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…そう。
残念だわ。
[一瞬悲しそうな顔をして目をそらし、しかし強い視線でセリナを見つめ直す。]
貴女は、嘘付きなのね。
本当の保健委員は、ジェルトルーデさんだもの。
そして、今は私が。代理を頼まれている保健委員。
何で…セリナさん…貴女が男だなんて…
(自分の言ったことと先ほどのキスに今更照れてほのかに背を向けて)
っととと、
・・・?
(ふと、セリナとプルネラのただならぬ雰囲気に気づいて)
え?えぇ?え?
[何が起きたのか、分からない。
ただひとつ決まっているのは……。]
ぷ、プルネラさまが、男性……。
[がくん、と。身体が崩れた。椅子の背もたれに寄りかかるように倒れたのは、運が良かった。]
そ、そんな、そんな…。
だって、ゼリー、一緒に作ったじゃないですか…。
お互いに幸せになれるようにって…。
[しかし、はっと気づく。先ほどプルネラは、ゼリーのことなど気にしてなかった。つまり、最初から渡すつもりなんて、なかったんだ…。]
プルネラさま、あなたという人は…何ということを…!
いくらカスミさまが振り向いてくれないからって、無理矢理…!!!
[セリナは、余りのことに再び涙を零す。]
ふむ・・・
(事態を認識したらしく)
保健委員が2人ね・・・
でも、さ。
保健委員って1人とは限らないんじゃない?
それに、もしかしたら大切な人を守りたいから嘘ついてるだけで、男とは限らないよっ
ねっ・・・
(アヤメは何とか場を収めようとあれこれ言いだしたが、雰囲気がそんな空気ではないことに気づいて再び黙った)
[...プルネラの声を聞き、もはや冗談で保健委員と言っているのでは無いと気が付いた。]
保健委員さんが2人だなんて。。。プルネラさんかセリナさんのどちらかが嘘をついているの_
そして、どちらか一人は男なの?
[...自問自答しつつ、今日親友のカスミがいなくなったこと、保健委員が二人も現れたことに再び不安になってきた。]
…私がカスミさんを襲ったと言いたいの…?
[セリナの涙ながらの演技。
彼女が女性だったら迷わず駆け寄っただろう。
しかし、男だとわかった今は、全く動こうとは思えない。]
何故そんな事をする必要が?
私、カスミさんとカーミラさんの仲を応援していましたのよ。
…それに。元からそのようなつもりでしたら、最初から迷わず自分でゼリーを食べますわ。
[カスミのことを思い出し、僅かに表情を曇らせた]
…プルネラさまは、欲しいけれど手に入りそうにないものを見つけたとき、どうしますか?
勇気を出して、やっぱり欲しいと、是が非でも欲しいと、なりふり構わずに求めますか?
私は…プルネラさまは、自分を偽って、我慢して、理論武装して、「こうしたほうがいい」と結論して、最初から手を出さない。
そういう人ではないかと、思っています。
…多分、カスミさまが言っていたこと…ちらりとしか聞いてませんが、そういうことだと思います。
それにゼリーは、ご自分でお食べになるつもりだったのでしょう?
私が止めたから、思いとどまった。
それだけのことです…。
[上級生に対して言ってよい事ではなかったかもしれない。
でも、偽らざる本音は、隠しておけない。]
カスミさん。。。
[...はカスミの名前を言いつつセリナとプルネラが激しく言い合っているのを呆然と聞いていた。そして、いなくなった親友のカスミのことを想像し不安に怯え、逃げるように談話室を後にした。]
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