2010 緋色の村
(09/17 07:00 に終了)

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【人:2】宝涙の娘 ネージュ 09/14 13:09
>>1 トワ

目を閉じ、祈る。

(私も、チーフルくんも、ネフェリルさまも、レイヴンさんも──いっしょにおねがいごとが、叶いますように……)

扉が開く音がして──ノイシュの顔が見えた。
思わず、ほろ、と微笑したけれど……トワの声に、全身が固まった。

「──え……?」

『吸血鬼はアルジャン、ネフェリル、協力者はレイヴン、チーフル』

「え……あ……えっ……そん……」

衝撃を受けて、隣のチーフルを見て──2歩、3歩と後ろに下がった。
涙がぽろぽろと零れて、床にころころ落ちていく。
向こうにいるネフェリルも、こちらに戻ってきたレイヴンも見て、ネージュはぽろぽろと水晶を落とし続けた。

【人:3】宝涙の娘 ネージュ 09/14 13:09
わかっている。
だれもわるくないって、わかっている。

けれど、ただ──哀しかった。
一緒じゃなくて。信じたことが本当じゃなくて。

【人:5】宝涙の娘 ネージュ 09/14 14:30
>>4 アルバ

アルバが床に落ちたネージュの涙を拾う。
観測者、自分達をその布の向こうからずっと見ていた人。

ネージュは、その問いに首を振りたかった。けれど哀しかったのは本当だから、否定できなくて……ただ小さく震えて口もとを覆った。

「あ……わ、私……私……」

アルジャン、ネフェリル、レイヴン、そしてチーフル。
彼らと自分との間に、はっきりと線が引かれてしまったような、そんな気がして。
彼らの方に光が差すのは良いことで、自分もそれを願ったはずなのに。
たくさんのものをもらったのだから、「おめでとうございます」、と言ってあげられたらよかったのに。

「――私……ああ……ごめんなさい……」

目からこぼれる水晶が、からんころんと床に落ちるばかりだった。

【人:7】宝涙の娘 ネージュ 09/14 14:53
>>ノイシュ

どうしたらいいのか、わからなかった。
チーフルは、ネフェリルは、レイヴンは、いつから「向こう側」だったのだろう。

「う……」

話したいのに、体が動かなくて、涙はこぼれるばかりで。
ネージュは、

「……ノ、ノイシュ……」

消え入りそうな小さな声で、一番最初に指をさした人の名前を呼んだ。

再会するときは、笑って会えたらと思っていたのに。
涙を抑えられないまま、その名前を呼んだ。

【人:8】宝涙の娘 ネージュ 09/14 15:02
>>6 アルバ

アルバに近づかれたときに、びくりと身をすくませた。
しかし、アルバがネージュに「涙」を握らせようとすれば、小さく震えながら、彼の動作にしたがってそれをそっと握る。

「ぶ、武器……?」

けがをしたときのおまじないのような、ネージュをいたわる祈りの言葉は――怖くなかった。

「あ……」

それに返事ができるほど、まだ感情が整理できていなかったけど。

【人:11】宝涙の娘 ネージュ 09/14 16:26
>>10 レイヴン
ノイシュがこちらへ駆けてくる前。

レイヴンに名前を呼ばれると、びくりとして怯えたように彼を見てしまった。

「きゃ……」

レイヴンは元々同じ立場で。血を吸われてしまったひとで。
誰も悪くないのに。それはわかっているのに。

こわいか、と問われれば──ネージュは涙を落としながら、震えながら、ちいさく首を振った。

「あ、わ、わ、私、わたし……私が──」

受け入れられないだけ。けれど、その一言はいえなくて……レイヴンから逃げるようにじりじりと後ろへ下がってしまった。

【人:12】宝涙の娘 ネージュ 09/14 16:27
>>9 ノイシュ

つい、助けを求めるように名前をつぶやいたその人は、こちらへ駆けてきてくれた。
彼に会いたかったのは自分だけではないのに、それが嬉しくて、安心して、情けなかった。

「──あ」

肩に安心する重みが乗って。
このひとは屋敷の人で、同じ立場ではなかったけれど。ネージュの作ったものを喜んでくれたひとで。
ひとつずつ、思い出す。

お疲れ様でした、という労いの言葉に──ネージュはゆっくり息を吸って、吐いた。
ぽろぽろと流れ落ちていた涙が、ゆっくりになり、止まる。

「……ノイシュ、ごめんなさい……また会うときは、笑って、会いたかったのに──」

ノイシュは大きいから、視界は彼の身体でいっぱいになる。
ネージュは落ち着くまで、身を縮こませて隠させてもらっただろう

[A3]宝涙の娘 ネージュは、見習い執事 レナートの声が聞こえてビクッとした 09/14 18:15★
【人:48】宝涙の娘 ネージュ 09/15 01:49
>>18 ノイシュ
(少し前の話)

不甲斐なくひとりよがりのネージュを肯定してくれる、ノイシュのやさしいゆりかごのような言葉に甘えて、しばらく彼の身体にもたれて幼子のようにすがりついていた。

そうしてだんだん落ち着いてきた頃、ふら、と身を起こす。

「──ありがとう、ございます、ノイシュ。ごめんなさい……あなたにも、お仕事が、あるのに……でも、おかげで……おちつきました」

立ち上がろうとした時、周囲にたくさん落ちている涙に気がついて──ひとつずつ、拾い集めようとしたが、すぐに片手いっぱいになり、拾いきれなかった。
(これだけあったら、おにいさまは許してくれるかしら)と、つい思ったとき、アルバの言葉を思い出した。

(──これが、私の、武器に。利用されるだけではなくて……?この体質が、治せなくても……連れ戻されなくても、よくなるのかしら……)

最後にもうひと粒拾って、きらきらと光を反射するそれを、じ、と見つめる。
それからネージュは、座ったままノイシュを見て、にこ、と笑った。

「……もう、だいじょうぶですから。ノイシュは、おしごとに戻って、ね」

[A6]宝涙の娘 ネージュは、手近な椅子に座り、拾い終わった『涙』をテーブルに置いてぼうっと眺めた** 09/15 03:05
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