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[すてらの言葉を聞いて]
わかったんだな。誰を運べばいいんだな?
[とりあえず命令を与えられたことだしそれに従うことにしよう。青い髪の女の引き込むという言葉の意味はよく分からなかったが]
助かる。
[ミッキーの言葉にこくりと頷き]
うるずと名を決めた、銀髪の青年じゃ。
まずは引越し先を捜し当てねばならぬが…
まぁ、すぐに見つかるじゃろう。
[シャーロットに溜息をつかれると不思議そうに見遣り]
褒められている気分にならぬのが不思議よのぅ…
さて、集会場を見つけて移動しよう。
先を急ぐぞ。
[すたすたと歩き始めるが向かうのは先程通って来た道]
[助かる、といわれて一瞬なんのことか分からなかったがどうやら礼をいわれたらしい。今まで命令されることはあっても礼をいわれることはなかった気がする]
とりあえずついていくんだな。
[そう言って歩き始めた二人について道を歩き始めた]
む、冗談じゃ。
[シャーロットの声に慌てて踵を返し、そ知らぬ様子で指差された場所へと歩み出す]
そうじゃ、はぐらかされたままであった。
何故砥石を探しておるのじゃ?しゃあろっとよ。
[幾分伺う視線ですてらを見るが続く質問に表情を引き締め]
染み付いた習性はなかなか抜けないと言うことだ。
いくら意味が無い様に見えても、何かが欠けているというのは落ち着かなくてな。
[腰の隠しを意識しながら、やはり言葉を濁す]
……不要なことなのかもしれないが……。
[二人の会話から察するにもうひとりはしゃあろっとという名前らしい。砥石・・・刃物を研ぐのに使う石。何故そういうものを探しているのだろうか]
[なんとなく察したのかそれ以上は追求せず]
今までの当然を捨てることは容易なことではない。
捨てる必要もなかろう…また違う形で活かせば良い。
…おお、何か大きなものが見えてきた。
あれではないか?
[歩みを進めると徐々に姿を現す大きな洋館、シャーロットとミッキーに指差して見せ]
…幾分変わった型の屋敷じゃ。
しかしみっきいの様に頑丈そうでもあるな…
のぅ、あの囲いでも刃が研げそうな位じゃ。
どうじゃ、此方へ皆で身を寄せるのはやはり躊躇いがあるか?
嫌ならば無理にとは言わぬ、各々好きに過ごせばよいのだから。
[振り返り、シャーロットへ言葉を掛ける]
[連れられていった先にあった洋館は見たこともないほど大きいものだった。ここにしばらくいれば命令には事欠かないだろうか]
この中にいるのかなんだな?
[そうすてらに尋ね、*彼女の命令を待っている*]
さすがに囲いでは砥げないと思うが……。
ずいぶんと立派なつくりだ。どこぞのお大尽の屋敷だったのかも知れないな。
人と共にあると言うのはやはり慣れない。
申し訳ないことだが。
[小さく笑みを浮かべ、すてらを振り返る]
……では、"引越し"をはじめるか?
私は探し物を再開するが。
[尋ねつつ屋敷の大扉に手をかけ、*引きあけた*]
いいや、この中ではない。
この中に引っ越すのじゃからな。
先程言っていた青年は来た道を返した所にある小屋にいる。
其処まで着いてきてくれるか?みっきいよ。
[大きな屋敷を見上げ、感嘆の溜息を漏らす。]
そうか、それは残念じゃ。
他の者も同じことを言うかもしれぬが…それはその時じゃ。
近所付き合いも乙なものじゃ、そちらを楽しめばよい。
そうじゃな、"引越し"をはじめよう。
酒屋といい、手入れはされておるようじゃし…
戻るか、みっきいよ。
しゃあろっとは、また後ほどじゃ。
[屋敷へと手をかけるシャーロットに挨拶をし、ミッキーを連れて先程の小屋へと戻ることに]
[そうしてブツクサ言っていると傷の手当てを終えたウルズに頼まれ彼が着物を着るのを手伝い―以前仲間と故郷の話をしていた時にどう言う流れだったか一度皆で着てみようと言う事になりその時に教えられたのを覚えていたのである―それを終えた後共に縁側に出た。
未だ足を引きずってはいるもののどうやらいきなり倒れる事は無さそうで一先ず安心する]
…………。
[―それにしても妙に嫌な予感がする。
それも覚えのあるような、全く知らないような、そんな予感が―]
ま、今から気にしててもしょうがないか。
[その言葉は極小さな物だったので隣にいる青年には*聴こえなかっただろう。*
―青年の聴力が人間並ならば]
此処かしら?
[漸く霧の向こう静かな村落らしきにたどり着く]
[闇に巡らせる視線に石榴石は月明かりに煌めき]
静かね、静かだわ、静かよ。
………
[日傘の向こうに浮かぶ月を仰ぎ獣の如くすと瞳を細め]
[ふと小さく吐息を零し人の気配を探りながら歩を進め]
その後どうしようとか考えてなかったんだ。ただどんな者にも安住を約束された地があるとだけ聞いて、それでどんな所なのか一度見に行ってみようと、
[いつのまにか身振り手振りを交えて魚屋に身の上話をしている自分に気付き、少し照れたように]
別に、本気にしてたわけじゃないんだ……
[魚屋から3歩半ほどの距離を保ったまま、集落に近づき感じるのは人の気配。錘がついたように足が重くなる]
…何か?
[ナサニエルの口元が、微かに動いたのを、訝しげに見、首を傾げた。]
…何でもないんなら、別にいいんだが。
[それ以上詮索するのも憚られ、黙って縁側でくつろいでいる。]
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