでいきなり牙を剥いてくるような男ではあるまい。
問題は、夜にどう変わるか。
気をつけた方が、いいだろう。
[それから手近な椅子へと腰掛ける。
外にあったサーヴァントの気配も遠ざかっていて、そこまで気を張らずともいいだろう、と思ってのことだった。
食堂の一般生徒もだいぶ人数は減っていて、そろそろ昼食の時間も終わる時間]
[なんだ、知り合いだったのか?と、でも言う風に「ふう」を見上げ、
そして隣の眼鏡男の視線。無遠慮なヤツだ!とばかりに同じように見返す。
つもりが、上を向きすぎて杖がぐらつく]
―中央ブロック・教会―
急な来訪ですまない。
用事があるのだが、入っても構わないだろうか?
[軽くノックを行いながら確認を行う。
作法的なこともあるし、中に危険がないかを探る意図もあった]
[あまり見かけない男に頭を下げられればこちらも会釈を返す。
他人には基本的に礼儀正しく接するように心がけている。
自分が呼び出した王様は別だが。]
………?
あ、え、ああ……。
うちで預かってるんだ。
…………ともだち………ではないかな…。
[言葉を濁らせながら――――。
けれど、再び笑みを浮かべれば。]
……こだわってるのはオレの方だけど。
従属だ、なんだ、ってめんどくさいね。
じゃあ、邪魔したね。
[陽太を連れ立って食堂から移動しようとする。]
はい。
私の素養では、それなりの近距離に居なければ確信を持てるほどにはなりませんが。
…そうですね。これは戦争。
勝利が第一義となります事、理解しております。
[騎士道とは正々堂々たるものでもあり、若干の心苦しさはあるが。戦場での経験もまた強い分、マスターの意の正しさを理解していた>>659]
そう?
じゃあお言葉に甘えて。
[そう言うと、静かに椅子に腰掛け、ピアノを弾き始めた。
曲目は”別れの曲”。
音楽の教師から習ったのか、プロには遠く及ばないものの、聴けるものにはなっていた]
−日曜夜/初等部−
ふう。
[息を吐く。
身体のどこかが、寒い、と叫ぶ。
冷たい自分がそれを殺す。]
じゃ、行くよ、浅葱。
手筈通りに。
−日曜夜/初等部−
ああ。手はずは狂わん、任せておけ。
[短くそれだけを言うと、その声もかき消え、圭一郎の姿だけが夜の帳の下りた校舎に残された]
[食事と軽い自己紹介――と言っても名を名乗っただけだが――を追えると、視線はやはり陽太の方へ向く。
まるで少年のような姿。
サーヴァントとして召喚される場合、大体においてもっとも力のある時期の姿で現界する。
では、彼はその時期がそうなのだろう。
豆を煮だしたものだ、と説明を受けた珈琲を飲みながら、思い浮かぶのは遠い昔。
戦場を駆けていたころ。
初陣、そして手柄を立てたことで槍を賜ったこと。
丁度、陽太の年頃と同じほどではなかったか、と、そう思い出すと、少しだけ眼を細めた]
−日曜夜/初等部音楽室−
…ショパンは「こんなに美しい曲は今まで書いたことがない」って、この曲を書いた時に言ったそうだよ。
[音を邪魔しないよう、できるだけ静かに扉を開けた。]
それが本当かどうかは知らないけどさ。
[杏里の姿を見る。]
…美しい曲だ。
それは、間違いない。
−日曜午後:→中央エリア−
おごちそうさんー。
ほな、明後日またきますわー。
[食事を残すということはしない。
善意で出されたものであれば尚更である。
完食してからカフェテリアをあとにすれば、
硝子で跳ね返されることがなくなった外の喧騒は
ヘッドホンを首に下げたままの耳には随分と大きい。
満腹になったせいか欠伸が一つ。
左手首の時計を眺めて時間を確認し、
首を傾げること暫し]
…ま、今日は俺の出る幕ちゃうし。
[休日に風紀委員が見回ってわざわざ出て来た生徒を
無理矢理帰すのも野暮な話。
ましてや自分は私服なのに、そこまですることもない**]
/*
本来のオルランドさんはもっと粗野ですからね。
騎士道(笑)くらいに。
このローランは史実ローラン+伝承ローランなハイブリッド。
私はショパンを詳しく知らないわ。
ただ、この曲が綺麗だったから教わっただけ。
[その曲の意味は知っているが]
貴方も、聖杯戦争の参加者ね。
残念だわ。私は貴方を殺さなくてはならない。
こう見えても、私貴方のこと気に入っていたのよ。
[別れの曲は続く]
[ピアノの音は音楽室のみならず、外にも響く。
琵琶や筝と比べても遜色ない、情感こもった流れるような、しかしどこか冷たい硬質の響き。
ただ黙してそれを聞いていた。
耳を澄ませるのは、その楽の音にでは、ない]
…?
[かえるの?
と首を傾ぎながら、帰路へと向かうのであれば
やはり青年の半歩後ろをついて行くようにして
リングノートを抱え込んだまま、共に戻ろうか。
青年が会釈をした相手――派手なその人の姿>>676を、
珍しいものを見る視線でマジマジとガン見した。
…無論、怒られたらそっとリングノートを用いて
覗き見の姿勢に変更する心算ではあるが。]
君に伝えたいことがあったんだよ、ほんとに。
聖杯戦争がなくても、こういう風にしていたかもね。
…でも、今までは。
強く「終わりを意識する」ってことがなかったんだ。
それは僕が、こう思っていたからだ。
「僕が学内に残る限り、君との関係が終わることはない」
…今思うと、不思議だよ。
僕は「君が永遠のようにここにいること」を知っていたのに、気付いてはいなかったんだから。
[連れ立ち去るのを止めることはしない。
二人がいなくなってから、立海から視線を向けられると何でもない、と言う風に首を振る。
名を明かすことは出来ない。
主と認めるまでは。
そう思うのは、己の出自のせいもあるだろう。
本来なら、聖杯に願うようなことはないはずだった。
戦に生きた男が、平穏の中で死ぬ。
主君より先だってしまったことが悔いなのか、それとも、戦いの中で死ねなかったことが悔いであるのか。
男の名は、正成と言った。
父より受け継いだのは、後世まで残る名。
服部半蔵正成。
鬼と呼ばれた、*槍の使い手である*]
― 食堂〜教会へ ―
[「ふう」に促され、体制を戻すと杖を突きながらひょこひょこと歩き出す。
白水さんに暇を言い、後ろを振り返りながら「ふう」の袖を引き]
なー 何か、立海っつーおっさんに生暖かい目で見られて居たけど
僕ってやっぱり頼りなく見えるのか?
ランサー は肩書きと名前を ランサー 服部半蔵 に変更しました。
[別れ。切り裂くような音。]
…でも、どこかにさ。
今の状況を少し嬉しく思っている自分もいるんだ。
今、僕はきっと、はじめて君を。
幻を通さずに、見ているんだから―――
[武器を現界させる。
現れたのは石造りの、迷路模様を施された幅広の剣。
それが、二本。
双剣使いは静かに、音楽室の真中に立つ]
…………。
[会話には加わらず―――元より、そんな野暮をする気は無く―――視線を巡らせる。
サーヴァントの気配は察知している。
己が持つ獣性……それに備わる感覚すらも動員し、まだ見えぬ敵の居場所を探る]
既に死して忠義を尽くすばかりであった俺に再び戦を迎える時のこようとは……
いずれも古今の大聖大邪か、ならば強者であってほしいと思わずにはいられぬ…… 俺も古い男だ。
[聞こえる楽曲の調子が変わったのを聞き取り、静かに首を振った。
いかなる会話が行われているか、それはあずかり知らぬ事。圭一郎と、敵方との縁に口を挟む事はなく、物音は発しない]
―教会へ向かう道―
[白水たちに別れを告げて食堂を後にする。
一緒にいたのが恐らくサーヴァントであろう。
陽太への視線が多少気になってはいたが、それは当の本人も同じであった。]
………そうだな。
オレの思惑がちょっとズレたようで。
偉大なる王を従属して、って思ってたけど。
当の本人の性格とかまでは考慮してなかった。
本当に頼りないなら困るんだが。
[聊か声の色に怒気が混じる。
食堂で椅子から落とされたこともあり、不機嫌そうであった。]
[手を止め、すくっとその場に立ち上がる]
バーサーカー、判っているわね。
外に彼のサーヴァントがいるわ、任せたから。
志久真君は、私が殺すわ。
[すっ、と右手の掌を志久真に向けて突き出す]
[―――が、静かに、魂魄の状態から戻る。そこは、音楽室の中ではなく、初等部の校舎からしかほど離れていない体育館の屋上。
そこに、弓を構えて音楽室の中を見据える。]
・・・・・・っ!
[掌の中心に光が灯ったかと思うと、そこから火球が発射され、志久真のはなった魔弾と衝突し、周囲に火花が飛び散った]
・・・・・・っ!
[掌の中心に光が灯ったかと思うと、そこから火球が発射され、志久真のはなった魔弾と衝突し、周囲に爆音が鳴り響き、火花が飛び散る]
―教会前―
手続きってもっと時間かかると思ったが、
そうでもなかったな。
必要以上にマルグの事も探られる事もなかったし、
満点といったところかね。
[教会での手続きは言葉の通りあっさりと終わった。
聖杯戦争への参加宣言。
そして戦場となる校内のマスターキーの貸与。
それだけで終了したのだった]
――――きたか!!
[銃声と共に、頭よりも先に生前弓を握り続けた左手が動いた。
ぎりぎり、と限界まで引き絞った矢をひょお、と音楽室の中、マスター然とした女の方に向けて放つ]
ビョオオオオ……―――
ガシャアアァァァァンッ!!!
[音楽室の窓を突き破った矢は小型の槍ほどもあろうかという大振りの黒羽、それが敵方のマスターを側面から狙い、そのまま部屋の机をいくらか吹き飛ばして、反対側の壁に鏃を埋め込み突き立った]
……ああ、了解だ。マスター。
[そう口にしたとき、すでにその視線は正確に……体育館の屋上にいるサーヴァントを捉えていた。
獣性感覚。
そのスキルを持つ者の感覚は、人間よりも遙かに鋭い。
サーヴァントが構えるは、大弓。放たれた矢が狙うは、自らのマスター。
踏み込む。力強く、校舎が震えるほどに。
矢の軌道に割り込む。恐ろしい勢いで迫る矢を、力任せに双剣でたたき落とす]
……アーチャーか。
[その武器。そしてその軌道の正確さ、力強さで容易に判断できた。
割れた窓から飛び出す。壁を蹴り、彼の者と同じ場へと向かう]
はい。有能な神父どのであったようです。
[神父は中立の意志を示していた。
そもそも、『教会』なので、セイバー自身のもともとの印象は良い]
……ここからは如何しましょうか。
……ほう。確かに壁には突き立った……が、今のは手ごたえがない。
[矢を射こむのと同時、爆音に包まれた音楽室の中で微かに聞こえた金属音は、敵方の心臓をまだ矢が抉っていない事を理解させるに十分だった]
この鎮西八郎、源為朝の矢を防いでみせたか。
[敵方のサーヴァントがこちらの気配を察知したか、現れ来るまで時間は要さなかった。
体育館の屋上に、2人分の影が並ぶ]
……ようやく来なさった。
[すでに二本目の矢を、天秤棒ほどの太さの弓につがえたまま、にやりと笑った]
[アーチャーの鋭い一撃に気がついたのは、バーサーカーがそれから自分を護ってくれた後だった。
サーヴァント同士の戦闘が、こと学校のしかもマスターの近くであれば自分の感知出来る領域では無い事を思い知らされる。
あとはバーサーカーの力を信じるのみ]
志久真君、手加減は出来ないわよ。
[杏里は元々魔術師ではない。
ただ、英霊であった時からの名残で、その体からは炎が生み出される。
異能力者にして発火能力者になっている。
つきだした掌にまた光弾が生み出され、数発連続して志久真へと撃ち出される]
ああ、有能だったな。
ここからは、探索を兼ねてまた校内を案内しよう。
昨日とは違い慎重に行こう。
状況が違うのだからな。
[行動指針を伝えると歩き出した。
校内を案内しながら質問を受ければ詳細を応えただろう
そして、適度に時間がすぎ、学生食堂で休息をとった。
気づけば日は落ちて夜へとなっていた]
アーチャー は肩書きと名前を アーチャー 源為朝 に変更しました。
これはこれは、何とも血の気の多そうな。
こんな涼しい夜風の当たる場所なら、滾る血も冷えそうなものだがな。
[予想に反し、容易に接近を許されたことに驚きつつも……その英霊の笑みを見て、納得する。
その男は待ち構えていた。自らの前に立つ、敵を]
まったく、初戦から最悪だ。
初撃でだいたい予想は付いていたが……あんた、強いな。
[秋の日はつるべ落とし、とはよく言ったもので
暮れ始めればあっという間に夜になる。
あの後学校を離れた二人は、今現在―――]
―日曜:夜/一般住宅街一由宅―
――で、問題となってくるのが
君の戦い方の話なんだけどね。
[絶賛、作戦会議中である。]
―日曜:夜/一般住宅街一由宅―
[一由青年が真面目な顔をして
議題提起したその目前にて。
当の少女はというと定位置となったクッションの上に
ちょこんと座ってぱちりと、瞬いた。
何事だろう、という態である。]
御意に。
[昨日よりもより、マスターの疲労に気を配りながら。やがて、夜――]
……。
! マスター。音が聞こえます。おそらくは戦闘。
……方角は……北!
[中央ブロックの学生食堂。音楽室の戦いの音を捉えていた――>>703 >>704 **]
血の気の多い?
すまんな、これは性分だ。
……何分、生前に矢をかわされるという経験がなかったものでな!
[予想はしていたとはいえ、少しばかり動揺があって接近を許してしまった事は否定できない。それに、圭一郎と敵方の術士は音楽室の中でやり合っている。隙を見て駆けつけられれば一番いいのだが]
謙遜をするなよ。お前がまだ本気でない事ぐらい分かる。
―日曜:夜/一般住宅街一由宅―
[余談だが、今日の夕飯は蕎麦である。
実家長野名物信州蕎麦。智の好物であった。
フランス生まれの少女の口にあったかどうかは定かでない。]
君の能力を把握しないことには、
僕も立ち回れないんだけど……
えーと。
[手帳のメモを見て、読み上げる]
マルグリット、なのだから。
宝具って、やっぱりギロチンなのかな?
[ちら、と敵方を見る。どうやら、一見して自分が分かる素性のものではなさそうだ。奇襲は、対応された時点でその効果を失う。細かな理屈は分からずとも、かつての経験でそれは知っていた。
ぐい、と弓を握ったまま、隙をうかがう]
[王族のプライドとは面倒くさいものだ、と。
立ち去ろうとするその姿に唇を噛む。]
……………。
お前の文献はだいたい読んだ、そのうえで海も渡った。
興味があったんだ。
アンタの作った世界、が。
アンタだからこそ作れた世界って、やつが。
神の生ける似姿なんて言われた王様の考えを聞いてみたかった。
[教会へ続く道、僅か風が吹き抜ける。]
……オレには叶えなければならない願いがある。
力を貸してくれないか?
――――――ツタンカーメン王…
[膝をつき、自分の足元に太刀を置く。
その姿は侍が主に頭を垂れるそれに似て――。]
くっ。
[あっちのサーヴァントはバーサーカーのようだが、こちらには目もくれずアーチャーの方へ向かった。
分断されての戦いになる。]
杏里!
[火球をギリギリのところで避ける。
暗闇に目を慣らしていたため、眩しい。]
本気では無い、ね。
もし見たいなら、少々苦労することになると思うが……ああいや、それは苦労ではないのかも知れないがね。
まあ、とりあえず今日はこの僕で勘弁してくれ。
[石造りの双剣を構える。迷路模様を見せつけるように、身体の前で交差させる]
……行くぞ。
[走る。まっすぐに。
目の前の敵へ向かって]
熱くないッ!
[熱さに身体を「慣らす」。
火に対する恐怖心が消える。
杏里の動きを観察し、隙を窺う。
火球が放たれる隙間を見極め、よく狙いながら撃っていく。
この銃の魔弾は強力だが、魔力の消費も大きい。]
君でも、僕は殺せる!
ほう、苦労とは… 思わせぶりよな?
[唇を引き締め、五人張りの弓に二の矢をつがえ、渦巻模様の彫られた双剣を交差させて迫る敵に、ひょおと放った]
……射留める!!
[双剣の僅か上を一直線に狙うと共に、大きく身をひねる]
[そういう少女は、日本伝統的フードを麺のみ別の器に取り出して
フォークで掬っては、もぐもぐしていた。
「麺入りスープ」という文化はどうにも性に合わなかった模様。]
……。
[かくん。
一度僅かに首を傾いで、数秒。
最早私物化しつつあるノートを手元に手繰り寄せると
ぐり、とペンで何かを描き始める。]
[火球が避けられ、さらに撃ち返そうとする志久真の手の動きをみて、志久真から見て横に大きく避ける]
それは無理よ。
だって。
[杏里=メイフィールドはこの学園における幽霊なのだから]
[真剣な表情で、いままでよりも幾らかの時間を掛け
白紙のノートが黒で少しずつ埋まっていき、しばらく。
できた!
と言わんばかりに、顔を上げると
ばっ、と青年の眼の前に その完成作品を披露した。
…敢えてその図を文章で説明するのであれば
ぐりーっと大きく描かれた楕円の中に
無数の黒ゴマが散らばっており
その少し端の方に、マッチ箱の様な四角が描かれていた。
最早、マッチ箱on胡麻盛り過ぎのアンパン。
再三説明すると 画伯である。]
/*
アーチャはアーチャーで
サーヴァントコンプリートのかたかなと思ってるんですが
まあそれはともかく
男気溢れるかっこいいよねえ!
ぼくにはとてもできない……。
―日曜夜・学生食堂―
北だな、よし向かおう。
とりあえず、様子見のつもりだが、
状況次第では戦闘もありえる。
だから其のつもりでいてくれ!
[方針を手早く伝えて立ち上がった。
北へ向かうつもりで**]
ライダー 陽太 は肩書きと名前を ライダー ツタンカーメン に変更しました。
[サーヴァントが大弓に矢をつがえる。弦を引くだけで苦労しそうな強弓を軽々と扱い、間髪入れず放つ]
チィッ!
[射出速度は予測の範囲外。
意表を突かれ、大きく身を逸らして避ける。わずかに頬に掠る。
しかし体勢を崩しながらも、その勢いは止めず。
大きく踏み込み、右の剣を叩き込まんと振りかぶる]
ははっ。
無理なんてことはないさ。
[この距離ではジリ貧になる。
剣道部で鍛えた目が火球の軌道を見極める。
大丈夫、いける。
大きく踏み込み、距離を詰めていく。]
剣道部と生徒会の掛け持ちも、最初は無理って言われたよ。
はいはい。
[しゃがみこんだ王の頭をぽふぽふ叩いてから太刀を手に取り立ち上がる。]
なんだっけ……トゥ……、
……陽太、教会寄ってから帰るぞ。
[もちろん正式な発音は知ってはいるが。
悔しいのでその名では絶対呼んでやらないことにした。
教会の来客が途絶える頃、夜の闇に紛れて教会の神父を尋ねる。
その帰り道だろうか――――。
微か、戦の気配が肌に届くのを感じたのは。**]
[その矢が心臓に当たるかどうか、それは重要ではない。
いや、奇襲での最初の矢が弾かれたのだから、武器を構えての二本目は致命傷を与えるつもりの一撃では、端からない。]
ちっ!!
[右からの剣をその弓で受け流そうとしたが、さすがにその剣圧に酷く手が痺れた。態勢を崩していなかったら、と考え、再び音楽室を見やる]
[火球のひとつを選び、その軌道上に魔弾を放つ。
魔力がぶつかり合い、火花が散る。
その光に紛れ、杏里のすぐ近くまで飛び込む。]
お別れだ、杏里!
[杏里の顔に向け、銃を構える―――]
悪いが、今日は本気でやり合うつもりはない。
今日のところは譲っておくぞ!
[圭一郎がこうなると心配だ。三本目の矢をすかさずつがえると、敵方の足元に狙って撃ち込む。
体育館のプレハブ屋根が足元で凹んだ隙に、大きく身をひねってそのまま屋根から飛び降り、離脱した。
可能なら、向かうのは圭一郎の戦っているはずの音楽室**]
………!!
[がーん。
っていう顔をした。
…何と言う事だろう。これ程丁寧に書いて、尚伝わらないとは。
黒ゴマ特盛りアンパンを眺めながら、
画伯的才能を持つ少女は、途方に暮れるしかなかった**]
―日曜:夜/一般住宅街一由宅―
……これは、困ったなぁ
[ショックを受ける少女に苦笑を浮かべ、
実に3度目となる「困った」発言。
切り札は想像できるが確定ではない。
場合によっては予想もつかないものかもしれないのだ。
ぽん、と幼子にするように腕を撫でた。]
まあ、ぼくなりに推理して立ち回るしかないか……。
君の魔力の大きさは、本物なわけだし。
[自分用のクッションに背を預けて倒れこんだ、そのとき]
[飛び込んでくる志久真に向き直りながら、体を屈めて両掌の間に火球を生み出す]
”練火”(レンガ)
[彼女の生み出す炎は質量を持ち、さらに粘性を持っていた。
彼女はその生み出した炎を両手で握り、そのまま棒状に引き伸ばした。
その姿は、まるで穂先を炎で包まれた魔剣のようだった]
[そして、間近まで向かってきていた志久真の体に、肩口から衝突し。
次の瞬間、志久真の心臓部分を炎の刃が貫いていた。
その傷口は焼け焦げていたが、志久真の体が炎に包まれるわけではなく。
代わりに、周囲に鮮血が飛び散り、その青白い杏里の肌は真紅に染まった]
だーかーらーっ!
王の頭を気安く叩くなっ!
[しゃがみ込んだまま両手で頭を押さえると、杖がぽとんと地に落ちた。]
ふん…別にいいけど?一々真名を口に出されても困る。
それに、陽太って名は気に入ってるしな。
[けろりと言い放つと杖を拾い上げゆっくりと立ち上がる。
少しは軽くなったように見える足取りで、颯の後に続く
ふ、と暫し…空を見上げて探るように深紅を細めた。**]
[振り下ろす右の剣。体勢崩しながらも、その剣は重く、鋭い一撃……。
それは紛れもなく、魔物、魔獣のみが持つ攻勢スキル「怪力」の力が加わっていた。
それが、弾かれる。その大弓の持ち主にふさわしい剛力によって。
左の剣を振るうため、さらに踏み込む……すんでのところで足を止めた。足元に矢が打ち込まれる。屋根が凹み、元から怪しい体勢がさらに崩れる。
その隙に、敵サーヴァントが屋根から飛び降りる]
ふっ。
[思わず笑ってしまう。
なんて、正直な。]
君は気付いてるのかな。
君は…
[最後まで言葉を紡がぬまま、志久真圭一郎は、憧れを抱いた女性の腕の中で、絶命する。]
クッ……!
[苦虫を噛み潰したような顔で歯ぎしりする。
彼が向かったのは音楽室。マスターたちが戦う場所]
こっちはこれで本気だってんだ!
[去り際の台詞に悪態をつきながら、自分もそこに向かわんと走る。
先ほどの戦闘、向こうには明らかに余裕があった**]
志久真 圭一郎 が村を出て行きました。
[しなだれかかってくる、かつて志久真だったそれを抱きとめる]
何を、かしら。
貴方が何を言いたかったのか、私には判らない。
[志久真の体温が失われ、その重みが杏里に掛かると、杏里は静かに志久真の体を床に寝かせた]
また私の居場所が一つ、消えたのね。
[そして音楽室を出たところで、向かってきたバーサーカーと目が合う]
*終わったわよ。*
20人目、志久真 唯 がやってきました。
志久真 唯は、村人 を希望しました。
[志久真圭一郎の妹である志久真唯は、自分の部屋でヘッドホンをつけ、CDを聴いていたのだが、不思議な感覚を覚えると、顔を上げ、ヘッドホンを外した。]
村の設定が変更されました。
―盟譜学園前高級住宅エリア―
[御厨学が休息に落ちた頃、女は家屋から外に出た。
夜気が肌を通り過ぎる。
東の空はまだ白んでいなくとも、月は僅か薄くなっていた。
歩を進めれば進めるほど、流れ込む魔力も遠く、細く。]
随分と入り組んだ町であることよ
これに人の喧騒が加わるとなると、さて、絶景なるかな
[人の気配が少ない夜道を見渡しながら、女は柔らかに言を落とす。視線の先には、御厨学が住まうものとは異なる建物。]
昼にまた練り歩く、というのも一興かの
[常から靄のように見え難い女の姿は、夜の中に在ってなお輪郭を失っている。夜の一部が剥がれるように、形は動いた。]
[窓の枠の僅かな淵に足をかけ、
申し訳程度に伸びる庇に手をかけ、
軽やかに家屋の屋根上へと昇る。]
学び舎は、さて
あちらか
少々遠いの
[足場を見落とさないように、慎重に凹凸を踏み分けながら、夜を横断する。背に負う金砕棒を握り直して、先を見据えた。]
―盟譜学園/正門前並木道―
澎湃たる人の残り香
されども人の息吹ぞ今はなく
不思議なものじゃの
[足を留めて、御厨学が勤める学園を眺める。
背後には人の町。
創られた町の様相は変われども、御霊に滑り込む夜気の冷たきは変わらず。慣れない西洋風の建物でも、そこは今を生きる人間が集う場所。
暫く、並木の囁くを聞き届けた後、また歩き出した。]
[指が、頭の花に触れる。
女は何事かを呟いた。
彼岸の花を象った植物は震える。
怯えるように、目覚めるように。
髪から花が離れれば、それは女の手の内で、刀に変わった。]
下拵えにばかり時間をかけてはおれん
陽が昇るまでには帰らねばなるまい
[魔力の気配を感じれば、それから遠ざかりつつ、朝までの時を過ごす。**]
[1]
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