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〔業火に焼かれた男は、相手の問いへ緩く首を傾ける。〕
――…芹菜。ボクはね…こわがりだけれど、
ここにいるみんなのことがずっと好きだよ。
…きらいじゃない、でなく…すき。
好き過ぎてこわいってヤツさ…アハハ。
〔生前の出来事を思い出すように…淡い霧のかかった空を一度見上げる。…もう誰も…ひとりじゃない。〕
〔望みの持ち主達を窺うように、耳を澄ませる。〕
だからヒューバートさんはここにいるんだろうね、それじゃ。
……すてらさんとナサニエルさんとあたし、三人だけじゃ寂しいって思ってたけど、
そうでもないって事なんだよね。
〔銀髪の青年が姿を見せると、深い目礼を馳せ…片手を伸べて招き入れる。掻い摘んでだが、芹菜へ彼との経緯を話して紹介し〕
〔続いて語られる言葉には、顎鬚を尖らせるように撫でて…安心させるように笑む〕
…そうだよ。誰にも寂しくなってほしくない…
欲張りすぎるから、それぞれがそれぞれの形で
しあわせになるのが…ボクのしあわせ。
…誰が何を諦めたかなんてね、…芹菜。
終わってみないとわからないものさ。
だからボクは…あれこれ思い詰めてしまったんだけれど。
欲張るタイミングは、難しいや。
〔相手の瞳を覗き込む。細く笑む眼差し〕
ウルズもコーネリアスも、それは同じ。
…疲れさせちまったろうなァ…
〔ごめんよ…と未だ名づけぬ青年へと眉を顰める。〕
…久しぶり、というべきだろうか?
[見つめる眼鏡の奥の視線を受け止めて、穏やかに笑む。]
君には…感謝してもしきれないな。
…君たちには、というべき?
…そうか。良い仲間と共に在るのはいいね。
補い合える相方たちを大切にしてあげると良い。
[見守る瞳には、羨望の色も含まれていたかも知れず。
ゆっくりと立ち上がり、背をかがめて芹菜を見下ろす。]
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