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か、かわい…?
[セリナの呟きを、抜け目なく耳にした。驚きの表情で、目を見開いて。
「可愛い」なんて言葉、高校になってから…いや既に、中学の頃から聞かなかったかもしれない。
懐かしい言葉に、らしからぬ動揺を見せて慌てた。
いやいや。なんて言いながら、首を横に振ったり。]
どこ…うーん、まずは寝るところを確保して……嗚呼。
[先ずは服、という言葉に、やっと我に帰ったように思い出す。
ホックを外され、今や肩から垂れ下がっているブラジャーさえも、汗でべとべとして気持ち悪い。
それをつけ直しながら、セリナが回収した、外された下着を受け取る。これはな、と触れて苦笑い。]
二人とも、外へ出るのは叶わんとなれば……
……何とかして、セリナの服を私が着れぬものか。
[なんて言って、セリナへ視線をやったり。大分きついことになりそうだが…]
[動揺のまなこでこちらを見るユリウス。可愛い。
セリナは、ふふ、と笑うと、胸にかき抱くようにしてユリウスの頭を引き寄せ髪を撫でた。
しかしそうしながらも不安はないわけではない。
まず、お金がない。この年齢では、働く場所もない。たぶんきっと、ユリウスに全て頼ることになってしまうのだろう。
髪を撫でながら、気づかれないようにしばし目を閉じて…。少なくとも、ユリウスに不安を与えないように、精神的に自分がしっかりせねば。]
わ、私の服、ですか…?
[手にしたものをちらと見る。寮内の私服のまま来てしまったので、女物ではある。
しかし……ミニの薄ピンクのフレアキュロットと、前たてにフリルとレースの付いた白いブラウス。]
……サイズはともかく…き、着ます、か?
[戸惑いを隠せないまま、聞いてみた。]
…………。
[むう…、と、不服、不満、どっちの言葉にもつかないようなモヤッとした、気恥ずかしい気持ちを抱えながら唸る。
そうした眉を顰めた表情のまま、セリナの胸に頭を撫でられ、やめんか、などと照れ隠し。
勿論こちらにも、不安が無い筈がない。
手持ちの金を使って簡易な寝床を確保したとしても、食費他諸々に押しつぶされるのは目に見えている。セリナは中一だ。学校にも行かねばならぬ。
どうしてでも働く。セリナに過度な不安を与えない為にも、覚悟は出来ていた。
……お互い、そういう気持ちを口に出さずとも持っていた。]
[セリナの胸元から離れ、セリナが持つ服を見る。
なるほど女物であるから──明らかに私に似合わないのはさておき──不審ではなかった。しかしどう見ても、サイズが小さい。しかし。]
…うむ。
それしか手段は……な。
[不安な面持ちながら。]
[互いに生活に不自由なく来た身であり、苦労など知るはずもない。おままごとのような生活がどれほど続くのか。ただ、このいとおしい温もりを手放したくないだけ。]
…わ、わかりました…。
[付け胸があった分、ブラウスのサイズは大きめだ。無理して入らない事もない。
しかしキュロットは…ユリウスの身長だと、かなりのミニだ。
それでも、汚れてしわくちゃになったスカートをパンティ無しで穿くよりはマシなのかもしれない。
ユリウスに手渡すと、何となく後ろを向いて、着替えが終わるのを待った。]
[どのくらいの時間そうしていただろう。
首に絡ませた腕を解いて顔を離すと、つぅと唾液が糸を引く。
気がつくと、両の目からは涙がこぼれていた。
半ば放心した様子のマレーネに向かって言う。]
マレーネさんが…好きです。
私にはそんな資格なんてない。
でも…それでも……!
離れたくない…傍にいたい。
あなたのことを…愛しています。
[独りよがりな言葉。
学園を、マレーネの下を、去ろうと決めたはずなのに。
マレーネを前にして溢れ出した感情は、言葉は、抑えることができなかった。]
[服を受け取って、自分の前に広げて改めてサイズを見てみる。ただし、見るたびに唸り声が漏れる。
サイズの問題もそうだが、こういった衣服が一見しても、明らかにその人に似合わないのも心苦しい。]
仕方がないな。
…… 別に、後ろを向かなくてもいいのに。
[つい、にや、と笑う。 先ほどまでお互い裸だった関係。今更着替えを隠してどうだろうか。
制服のシャツを脱ぎ捨てて、ブラウスを着てみる。なるほど確かに、少し大きめだが…それでもまだ、小さい。肩から腕にかけてがきつい。
破れるのでは、と危惧しながらも何とか腕を通す。前のボタンをかける。ぎゅうぎゅう胸が押し込められる。
やっと着れた。 …………が、何より、当然だが丈が短い。殆ど臍出しに近いような状態に。]
…………。
[既にやめたい気分に陥りながらも、着ざるを得ない。
キュロットに半ば無理やり尻を詰め込む。 ……短い。短すぎる。]
…… いいぞ。
[正直言って、見せたくない姿。俯きながらも、小さく告げる。]
/*
勇気を出して>>213の続きを投下します。
>>-1053
……ロリコンはいつも短期でやってるってまた初めて同村した人に誤解されそうな事を……。Mで変態だなんて、ただでさえ下手なのにそれだったらもう色々な意味で終わってます。
[「後ろを向かなくても」などと言われても、何となくこういうものは気分の問題というか…。]
その、だって、何と言うか…。
[もごもごもご。いいぞと言われてそっと振り返ってみて…。]
え、と。
[言葉がとまってしまった。どういうべきなのだろうか…。
何だろうこの罪悪感。
ただしデザインや色さえ考えなければ、かなりのセクシーな姿でもある。]
ユリウスさま、おへそが見えてます…。脚も……。
見えすぎます…。
[赤くなって俯いた。]
………… …………。
[無言だった。「いいぞ」という一言に、これほど後悔したことがあっただろうか。
いつも堂々と、腕を僅かに挙げて立つ癖がある。
しかし、余りにもきつすぎて、上げればこのブラウスは肩からいとも容易く裂けるだろう。
それを考慮した結果、まるで気の小さな子のように、腰に肘をつけた身の小さく見えるポーズ。]
……
[言われなくても、明らかな自分の異常さは痛いくらい分かっている。
段々と顔を赤くしていって。]
ど……
どうしろというのだ……!!
[悲痛な声を上げ。最早泣きそうな心境。]
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