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[ため息をつくと、テーブルを見やる。
昨晩セリナとユリウスが談笑していたその場所は、ひどく寂しく見えた。
しばらく見つめた後そっと立ち上がると、いずれは戻ってくるであろう彼女のために、温かいコーヒーを準備しに行った*]
[触れて謝る相手に、別に引き離そうとする様子も無かった。]
何故、謝るんだ。
今まで平気、だった、のに。
[聞こえるか聞こえないか、くらいの、小さな声で。]
[黙って、その話を聞いていた。
ただ黙って聞いていて、
聞き終えた頃には初めて、目から一筋の涙をこぼした。]
君は。
今日の投票で、退寮になる。
……そう、されてから、
[一拍置く。]
過去を消せ。
過去を消して生きろ。
『正常なもの』として……
[そう、言って、]
そして私の事を忘れろ。
絶対に思い出してはいけない。
この事件まで、思い出すから。
なぜって…なぜって!
私は、男です!今までは、ユリウスさまは女同士として、私を見てらしたはずです。
でも私は、男なのです。男、なのです。
身体の中には、欲望で一杯なのです。
ユリウスさまに触れたい。
ユリウスさまを抱きしめたい。
ユリウスさまを抱きしめて、そして、全部を自分のものにしたい。
そんな、そんな人間が…私なのです……。
[叫ぶようにして、ユリウスに言い募った。]
しかも、そのために、犠牲を出しました…。
……ユリウスさま、それは、罰ですか?
ユリウスさまを忘れることは、私に下される罰ですか?
私はユリウスさまを忘れたら、踏みにじった人の心を忘れたら、正常なものとしては生きてはいけません。
残るのは、異形と化した、欲望の塊だけです…。
[きつく唇を噛み、ユリウスをしっかりと見つめた。]
[静かに涙を流しながら、声を高くするセリナの言葉を聞いていた。
圧倒されていたわけではない。
ただその胸に、締め付けられる思いを感じていた。]
… …。
[思いとともに、何か言おうとした。その言葉は口の先まで出たが、しかし躊躇って、口から出すことは保留された。]
罰なんかじゃない。
ただ、セリナ、お前は……
この事件の記憶を持ちながら、その後、一人の『男』として…
一人の『女』を真心から愛せるのか?…
……セリナさん……。そんな事があったなんて。
[ 自分のこれまでのことを思い返す。
確かにセリナは男として今まで女の子を弄んできた。それは許せない事ではあるが……どこかセリナに対して近い所があるように感じられたのだ。 ]
私も、と言ってはセリナさんに失礼でしょうか。父はどうしても男の子が欲しい、と言ってはばからず、女であるにも関わらず私に男の名前をつけて、半分は男として育ってきました。
私とセリナさんの立場が逆であれば……よかったかもしれませんね。神様も本当に、意地悪な事をしてくれるものです。
/*
こんばんは。全く希望していない真保健委員になったプルネラですわ。
キャラ的に一番面白検査ができない私がなるなんて、皆さんに申し訳ないですわ。
赤も大変でしょうけれど、私も相当大変でしたわよ。赤ツンデレを希望していましたのに保健委員でははっちゃけられないし。
委員の仕事二つになってよりズンドコ真っ黒真っ逆さまで補正効きませんし。
何より私が男なら、唯一絡めるセリナさんに対抗しませんわよ!
*/
/*
プルネラお疲れー。
あら、誰も保健委員希望いなかったんだ。
あたし一瞬希望してから撤回したんだけど、あのままだったらあたしが測定担当だったのかー。
風紀委員との兼任は大変だったろうねぇ。とりあえず、測定記録楽しみにしてるよ。
*/
…ただひたすらに愛することだけならできます。
分からなかったたくさんのこと…今回、大きな犠牲を払って、私はやっと分かったのです。
でも、恋愛とは、互いに向き合ってこそ…。
それは、こんな私に向き合い、同じものを背負わせることです。
[軽く俯いて、言葉を切る。心を落ち着ける時間をしばしとって。]
…ユリウスさま。
昨日は、私との約束を破りましたね…?
絶対に私を守ってはだめだと、あんなに強くお願いしたのに。
私は、約束を破る人は、嫌いです。
[微笑みながら、ユリウスに、そう告げた。]
/*
パソ壊れてコアがあんな時間しかとれないし!何より孤独がきつかったですわ…
…信頼関係をゼロにされた時のあのぽつーんってかんじ…!
もう思い出しただけでうわああああん!
*/
………そうか。
[『彼』の言葉を聞き終えた。
何も言葉が思い浮かばなかった。
ただそれだけ呟いてから。]
[「君が私を嫌うはずがないから、」………
………]
[踵を返した。
『彼』へ背を向けて、立ち止まって言う。]
今晩、一人で、私の部屋へ来い。
ほのかに投票したやつは誰だ!?
ほのかを追いだしたやつは誰だ!?
ほのか・・・
ほのか・・・
うう・・・ちっくしょう・・・
(ほのかの退寮のショックで壁や備品にあたりながら喚いている)
あっ、あの…?
ユリウスさま…?
[ユリウスの反応が、分からない。いったい何を考えているのか。
怒鳴られて、殴られて、罵倒されて、嫌われて、軽蔑されて…そしてここから去っていく。そうなるはずではなかったのか…?]
……今、ここでできるお話では、ないのですか…?
[意図を量りかねて、たずねた。]
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