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>ヒカリちゃん
…うん。
最初は、ちょっと、「なんでこんなことするんだろ?」って思ったんだけど。。
でも、ヒカリちゃんがなんであんなことしたんだろ、って思ったとき、きっと私が嫌いでしたんじゃないんだろうな…って思ったんだぁ。
[…と言うと思わず涙がこぼれる。]
ん…ごめん。ちょっと泣けてきた。
>>26
……そっか。
ミサナは、コペや桔梗に渡したくなかったから。
……ミサナは、優しいね。
[零れる涙を、人差し指でぬぐう]
>ミサナは、コペや桔梗に渡したくなかったから
[それを聞いたミサナは、自分が少しでもヒカリを疑ったことを恥ずかしく思い、泣いた。]
ふえええええぇーん…私、初めてがヒカリちゃんで本当に良かった。
ねぇ、またずっと一緒にいてくれるよね?
[上目遣いでヒカリを見上げ]
[時間だ。
談話室を出て、生徒会室へ。
そこは、放送よりも早く情報が得られる場所。
男は全員退寮された、という情報を求めて。]
[「行方不明者はいない」という知らせに、張り詰めていた表情を僅かに明るくした。
そして、生徒会室を、校舎を飛び出す。
また会おうと約束した者を探すために。]
[「セ」という言葉が出かけたときに、ラヴィニアから知らせを。
目を見開いて、踵を返す。
余りの焦りに、礼をも言わぬまま。]
───……セリナぁッ!!!
[蹴り開け、いや古くなっていた為か、抜けた旧校舎の扉。
迷わず足を踏み入れ、下手すれば敷地全体に響きそうな咆哮を。
辺りを、見回した。]
[ぼんやりしていた耳に、あの靴音が乱れ響く。]
……ユリウス、さま…?
[続く声。自分の名を呼ぶ、悲鳴にも似た声。]
ユリウスさまぁ……!
[なりふり構わず駆け出す。地下室から階段を駆け上り、声の導くほうへ。]
[旧校舎へ踏み入れば、鋭い靴音が、静かな旧校舎の中に響き渡る。
痛んだ廊下を踏み散らし、
ただ一人、左右に視線を忙しく動かしながら、
駆ける。 叫びは二度。]
[ふと、自分の叫びに混じって聞こえた"かの声"。
敏感になった神経は、その声の方向を読みとる。
迷わず其方へと足先を変えて、ひたすら走れば──]
セリナ。
[見えた。
目の前にいるのは、確かなその人。
足の動きを、徐々にゆっくりと、歩みへ変えて。]
>>28
ミサナ……。
[涙を流すミサナをぎゅーっと抱きしめた]
……でも、その約束は、できないかも。
わたし、いや。
ボクは男の子なんだよ?しかも……犯罪者、だ。
[アヤメはふらりと旧校舎の方へ行った。中等部の頃体育館をあまり使わせてもらえなかったのでここにゴールをしつらえてよくひとりで練習していたのだった]
……。
[もう一度、聞こえた。自分を呼ぶ確かな声…。]
ゆ、ユリウスさま…。
[走る、走る。なのにユリウスの姿が離れていくようにも見える。
ユリウスが歩を緩めるのとは逆に、セリナはひたすら走り……。]
あっ!?
[ささくれた床の隙間に足を取られ、ユリウスに手が届くほんの直前で、倒れこみかける。]
……会えた。
間違い、ないな…?
君は……、セリナだよな…?
また会おうって、約束した……。
[先ほどの咆哮とは、一転。
口から自然に零れて出てるような小さな声で。
遠くから、駆けてくるセリナを見つめて。]
……ッ!!
[倒れ込みかけたセリナを、咄嗟に出した両手で、掬いあげるように助ける。
そのまま、膝を曲げて、片膝を床に立てる。
まるで数年会っていなかったような、懐かしく感じる顔を見上げる。
その瞳に浮かんだ雫に、窓から差し込む光が反射していた。]
セリナです…セリナです……!
[涙声になる。
倒れかけた身体を支えるその腕から伝わる、じんわりとした温もり。間違いない。]
ユリウスさま、ユリウスさま…。
[ユリウスと向き合うようにして両ひざを突き、見上げる。
その瞳に浮かぶ珠に、自分が映り込んでいる…。]
嬉しい…また、会えました…。
[微笑んで少し背伸びをすると、ユリウスの目元に口付けて雫を舌で舐め取った。]
嗚呼、本当に……
[掠れた声。
支えている腕から伝わる、じんわりとした温もり。
その鼻を擽る柔らかな花の香り。
間違いない。]
…会えない筈がなかった。
私は、君との約束を一度破ったから。
もう破らない。絶対に、だ。
[あの時の。
──「お願いします、耐えてください。」
──…「約束を破る人は、嫌いです。」
その言葉を思い出しながら。囁いた。]
[舐め取られ。
微笑で返した。
もう涙は浮かべない。]
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