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何となく感じる矛盾、ねぇ…。
1か0。全てを望むか、全てを拒むか。そう言う話よ?StiweardShip。
中途半端は嫌いなの…。だから中途半端な優しさなんて…欲しく無いの。
少しは判ってくださったかしら?
[死の足音を背筋に感じながら、天使は蝶のように美しく妖しく微笑む――]
─回想・B2F"Red"floor─
「……君は…私に"恋"をしている…? …」
[女の声が耳に触れるが、虚無の眼差しは揺るがない。
闇黒の瞳を一度だけ、ゆると瞬かせて、次の瞬間、]
[肉眼はおろか電子機器の「眼」さえも眩ませて、影の男の姿は忽然と消えた。]
[その後、取り残された女の向かった先は。]
─?? 階段の踊り場─
[──そして今、影の男は階段を上っていく。一段一段しっかりと踏みしめるように。
その足取りは……常の彼を知る者から見たならば、どこか重く、疲れているようにさえ見えたかも知れない。]
解らなくはないけれどね…
だけど僕が見たいのは色であって、形ではない。
…貴女とWidowedGentlemanは本当に好みだったんだよ…?
持つ獲物もだけど、影が彼の方ととてもよく似ていて。
だから貴女が赤く染まる様子をもっと見ていたいと思う。
同時に貴女の手で僕を赤く染め上げて欲しい。
その瞬間だけ、僕はMasterに会えることができるから…
[恍惚の表情で吐露し、ローズの眼前で歩みを止めると蒼の瞳にその姿を映しこみ。向けられる銃口に目を細めると此方も向けるのは小型の同じもの…迷わず狙いを鼓動を打つ場所へ向け]
その獲物は好みじゃないな…。
生温い優しさなんて分け与えるような仲ではないだろう?
ExaltedAngel…貴女の姿勢は僕は嫌いではないけれど…
けれども貴女は囚われすぎた…、誘惑に。
僕は貴女を奪わない…そんな情けは掛ける義理がない。
…貴女が本当に望むものは何…?
─?? 階段の踊り場─
[踊り場で足を止め、大儀そうに段の上に座り込む。
腿に乗せた黒手袋の手は軽く指を組んで、半眼に開いた闇黒の瞳を足下の床に落とす。]
[瞳に湛えるのは虚無。
熱のない、いろもない、一片の光も含まない虚無。]
[意識をそちらに振り向ければ、その空間には何体かの「亡霊」が揺蕩っているのがわかる。
だが、彼はそれらの死霊には興味はない。]
色であって、形では無いの?
貴方とは…何処か似ていて全く違う物を求めているみたいね?
でも勘違いしないで?わたしが血を求めるのは、ただ単に不浄の空を浄化させるかのように舞う鮮赤なの。
貴方のように、他の誰かで自らの夢を見るようなことはしないわ?
それに…。
第一、貴方の言い分だと、わたしもWidowedGentlemanも、貴方の主の幻影を見るための道具でしかないじゃぁない?
わたし達は貴方の夢を見るための映写機じゃないの。子供の夢は枕に強請りなさいな…。
[うっとりと目を細めたまま突きつけられた、青年の鋼に、女は震顫のまま彼の手を取り――]
生温かい優しさ…確かにそうね。貴方の言う通りだわ…。
誘惑に――あははっ!そうかしら?でも人は酔いしれるから美しい。少なくても私はそう思うの?
そう、貴方はわたしを奪えない。何度言わせたら解るのかしらね…?湖に映りし美しい少年?
義理や情なんて、わたし達には初めから持ち合わせては居ないでしょう?
[自らの生を刻む鼓動へと、真っ直ぐにその鋼事導き――]
わたしが本当に望むもの?
それはねぇ…。自由かしら?
生からも死からも、愛や恋、悲しみ怒り、憎しみ、喜び…全ての情から一刻も早く解放される…自由。
Odi et amo. quare id faciam, fortasse requiris.
nescio, sed fieri sentio et excrucior.
[詩を口ずさめども、彼には憎しみも……愛も分からない。]
[どれ程の間そうしていただろうか。]
[やがて彼は立ち上がり、また歩き出す。
*彼のなすべきことをなす為に。*]
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