2010 緋色の村
(09/17 07:00 に終了)

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【人:22】瑞花の街 アルジャン 09/14 22:58
 ゲームが終わった。
 追放対象を己とした、悪趣味なゲームは終わった。
 勝つために、形式とは言えほかのひとたちを追いやって。
 
 仲間に引き入れたひと、そうでないひと。崩れ落ちる少女の姿。
 かける言葉を持たないままどれくらいの時間がたったのだろう。
 そのうち現れた男の姿に目を見開いて、再び瞼を伏せる>>20


「────僕は、なんも知らんかった。

 ここに来たのだって噂を聞ぃたから。
 助けてほしかったから。藁にもすがるってやつや。
 
 呼ばれたわけでも導かれたわけでもなんでもない」
 

 知っていたら来なかった。
 そう続けるかわりに噛み締めた奥歯がギリリと軋む。
 

【人:23】瑞花の街 アルジャン 09/14 22:59
  
 はらわたが煮えくり返る思いだった。こいつは、かつて自分のしたことを分かっているのか。僕が、僕らがどんなふうに生きてきたのか分かってこんな仕打ちをするのか。考えれば考えるほど気分が悪くなるから、考えるのをやめていた。

 ────今この時までは。
  

【人:24】瑞花の街 アルジャン 09/14 23:00
 
「……よう見とけよ」
  
 絞り出すような声はぞっとするほど冷たい。
 他の客人には背を向ける形になるだろうか。
 わからない。
 使用人はどうだ。目に入っていない。
 館の主に向き直ってフードを脱ぎ、輪郭を露にする。
 
  
 
 
 
     「………ああ、子供らは目ぇつむってろ」
 

【人:25】瑞花の街 アルジャン 09/14 23:01
 
 そこから先は早かった。
 懐から取り出したナイフは、手首を返して逆手に持ち。
  
 相手への視線ひとつ動かさず、己の首筋へ突き立て、
 
 
 獲物の命を一瞬で刈り獲るが如く
 ためらいなく引き裂いた。
 

【人:26】瑞花の街 アルジャン 09/14 23:01
 
 
 平然として立ったまま。

    鉄錆の匂いした、緋色が舞う。
 
 

【人:27】瑞花の街 アルジャン 09/14 23:12
 
役目を終えたナイフは空に置くように放り、喉元を軽く押さえ。 


「……別に平気よ。
 
 頸斬り落としたら流石に死ぬ思うけど、すぐ治る。見てのとおり血は出るしアホみたいに痛いがな。」
 
 周りの反応を聞いてか否かぽつぽつと呟く。
 口に溜まった血はそのまま飲み込んで。
  
「これでも随分と遅いんやってな。弱い。醜い。出来損ない。ああ。こうも言われたな。気味悪い。なんで平気なんだ。化け物。中途半端。」
 
 手を離せばもう傷口はふさがっていて。
  

【人:28】瑞花の街 アルジャン 09/14 23:12
 
  「 おまえが つくった 」
 
 
 睨めつける。 
 
 その光を灯さないまなざしは、皮肉にも。
 館の主のものによぅく似ていた。*
  

【人:29】欠落する心 ティキ 09/14 23:15
ティキは、トワの宣言でゲームの終わりを知った。

「…終わったのね。おめでとう、アルジャン。ネフェリルはあとでお話があるわ。大丈夫怒ってない怒ってない。」

軽口を叩く余裕があるわけではない。恐らくは危機感を失ったのだろう。

「不思議な感覚ね。悔しい感じはあるけれど、どうも慌てる気持ちにはなれないわ。本来由々しい状況なのだろうけれど。」

嘆息する。

【人:30】不死者 ブラム 09/15 00:16
私を纏うこの罰は、この日、この為にあったのだという確信を持った。

自らの血を分けた子孫から紡がれた言葉は、呪詛の言葉。
クソ喰らえと言わんばかりに、自らの運命を、境遇を、血を呪っていた。

懐から煌めく銀色の流星がその首元を引き裂けば、紅いカーテンが舞台を覆い隠す。

美しくも儚いその姿を私はしかし、無機質に、無感動に、眺めていた。

【人:31】不死者 ブラム 09/15 00:18
運命という言葉では片づけられない因果に、口は怒号を紡ぎ。

初めから知っていたら来なかったと諦観する心が叫ぶ。

自らの境遇は、お前のせいだと絶望の瞳が語れば。

【人:32】不死者 ブラム 09/15 00:20


──それら全てを一笑に伏した。
 
 

【人:33】不死者 ブラム 09/15 00:23
「キミの言いたい事はそれだけか?

悲哀に満ちているな。

同情するよ。

そしてそれを引き起こした私に全ての咎があるのだろう。
認めよう。その罪は全て私が生み出したものだと。

だが、罪を認めキミを救えば、私は罪を償った事になるのだろうか。
……違うのだろうな」

【人:34】不死者 ブラム 09/15 00:28
「キミは願いを叶えたいと願うか?
この血塗られた、全ての元凶であるこの私に?

私は、救われたいよ。
キミ達全ての願いを叶えて、死ねるようになるのなら。
望むすべてを与えよう。

……だが、違うのだろう?」

【人:35】不死者 ブラム 09/15 00:32
「神に祈る事で救われるなら、私は何度死を得られるだろうか。

そんな神に認められた罪ある存在に救いを祈るキミは本当に幸せになれるのか」

自身と目の前に立つ男の、緋色の想いが交錯する。

【人:36】不死者 ブラム 09/15 00:35
      運
      命
      を
      呪
      う

終焉を願う 緋 は覆されぬ運命を呪い、

      は
      届
      か
      ぬ
      安
      寧
      を
      願
      う
       。

【人:37】不死者 ブラム 09/15 00:38
「……我々の身体に流れる呪いの血は、否応なくその運命を歪めていく。
キミが、その運命に抗う為に私の手を取るというのなら。

私も抗い、応えよう。

………キミの、願いはなんだ」

【人:38】瑞花の街 アルジャン 09/15 00:42
  
 塞がった傷は灼けるように熱かった。
 服に染みた血液が、指先を濡らすそれは
 対照的に冷えていくのが分かる。
 次第に下に垂れ床に新たに血だまりを作っていく。 
 
 
「……あんたは守るべきもんを、
 自分の子どもを守らんかった。
 つくったことじゃない。本質はそこや」 
 

【人:39】瑞花の街 アルジャン 09/15 00:46

 大きくため息をつく。
 
 ゆっくりと目を閉じて、再び開き。
 こいつが詫びようが、開き直ろうが、憂おうが、
 こうすると昨日のうちから決めていた。
 

【人:40】瑞花の街 アルジャン 09/15 00:46
 
 
 「……一年分」
 
 

【人:41】瑞花の街 アルジャン 09/15 00:48
 
「一年分、生きていけるだけの物資を寄こせ。
 それだけ受け取ったら、もうなにも要らん。
 あとはこっちで立て直す。
 それから僕らがどうなろうが、
 あんたの知ったことじゃない。
 
 お前の言う通りぜんぶ拒否したいとこやけど
 土台がないことにはな。
 あいにくそんな馬鹿じゃないんよ」
 

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