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―――寮内の空き部屋のひとつ―――
「こんなところに呼び出すなんて」
そう言いながらカスミが部屋に入ってきたところで、先に室内にいたセリナは、入り口の扉にしっかりと鍵をかけた。
セリナの姿を見たカスミは一瞬驚いたものの、すぐにいつもの優しい笑顔で、カーミラのことをたずねてきた。
しかしセリナは黙ったまま近づくと、帯止めをぐいとひっぱり解く。
突然すぎて何をされたのか分からない様子のカスミはそのまま棒立ちで、その間にあっさりと帯やきものを外され襦袢姿にされてしまった。
セリナはあらかじめ着物の作りを記憶していたため、難なく進む。
その段階になって初めて、何が起こっているのかに気づいたらしい。
さすがにセリナが男だったという現実は、にわかには受け入れがたいことだったようで、カスミは最後の一枚を脱がされるまで、嘘でしょう?冗談でしょう?を繰り返していた。
そして激しい抵抗。
分かっていたので、眠らせようとして…忘れてしまっていた。
どうしてこんな肝心なところで、ミスをしてしまうのだろうか?
仕方なく、さっき脱がせた帯紐などを使い、両手を縛る。
猿轡をして……目隠しもした。
涙に塗れた、おびえながらもきつい視線。
それを隠すために。
後はもう、必死だった。
映像で見た「お手本」を元に、ひたすら、ただひたすら。
ただ相手は初めてではなかったのか、セリナの愛撫にしっかりと答えてくれた。
少し意外に思いながらも、助かったことには変わりないし、少しだけ心が軽くなった。
何度かの軽い絶頂を与えて体力を消耗させぐったりとしたところで、猿轡を解いてみた。
辺りにはえもいわれぬ空気が満ちて、セリナの思考を麻痺させる。
続いて手の拘束も外してしまう。
「あぁ…」
カスミの熱い吐息が、セリナの耳朶をくすぐる。
「お前はいまさら、男として、女を抱けるのか」
繰り返し父に言われて自信を失いかけていたものが、しっかりと形となって息づくのを感じる。
大丈夫、大丈夫…、お父さまの思惑通りには、なりません。
カスミの手が、セリナの背中に伸びてくる。
セリナは少し驚いたけれどそのまま好きにさせる。
すると、ぎゅっとしがみついてきた。
鼓動が高鳴る。
しかし。
「…カーミラ様ぁ…」
漏れた名前は、当然セリナのものではない。
瞬間、全身に激しい衝撃が走った。
分かってる、カスミの思い人はカーミラであり、セリナはただ横から手を出しているだけ。
でも、セリナの手で喜びを与えていると、そう勘違いしていた。
訳が分からなくなる。
これは何?嫉妬?だって私は、カスミさまを特別な意味で好きなわけではないのに。
分からない、私はどうしたいの?
混乱する。
戸惑う。
そして、それはなぜか怒りの形を取って、目の前のカスミへと向かった。
「あっ、ああ、カーミラ様…!」
この行為は、いったい何なのだろう?
セリナは自問していた。
カスミとは繋がったまま。
しかしセリナの頭は妙に冷え切り、身体も熱はすっかり引いてる。
気持ちがいいという感覚もよく分からない。
何だか全てが茫洋としている。
でも、ちゃんと「やれてる」のは、男性の証明なのだろうか?
何かが違う気がしたけど、何が違うのかは、全く見当も付かなかった。
カスミはすっかり、セリナのことを「カーミラ」と思い込んでいるらしい。
いや、思い込もうとしているのか?
突如、扉が開かれた。
驚くよりも先に、あれ?鍵をかけたはずなのに…そんなことを考えてしまう。
でも睡眠薬を忘れたくらいだ、ここで起きるであろう出来事を前に、脳内での手順確認で精一杯だったのだろう。
あ、カーミラさまだ。
カスミさま、カーミラさまが来ました。
あんなに何度も何度も、お名前をお呼びでしたから、良かったですね…そんなことを呟いた…かもしれない。
よく覚えていない。
カーミラは、そこで何が起こっているのかさっぱり理解できない様子だった。
セリナは、背中に回されたカスミの手を解き、身を引き剥がす。
すると、
「ぁ、ああ…もっと……」
目隠しに涙の後をにじませながら、カスミはそんなうわ言をもらし…。
それで呪縛が解けたカーミラは、言葉にならない奇声を発しながらセリナに殴りかかってくる。
でもなぜかセリナには、それは滑稽なほどにスローモーションのように映った。
あっさりと組み敷くと、どうするかとぼんやりした頭で考える。
力は大して強くなかったはずなのに、何だか、違う人間になったみたいだ。
カーミラは何かを言ってるみたいだが、もう何を言っているのか言葉がよく分からなかったのは、セリナのほうの神経がどうにかなっていたからに違いない。
そうぼんやりしていると、目隠ししててもカーミラの存在を認めたのか、カスミがカーミラに近づき……。
今のセリナは、観覧者だった。
目の前の情景は、非常に扇情的で、数日前のセリナならば失神していたかもしれない。
でも、心は冷え切るばかり。
二人は互いの名を呼び合いながら、絡み合う。
ふっと、謎が解けた。
この二人は表向き距離を保ちながらも、実はこんな関係だったのか、と。
じゃあ私の存在は何なんだっけ…?
落ち着いているはずなのに、混乱してる。
私は何をしてたんだっけ…?
ああ、それなら分かる。
賭け、だ。
そうだ、ちゃんとやり遂げないとダメだ。
ちゃんと、ちゃんと、最後まで…。
目の前で揺れる一塊の二人に向かうと、セリナも塊の一部に溶け込んでいった。
[セリナは自室内で、ヴァイオリンを構えていた。
弾こうとしては指が止まる。何度もそんなことを繰り返しては弓を下ろす。]
……。
[心の動揺が、どうしても治まらない。]
[とうとう諦めると、ケースにしまった。]
…ユリウスさまのところへ、行こう…。
[部屋を出て、談話室へと向かう。恐らくは自室には居ないだろうから。
果たして談話室内には、ユリウスどころか誰も居なかった。]
…この時間に無人なんて、珍しい…。
[ぽつりと呟く。給湯室に入ると、冷蔵庫を開けた。
並んだふたつのコーヒーゼリーには、それぞれ作った人間の名前が付けてある。
片方には自分の名前、もう片方にはプルネラの名前。]
…プルネラさま、ご自分では召し上がらなかったのですね…。
[しかし、渡そうとしたであろう相手は、もうここにはいない。
このまま食べられることなく打ち棄てられてしまうのだろうか?セリナの心はちくりと痛んだ。]
[冷蔵庫の扉を閉める。
紅茶でも淹れようか、そう思うが、どうしていいか分からない。ティーセットは見つけても、紅茶自体が行方不明だ。]
……。
[諦めた。
手持ち無沙汰のまま談話室に戻って、一番隅のソファーに沈み込むと、そのまま目を瞑る。]
[...は、セリナの顔を見ると、微妙な表情を浮かべた]
あ…おばんどすぇ…その、ほ、ほんま昨日はごめんなさいやねん…。うち…たまに見境のうなってまうからな…。
[...話題が暗くなった、と思ったのかすぐに別の話にする]
ば、バイオリン上手やなぁ〜。難しい聞いたけど、どないして弾くん?あははは…。
[朝、君たちは見ただろう。
学校の昇降口の前、通る者すべてを噛み殺さんばかりの、修羅のような表情…
入口の傍で、腕を組んで、入る者出る者すべてを監視していたユリウスを。]
[夕方の見回りと、書類作業を終えた。
何の目的もなく、談話室の扉を開ける。
そこは少し前、数日前まで、たくさんの人に溢れていたが…]
……誰もいないのか?
[静かな談話室に声が響く。]
あ…ごきげんよう、ほのかさま…。
[ほのかの姿を見て、ついと俯く。ちょっとばつが悪いというか、恥ずかしいというか、…ユリウスとのキスを思い出すというか。]
いいえ、その、お気になさらないでください…。
バイオリンは…ええと、こんな感じで…。
[どう説明していいかわからず、構えを見せてみる。]
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