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――2F "Blue"floor――
簡単だよ、ジーン。
あたしが求めてるのは…適度な刺激。
お仕事だって。
わざわざあたし達でやらせなくても。
上でやれば一番手っ取り早かったんだから…
[くす、と笑うとスツールから立ち上がった]
つまり。
あたし達が好きにやって良い、って事なんでしょ?
あたし達の遊びなんだから…ね。ふふっ。
[ゆっくりとした足取り。
しかし、人混みに触れることなくエレベーターへとたどり着いていた]
――2F "Blue"floor → 1F Platform――
――1F Platform――
[…エレベーターから降りると、カウンターへと向かう。
皆が目を惹くその姿を見つけると、微笑みを携え隣へと座る]
アップサイド・ダウン、お願い。
[カクテル、だが、少女のその姿には似つかない。
バーテンが少しだけ目を向けるが、すぐにシェイクを始めた]
ふふ。ローズはどうするのかな?
ダンスを踊っちゃうのかな?
[間も無く差し出されたコリンズグラスを、女は軽い笑みと共に受け取り、カクテルピンに刺さる果物を弄んでは、グラスの中身に唇を寄せ、一人語ちる。]
でも考えると可笑しな話よね…。
いくら内部内での裏切り者である「破壊者」が出たとはいえ…、仲間同士で抹消させるだなんて…。
まるで…わたし達クラスの人間を全て掃討する為の…
と言うより、上の者達を愉しませる為のゲームみたい…。
[与えられた指令を反芻しては浮かび上がる疑問は、果たして誰の耳にも留められる事は無かったのか。]
――1F・"Platform"――
[人々の渦、ざわめき。
男はその中を、無言で歩く。
極限まで鍛え上げられた肉体、鋭い視線。
――男に気圧されたのか、人々はざわめきながら、彼のために道を譲る。それはまるで、古代の宗教者が海を割り、歩んだかのような光景――]
[男はカウンターテーブルまで無言で歩き、そして初めて口を開いた。]
………ミネラルウォーターを貰おうか。
[しかし女の疑問は、隣にdessertsの気配を感じ取ると、途端に唇を噤み――]
あらニーナ、いらっしゃい。
ダンス?…そうねぇ、わたしはダンスより、ベッドで熱を貪りあう方が性に合っているかもしれないわ?
[変わらぬ微笑をニーナに捧げる。]
[小さなグラス。
それをつまむ様に持つと、小さく笑った]
ぁ。あたしもそっちの方が良いなー。
みんなと背の高さも合わないし、ね。
[一気に煽る様にしてカクテルを飲むと、手の中でグラスを転がす]
ふふっ…
ベッドの上で、愛し愛され美味しく食べられちゃう方が良いな…
[先ほどの酒の衝撃か。
頬を染めながら少しだけ頭が揺らいだ]
――4F "Vermillion-Jack"Room――
[幹部からの情報に青年は特に興味を伺わせることもなく、抑揚もなく相槌を打つ]
…ふぅん。
アーヴァインが召されたのは本当だったんですね。
…祝辞の言葉をあいつに与えなくて本当によかった…
そんなことをしていたら自分の仕出かした行動に虫唾が走って
其処彼処の壁に頭を打ち付けているところだ。
…しかし、お上の眼識の質も随分と落ちたものです。
「…姿を見せぬお前の主人よりかは幾許かマシであろう?」
[目を細めて皮肉を零し、幹部がそれにも動じないようなら返される皮肉には黙したまま笑みを消して踵を返す]
…犬どもの鳴き声が真実だったことは解ったのでこれで…。
せいぜい宴を楽しんできます、貴方達の望むように…
…ああ…一つだけ訂正を…。貴方達は一つ間違えている。
My Masterは貴方達の前に幾度となく姿を見せている。
…彼の方は、常に我と共に…
[一度だけ振り返り悠然とした笑みを湛えて己の胸元を疵だらけの指先で指し、今度は振り返らずに部屋を出て行った。]
――1F"Platform"――
〔幾人かが動き始める。モニターのカメラが引く度に、小さく映るその挙動を確かめて…女は結い上げた纏まりを確かめるように紅髪に触る。〕
…さて、…私を信じる者は――どの程度いるものかね。
〔昨夜は個々へ訊ねることをしなかった答えを待ち侘びるように、半ば蕩ける溜息を漏らす。やがて顔馴染のスタッフに声をかけ…声音を顰めるでもなく笑みを向ける〕
…上得意は、今のうちにご避難戴くといいよ?…アッハ。
〔何故とは問われずに、事は速やかになされるだろう。既に幾人かが集うらしいバーカウンターへと足を向ける〕
酒は抜けたが、気付けの一杯は欲しいところさ。
アイリッシュ・ミストをくれないか。
[振り返らずとも気配で感じる威圧感に、女は一度だけすっと目を伏せて。
再び開かれた瞳、カウンターに辿り着いた男に真っ直ぐに注いで]
こんばんは、お爺ちゃん。今日もお元気?
そう言えばダニファー爺って、いつもミネラルウォーターか何かよね?お酒、飲めないの?
[いつも通りのシフォンの声色で挨拶を交わす。
勿論ふと浮かんだ疑問も唇に乗せて。]
[隣には、仮初――と見るべきだろうか――の愛を語る娘達の声。それを微かに耳にしながら、男はペットボトルのキャップを開けた。]
……のう、若造よ。
[鋭い視線で、バーテンダーに声を掛ける。]
そなたらは、儂等が殺し合う姿を見たいか?
ミッションとはいえ、アーヴァインが死んだとはいえ……知らぬ間に同士討ちをしてるやもしれん儂等の姿を……
[――雑踏の中、バーテンダーは口を開いた。]
………そうか。
[男は、バーカウンター裏のボトルに目をやった。]
[くらりと揺らぐニーナの姿を目にしては、女は鈴の音のような笑い声をカウンターテーブルに転がし]
あら、愛し愛されって…。ニーナは本当は誰を愛しているのかしら…ねぇ?可愛い人?
少なくても、わたしはあなたのそのリストには入っていないような気がするのだけれども…。
それとも…。わたしを今宵ベッドに誘う意図は何か有って?猛毒使いのお姫様?
[中身を飲み干し、グラスを手の中で転がす彼女を、女は警戒色を湛えた眼差しで見つめる。]
――1F Platform――
[束の間の静寂の後聞き入れる爆音はこれ以上なく耳に痛い。煩わしげに前髪を指先で払いながらBGMと共に耳に入る声に口角を上げ]
…昨日の答えを僕の方こそ聞いていないよ、WidowedGentleman。
君はその問いの先に何を求めている?
僕は一晩程答えを待っていたんだよ…?
……酒は、の。
[ペットボトルの水を一口飲み、ローズの方へと視線をやる。]
飲めんのだよ。
……あまりに「危険」じゃからの。
[テーブルにペットボトルを置く。]
儂はひどく「酒癖」が悪いものでなぁ……。
[気配。
一つは大きな気配。
その気配を避ける様に気配が消えた方角がある。
また。もう一つ、気配。
どんどん、カウンターに気配が集まっていく]
へろー、ダニエル…オードリー。
気付け、かぁ…
[グラスをカウンターへと返す。
もう一度上から下へ。
一気に飲むと、とん、とカウンターへと置いた]
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