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誰か近づいてくる……まさか、見つかった?
[全身の毛が逆立ち、汗が流れ出るのを感じる。身を竦め、懐に手を入れて臨戦体制を整えつつ、何事もなくやり過ごせるよう念じる]
……仕方ないか。
[腰の隠しから胡蝶刀を一振り出し]
──ッ!
[無音のまま跳躍し、一閃]
[たわわの果実は枝の一部を伴い地に落ちる──前に]
よし。
[彼女の手の中にふたつみっつほどの果実]
のぅ…そこの。
そう、お主じゃ、若いの。
[歩みを進めてナサニエルへと手招きを寄せ]
お初にお目にかかる、わしは「すてら」じゃ。
安息の地を求めて此処へと辿りついたのじゃが
如何せん未だ勝手がよぅわからぬ。
そこでじゃ。
わしが見つけた第一村人であるお主に、
色々と手解きを受けたいのじゃが…
[一息に喋りきり、カラッとした笑みを見せて両手を腰に添え]
なんだ、木の実か…
[どうやら見つかったわけではないようだ。ほっと一息ついて緊張の糸をほぐそうとするが、胸の鼓動はなかなか収まらない。全身に鳥肌が立っている]
ここはいったん離れた方がよさそうだね
[木の枝を伝い、霧のたち込める森の奥へと撤退して行った]
[よたよたと屋内に入ると、意識を取り戻したらしい青年を見て、ホッとした顔になる。]
お兄さん、気が付いたんだねぇ。よかったよかった。
[急いで傍に寄ろうとして節々の痛みに顔をしかめる。]
[―地上からもう一つの気配。念のため敵意がない事を確認し警戒態勢を解く。
ややあってこちらに来た気配の主に手招かれるままこちらも近付き―立て板に水と流れる言葉が終わるのを待って口を開いた]
これはこれはご丁寧に。俺はナサニエル。以後よろしく。
残念ながら俺もここに来たばかりでさ、ちょっと村の中を散策してたとこ。
[軽く肩を竦めて]
だからお役には立てないけど…良かったら一緒に散策でもする?
…君は?
[まだ焦点の合わぬような目で、寄ってくる人影を見つめる。
起きあがろうとして身を捩ると、腰に帯びた真直ぐの鞘が、からりと音を立てた。
傷が痛むのか、小さく呻いて身を竦める。]
あたし?芹菜っていうんだよ。それと、シャーロットさんってお姉さんもいる。
お兄さんは、なんていうの?
[うーだの、あいたただのと間に入れつつ、青年に話し掛ける。]
そうか、お主も新参か。
[カラカラと笑い声を立て、森の奥へ消える気に軽く眉を上げる]
ふむ…かくれんぼは終わり…か?
[独りごち、誘いの言葉には大きく頷き]
なさにえるとな、舌が慣れるまでに何度も噛みそうな名前じゃ。
互いに土地に不慣れとなれば話は早い。
一緒に探るのが得策じゃ、それ行くぞ。
[ひょいとナサニエルの手首を掴もうと手を伸ばし。掴むことができるのならそのまま、掴めずともそのまま手招きをして集落の中へと歩みを進めていき]
まずは他の村人を探そうて。
あと、わしは腹が空いておる…食い物探しもじゃ。
…せり…な。
[幾度か瞬いて、心に留めるように、その姿を見ながらその名を口にした。]
俺は…
[何かを言い掛け、顔色は困惑に染まる。
なんとか動く左手で、額を押さえた。]
[行儀悪く果物を食べつつ、来た道を戻る]
美味いな……。
陽の恵みというものか。
[木陰を選び、村内を歩く]
[右手に流れる小川に目を細めた]
[気付いていたのかいないのか―消え行く気配に何も反応を返さずに]
んじゃいきましょうか。
[伸ばされる手をひょいと回避して*すてらの後についていくか*]
そーいやここに来た時一人見かけたなー。
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