2010 緋色の村
(09/17 07:00 に終了)
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視点:人 狼 墓 全
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【人:196】欠落する心 ティキ 09/17 00:00
>>172 トワ
「本当?よかったわ。危うく徒然に旅暮らしを始めないといけなくなるところだった。行く当てもなく恐らくは唯一の身内であろう母親を探す旅よ。もしかしたら大陸を越えて来たかもしれないわね…。船旅もちょっと興味あるわ。トワ、今度メイドの仕事のお休みをいただいて一緒に旅行しない?何か気持ちが軽いの。今なら何でもできる気がする。きっと気のせいだけれども。」
「なるほど…それはとてもいいわね。空、一度飛んでみたいと思っていたのよ。不死者の方みたいな魔法があるならあるいは何とかなるかもしれないわね。私の【祝福】っていうのが何だったのか、不死者の方はわからないのかしら?あのままだったら私もある意味不死者になっていたかもしれないし、何か関係があるのかも。仕方ないと諦めていたこともまたやってみたいわ。お料理も、読書も、かけっこも。また練習すれば出来るようになるかもしれないし。ね、そうでしょうトワ。」
“うきうきと楽しそうに”ティキは話す。
ティキはトワを抱いたまま真っすぐにその目を見ていた。
【人:197】欠落する心 ティキ 09/17 00:00
「それにしても…トワ、貴女冷え性なのかしら?貴方を抱いているどういう訳かとても涼しいわ。酷暑の時期になったら一緒に寝てくれない?私体温高い方だからきっと丁度いいと思うの。」
ティキが思慮深さを思い出すのは少し先になるかもしれない。
【人:198】宝涙の娘 ネージュ 09/17 00:14
>>169-171 チーフル
チーフルには既に刺繍を贈っていたけれど、あのときと今では、また気持ちが変わっているから……改めて心を込めて白いハンカチに刺繍をした。
「できた……」
ちょうど、刺繍をし終わって、ハンカチをたたもうとしたときだった。
傍らから聞こえた、初めて聞く声にハッとする。反射的にそちらの方をパッと振り向けば、スケッチブックを持ったチーフルが、そこにいた。
「チー……フル、くん……?今の……」
目を丸くして、チーフルを見つめた。チーフルは一生懸命に、叶ったばかりの「願い」を以て、ネージュに心を伝えようとしている。
ネージュはチーフルが話している間、チーフルのほうに体を向けて、何も口を挟まずに彼の言葉を聞いた。口の形をみて、ひとことひとことにゆっくり頷きながら、チーフルの声を聞いた。
チーフルの声は、まっすぐ胸に届き、響く。
ああ、これが、この子の――ずっと求めていたもの。願い。希望。
最後に、問いかけられてネージュは……椅子から立ち上がって膝立ちになり、チーフルの両手をとって、崩れるように微笑んだ。
【人:199】宝涙の娘 ネージュ 09/17 00:15
「つ、つたわった、わ。チーフルくん……。全部。わかった。私も、ごめんね。逃げて、ばかりで……こわがって……ずっと。ああ……どうしよう……私……あなたになんて言ったら……」
ぽろっとひと粒。大きな涙が瞳からこぼれた。ネージュは慌ててそれを拾う。
「あ、ご、ごめんなさい、びっくりさせて……こ、これは、あの……ちがって……悲しい涙じゃ、ないの……」
手のひらの中のそれを見て――ネージュは首を傾げた。その宝石は、明らかに今までのものとは光り方が違って……。光を乱反射して、いっとう輝いていた。
――それは、ダイヤモンドだった。
ネージュはそれをしばらく見つめて、ほう、と息を吐いた。
「……そう、なのね。幸せなときの涙って……そうなのね……」
静かに目を閉じ、改めてチーフルを見つめる。ポケットに折りたたんで入れていた、チーフルにもらったスケッチのページを開いて見せた。
そこに書いてあった、『不死者様に雇って貰ったり、とか。』という一文に赤いペンで〇が書かれている。
【人:200】宝涙の娘 ネージュ 09/17 00:15
「……あのね。私、ブラムさまにお願いして……こちらのお屋敷で雇っていただけることになったの。チーフルくんが見せてくれた、未来の姿が、ひとつ本当になったのよ。チーフルくんがこの言葉をくれたから。
あなたは、私の恩人で、とてもとても大事な人。だから……だから、あなたの声が聞けて、嬉しい。とても幸せだわ。私のところに来てくれて、ありがとう」
そうして最後に、四葉のクローバーを刺繍した白いハンカチを、チーフルの手の上に置く。
「――四葉のクローバーの言葉は、「幸運」、それから「約束」。私、きっとここで、もっとつよく、やさしくなって……いつか、チーフルくんに会いに行くわ。チーフルくんが書いてくれた未来の姿、全部叶えたい。
……欲張りだけれど。自分の力で叶えるなら、きっと神様にも許してもらえるわよね」*
【人:201】瑞花の街 アルジャン 09/17 00:19
>>190チーフル
どうしてというから、恨んでいるのだと思った。
身を屈ませ耳を澄ませなんとか意味を取ろうとする。
呪われたものだと思いたくなかった。と。
「あんたは心がきれいすぎる」
喋るのは正直辛そうだ。それでも懸命に声を振り絞っていた。撫でる手は離さないままゆるりと髪を梳く。
【人:202】瑞花の街 アルジャン 09/17 00:20
>192
「正直、心配なるわ。
僕みたいなのにまた騙されへんか。
嫌なことは嫌って言え。
あとからでもやられたと思ったら反抗しろ。
チーフルさんはその手段を得たんやから。
……あとからでも、
なんかやなことがあったら戻してもらえ。
それとな、怪我には気をつけるんよ。
特にでかいやつな」
自然と慈しむような視線になる。懸命に名を呼ぶ仕草にからからと頬を持ち上げた。
【人:203】瑞花の街 アルジャン 09/17 00:22
「ひとついいこと教えたる。
かしこいから知っとるかもしれんが」
スケッチブックがそこにはないから彼の手を取って手のひらに指で文字を書く。
「ばあちゃんが教えてくれた。
『呪い』っちゅーんは、
『まじない』って意味も持っとるんやって。
おまじないや。
今までずっと、だからなんやねんって思ってた。
苦しいんは変わらないって。
うん、僕、いまようやく意味が分かった気がするで」
「あんたにとってまじないになるといい。
……ありがとな」
しあわせになれよ、と呟いた。*
【人:204】見習い執事 レナート 09/17 00:24
>>195 アルジャン
予想外に笑うアルジャンを見て拍子抜けするも、悪い気分じゃない。
「ふっ、成立だな。
良いさ、痛いのには慣れてるし。どうせやるなら、忘れられないくらいのやつで頼むわ」
人間じゃなくなるなら、それくらいのが丁度良いだろ。
相も変わらず楽しむように笑って返す。
アルジャンの肩をぽんと優しく叩き、「じゃ、またな」と告げてから、その場を後にしただろう。
【人:205】執事 ノイシュ 09/17 00:35
>>193 >>194 チーフル
聞き覚えのない声が、たどたどしい様子でこちらの名前を呼ぶ声がして振り返る。
そこには、先ほどまで手を繋いでいた少年の姿があり、弧を描いた口が溢れんばかりの喜びを湛えていた。
「チーフル、君……!」
腰を落とせば、チーフルの紡ぐ言葉を一心に聞き入る。
『ありがとう、ございました』
『ぼく、のいしゅさん、の、こと だいすき、です』
紡ぐ音はまだ慣れてなくて、理解するのは難しいのかもしれない。
だが、ここ数日彼と過ごしてきて、彼が何を言いたかったかなんて、きっと文字や言葉がなくても伝わった。
それでも、今ここで、"彼が言葉を紡ぐ"という現実が大きく心を揺さぶった。
【人:206】執事 ノイシュ 09/17 00:35
「──ああ、オレも大好きだ! ははは! チーフル君、本当におめでとう!」
許されるなら、彼の身体を優しく、高く持ち上げて笑っただろう。
持ち上げたまま一緒に回転したり、チーフルが望めば肩車もしたかもしれない。
ひとしきり喜びを分かち合った後、わしゃわしゃとチーフルの頭を撫でれば、ニッと笑みを浮かべる。
「チーフル君が良ければ、いつでも遊びに来ていいからな。
話す練習もしないといけないしな!」
【人:207】宝涙の娘 ネージュ 09/17 00:36
>>187 レイヴン
レイヴンがハンカチを受け取ってくれて、心底ほっとした。
「よかった……お花のハンカチなんて、男の人には実用性はあまりないかもしれませんが……ハンカチは、お屋敷の物なので……きっと、価値のあるものでしょう」
それから、改めて背筋を伸ばして、レイヴンに丁寧な礼をした。
「改めまして私――こちらのお屋敷で、はたかせていただくことになったんです。今のままでは、きっと、この体質をなくしていただいても、家族のことを解決していただいても、本当の「自由」にはなれないから。
私は……いつか、レイヴンさんのように、自分の足でいろいろな場所へ行けるようになりたいのです。
だから……きっといつか、自分の足で、レイヴンさんに会いに行きます、ね」
首を傾けて、にこ、と微笑む。
「私の住んでいた街は、曙光の街というのです。貴族の家も庶民の家も、みな屋根が曙の空のような、淡いオレンジ色で統一してあって……私は、きっともう帰らないけれど、朝焼けを照らしたような、あの景色はとても好きでした。いつか、機会があればぜひ、立ち寄ってみてください」
【人:208】宝涙の娘 ネージュ 09/17 01:13
>>188 >>189 アルジャン
アルジャンの言葉を神妙な面持ちで聞いた。自然と手が前に、祈るような形で組み合わせる。
「『────誰にも傷つけられず、誰のことも傷つけない。自分のことを自分で決められること。』
けれど……無理、なのですか?」
アルジャンの回答をゆっくり繰り返して、不安げに首を傾げた。
(アルジャンさまでも無理なことなんて……『自由』って、私が思っていたよりずっとずっと難しいのかしら)
けれど、続く言葉に目を見張る。
「手当てするところまで……。そう、お考えなのですね。私には、考えもつかないことで……とても、学びになります。必要なのは、覚悟、なのでしょうか。それでも人と生きていく、覚悟を持てるように……」
独り言のように小さくつぶやいてから、ネージュは姿勢を正し、大きな百合の刺繍を入れたハンカチを取り出した。それは、白のハンカチに白の糸で縫ったものだから、見た目に華やかなものではないけれど。それを両手でアルジャンに渡した。
【人:209】宝涙の娘 ネージュ 09/17 01:13
「アルジャンさま。もしよければ……こちらを受け取っていただけるとうれしいです。私の住んでいた街では、花に言葉を託す風習がございまして……。大きな白百合の言葉は、「祝福」と「高貴」。このたびの結果に、祝福を。そして、あなたの気高さを尊敬いたします。
いつか、私がここでもっと強くなって……自分で「自由」を……色々な「自由」をちゃんと考えて、ちゃんと、自分でそれを掴めるようになったら……改めてアルジャンさまにも、自分の足でお会いしに行きたいです」
【人:210】不死者 ブラム 09/17 01:23
>>141 アルバ
「これは大変な願いを叶えてしまったようだな。
最低でも全て堪能するまで帰らせてくれなさそうだ。
だが、願いだからな。
キミが作った国の一つ一つ、しっかりと見届けさせて貰おう。
……勿論、気に入ったら、後の願いもな」
満更でもない表情を見せながら、続ける。
「出発の前に、準備をしたい。
トワに挨拶をしておいてあげてくれ」
【人:211】不死者 ブラム 09/17 01:30
全ての願いを叶え終えた後の話。
私室に戻り、最低限の荷物をまとめれば、横に伏せた写真立てを手に取る。
写真に映るのは水面に反射した月にような銀髪に、聡明な印象を瞳に堪え、向日葵のような眩しい笑みを浮かべる貴婦人。
『一緒に過ごしたいって言うのは、渋い顔で傍にいてほしいって事じゃないのよ。
あなたと同じ気持ちになれたなら、楽しいわねって事。
だから、夢を見るなら、あなたと一緒がいいわ』
思い起こされた記憶は、今はもう叶わない苦いものだったが、今も色褪せる事なく輝く鮮烈なもの。
そっと写真立てを荷物に加えれば、窓から差し込む陽光に僅かに目を薄めて、広間へと戻る。
【人:212】不死者 ブラム 09/17 01:35
>>アルバ
「待たせたな。アルバ。
挨拶が済んだようなら向かおうか。
……まずは信仰の街だったか?
キミが教祖をしている信徒の街なら、教祖を象った像でもあるのだろうか。
ああ、その前に先日飲んだワインもまた楽しみたいな。あれは美味だった。
星の村、という場所は流星群でも見られるのだろうか。ならばその光の下飲むのも悪くない。
……存外と、やってみたい事というのは探せば見つかるものだな。
キミが歩んできた軌跡を見届けられる事、楽しみにしているよ」
そうしてアルバの手を取れば、彼の願いを叶える為に洋館を後にするだろう。*
【人:213】過去への渇望 レイヴン 09/17 01:42
>>207 ネージュ
確かに似合わないかもしれない、とは思う。
誰かに見せる訳でもないから問題は無いが。価値についてはもっと分からない。肌触りは…良いような気がする。
「そうか」
願いが叶った。…いや、自分で叶えたのだろう。
…どこへでも行けることだけが自由ではなく、それは俺にも言えるのかもしれない。
「楽しみにしている。
俺もまた会いに来る」
過去は消えず、他人よりゆるやかに人生は進んでいく。
あの国で生まれてあの国を、人を裏切った。これが俺の運命なのだろう。
…だけど、帰りたい場所ぐらいは見つけても許されないだろうか。『久しぶり』が言えるそんな相手が。
「立ち寄った時にはネージュのことを思い出すだろうな、きっと」
【人:214】宝涙の娘 ネージュ 09/17 01:51
>>181 ネフェリル
「ありがとうございます…!」
ハンカチは受け取ってもらえた。それにほっとする。
生きている時間が違うとはいえ、うつくしい男の人に「父」を重ねているのだから、断られても仕方ないと思っていた。
「……ネフェリルさまにお会いできるかわからないのは、少し不安ですけれど。それでもきっと、郷へ行けばお帰りになることも……ありますよね」
エルフの郷はきっと秘された場所だろうから、もしも必要ならば自力で……と、無謀なことを考えていたので、「場所は」という言葉を聞いて、教えてもらえることにぱっと明るい顔になった――のだけれど。
突然の至近距離に、つい悲鳴を上げてしまいそうになった。これは内緒話であって、それ以上の意味はないのだ。ネフェリルはネージュのことを小さな子どもだと思っているから、このような距離感であることは重々承知していた。そう、わかっているから、耳を真っ赤にしながらもなんとかちゃんとエルフの郷の場所も覚えられた。
[支]【人:215】メイド トワ 09/17 01:52
>>196 ティキ
「素敵なお誘いね! ……でも、ワタシはここから出られないから。
……いえ、諦めるのはまだ早いわね。
ティキが何でもできる気がするなら、ワタシだって何かできる事がある筈だもの」
考えてみれば、ワタシがどうしてこの洋館にずっと居たかなんて考える余裕もなかった。
独りにならないように誰かと繋がりたいという一心でいたから。
隣のティキにお礼を言いつつ、続く言葉にも頷く。
「浮くくらいなら…いえ、なんでもないわ。
どうだったのかしらね。祝福も、罰も、見方によって全然その在り方を変えるから。
ワタシはティキに巣食っていたものは呪いだって思うけど……それにしても、ふふ。絶好調ね、ティキ」
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