2010 緋色の村
(09/17 07:00 に終了)
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視点:人 狼 墓 全
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【人:173】瑞花の街 アルジャン 09/16 22:08
>>161レナート
「楽しかったようならなによりや」
つられて喉を鳴らす。
「はっは。そういう見方もあるかもな。
……大丈夫、今は長生きする予定や。」
海を渡る、と語る声は活力にあふれているように聞こえる。
生きることこそが復讐で目的だと。悲惨な境遇に唾を吐いてもなお前を向いて。
「ええな、海。話に聞くばかりやけどえらい広いんやろ。
もちろん。あんたなら雪ん中でも、砂漠でもけろっとしてそうや。ええなぁ」
【人:174】瑞花の街 アルジャン 09/16 22:09
────杞憂だった。
【人:175】瑞花の街 アルジャン 09/16 22:10
正確には、余計なお節介。
その身に半死半老の血など不要だった。少なくとも自分が一方的に与えるものじゃない。彼が望んで初めて、自らの手に握るものなんだろう。導火線は渇いているからこそ、最後の最期まで燃え続ける。
「レナートさん、長生きせぇ」
「そんでなんか面白いもん見つけたら教えたってくれや。
でも、人間は存外脆いってことも忘れんといてな」*
【人:182】瑞花の街 アルジャン 09/16 22:53
「………チーフルさん」
>>158
耳慣れない声と、その大きさに肩をぴくりと動かし横を向けば黒髪の少年の姿。その手にスケッチブックはなく、目を丸くし瞬きをひとつ。
声、と小さく呟いて、あまりに舌足らずなその様子に口を小さく開いたまま見やる。彼に声が戻る瞬間を見ていなかったから、その超常的なできごとに驚くばかりで、やっぱり気が抜けているのだと改めて自覚するのだけれど。
「うん。……うん。」
ちゃんと聞こうとしていると示すように相槌を挟んで。
『どうして』としきりに繰り返すのを聞き、自分が彼にしたことの話だと、なんとか解釈して。
「なんで僕が最後にチーフルさんを選んだか、やよな」
穏やかに笑みつつ、問う。
【人:183】瑞花の街 アルジャン 09/16 22:54
2回目に選んだのは過去を求める男のひとだった。
彼に抱く感情としては、「未知」だろうか。
捨てられたら、なかったことにできたらどんなに楽だっただろう。過去とは己にとってそういうもので、皆が皆そうじゃないのは分かっているのにそれでも求める彼が、羨ましく思ったのかというとまた少し違うのだけれど。
過去を持たないのは、自身の指針を持たないのと同じなのだろうか。
目指すべき島を知らない渡鴉のもとへ、歩く。
顔を近づけた時、仄かに鉄錆の匂いがしたのは知らないふりをした。
腕は警戒するように組まれていたから避けて首元へ牙を寄せる。
異端を追放する遊戯、
遠い国の魔女狩りや、人狼騒動を思わせる。
かりそめの未来図として、
刻み付けるは処刑台への予約痕。
あんたはそれを無視してもいい。
それが自分の役目だと思うなら。
【人:184】瑞花の街 アルジャン 09/16 22:55
最後に選んだのは、館で一番に言葉を交わした少年だった。
呪われた血を目覚めさせるつもりもなく、誰の願いを叶えるかばかり考えていた。
皮肉にも、館の主のおこなう選別と似通うのは複雑だったけれど。
それは、唯一正解を出した彼に対する畏敬だったのかもしれない。
役目を終えたとばかりのいたいけな寝顔。
純粋で聡明な、その言葉を紡ぐ手元を傷つけるのはためらって細い足首に指先を伸ばす。
自分はこれから、あんたとあの子の運命を引き裂く。
それを許さなくってもいい。
ただ、彼女を信じた自分自身を誇ってほしいと思った。
その口から伝えるまで
『逃げるな』と引き留める見えない足枷。
鎖のように、血液と唾液の混ざった糸が伝った。
【人:185】瑞花の街 アルジャン 09/16 22:58
****
「いろいろ考えたけど、あんたの願いを叶えたいって思ったからやな。
あんたの声聞きたいって言ったの、嘘じゃない。
嬉しいよ、話しかけてくれて」
「……僕に選ぶ権利なんてほんとうはないのにな」
「ネージュさんに伝えたいこといろいろあるんやろ。
もちろん、他のひとにもあるやろうけどな。
だからちゃんと伝えな」
そういってゆっくりと頭を撫でる。
【人:186】瑞花の街 アルジャン 09/16 22:59
「なあ、なんで元に戻らなかったん?」
少しだけ声色を落とした。*
【人:188】瑞花の街 アルジャン 09/16 23:25
>>164ネージュ
話しかけてきた彼女の、頬がさらに白んだように見えて心配になる。それも杞憂に終わったのだけれど。
「あぁ、どうもありがとな。
さよか。ここで暮らすんか。……いろいろ安全だと思うで。良かったな」
ゲーム中に偽りの疑いをかけたことを詫びようかとも思ったけれどそれは違うと押し黙る。丁寧な礼に合わせて軽く会釈で返し。
深紅の瞳と相対。淡く光を宿した透明感のある綺麗な目だと思った。
「『自由』ねぇ。自分難しいこと聞くな」
【人:189】瑞花の街 アルジャン 09/16 23:26
「んー……。人によるって言ったらおしまいやけど。
僕の中だと、そうやな。
────誰にも傷つけられず、誰のことも傷つけない。
これを大前提に、自分のことを自分で決められること。
こんな感じやろか。難しいよ。特に前半がな。
なんなら無理やと思ってる」
まぶたを伏せる。これが正解ならばきっとこの世に自由なんてものは存在しない。
「……傷つけないっちゅーんは、
きっと誰かと生きるなら無理やね。
たぶん、手当てするとこまで一緒なんよ」
そうぼやくように返した。
【人:195】瑞花の街 アルジャン 09/16 23:53
>>179>>180レナート
「あんたの目に適うんは難儀やろねぇ。それがものでもひとでも」
「ああ?」
噛んでくれ、と言われれば思わず目を眇めた。
「あー……うー……まったくもー……。あんたってひとは。」
頭を抱えそうになる。実際のところは腹を抱えて笑ってしまったのだけれど。
「機会があったら」の言葉に現実味が生まれ、死ねない理由が増えてしまった。分かってて言ってるんだろうか。ひとしきり笑ってから顔を上げ。
「ええよ、成功報酬や。
そんときにレナートさんが望むなら、噛んでやる。頼んだのを後悔するくらい痛くするかもしれんがこれは僕の気まぐれやからな。分からんわぁ」
「楽しみにしとるわ」
わざとらしく肩をすくめ、にかっと笑みを見せた。*
【人:201】瑞花の街 アルジャン 09/17 00:19
>>190チーフル
どうしてというから、恨んでいるのだと思った。
身を屈ませ耳を澄ませなんとか意味を取ろうとする。
呪われたものだと思いたくなかった。と。
「あんたは心がきれいすぎる」
喋るのは正直辛そうだ。それでも懸命に声を振り絞っていた。撫でる手は離さないままゆるりと髪を梳く。
【人:202】瑞花の街 アルジャン 09/17 00:20
>192
「正直、心配なるわ。
僕みたいなのにまた騙されへんか。
嫌なことは嫌って言え。
あとからでもやられたと思ったら反抗しろ。
チーフルさんはその手段を得たんやから。
……あとからでも、
なんかやなことがあったら戻してもらえ。
それとな、怪我には気をつけるんよ。
特にでかいやつな」
自然と慈しむような視線になる。懸命に名を呼ぶ仕草にからからと頬を持ち上げた。
【人:203】瑞花の街 アルジャン 09/17 00:22
「ひとついいこと教えたる。
かしこいから知っとるかもしれんが」
スケッチブックがそこにはないから彼の手を取って手のひらに指で文字を書く。
「ばあちゃんが教えてくれた。
『呪い』っちゅーんは、
『まじない』って意味も持っとるんやって。
おまじないや。
今までずっと、だからなんやねんって思ってた。
苦しいんは変わらないって。
うん、僕、いまようやく意味が分かった気がするで」
「あんたにとってまじないになるといい。
……ありがとな」
しあわせになれよ、と呟いた。*
【人:229】瑞花の街 アルジャン 09/17 05:44
>>208>>209ネージュ
「覚悟か。うん、きっとそれが大事なんやと思う。
誰かを足蹴にして得たもんは、長続きせぇへんから」
手渡されたのは大きな詩集の入ったハンカチだった。
丁寧で、繊細な仕事に目を見はる。
「……もったいない言葉やわ。ありがとうな、ネージュさん。だいじにする。
『自由』、見つかるとええな。少なくとも、あんたが今後理不尽な目に遭ったりせぇへんように。
うれしいけど、少々過酷だと思うで?
来たいと思ったら、ちゃんと文飛ばしたってくれ。」
でないとノイシュやネフェリルに示しがつかない。
そう言って愉快そうに喉を鳴らす。
「またいつかな」*
【人:230】瑞花の街 アルジャン 09/17 06:26
***
広間でやり取りをしている間に夜が明けていたようだった。
服を洗って休息する暇をもらい、荷物をまとめて出発の準備。
湖の青を背に緋色を靡かせて、歩く。
要求した物資は何回かに分けて届く手筈になっている。先ず最初は自分が街にたどり着くするのとほぼ同時に着くらしい。
この館の主を許す気はない。今後ここに来ることもないだろう。だが、素直にありがたいと思える程度には吹っ切れることができた気がする。
少なくとも3人。その運命を変えてしまったことの罪悪感はうっすら残っているけれど。
自分の暮らす場所のほか、外の世界に生きる理由がいくつかできた。それを与えられた祝福と名付けてもいいのだろうか。
【人:231】瑞花の街 アルジャン 09/17 06:27
館で出会った人々の顔を
ひとりひとり思い浮かべながら
長い旅路をゆく。
馬車を下りれば慣れ親しんだ冬の匂い。
雪を踏みしめて、だんだんと
真っ白な世界の明るさに目を慣らしていく。
「あー、さっむ」
冷気に頬を赤くしながら溢す。
それはどこか愛おしそうな響きを湛えていた。
【人:232】瑞花の街 アルジャン 09/17 06:27
.*:゚+
「ただいまぁ、遅なったわ」
懐にはナイフと、
祈りのこもった花束。
純銀の世界にて
いつか花咲く日の夢を見る。
+’゚:*。
[A16]瑞花の街 アルジャンは、全員に手を振った。
09/17 06:28
[A17]瑞花の街 アルジャンは、全員に感謝した。
09/17 06:28
情報/
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