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[仕掛けたのはセリナのほうだが、素直に返されると…。]
は、はい、どうぞ…。
[震える指先で、ユリウスの口の中にゼリーを運ぶ。
そして頬に手を当てて俯く。耳たぶが真っ赤だった。]
[...は、2人の様子がちょっと恥ずかしくなったのか、懐から眼鏡をだすと分厚い本を取り出した]
あははは…レポートがたまってるの思い出したわ。
『人は何故疑心暗鬼になるんか』やったな。
人有亡鈇者、意其鄰之子、視其行歩、竊鈇也…。
「斧のことだけどさあ、どうやら、隣の家の息子が盗んだようだぜ!!あいつ態度が怪しいんだよ…。ぜったいまちがいないって!!」
ふむふむふむ。
>>56
はう…その自信どこからわいてくるん。うちに100分の1でいいからわけてくれん!?…勉強面の自信はちょとはあるんやけどな…その、内面的なものが(ごにょごにょ)
[ぱく。
口の中で少し転がして、ひんやりとしたゼリーの味を味わう。]
………
美味しい。
[プルネラに教わったとはいえ…まるで、信じられない。とでも言うような表情で一言。]
[心が弾む。何もかもが楽しい。
何でもないユリウスとのやり取りは、一つ一つがきらきらとして。
そしてセリナは、カスミやカーミラとのことを思い出していた。
全てが終わったときセリナは抜け殻で、呆とした状態で仲間達に保護され、気がついたときは自分のベッドの上だった。]
……
[少し口を開閉させて、中に残った味を感じる。
しながら、ほのかへちら、とだけ視線をやって。]
少し、難しい質問だ。
…そうだ。
"自信は持とうと思って持てるもの"……とでも言っておこうかな?
[どうだ?なんて。]
[ユリウスの様子に、ぷぅと膨れて。]
も、もう、知りません。
後は、ほのかさま、食べてしまってください!
[ばっ、と、ほのかにスプーンを押し付けようとする。
そして横を向いて、唇を尖らせている。]
[座ったままボールをつかんでいる]
・・・ちょーし出ねェなァ・・・
次は絶対レギュラー取りてェんだよな・・・。
[すくっと立ち上がり、ドリブルを始める]
[膨れたセリナに、少し慌てて立ち上がったが、すぐに、冷静にその表情を見ておかしくなったらしく、少しにやけて。]
美味しい! 本当に美味しいよ、セリナ君。
ちょっと……いや、大分見直した!
よく頑張ったなあ。君には、花丸だ!
[べた褒めを始め。机ごしに手を伸ばし、よしよし、と、言葉の勢いとは裏腹に優しくセリナの頭を撫でようとする。]
(ガコンッ、と音を立てて再びリムに弾かれたボールを見て)
・・・ちっ。
(今日はもう終わりだと言わんばかりにボールを拾い上げて更衣室に向かっていく)
[突然のユリウスの言動に、一瞬ぽかんとして…やがて小さくくすくすくす…と笑いが溢れてくる。]
い、嫌だ、ユリウスさま…。
もう、もう。
…と、とまら、ない……苦しい…。
[笑いをこらえようとして、こらえ切れず、口を押さえて笑っている。
初めて「お腹の底から」の笑いかもしれなかった。しばらく笑ってやっと落ち着くと。]
ユリウスさま…。
「その」ユリウスさまを見たのは、たったの数日前でしたね…。
嬉しい、ユリウスさまはちゃんと、私を特別に扱ってくれているのですね。
[ユリウスを正面から見て、微笑んだ。]
……
…ぷっ、 ふふ…… ふ…
[自分でも、あざとすぎた。と感じた。その上に相手が笑いだせば、こちらも笑わざるを得ない。つられ笑いを起こして、笑いをかみ殺す。
こちらも落ち付いてから、セリナを見つめ返す。]
…
「その」?
… 特別さ。勿論、特別さ。
君が特別じゃなかったら、昨日……。
[ふと視線が僅かに上がる。昨日の接吻が脳裏に浮かび、僅かに紅くなる。]
そう、「正義の味方」のユリウスさま。
私の特別なユリウスさまは、意地悪なんです。
だから、コーヒーゼリーも一口だけで、他の人に食べられちゃう。
……。
[ユリウスが語尾を濁した理由は、その紅くなった頬を見れば分かる。
セリナも…いや、セリナは…そんなユリウスをじっと見て、やがて、ぽろぽろと大粒の涙を零し始めた。…嬉しそうに微笑んだまま。]
(更衣室に備え付けのシャワー室でシャワーを浴びてから寝巻きであるジャージ&Tシャツに着替えて)
・・・。
(回りで騒がれている男の話題を思い出して)
あー・・・あんまひとりになるなとか言われてたな。
日誌は部屋かどっかで書くか・・・
(急いで身支度をして更衣室から出て鍵を閉めた)
ふふ。
意地悪……か。
「このゼリーは、セリナ君が私に作ったのだ!
だから食われてたまるものか!!」
[拳を作り、叫ぶ。
姿勢を直す。表情を戻す。
涙をこぼし始めるセリナを見つめて。]
そんな幼稚な言葉じゃ、君への私の気持ちは伝えきれない。
だから、いっそ…隠しきっただけ、だと。
私の弱ささ。
[それ以上は言葉じゃ伝えきれない、だから、テーブルを回って歩み寄って、セリナの肩を両腕で抱いて耳元で、「ありがとう」と囁く。]
[耳元にかけられた言葉で、背筋がぞくりとわなないた。]
ユリウスさま…。
[幾筋もの涙の痕を頬につけて、それでも微笑みながら、頭をユリウスの方に向ける。
そして腕をユリウスの頭に回し引き寄せて…。
またもや、人目を気にせず…、口付けた。]
ん…。
[少し、長めに。]
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