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[ミルクをもう一口飲み込んだところで、クレールにぐいと身体を引っ張られた。]
えぇ?あっあのっ?
[やはり突然の事態には弱い。軽く取り乱したところに、さらにクレールの言葉が追い討ちをかける。]
ゆり、ゆ、ゆりう……。お、とこ?
[混乱しつつも、しばし言葉を脳内で吟味して意味のある文に構成しなおすと。]
……ありえません。
たとえ、一瞬としても、考えるのも失礼です。
[クレールの問い自体を否定した。]
プルネセさまも、ご説明ありがとうございます…。
みんなが何と言おうと、私は、ユリウスさまを、信じます。
ユリウスさまは、女性です。…絶対です……。
[手にしたカップを、ぎゅっと握り締めた。]
…クレールさん…
[クレールのふらつく足取りを見て追いかけようかと立ち上がるが、1人で考える時間が必要なのかもしれないと思い直し、その背中を見送った。
椅子に座りなおすと、ラヴィニアに入れてもらった紅茶に口をつける。
熱かった紅茶はすっかり温くなってしまっているが、猫舌のプルネラには丁度良い温度だった。]
く、クレールさま…?
[ふらふらと出て行くクレールの後姿に、おろおろとした声で呼びかけてみる。何かまずいことを言ったのだろうか?]
強い…強くなんか、ありません…。
私、こんなに、怖がりだし、すぐにパニックになるし…。
クレールさまのほうがずっと、お強いと思います…。
[でも。
もし強く見えるのならば。それはユリウスのおかげ。ユリウスはきっと、自分を信じてくれている。だから自分も信じられる。]
今ならきっと、ユリウスさまが男性に襲われたとしても、返り討ちにできてしまいそう。
[想いだけで敵うなら、きっとできるに違いない。そう考えて、小さく笑った。]
>>168
説得や……票揃え。考えることが多くて難しそうですが、なんとか足を引っ張らないよう、がんばりますわ。
ご指導ありがとうございますわ。プルネラさまに相談に乗って頂けて、よかったですわ!
[言葉には心からの安堵が宿る。...は無駄な不安が除かれ、気が軽くなったのを感じていた。]
[クレールとセリナのやりとりを目にしながら、...はセリナの強さとまっすぐさを羨ましく感じていた。
この状況でも、迷わず信じられる人がいるのは、とても心強いことだろう。自分には――?
不安定な心ごと抱きしめるように、...はぎゅっと自分の手を握り締めた]
――すこしまえ――
[事件の顛末を聞くと、顔を青ざめさせる。
さらに多数決で追い出す者を決めると言われると、身をこわばらせた。
皆の様子を伺ったまま、動かない。
まるでじっと見ていないと、みんなが消えてしまうとでも思っているかのように。
何かを皆に言おうとしても、書いては消し、を繰り返す]
『どうしよう』
[その言葉だけは、メモ帳に何度も綴られた]
[クレールの後ろ姿を目で追った。
昨日会った時から感じていたが、なんだか…考えの読めない人だ。男性のことは良く分からないが、この先輩についても、あまりよく分からない。
(……けど、それだけで疑ったら、ちょっと失礼ですわよね?)
自分の未熟な考えには自身がない。疑念はあるが、迷いの方が未だ勝っていた。
紅茶の最後の一口を飲み干して、席を立つ]
もう夜も遅いですわね。ラヴィはそろそろお休みしますわ。
[談話室の入り口を開けて、くるりと振り返って一礼]
それでは、おやすみなさいませ。よい夢を。
[そのまま真っ直ぐ自室に戻り、ベッドに潜り込む。
いつもの肌になじんだシーツに触れても、今日は不思議と眠気が襲ってこない。
投票のことや、気になり始めたあの方のこと……
しばらくはざわついた気持ちをもてあましたまま、眠りにつけずにいた。**」
ラヴィニアさん、お休みなさい。
紅茶美味しかったわ。ありがとう。
力になれたのなら良かったわ。私でよかったらいつでも相談して頂戴ね。
[側に座っているセリナを見る。
気弱なセリナの強い言葉にプルネラは少し驚き、そして微笑む。
信じること、信じられること。
大切な人を大切に想う心の強さを感じていた。]
[ふと、思いついて]
『プルネラ。
投票に参加する人の名簿か何かはないの?
私はここの常連だけど、知らない人もいるかも知れないし。
その人のことも、ちゃんと知っておきたいな』
マレーネさん…
信じられる人を見つける。とても大切な事だわ。
[マレーネの言葉を見て、微笑んだ。
マレーネの書いた文字は、不安に歪んでいなかったからだ。]
投票に参加する人物の名簿ですわね。持って来ますわ。
[プルネラは談話室から出て、すぐに名簿を持って戻ってきた。]
投票…。
[カップを手の中で弄びながら、呟く。先ほどはクレールに啖呵を切ったようなものだが、ユリウスを信じることと騒ぎの収拾とは何の関係も無い。]
確信が無くても、絶対に、どなたかには入れないといけないのね…。
男性…。
[ふと、ミユキの姿が思い浮かんだ。が、すぐに脳内から消し去ろうと首を振る。放置しておくと違うビジョンに切り替わってしまうから。]
確かにミユキさまは…あんな感じ、ですけれど、わざわざ疑われるような言動を、隠れているはずの男性が、するかしら…?
[残り少なくなったミルクの表面に、漣を立てながら、思考の渦に落ち込んでゆく。]
[悩んでいる様子のセリナを見るが、プルネラは声をかけない。]
[男が学園内にいるという事態を招いてしまった私が口を挟むべきではありませんわ。皆さんそれぞれで、自分で考えていただく事が大事ですわね。]
[セリナから手元の名簿に視線を移し、自分の投票について考える。]
[私は…どうしたら良いのでしょう。
この事態を招いた私が誰かを疑うなんて、そんな事…して良いはずがありませんわ…]
[名簿をもらうとプルネラに会釈した後、さっと目を通し]
『ほのかちゃん、知らないの。
ミサナちゃんと同じ部活なのかな。
そうなら……あんなおいしいもの作る人、疑いたくないの』
[半ば本気でしたためた。
信じられるか、と言われると別になりそうではあったが]
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