数年に一度開かれる「Big Fire」の大会、「The Golden Bough」。
会場は熱気に賑わい、様々な人種達で混み合っていた。
まだ受付を済ませていない者、飛び込み参加者へのアナウンスが流れる。
「前回王者のゴードンさーん!早く本部に来て受付済ませて下さいー!」
辺りは笑い声に包まれた。
マッドサイエンティスト フィオナ が参加しました。
ふふ。
楽しい毎日になりそうね。
[黒のシャツに黒のミニスカート。足元も黒の二ーソックスと、一見すると観客と見間違えるようなカジュアルな服装。しかし、一部の参加者や航空マニアならば知っていた。彼女こそ――]
•ENTRY NAME
【恐怖の厨二病Dr.フィオナ】
•メーカー名
【GOTHIC LOLITA PROPAGANDA】
•搭乗機体(BigFire Name)
【Wahrheit】
流線形のフォルムに、外装を黒のレース・十字架・髑髏と言ったゴシックな感じのアイテムで飾り立てている。
•装備(BigFire Arm)
【last moment】
彼女のイメージした通りのエネルギー弾を射出する。
その際にエネルギー弾は十字架や蝶といった形を取るが。実弾では無い為に、形によって弾速が変わると言うような事は無い。
【Schwarzer Sarg】
機体からビームを噴出させ、傍目からは翼が生えているかのような様子となる。その翼は真横まで敵機が接近してくれば切り裂く事も出来るものの。どちらかと言うと、被弾対策の防御手段と言った向きが強い。
【Distorted Pain】
ビットを射出して、そのビットにも上記装備は実装されている。主にビットとの十字砲火等。自身の意思で操れる特性を生かしての攻撃補助を行ってくる。
•経歴
大学院にて機械工学の博士号を取得しており、搭乗者のイメージ通りに機体が動くシステムを開発した。彼女自身が、テスト飛行でインメルマン・ターン等の高度な空中戦を披露した。その後、『厨二病が世界を救う』と題した論文を発表。空中戦をイメージさえできれば戦える以上は「ぼくがかんがえたさいきょうの戦闘機」のイメージを持てる連中に戦わせれば良いと世間に訴えた。
一方で、反応速度などの問題は薬物で補佐すればどうとでもなると記者会見の質疑応答で言い放ち。某掲示板などで「あいつが一番病人だ」と言われた事から世間からは妙な二つ名で呼ばれる事となった。
そして彼女は、自身の理想を実現すべくシステム開発の特許で取得した資金をつぎ込んでメーカーを設立。CEO兼技術主任兼テストパイロットとして参戦してきた。
グレン が見物しに来ました。
―― ステーション前/地上 ――
[眩い太陽。
鮮やかな青の空。
白く浮かぶ月。
男が見つめる先は、大会会場。
その上空には、幾筋もの色鮮やかなBigFireの軌跡が見える。]
そろそろ迎えが来る頃だな。
[呟いた時だった。]
「―――ごめん!お待たせ―――!!!」
[ ヒュゴゥ ]
[遠くから聞こえる声。低空を飛び勢いよく迫る黒い機体。大会エンブレムとスタッフの文字が金色で刻み込まれている。
直ぐ傍を通り過ぎた人々の服が捲り上がる。
バイク型の小型BigFireが、グレンの丁度目の前でスピンターンして止まる。動力源である、核《コア》は真っ赤な色をして、機体後部から半ば丸見えだった。]
「早く乗って乗って!早く会場に戻らなきゃ!人手足りてないの!」
[大会スタッフの女性は、有無を言わせない動きで、腕をとり、グレンを座席後部に乗り込ませる。]
[しかし突如、女性はハッと顔を顰める。ステーション入口付近に点っていたランプと表示がその原因だ。]
「あーもう!もう次の天の川銀河便が来ようとしてるー!」
ははっ、話通りのようだな。
さっき来たばかりだ。さっさと行こう!
[グレンが跨るか跨らないかないかのうちに、大会スタッフの女性――コリーンは、銀髪の髪を振り乱し、薔薇色の瞳を見開くと、おおよそ女性が扱うには無骨過ぎる機体を振り回し、大会会場へUターンした。
車輪がある訳ではなく、車輪に似た円形の楕円球が二つ付いているだけで、浮いている。]
「はい、これ腕章ね。
通信も兼ねてるから外さないように。
あとこれ。スタッフになるんだから書いておいてね。」
[グレンは、腕章をつけると、言われた通りに空中に開いた電子ウィンドウに書き込みを始めた。
余談だが、実は進行方向と反対向きに座っている。
が、暴走しているとも言える機体に動じている様子はないようだ。]
グレン は肩書きと名前を 大会スタッフ グレン に変更しました。
【――Name】 グレン
【――Data1】
30代前。地球出身の人間男性。日に焼けた肌に、紫色の瞳。
計11個の星がついた帽子がトレードマーク。
カーゴパンツ+ポーチを沢山下げている。物騒なものから修理器具に携帯食料まで色々持っているかもしれない。
【――Data2】
宇宙連邦 局所銀河群支部 (区分:天の川銀河) の某部署に所属していたが本人の希望で近年地球の自然関係の技官・保護官とし働いていた。だが、任務の為に帰還命令が出ており、大会後に地球から離れる事が決定している。
大会には、知人の手伝いで関わる事に……。
【――その他(PLより)】
極親しい人は、紅蓮と呼ぶ。
恋人や結婚相手や子供などの縁故が欲しいです、先生。
BigFireは自分専用機を持っているが、ココには勿論持ち込んでいない。任務で苦楽を共にしている相棒が持っている。
修理もするし、軽症なら怪我も治しに行くし事件が起これば即座に向かう。迷子の親探し、落し物収集、それに説明、と何でもします。
家出娘 エミリー が見物しに来ました。
―― ステーション・プラットフォーム ――
―― ぷはっ
[押しつぶされそうな人の波。
爽快な空の祭りを直接この目で捉えんとする人の群れ]
[ホームに止まったリニアから勢いよく吐き出されたそんな群れの中。まるで鞠のようにまろびでる小さな人影1つ]
……何よ。最悪。
[人いきれと混雑に、真っ赤になった頬を小さく膨らませて吐き捨てた。視線の先には、犬の顔した異星人]
くっさい。これだから宇宙人はキライなの。
[ぷんすか怒ってその背中を睨みつけ、反対側へと歩き出す]
[両手にしっかり抱えるは、本来負うべきデイバッグ。
誰にも盗られないよう、悪漢に攫われないよう、周囲は皆敵、なんてかっこで肩いからせて、胸張って、とげとげした空気振りまきながら荷物受け取り所に向かって歩いてく]
宇宙人なんて、全員自分の星に帰ればいいんだ。
―― 宇宙人と結婚するなんて、ママはイカレてる。
でも、こんなビームチャンバラなんかにイレアゲて、ママに捨てられちゃうパパはもっとバカ。
[通路一面に広がる巨大な窓。澄んだ青空が写る。
陽光がキラリ光って、目を細めた。
足は止めない。人並みの中転びそうになるから。
でも、そこに浮かぶ大小の機体を目に留め、ぐっと唇引き結んだ]
[知ってるよ。
ママよりも、パパよりも、はるか上いく一番の大馬鹿者は、とっさにこんなところまで来た私なんだって]
………すご。
[大迫力のショー。たなびく色とりどりの飛行機雲。
観客を歓迎するようなビームの虹。
周囲の大歓声ほどではないけれど、思わず口が小さく開いていた]
[知らず、首から提げているIDカードが揺れる**]
◆NAME:Emily Inglis(エミリー・イングリス)
◆AGE:12
◆SEX:F
◆ADDRESS:secret
◆DATE:secret