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集会場は不信と不安がない交ぜになった奇妙な空気に満たされていた。
人狼なんて本当にいるのだろうか。
もしいるとすれば、あの旅のよそ者か。まさか、以前からの住人であるあいつが……
どうやらこの中には、村人が5人、人狼が2人、守護者が1人含まれているようだ。
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。
この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。
当日、現場に出入りできたのは今ここにいる者で全部だ。
とにかく十分に注意してくれ。
……若造。
[アーヴァインが居るカウンターに向かい、椅子にどかりと座った。髭の奥にある口がゆっくりと開く。]
お前も儂らとついに「同じ場所」にやってきたか。
結構結構。
出世だけが男の道ではなかろうが、道を切り開く能力の無い男に価値などありはしない。
……己の能力を過信することなかれ。
あとは、お前の思うがままに進めばよいだろう。
[細身の椅子が微かに軋む音を立てるのを感じながら、男は呟くようにアーヴァインに語りかけた。]
>ジーンさん@メモ
突然の編成変更で申し訳有りません。
7人体制なので、多少村側にマゾい設定にしてもいいかな?と思ったのが理由です。
無用だし期待してすらいないよ、WidowedGentleman。
折角犬が無能なりにも動こうとしているんだ。
邪魔をしないであげてくれるかな…。
[男の影の奥に映る赤い髪にそっけなく言い放ち、眼前の男には悠然とした笑みを浮かべて見せ]
…さぁ、そのナイフでどこを狙ってくれる?
ああ…顔はできれば止して欲しいな…
僕のMasterは厳しい方だけれど、顔形だけは誉めてくれるから。
[その言葉を受けてか振り降ろされたナイフの切っ先は青年の頬を掠めて赤い線を残しながら空を凪ぎ…青年はやはり微動だにしないまま面白くなさそうに吐息を漏らした]
─3F "Blue"floorラウンジ─
[目を開く。その様は精密機械にも似て、目蓋が硬質な音を立てそうな程。]
[不吉な翼を開くように、固く閉ざされた蕾の綻ぶように、ゆるやかに身体を伸ばす。]
ああ、酒はいらん。
儂は下戸なのでな。一滴も飲めんのだ。
仮に飲んだら最後、どうなるか儂にも分からぬ。
そうだな。水でも貰おうか。……それで十分だ。
[紫煙とアルコールが混じる空気の中、ダニエルは赤い髪の青年の方を見つめている。]
〔何時しか傍には、此方が背を向けていたアーヴァインへと
語りかける壮年の男が居り…半ばに身を捩って見遣る。
結い上げた紅髪をゆうらんと片側へ零す態で、見知る
古株たる男へと会釈らしきを渡す〕
…矢張りそういった台詞は、本物のオトコが言うと違うね?
…ダニエル兄。…久しぶりだ。
〔軽くグラスを掲げると、目元を気安く和らげて話し掛ける。〕
[ブーツに包まれた足を床に下ろし、立ち上がる。その動作はあくまで滑らかで、窮屈な姿勢を長時間続けていたぎこちなさも無い。]
[コートの裾を翻し、階段へと向かう。]
――1F・"Platform"――
[彼女はいつもとは違う張り詰めた空気を感じ取り目を覚ます]
・・・
[だが、すぐにその雰囲気すら興味の対象ではなくなり真紅のドレスを脱ぎ去りいつもの黒を基調とした服へと着替えカウンターへと足を運んだ]
・・・いつもの
[...はいつもと変わらない言葉を発するとそのまま近くの椅子へと座った]
くくっ……
くっはっはっはっはっ!
お主にそう言われたら、儂はどう返答すべきか困るだろうに!
……なぁ?"WidowedGemtleman"よ。
相変わらず、なまめかしいものよ。
首尾は順調か?オードリー。
[アーヴァインから渡されたミネラルウォーターに口をつけ、水を一口含んだ。]
…アッハ。
どうやら釘を刺されたらしい?
〔此方へ言葉を投げるラッセルの言い草に、了承の目配せをひとつ。
覗かせる舌先は、ぬめと唇の端へ濡れた質感を添わせたか〕
…君のMasterが厳しい方であれば、
君はさぞかし慈悲深くあれ…と
教え込まれているに違いない。
〔疵を厭わぬ様子にも面白そうにして…其れを肴とグラスを傾ける〕
――4F V.I.P. Room――
ん、ん。はー…ぁ…
[小さく身じろぎすると、横になっていた身体を伸ばす。
汗ばんでいた身体に塗れた花弁。
はだけた服をゆっくりと引き寄せる]
食べられちゃった…ふふっ。
あーあ。いつもは一緒に寝てた子の寝顔を見て…おはようのキスするのにな…
やっぱり、ローズだと簡単にはさせてくれないよねぇ。
[笑いをこらえながら形だけでも身嗜みを整えると、部屋を後にする…
シャワールームを求めて、エレベーターのボタンを押した]
─3F"Blue"floor→1F "Platform"─
[迷い無く足は1階へと向かう。]
[いつもと同じ店内、いつもと同じ喧騒。
男の唇に刻まれた笑みも、いつもと同じく淡い。]
おお。ラッセルか。
暫く見ぬうちに大きくなったものよ。
……いや、随分と危険な空気を放っておるものだなぁ……。
[両腕を組む。
筋肉が硬く盛り上がり、椅子はギシリと軋んだ。]
……ラッセルに噛み付いたあの小僧、無事なら良いのだがな。
しかしこんな喧騒に付き合うのも、ラッセルもまだまだ若い証拠。悪いことでは無い。
〔金糸靡かせて訪れる黒衣の女を、視界に入れる。
彼女が此方の傍ともない間合いへ腰を下ろすらしきへは、
瞼を一度ゆると上下させる頷きを馳せるのみ…という
細心な挨拶を向けていたかもしれない。〕
……始まるね。…
…幸いあれ、と今は願う…君に。
〔グラスを掲げて、口数少なにキャロルへと告げる。
同じ空間へ受け入れることが、彼女に尽くす礼であり心。〕
─1F "Platform"─
[いつもと同じ、影の足取りは軽くそして無音。]
[それでも、そこに居るメンバー達に敬意を表してか、カウンターのかなり手前で気配を露わにした。]
[同じカウンターにいるキャロルに黙礼。
そして遠くに視線をやり、呟く。]
……お主の世界を壊すのも申し訳無い。
憂いの世界に浸るのも良いだろう。酒はそれを手伝ってくれる。
[...は言葉は出さず視線のみで挨拶してきた男装の女性を見、首をかしげる]
・・・始まる?
[...は待ってましたとばかりに後ろから説明するメイの得意げな声を話し半分に聞き流した]
・・・そう
[彼女は特に表情を変えずカクテルへと注意を戻した]
…おやん。それでいいんじゃないのかい?
困ってるんだろう…あはん。
〔呵呵と豪快なダニエルの笑い声は、年齢以上の貫禄を持って
ラッセルに対する小悪党へも怖気を振るわせたかも知れず。
見るともなしに、此方は宙へくると小さな円を描いて肩を竦める〕
…そいつは、色好い賛辞を戴いたものだ。
有難う、ダニエル兄…
さて。気は進まんが順調ではあると思っていたいところさ。
…と、おや…アーヴァイン、…
ミネラルをもう一本だ。
〔纏うヴェールを剥ぐ如く、訪れの気配を汲んでカウンター裡へとオーダーの声をかける。
常姿を見せない影への、其れが此方の挨拶。〕
─1F "Platform"カウンター─
[一人一人に視線をあわせることはせず、挨拶も無い。
ただ、笑みだけが、更に深く刻まれる。]
[昨夜と同じく両手をカウンターテーブルに乗せて、軽く指を組む。
注文を尋ねてくるアーヴァインには、短く不要とのみ告げて、そこで初めて周囲を見回した。]
[ナイフを持つ男の手首を握るとその切っ先をもう一度頬の傷へと宛がい]
…こんな掠り傷じゃ痕すら残せないよ…
もっと、ちゃんと抉ってくれないと…ね…?
[男の手を離すと同時に頬の傷は消えていき、痕跡すら残らない]
僅かな間の退屈凌ぎになってくれるかとも思ったけれど…
むしろこんな奴に大役を任ようとした僕自身の愚かさか…
[男から興味が失せたのか嘆かわしい口調で呟いて席を立つとそれきり男の存在は放棄し、知る名を持つ面々を一人ずつ眺め]
…僕がMasterに教えて戴いたのは愛されることだけだよ?
慈悲という言葉は僕と彼の方の間にだけ存在する…
それよりもWidowedGentleman…気付かないかな…
…予感がするよ…?
今にGebeorscipe…宴が開かれようとしている。
[唇は三日月の形に弧を描いて、喜びを隠し切れない様子で声のトーンも僅かに上がっている様子でオードリーへ緩く首を傾げて見せ]
そうか、オードリー。
気は進まなくとも、「呼ばれた」のならば致し方あるまいて。それが儂らの宿命だ。
[腹の底から空気の束を押し出すように笑うと、視線をフロアの入口に向ける。]
………おお。ジーンか。
お主もこちらに来るが良い。
なぁに、取って食うやも知れぬが、邪険にはせん。
はっはっはっはっ!
〔おそらく、各々が各々なりに感じていた空気。
口にする者もいれば、口にしない者もいる。
…ふっと男装の女は笑みとも溜息ともつかない呼気を漏らす〕
[沈思は一瞬だっただろうか。
改めて、アーヴァインに顔を向けると、]
……ではミネラルウォーターを。
[言い置いて、目を伏せた。]
――4F Vermillion-Jack Room――
[Redfloorから直通、4Fへと足を踏み入れた女は、先程のV.I.P.Roomとは反対側の壁へと向かい、慣れた手つきでキーパッドに番号を打ち込んでいく。
刹那、認証終了した機械は女の身体を受け入れるべくドアを開け、音も無くドアは閉じられる。]
[中に入るなり、女は左手の薬指に嵌めていた指輪をそっと外し、近くにあったテーブルにそっと置く。
そして彼女の訪れをまるで察知していたように佇む、件の男を静かに見つめて。
微笑みながら口を開いた。]
ねぇ貴方。約束…して欲しいの。
もしこのミッションが終って…。わたしが無事に再びこの場所に訪れることが出来たなら…。
今度こそわたしは…貴方のDuplicantとして…。傍にいてもいい?アロイス・ブラント…。
――いいえ、わたしの愛しい…兄様…。
[しばしの沈黙。果たして女が望む返事は得られたのだろうか。
男と女を繋ぐ一縷を置き去りに再び専用ドアは開き、何事も無かったかのように閉じていく。
そして中から音も無く姿を現した女は。
再び階下へと向かう箱の中。静かにその足を進めた。]
――4F Vermillion-Jack Room→1F Platform――
〔やがて別任務に赴くらしきと聞くメイを呼び寄せて、説明を省いてくれた礼とか、その頬を摩り…くちづけを交す。夜の姫君をさあとばかりにまた解き放つと、キャロルの横顔を見詰めて――案じるような信頼を置くような曖昧な色を混ぜる〕
…若いからね。
[憮然とした表情のままダニエルに声を返し、若い、の部分に強めにつけたアクセントは皮肉を交えてのものだろう]
…僕は随分と気分を害したよ…。
暇つぶしにすら成れない犬には僕の服を汚す存在価値もない。
付き合ってあげた7分と26秒という時間があまりにも勿体無い…。
本当に最悪な場所だ…。
[ブツブツと文句を零しながらアーヴァインに向かって手を伸ばす。言葉にすらしない水の催促。]
――B2F StaffOnry...――
[バスタオルで身体の水滴、髪の水気を拭く。
近くにいたスタッフが目を向けても隠す様なことはせず、口元を吊り上げるだけ]
なーに?お姉さんが欲しいのかな?
…だめだよー、お仕事お仕事。
[少女の玉の様な肌に微かに湯気が昇り、後を引くのは石鹸の匂い。
新しく用意させたゴシックドレスに身を包むと、何やら沈んでいるスタッフに小さく笑んだ]
ん、ありがと、ね?
それじゃ、お仕事頑張ってねー。
[いつの間にかスタッフの隣で背伸びをして頬にキスをすると、足音を鳴らしながらスタッフルームを後にした]
――B2F StaffOnry... → 1F Platform――
…奢りにはさせて貰えないのかね。
〔結局此方の好意を取ってくれるらしきジーンへと、
語尾を掬わない、答えを知っているかのような問いを。〕
〔自らの隣のスツールを引いてみせると、後は素知らぬ態〕
[ダニエルの言葉には夢見るような微笑で返し。
だが、離れるでもなくその程近くで、渡されたボトルを弄びながら*立っている。*]
[オードリーとその隣のスツールを暫しの間じっと眺める。]
[ふ、と嗤いにも溜息にも似た音が洩れ、口の端を揶揄するように歪めて、そこへと*腰掛けた。*]
――1F Platform――
[白い蝶が舞うかのように、女は軽やかに人混みを避けバーカウンターへと辿り着く。
軌跡をなぞる様に舞うショールは華やかに。ライトを反射しては跳ね返す。]
Ca va?今日もみんなお揃いね。
…あら?もしかしてその大きな背中はダニファー爺?
久し振りねぇ…。へぇ、ダニファー爺まで着ていたのねぇ。
[ひょいとスツールに腰掛けながら、揃うメンバーに軽く挨拶をし。新しく訪れたダニエルにも微笑むことは忘れない。]
[ジーンに向けて軽く手を上げる。
彼の笑みは何を思うのだろう。
笑みを返すと、ラッセルの言葉が耳に入った。]
はっはっはっ……
いやはや、この年寄りには耳の痛い一言を。
しかしラッセルよ、若いことは悪いことではあるまいて。迷いも、悩みも、過ちも、全てお主の糧となる。「無駄」などひとつもありはしない。
……存分に生きるが良い。
…君の愛が、ひとつきりでないことに
気づくことを願うよ? 仕える方…ラッセル。
気づいてはいなかった…ということにしてもいいのだけれど、
どうやら面々が揃ってしまうらしいな…。
〔事を終えてぼやきを漏らす様子のラッセルを、
カウンターに居る此方は片手を上げるのみにて労う。〕
おや妙なる方…こんばんは?
漸く逢えたね、ローズ。
…ニーナも、そろそろ悦なる夢から
舞い降りてくる頃だろうかね…
腰を抜かしているなら、私が運んでくる
光栄を得るのも愉しかったのだけれど…アッハ。
[...は周りの会話には参加する素振りすら見せずアーヴァインから差し出されたカクテルを飲み干すとそのまま空虚を見つめる]
・・・始まる
・・・何が
・・・そこにあるの?
・・・わからない
・・・でも、邪魔をするやつはコロス
[それは誰の耳にも入らないほどの小さな音
だが、しかしその音は確実に彼女を包みこみ溶けていった]
・・・ごちそうさま
[...はそういい残すと席を離れ闇の中へと*歩いていった*]
…ああ。
結局は、宮仕えもしがないサラリーマンも、
我々と同じもの――というやつだ。
〔やがて笑いを収めて此方を向くダニエルへと頷く。
暗緑色に透けるグラスを揺らして、水面を見詰める〕
…ならばせいぜい格好つけて面白がってやるまでさ。
でなきゃ、かったるくって死ぬの生きるのなんて
…誰が言ってられるかい――とね。アッハ。
[抜けるように淡い白が、紫煙とアルコールの渦の中でふわりと舞った。]
ローズか。
お主も相変わらずで何より。
なぁに、歳を重ねすぎた者には、どうにもできぬ「澱み」がへばりついて剥がれなくなるだけだ。背中が重くて仕方ないわい。
……ああ、しかしなローズ。
「ダニファー」は儂には可愛らし過ぎはしないか?
儂が呼ばれている気がせん。
まあでも、呼ぶやり方はローズの好きにすれば良い。
――1F Platform――
[足音を立てながらエレベーターから降りる。
淡い石鹸の匂いのためか、その香りに振り返る者は少なくはなかった]
んー、ソレは残念だったかなぁ。
オードリーにお姫様抱っこされちゃったら、あたしメロメロだよ?
でも、みんなひがんじゃうかな?
[触れようとする者も視界に入れず、一直線にカウンターへと訪れる。
くすっ、と笑えば、まだ湿気ている柔らかい髪を弄り]
…
[ダニエルの姿が目に入ったのか、無言で後ろへと回り込む]
こんばんは。貴女の姿はモニターで時々拝見していたけれど、ようやく触れ合えるわ。
逢いたかった、オードリー…。久し振りね…。
[人越しに見えた揺蕩う赤を目にして。女の顔は綻ぶ。
同時にスツールからひらりと身を離し、近付けば彼女の耳元に、挨拶代わりと淡い吐息と共に口付けのひとつも落とすのだろうか。]
〔他の者と言葉交わす間にも、ジーンの心の襞に耳は傾けていた。
やがて影が隣へ腰を下ろすと…僅かばかり互いの肩が触れ合う。
そしておそらくそのまま、半ば以上を凭れ合うことなく過ごすもあり〕
[ローズが入ってきても挨拶をすることはない、同時にキャロルが去ることにも。出されたグラスの縁を舐め]
…歳を取ると皆心配性になるのかな、Sledge-Hammer?
貴方の助言は僕にとっては杞憂の一言に過ぎない。
迷いも、悩みも、過ちも…僕にはそんなものないからね。
あるのは、これから始まることへの期待だけだよ…
WidowedGentlemanも…ね。
気付くもなにも、僕は知っている。
…そういうことだ。
[挨拶を交し合う様子には興味もくれず、面白くなさそうに眺め]
[ニーナの動きが視界に入る。]
……………。
[いつものニーナの行動。
眉をピクリと動かし視線を送るが、彼の口許はペットボトルが支配している。]
[立ち去るキャロルの姿を目の端に捉え]
あらあら、折角揃うと欠けちゃうし…。
もう少し一緒に楽しい時間を過ごしましょうよ?キャロっ…って言っても無駄か。
salut、いい夢を
[引き留めるもそれは上辺だけの言葉でしかなく。]
澱みって…。やぁね、ダニファー爺ったら…。
男は歳を重ねてこそ味わい不覚なる生き物じゃぁなくて?
[くすり くすり――
女は空気を揺るがす。そして可愛すぎる呼び名という抗議には、軽く片目を瞑って]
あら、歳を取ったら、わざと可愛らしい事をしなくちゃいけないのよ?
いいじゃない、わたしそうやって背中を丸めても可愛らしい愛称で呼ばれる男の人、好きよ?
[振りまくは、邪気の無い笑顔。]
〔立ち去りゆくキャロルの背を暫く
視界に追って、微かに眉を震わせる。
皆と会話を交してあれば、呟かれる言葉は
唇にさえも読むことはできなかっただろう。〕
…――キャロル…
〔彼女の深く心の中にある情念の揺らめき…
此方には其れしか聴くことができなくて〕
そういうことだ、ラッセル。
年寄になるとな、いろいろ「無駄な」ものが見えてくるということだ。何かと気苦労が多いたちでな。困ったものだ。
[ラッセルの、余裕とも否とも取れる言葉。
男は再び大きく笑う。]
はっはっはっは……良い良い。
迷いも悩みも過ちも、無いに超したことはない。
今がつまらぬのなら、「本気」になれるものが見つかると良いな、ラッセル。
[シャボンの香りを漂わせながら、ダニエルの背中に抱きつくニーナを視界に納め]
お帰り、ニーナ。思ったよりお早いお目覚めね?
――食事会は楽しめて?
[くすり くすり――
今度は少しばかり意地の悪さを滲ませて。微笑みかける。]
[ニーナが背中に飛び付くのを、特に制することなく受け入れた。殺気の無い彼女の「気」を感じ、大きく笑う。]
ああ、ニーナか……
澱みがへばりついて剥がれぬ背中が余計に重くなるだろうて。なぁ?
これじゃあ「グランパ」だなぁ……。
儂は学が無いから、フランス語でどう言うか判らんのだが。儂が洒落た言葉を使うのは似合わぬということか。
そーぉ?
本当はローズの寝顔見たかったんだけどねー。
見れなかったなー、残念だなー。
[言葉と裏腹に楽しそうな声を出し、笑いつつ]
お食事会、愉しかったよー。ふふっ。
ローズは、美味しかったかなー?
[軽く頬を染めながら軽く首を傾げ]
〔エレベータから吐き出されてくる、石鹸の香りのニーナ。
清潔感漂う其れは併し、このクラブ内にあっては却って
情事の痕跡たる生々しさを伴うか――ふくりと笑みを燻らせ〕
…おやん、姫抱きをご所望かい…ニーナ。
久しぶりだけども、甘えっコは健在らしい。
さて、僻むようなかわいい方がお出でであれば、
如何か笑っておくれとかき口説くまでさ…
〔にたりと浮かべる笑みは、彼女に尚もつき纏おうとする
しつこい者へ向けてか。一瞥に追い払うと、すぐに場へ
溶け込んでくるニーナを皆と共に迎え〕
[小さく相槌を打ってグラスの水を一舐め]
…それで物忘れまで激しくなるんだから大変だね。
「本気」…例えば、どんなものがつまらなくないかな…
Grandpa?
[昔語りを望む子供のようにダニエルへと緩く首を傾けて]
[小柄な少女の身体では巨大な老練な肉体を覆うことは出来ず、寧ろ垂れ下がっている様にさえ見える]
久しぶりだねー、ダニエルー。
相変わらず大きいねー。
[笑いながら肩を揉む]
…相変わらず固いねー。
あはは、あたしぐらいで重いって言っちゃダメだと思うよー。
[フランス語、と言う言葉には少し考えるも、あっけらかんと答えた]
なんて言うんだろーねー。
ドイツ語ならGroβvaterだねー。
あら、わたしの寝顔を見るには、ちょっとばっかり値が張るわよ?
[悪戯っぽく微笑み。もし近付いたなら頬に掛かる髪の一筋も掬い上げては自らの口許へ運んだだろうか?]
えぇ、わたしも楽しかったわ。お食事会。
久々に美味しいもので満ちたみたい…。
また良かったらご一緒しましょうね?
[仄かに上気する頬を視界に捉えて。湧き上がる加虐心を宥めようと子守唄を唇に乗せる。]
うんっ。
お姫様抱っこは女の子の夢だよー?
してくれるんだったら、あたし、甘えちゃうねー。
[ダニエルの背にぶら下がりながら、オードリーへと顔を向け。
大きく頷けば満面の笑みを浮かべる]
ふふっ。オードリーが相手だと焦っちゃうのかもねー…
優しいし、みんな大好きだし。
早くしないと他の人の所に行っちゃうー、って。
レディに「重い」は失礼だったか?ニーナよ。
いやはや、悪い。
なかなか身体が縮まなくて困ったものだ。狭い所に収納できぬ。硬いから曲がらぬしな。
[ニーナを背中に垂らしながら、ラッセルの方に視線を向けた。]
はっはっはっは……
最近、物忘れもひどくなってきたようだ。お主にそう言われたのは、幾度目だったかな?皆に爺さんと呼ばれても、おかしいとも思えぬ。
それに、「本気」を見出だせる「何か」というものの言い方も忘れてしもうたわ。元々、学も無いしなぁ……言葉というものを知らぬのだよ。
「そいつ」の正体を知りたいのなら、この腕にでも聞いてくれればいい。
それくらいは、お主も知っているだろう?ラッセル。
そうだな、ローズ…こうして。
〔てのひらを上に向けて差し出すと、彼女の手を恭しく取るもあったかもしれず。ひととき近づく妙なる方を、自らの傍へエスコートし〕
アッハ、…見ていてくれたのかい。
照れくさいけれど…有難う?
…ン、…っふ
〔耳朶へかかる甘い其れは、彼女が本当に此方との邂逅を待ち焦がれて居てくれたのだと伝えて…応える女は、く、と間近な細腰を片腕に抱く〕
…うれしいので…良ければ今宵の全霊は
君に注ぎたいのだがね…ローズ。
…皆と一通り挨拶も交わしたのだし。…如何?
甘いモノは別腹、って言うし、ねー。
デザートだけじゃ足りないのかな…?
[どうすれば見れるかなー?と冗談っぽく笑って見せ]
久しぶりに?
相当駄目な子をつまみ食いしちゃったのかなー?
[その相手がすぐ其処にいるとは知らず、口に出して言う]
うん、良いよー…また二人っきりで、お食事会、ね?
ふふっ、とろとろにとろけちゃうねー。
[先ほどあったことを思い出したのか。
顔が赤くなるのを感じ、ダニエルの背中に額を当て]
…フゥン。
ダニエル兄と一緒にされちゃ、世話はない…アッハ。
〔ラッセルへと説教めかしたらしい自らを思って、それもまた可笑しいと鈴振る如く笑い声を耳触り良いように落として響かせる。〕
〔ひとつふたつ瞬きを挟んで、やや考え込み…青年へと頷いた〕
あたしとダニエルの仲じゃなかったら怒ってるよー。
仲間だったら少しくらいは許しちゃうねー。
[ふふ、と含みのある笑いを浮かべると、今度はうってかわって笑い声を立てる]
あはははっ。
ダニエルが小さくなっちゃう、って、想像できないなー。
隠れん坊の隠れる方に成りたいのかな?
[軽く手の平でダニエルの背中を叩くと、首を傾げ]
体が固いのは筋肉のせいじゃないー?
無理しちゃ駄目だよー。
ダニエルの筋肉が無くなっちゃうのも、あたし、想像できない。
LatestOpeは甘いものが好きそうだもの…
[重いと称されたダニエルにぶらさがるニーナの様子に意地悪く目許を緩ませて、グラスについた水滴を吸い込んだ手袋を煩わしそうに擦り]
…数え切れないくらいにはきっと言っているよ。
いちいちそんなこと覚えてなんかいない。
「その腕」に…?
[ダニエルの腕を見据えて目を細め]
…それは…遊びのお誘いと取ってもいいのかな…?
もしもそうなら、くだらない犬の相手をするよりも
ずっと楽しむことができそうだよSledge-Hammer…。
でも、Sledge-Hammerの腕はそこまで僕の好みではないんだ。
そうだな…WidowedGentlemanやExaltedAngelの方が好きかもね…
[鈴の声を零す赤い髪へと瞳を向けて微笑し]
えぇ、見ていたわ?だってあなたは…とても魅力的なんですもの…。"RED"でメイをお相手していた姿だって…。
どれだけわたしの嫉妬心に火をつけたことか…。
――私のくすぶるこの気持ち、貴女には判って?
[差し出される手。迷わず重ね。導かれるままオードリーの傍へと歩みを進めたなら、微かに鼻腔を擽る彼女の匂いに、女の身体はとろりと蕩けてしまうだろう。
しかしそれは悟らせずに振舞うのだろうが。]
まぁ奇遇ね。わたしも今日はオードリー、貴女を食してみたいと思っていたの…。
貴女に比べたら、わたしはまだまだ熟れもしない青い果実でしょうけども…。でも、僅か一夜だけでも…あなたの手によって芳香漂う存在になりたいわ?
――お相手、していただけるかしら?
[誘い文句の途中、腰元の回され、引寄せられた温もりに。濡れそぼる口許からは甘い溜息が伝い、是が非でもとオードリーを誘惑する。
その手管が通じる相手か否かは別として。]
…っふ、…素直はよいコ。
ならコットンキャンディに乗るようなハグを、
君に差し上げるために取っておくとしようか。
〔年長の彼の背へ、幼くも見えるニーナがあどけなく
戯れつく様子へと、音なくくちづけを投げる。
続く言葉へは、はてさてふふん…等と節めかし〕
私は何処にも逃げないのにね?
…皆が愛らしいから、私も皆を愛してやまないのだよ。
お預けの間も、愉しい…と浮かれて過ごしてくれると
私も気楽に皆と接することができる…有難う。
では今宵のローズは、私が攫っていくとしよう。
同じ夜にいるよ。共にしていてくれるね…ニーナ。
そうね、ニーナ。わたしはとても欲張りな人間なの。
だから、デザートだけでは物足りないわ?
ふふっ…見かけによらず食いしん坊なのよ?
[冗談めかして微笑むニーナに、目許を緩め]
ん〜…そうねぇ…。男の人はあまり美味しくないから。
空腹を満たすには、手っ取り早いんだけどね?
駄目な子…あははっ!そうねぇ、駄目な子ばかりつまみ食いしていたのかもね?
[バツの悪そうな顔でシェイカーを磨いているアーヴァインとニーナを交互に見つめては、可笑しそうに笑い声を上げ]
わたし、腹持ちが悪いから…。
もしかしたらまたすぐにお願いするかもしれないわ?その時は…
[そこまで言って言葉を切ると彼女の傍に近づき、わざと声色を落として――]
さっきよりもっととろとろに溶かしてあげるわ?だから楽しみにしていて…ね?
[囁き。約束を取り付けて――]
…おや…アッハ。本当に杞憂だったらしい。
君が持ってる愛のひとつを私におくれ…ラッセル。
できれば情緒的に叙情的に――此方に
愛でさせて戴けると嬉しいのだけどもね?
〔涼やかな笑みを受けて、似通う色合いの髪持つ青年へと
興味深げな眼差しを向ける。グラスの底へ僅かに残った
角砂糖の溶け残りを、舌の上に落として旨そうに舐め…
きたん、と頭を倒して窺う旨もあったようか〕
うん、甘いの好きだねー。
甘いモノが好きなのは女の子の特権、だよー?
[意地悪く笑ってみせるラッセルに悪びれず言ってのける]
でも、レディにはあんまり言っちゃダメだよー?
歳と体重、聞かれたくないんだからー、ね?
[軽く首を傾げて見せ…]
あたしなら言っても怒らないけどねー。
ふふっ、どんなお酒よりも酔っちゃいそう…
[投げキッスを受ければ、きょと、と目を丸くし…惚けた様に目を細める]
ふふー、何処にも逃げない、って言うけど…待ちきれなくなっちゃうの分かるかもねー。
でも、空腹も美味しさを引き立てるスパイスだから…
もう良いよ、って囁いてくれるの楽しみに待ってる、よ?
[ふふ、とローズとオードリーを見やるとはにかんで]
目の前でお預けされるのも、あたし、熱くなっちゃうかなー…?
欲張りなのは良い事だよー?
それだけ深く、長く…たくさん味わってくれるもの。
食べられちゃうスイーツとしては、願ったり叶ったり?
だから、つまらない子で口を汚さないでほしいなー…
その分、あたしを味わって?
[アーヴァインの様子に気付いたのか気付いていないのか。
意地悪っぽく視線を彷徨わせると、顔を半分ダニエルの背中で隠し。
近くまで来たローズを潤んだ瞳で見つめ]
楽しみに、待ってるよ?
あたしがつまみ食いしないか、されないか、心配だなー…
…綺麗な言葉は僕はうんざりだよ、WidowedGentleman。
そういった類の言葉は聞いてうっとりとする子達にだけ言えばいい。
貴方はあまりこの宴に乗り気じゃないようだったから、
そこまで良い反応を返してくれるとは思わなかった…
愛を差し出すことはできないけれどその一瞬だけは
頭の中を貴方のことだけで満たしてあげるよ…?
[濃艶な笑みを向けて口端についた水滴を舌で舐め取り]
それとも僕の君の勘違いだろうか…
まぁ、楽しめるのなら、どちらでもいいのだけれど。
[退屈なんだ、と呟いて同意を求めるように一度バーテンを見る。その瞳はすぐにその男の存在を放棄したが…]
…子供の特権、じゃなくて?
Ladyへの口の利き方なんかMasterは教えてくれなかった…
[気にすることもなくニーナに笑みを向けるとそこで会話は止め…フロアの中を観察することに意識を向けたようだ。宴の始まりの瞬間を逃さぬと言いたげな*面持ちで*]
…熱烈だね…光栄と言わせておくれ?
君が時折見せる冷たい瞳もまた…私には甘く感じる。
〔マットなルージュを引いた唇を、ローズの手の甲へひととき添える。触を残し僅かに浮かせて、口紅がその色を移していないことを確かめると、安堵めく笑みを浮かべて瞳だけでローズの其れを見詰め〕
…これで…応えになると良いのだけれどね。
〔どうかね、と胡桃色の瞳を細める。〕
ならば互いが互いの味わいを…貪る夜にするのもいいさ。
…此方から願うよ、お綺麗さん?
――如何か今宵、…私のものに。
〔その時々に囁く言葉は、紛れも無く本物。
腕の中の彼女がいとしくて、緑に艶見せる
その髪をこめかみから項へと梳き流し――〕
〔やがて彼女が望む部屋へとふたつの
シルエットをひとつにして歩みゆくのだろう〕
子供の特権は何でも欲しいがままに貰えて。
叱って貰えることだよ?
こんなトコに出入りしてるだけで大目玉モノだろうねー。
[ラッセルの言葉には、くすくすと笑い]
そっかー、ラッセルのマスターは教えてくれなかったんだ…
意外、だねー。
そんな格好してるから、ある程度お付き合いの仕方は知ってるかと思ってた。
[服装に一度目を向けると、軽く首を傾げて見せる。
しかし、興味は既に違うモノに移っていたのか。
視線が合わないことが分かると、ラッセルから視線を外した]
そうね…確かに食される側としては、長く深く愛されたいものよね…。
えぇ、ニーナの言う通りね。これからは詰まらない者で味覚を落としたくは無いわ…。
だって――わたし、ニーナのことをもっと深く深く味わいたいんですもの…。
[同性の言葉に酔いしれながら、異性を盗み見て優越感に浸る。
なんて意地の悪い――
自分自身に呟いては、苦笑を漏らす。
意地の悪い事は、今に始まった事ではないではないか…]
だから、ね?ニーナ…。いい子で待っておいで?
つまみ食いされないように、しないように…。
約束よ?わたしのかわいいニーナ…
[朱を引いた唇に自らの小指を引寄せ、軽く唇を押しつけた後にささやかな束縛へと変え、目の前の彼女に差し出し。その指が結ばれて、初めて効力を成す呪文に変える。
きっとその指を彼女が掬ってくれることを祈って――]
工業用アルコールでも甘くしさえすれば
呑みこなしてしまいそうな君がかい?
〔言葉とは裏腹に、何処かはにかむような色合いが此方の目許に乗る。
幾分困惑げな色さえ隠さずに晒し、軽く顎を摘むような仕草をする〕
アッハ――解かるけれど、是非に堪忍…というやつなのだよね。
…ン、ニーナ…愛らしく強請ってみせる
その姿を、心待ちにしているからね。
〔去り際には、誰へのお預けめかしてか
ローズの衣服から覗く、鎖骨の窪みを
甘く指の腹へ摩る企みもあったようであり〕
[手の甲へ乗せられる誘惑。
感じる柔らかな感触に、想像力はいけない夢を女に与える。]
充分すぎるほどだわ…。オードリー。
――わたしはあなたのこのキスだけで…。気が触れてしまいそう…。
えぇ、願ってもいない申し出…。断る理由なんて無いもの。だからわたしからも改めてお願いするわ?オードリー…。
月が淡く融けてしまうその時まで。どうかわたしを貴女のものにしてくださって…?
お願い…――
[伸ばされた指先。豊かな髪筋を絡め取るその仕草に。
女はこみ上げる痺れに目を潤ませて、うっとりと身を預ける。
そしてエスコートされるまま、裸体を晒す場所へと女は導かれていくのだろう。]
これが私の素でもなのかい…"StiweardShip" 。
それは私を否定する言葉に他ならないのだよ?
〔困らされることがどうにもこの相手には多いらしいと飲み込んで、
此方は此方の本音で接する在りかたに変りもなく紅髪をかき上げる。〕
…無粋なことを言うものではないよ…アッハ。
手向ける最後の笑みというのは、どちらにも必要なものなのさ。
…まだ今は…皆まで言わせないでおくれ。
君から見れば、私は甘いのだろうけども。
〔一度瞼を伏せて、色合いから笑みを消した瞳でラッセルを見遣る。彼の退屈は――果たして此方に漱げるものなのか、今は解らないことにしておきたかった〕
[ローズの言葉に、また欲が疼いたのか。
口元を手で隠すと、上目で見つめ]
ん…分かった。良い子で待ってるよー?
つまみ食いしないから…
させないのは、簡単だけど、ね。
[惚けた様に小指に口付けを落とすとローズの指と絡ませて]
あぁん、流石にあたしでも、ソレは無いよぉ。
[オードリーの言葉に微かに身を捩らせ、切なそうに声を上げる]
罪作りだねー…でも、そこに惹かれちゃうあたしは悪い子?
ふふ、待ちきれなくなったら、すぐにでも。
…ん。行ってらっしゃい、お姫様。
[二人におどけて言って見せるとローズとの指を解く。
人差し指を唇に当てると、遠ざかる二人に小さく…熱い吐息を零した]
あぁん、約束しちゃった?しちゃったねぇっ。
すぐに食べて貰うのはつまらないし…
でも、あの二人だと…ぅぅ、待ち遠しいよぉ。
[嘘泣き。
ダニエルの背中に顔を埋めると、不意に肩に顎を乗せ]
ねーねー。
今日は一緒に寝て良いー?
久しぶりに、Grandpaとも寝たいなー?
[首を抱く様にしてダニエルに*甘えた*]
いい子ね、ニーナ…。寂しい思いをさせるかもしれないけど、約束は破らないで待っていて欲しいわ?
[上目遣いで潤む瞳に破顔して――
絡んだ二人の小指を再び引寄せ、誓いのキスを。
そしてオードリーの言葉に甘苦しい声を上げる、ニーナの姿にくすりと微笑が自然と零れて――]
可愛いニーナ…。きっと誰からも愛される子ね…。少しだけ嫉妬しちゃうかも…?
[するりとほどけていく指の感触に複雑な笑みを。
悪戯に触れられた麗人の指に、思わず無垢な少女のような反応を。
やがて今宵は静かに更けゆく。ビロードの闇に女の溜息は*漂いながら*]
何度でも気を遣ってしまうといいよ…麗しのローズ。
閨裡に息が絶えてしまうその手前までなら、
私が君を連れて行って差し上げられる…
嗚呼…ローズ、
そんなに哀れめかした懇願をしてはいけないよ?
根深い誇り高さを持つ君を腕に出来ることは、
私の誉れなのだからさ…
〔彼女の心の傷を労るような、漠然とした思いが声音には乗る。
そっと彼女の襟元へ触れて、手探りに留めをひとつふたつ緩め
その愉楽知る白く滑らかな肌の凹凸へと、つつと指の腹を這わせ〕
〔…併し月が淡く融ける頃合にすら、彼女を許しはせぬのだろうと〕
〔場に残る皆には、よい眠りと引き続きのよい夜とを願う挨拶を。〕
〔そして立ち上がりざま、ずっと此方の隣で過ごしていた影へと
無造作に上体を覆い被せて――彼の頤へ触れながら囁く〕
――…夢に見ても…構わないよ。
〔多分その場では…*視線も笑みも交さなかった。*〕
[昨夜と同じく、談笑するメンバーたちの側で、黒の男は静かに微笑みながら座っている。
洩れ聞こえる会話は、その端々に些か剣呑な色を滲ませ、「その時」が着実に近づいていることを窺わせる。]
[時折、隣の席のオードリーの身体が軽く触れるが、それを拒むことは無く──だが、姿勢も表情も変わらない。
去り際の、頤に触れる手も囁きも、沈黙のまま受け入れ、刷毛で刷いたように薄い笑みを崩すことは無い。]
[やがて、即席の恋人達が席から消え、留まる者もごく僅かとなった頃、]
……。
[微かに息の洩れる音を立て、黒い影の肩が揺れた。]
[上体を倒して、カウンターに覆い被さるように伏せられたその顔は、垂れ掛かる闇黒の髪に隠されて見えない。
その身体が小刻みに揺れているのを、カウンター内のアーヴァインは平静を保とうとしながらも落ち着かない様子で見詰めた。
それが、声を出さずに笑っているのだと気が付くと、余計に落ち着かない目に変わる。]
[首を振りながら、黒手袋の手で口元を覆い隠す。
ふと、やっと気付いたようにアーヴァインに目を向けると、緊張を隠し切れない彼に向かって、空になったボトルを押し遣り立ち上がった。]
[幾分か本物の嗤いを浮かべて、ゆっくりとカウンターを離れて行く。
その途中で、あえてラッセルの眼前を過ぎり、揶揄うようにその頭を撫でる仕草をする……黒手袋は決して触れはしなかったが。]
[その足がフロアの中ほどに至ったところで、黒い男の姿は消え、気配も完全に*消失する。*]
[双方の同意の下、誘われたる場所は個人にだけ許された部屋か、はたまた淫楽を共に啜る区画か――
しかしどちらに誘われたとしても、ひととき女の心を奪ってやまないのはWidowedGentlemanの仕草のみ。
和毛を逆撫でするその指先の動きひとつひとつが、女の躯の奥深く眠りし感覚を呼び起こして、膚の内側にひっそりと張り付く。]
嗚呼…懇願をしてはいけないと、囁かれてもオードリー…。
貴女はわたしの隠し持つ、全ての嬌態を引き出してしまうの…。
――わたしはあなたの前では、何一つ纏う事のできない赤子と同然…。女としてのプライドも何もかも…あなたの前では無に還ってしまう――
[素肌を滑り落ちる感触に目を細め、いとも簡単に取り払われていく砦を咎める事は無く――]
全ては貴女の思うが侭に…。わたしは貴女だけの華に成りましょう?
[そっと差し伸べた自らの指で一筋、オードリーの首筋を撫ぜたなら。唇を寄せて快楽の口移しを――]
[やがて、朝月夜が漂いし頃合になっても許しを得られずば、女はただ咲き乱れる薔薇(そうび)になり、彼女の傍らに*捕らわれれたままだろうか…*]
"ExaltedAngel" ローズ・ブラントは、"WidowedGentleman" オードリーの口許へ柔らかい舌を差込み、彼女の体液を貪るような口付けを施した。
――回想・陽も高くなりゆく頃――
〔外では世界が目覚め、生命が思い思いの生きざまを紡ぎ始める頃合、短い微睡みに浸る此方は、今宵の美しき歌姫を腕にしながら淫蕩な煙に巻かれる闇色の夢を見ていた。〕
――…、ぁ…
〔眠る前には、意識を飛ばしたローズをそっとあやして湯浴みまで済ませていたというのに、この淫夢は男装の女で通る此方の肌を汗ばむ其れへと変えていて――〕
〔――目覚めは自らを殺める如く、断ち切る態で為される。乱れ切った呼気を整えて、漸うゆうらんと夢見に半ば浮いていた上体を戻すと…傍らに休むローズを見遣る。一度大きく息をつくと、胡桃色の瞳へは慈しむ如き色合いが戻っていて〕
……。…
私に恋をしてはいけないよ…?
華に夜空に大海原に想いを馳せる如く、
数多に存在し共存しうる愛を…
ひとつだけ…私にくれたらしあわせだから…
…ね。よいコ…いとしいローズ…
〔眠る前に用意した水差しの冷水は、まだ器の霜が露とならずに残った侭。空調がよく効いた室内ということを考えても…2時間と眠ってはいない。〕
〔それでも既に此方は寝足りてしまっていて、二度寝はできそうもなかった。柔らかに腕枕する腕は、一度変えていたので痺れるもなく…女は、そのままローズの寝顔を見詰めながら柔和な面持ちの侭、独りでは到底耐え難い深さの思索に耽る。〕
〔天の御遣いが此方に与えた、まごころからのくちづけが救い。
やがて何事か心底へ擁き始める様子で、女は気配のみを添わせ…
長く濃く切なる求めを交し合った枕辺を*脱け出しもしていて*〕
――回想・陽も高くなりゆく頃・終了――
――皓月が完全に眠りし頃――
[咽返るような絳花の香りに酔いしれながら、女はか細い高音の歌を奏で続け、月季のように咲き乱れながらその身を嗄らし、やがて静かに崩れ落ちた。]
[その後、途切れた意識の中、未だ芳香を漂わせたままでのオードリーの優しさにより身を清められる最中、女が見る夢は死の遊戯かそれとも生の舞踏か。]
…ぁっ…ん…っ…――もぅ…赦し…て…お願…い――
[色を湛えた口許から漏れる艶かしい音だけが、その全てを把握していく。
自らですら気付かずにいる、燻る感情全てを。]
[時を刻むごとに与えられる甘眠、それでも貪るように細い指先でかき集めた牀の許、寄せ合わせた素肌の柔らかさに、思う女は宵の相手にどのような華を捧げるのだろうか。]
[刹那、耳を掠めた布擦れ音にそっと瞳を開けば、温もりと残り香だけを残して立ち去る麗人の囁きに、瞬きだけを繰り返し]
わかっているわ、オードリー…。
過不足ない…血液のような真紅の愛を貴女に…――
[舌に、肌に、体内に、そして心にまだ生々しく残る彼の人の温もりを、後姿に重ねてはまどろみながら見送って。
一人残された部屋、女はしばし晏眠へと*耽るのだろうか*]
─2F "Blue"floor─
[今日もまた、そこに影の男は立つ。
妙なる天上の奏楽に耳を傾けるように、或いは己の内という深海に沈みこんでいくかのように。
眸を閉じて、ただ立ち尽くす。]
[降り注ぐ青の光に、時折雷光のようなフラッシュが混じる、フロアの中央部。
周囲にはやはりダンスに興じる人の群れ。]
─3F "Blue"floor─
[躰が求めるだけ眠りを与えた女は、麗人と求め合い溶け合ったその場所を這い出し、再び日常へと足を滑らせる。
身に着けるは相変らず白い軽やかなワンピースとシフォンのショール。
翅の様に身体から一拍遅れて漂わせた布は、青き照明と共に淡い香水を周囲に撒き散らす。]
[男は広げていた腕を、己を抱くように引き寄せる。
常に唇に浮かぶ笑みは無く、ただ穏やかな静謐さを湛えてそこに在る。]
[ふとその目が開き、フロアに入ってきた気配を探るように、首を回らす。]
[その顔が再び仰のき、上へと向けられる。
ダンスフロアを見下ろすように設えられた、3階のラウンジの何処かに何かを認め、そちらに視線を固定する。]
あら…?二階に居るのはもしかして…
[よく目を凝らさなければ、影と見紛う仲間の姿を確認して、女はくすりと口嗤う。]
そういえばそうね…。確かリストにはジーンも入っていたんだっけ…。
影が濃すぎて逆に影の薄い男も…。そう…――
[青き光はジーンの存在を知ってか知らずか。無造作に光を注いでは影を生み出す動作を繰り返す。
件の彼に影が滲むかどうかは別として――]
挨拶位、しておいた方が良いかしらね?影の男に…。
ふふっ…。そうね、しておきましょう?折角逢えたのですもの。
それに…ほら、彼も『気付いている』…。
[小さく笑みながら呟いて。その場を後にすべく踵を返すか。それとも向こうからか出向くのか――
しかし女は、穢れなき白を翻し歩みを進める。
対なる色彩を持ち合わせる男に逢う為に――]
――3F→2F "Blue"floor――
[気配が動くのを感じたか、ひしめき合う人の波を縫って、フロアを横切り始める。
ゆったりとした足取りで入り口に向かうのは、天使を名乗る白の女を迎えようとしてか、それとも他の意があったのか。]
─―1F "Platform"―─
[喧騒の中、音も立てずに眼前を過ぎる濃い影へ――黒の手が此方へ伸ばされたその一瞬、煩わしげに蒼の瞳を細めたが――声を掛けることもなく、目も合わせることもなく、ただ影の気配がこの空間から消えるまで一言も言葉を発することなく唯違うものを眺め続ける。表立って気に留めるまでもない――影、そのものの扱いと同等に。]
――2F "Blue"floor――
[エレベーターを使わず、階段を軽やかに駆け下りる姿に、傍にいた客達は好奇の眼差し。しかし女はその視線を気にも留めずに入り口付近で一旦足を止め、帽子を小脇に抱える。]
[やがて近付く黒尽くめの男を視界に捕らえたなら、腰を沈めて優雅に挨拶を交わすのだろう。]
Ca va?ジーン。ここのフロアは貴方のお気に召して?
[今は未だ、殺意などを微塵と漂わせずに。]
[階段を駆け下りてきた美女を、薄い笑みを浮かべて迎える。
優雅な礼を見るや、その眸に諧謔の色が浮かび、些か時代がかった丁寧な礼を返す。]
そう、気に入っている。ここは。
[相手の思惑など気にも留めぬ様子で、静かに答えた。]
飲み物はいかがだろうか。
もう誰かと約束をしていなければ、だが。
[抑揚の無い声に、僅かに面白がるような色を滲ませて誘いの言葉を掛ける。]
――2F "Blue"floor バーカウンター――
〔決して交わらぬ筈の光と影が交錯するフロアには、果たして女の姿もあった。それは意図的だったのかそうでなかったのか――何の言葉を口にすることもなく、人込みに背を向けて"妖精のささやき"たる暗緑色の酒を*口にしている。*〕
まぁ、冗談がお上手ね?
[ジーンの礼に、鈴の音のような笑い声を上げて。
返答の言葉に、女は少しだけ瞳を見開くように、目の前の男を見つめる。]
――何故?
貴方の色彩なら…ここよりむしろ"Black"の方がお似合いでしょうに?
[僅かばかりの純粋な興味を抱いて。]
[二つ名を持つもの達がフロアからいなくなると席をたち、裾についた僅かな埃を指先で取り払う]
…アーヴァイン、この席キープしておいて?
僕の定位置なんだ…名も無い薄汚れた輩に座られたくないから。
君も、"それくらい"ならできるだろう?
[笑みを柔げてバーテンの男に告げ、良い顔をしない様子も気にすることなく堪えきれない笑みを口許に湛えたまま言葉を続ける]
この場所を少し誉めてやってもいいと思っているんだ…。
何もかもが最悪なままだけれどね…でも少しだけ楽しい。
全ての一瞬一瞬を逃したくなくて今は瞬きする瞬間すら惜しい。
こんな気持ちは久しぶりだよ…少しだけ、機嫌がいいんだ。
祭りは始まるまでが一番楽しいって言うだろう?
[求める楽しみは此処にはない、と告げる声は粗悪さを知らぬ純粋な幼子の透ける其れにも似ていて。靴音を軽やかに鳴らすとフロアを抜けて赴くままに足を進める…宴の参加者の気の一番濃い場所へと。]
約束は…持ち合わせていないわ。
誰もわたしを拘束できない。誰も拘束はしない。そう、誰も――
だから今の時間、貴方の為に捧げても構わないわ?
というより…。
[静かに歩み寄る理由は、会話を音楽に邪魔されない為。
無防備とも思える程、距離を詰めて女は囁く。
死の香り漂うカラーを身に纏う男に。]
是非ともお相手していただきたいのだけども。
グラスを傾ける時間だけでも――
[にっこりと微笑み、女は誘いを受ける。]
――2F "Blue"floor――
[重厚な扉を開けるとPlatformとは違う、けれど同じように耳を裂くBGM…けれども見つけた幾つかの影に青年の表情は不快を表すことなく音を耳へと受け入れる。挨拶の言葉は何時も通り、目すら合わせぬ沈黙で。迷うことなく足を進めると紅く波打つ艶やかな髪の持ち主の隣へ腰掛け足を組む。]
[誰に言葉を交わすわけでもなく、僅かに懐くようにオードリーの隣で表情を緩めたまま黒と白のコントラストが絡む様子を眺めている。]
[白の女の問いに、首を回らせ]
ここは静かでいい。
[耳を聾する爆音と、重低音の振動に満たされたフロアを目で指した。]
Multae sunt causae bibendi……
[一掻きで剥がれてしまいそうな淡い微笑を浮かべ、『死と乙女』さながらに、黒い男は白い美女を導く。
その先は、喧騒に満ちたバーカウンター。
既に席に着いている先客には声を掛けず、一瞥を送るのみで。
ローズを丁度空いた席に案内すると、自分もその隣に腰を下ろした。]
静か?――ここが?
[思わず声を上擦らせて問い返す]
[どう考えても今、女の耳を塞ぐは大音量のクラブミュージック。性に合わない所為か下から容赦なく身体を揺さぶる振動すら、膚を突き刺すようで居心地が悪い。
悪いのだが…。目の前の男にはどうやらここが静謐の場、ならしい。]
そう…――。貴方って面白い嗜好の持ち主ね?
でも感性は人それぞれ…。貴方を責める権利はわたしには無いもの。
だから否定せずに、そのままの貴方を受け入れましょう?
[くすり くすり――
零れ落ちる笑みは、メヌエットのように床へと弾き落ちて。]
では、案内をお願いいたしますわ…。noir?
[差し出される黒い手のエスコートに、女は躊躇う事無く手を乗せ、導かれるままに歩みを進めた。]
――2F・"Blue"Floor――
[人々の渦の中、男はズンズンと歩いている。]
……若造は分かりかねるものだ。
こんなにもうるさい場所に居たら、身体のリズムも狂うだろうて……
……まあ、よかろう。
ここならば「弾」にはこと欠かん。
いざ「死」が迫った時、それを振り払うことも、割に容易くできよう……
[誰に聞かせるでも無く、騒音の中でひとり呟いた。]
[導かれるまま訪れたバーカウンター。
先客には、未だ名残惜しい熱を呼び起こさせる人の姿もあるが、女は眉一つ動かさずに変わらない笑みを振り撒き、勧められるままスツールに腰掛ける。]
…コスモポリタン・マティーニを。
[しかし口を滑らかに滑り落ちるカクテル名は、同席する者の色味を少しでも感じさせるものではなく、月の時間を味わいつくした相手を髣髴するような色合いのもので。
思いの外引き摺る想いに、女自身、自嘲が漏れた。]
[響く爆音は耳に痛く、そして遠い…気圧変化の時に感じる違和感と同じように。時折耳に指先を宛てて首を傾けながらグラスの水を舐めてやり過ごし。ダニエルの姿には軽く揶揄るように薄らと微笑を浮かべて見遣るも挨拶をすることはやはりない。]
そこのは、ラッセルか。
……お前さんもボーイかと思ったがな、制服と違うのに気付くのが多少遅れたわ。
[髭面の奥で、冗談めかした笑みを浮かべた。]
お主もそこの若者ら同様、喧騒は好きか?
いや。嫌いだと言わんばかりの顔に見えるが。
…あんな安物の服の奴らと同等扱いとは心外だね…
[鬱屈の吐息を零して前髪を指先で弄り不服そうにダニエルを視界に捉え]
冗談…気が狂ってもここの連中と同じにはされたくないよ。
Sledge-Hammerも喜んで受け入れているようには見ないけれど?
でも有り余る体力はここにいる連中と同等なのかな?
…LatestOpeは美味しかった?
[口角を上げてグラスを揺らし…問うのは昨夜の少女からの誘いの続きの話のようで]
[注文を受けると、すぐさまシェイカーを振るうバーテンダーの姿に目を細め。やがて差し出されるグラスに淡い笑みを一つ落として、女はジーンへと向き合い]
そういえば…貴方はアルコールが苦手なの?
昨晩のカウンター、口にして居たのはミネラルウォーターに見えたのだけれども…。
[もっと別な場所を差し出せばよかったかしら…?
冗談めかして呟く言葉は、相手を陥れるものではなく。
払うように手を振れば、風に乗って何処かへと消え去る。]
はっはっはっは!
……若い娘を食らえる程の「勢い」とやらは、もう残っておらぬわ。儂は所詮"Gran'pa"に過ぎん。そういう「役割」は、お主のような若者の特権だ。
[グイ、とひとつ水を飲む。]
儂には、儂に似合いの、求めるべき「極み」がある。人肌の温もりなぞ、所詮「極み」のひとつに過ぎんだろうて。
それにニーナにとっても、誰彼とも無く寝ることは、あれの人生によろしくなかろうが。
あら、何方が同席したのかと思ったら…。ダニファー爺じゃないの。
珍しい事もあるのねぇ。貴方にとってこの場所は心地良い所であって?
[軋むスツールの音を漂わせて。体勢を逸らして収まる視界の先、映る姿に女は子供のような笑みを浮かべて挨拶。
瞳は、彼と居心地の悪さを共有しようと、嫩緑のように透き通った視線を投げかける。]
[軽く指を組み、手をテーブルに乗せる。
女の問いに、]
別に飲めない訳ではない。飲んでも仕方が無いからだ。
[とのみ答える。
シェイカーを振りつつ、注文を待っているらしいバーテンに、少し考え込んだ後で、]
では、彼女と同じものを。
[己の名にリボンとレース付けて呼ぶ声。
男はそちらの方に顔を向けた。]
おお。ローズも居ったのか。
あまり心地の良いものではないが、致し方あるまいて。
「呼ばれた」以上、きちんとそのミッションに応えるのが儂らの常。文句なぞ誰が言えよう?
[視界の端にジーンを捉えながら、口許をグイと上げた。]
儂は酒を好まんし、煙草も飲まん。
その楽しみは、お主らなら得られるのだろうよ。
なんだ、つまらない。
質の悪い添え物のチェリーよりかは楽しめると思ったのに。
[そっけなく言い放ってコクリと水を口に含み]
LatestOpeが僕の好む形であるのならその可能性もあるのかもね。
でもどちらかというとLatestOpeは…
…苦いのは好きじゃないからな…。
彼女のくれるチョコレートは好きだけれど。
「極み」…昨日も似たような話をしていたね…?
求めるべきは何?昔語りはしてくれないの?
[あれの人生によろしくない、という言葉には肩を震わせて笑ってみせた。]
[ローズが、ダニエルに向かって微笑みかけるのにあわせて、軽く視線を送る。
会釈とも呼べないそれが、影の男にとっての挨拶らしい。]
飲んでも仕方が無い…か。
聞けば聞くほど…面白味が増す人ね、貴方って…。
[自らと同じものを頼むジーンの横顔に、落とす笑みは少女のものか娼婦のそれか。
声は落ちずに空気だけ震わせ]
では、乾杯――
[時を置いて差し出されるグラスに瞳を細めて。軽く掲げては、其の先に辿り着くは濡れた口許。
乾く口内を潤すように、赤い液体は滑り落ちていく。]
[アルコールで潤んだ舌先は、レースにリボン、果てはコサージュまで飾りつけて壮年を過ぎたりし男の名を呼ぶ。鈴のような声色で。]
確かにそうよね。
わたし達は「呼ばれた」以上、与えられた指令は突き通さなくてはならないんですものねぇ。
それがどんなに非情なものでも…ねぇ?
でも場所だけはちょっと考えて欲しかったかも…。
さすがにこの煩さには耐えかねるわ…。
[困ったように肩を竦めて。落とすはわずかばかりの愚痴かそれとも嘆きか――
しかしどちらにせよ、その感情は共有できない物と女は理解しており。同意は求めない。]
ラッセルよ。
「添え物のチェリー」とは、こはいかに。
それを楽しむのは儂か?
それとも、それを聞いて楽しむお主か?
[空気を震わせるように、大きく笑う。]
……いやはや、お主にはかなわんよ、ラッセル。
そうだなぁ……昔語りをするには、まだ時が満ちておらぬわ。もっと高まったなら、気が向いたら話そうか。
[ジーンの視線に気付き、軽く手を上げる。派手な挨拶を好まぬ男への返礼を。]
[やがて置かれたグラスを、同じように掲げて見せて。]
Prosit!
再会と新たな出会いを祝して。
[赤く彩られた液体を一息に飲み干す。
その間も漆黒の瞳は傍らの白い美女に注がれ、揺らぐことは無い。]
〔何時しか集まる面々とは、杯を重ねる合間に常の如き挨拶も交わしていたか。時間に余り関係なく呑み上げるのが日常たる男装の女は、宵の口にあって既に目の際を薄紅く染めて居り。皆の会話を其々に面白がって寛いでいる様子…。〕
〔隣席にて懐き来る気配のラッセルへはまだ視線を投げず――拒まれなければ、時折彼の顎を取ってその頬を愛いがるような仕草も見せているかもしれない。〕
――1F・"Platform"――
[彼女は闇から現れる
黒衣に身を包み音もなく人々の間をすり抜ける
そして迷う事なく椅子へ座りシェイカーを振る男に何時ものカクテルを頼んだ]
・・・
[彼女は差し出されたカクテルを飲みながら胸元からペンダントを取り出し見つめる]
〔そして誰へともなく、憂うような…
または願うような呟きが落とされる。〕
…はふん。 ……嗚呼…
何の誰が如何だろうと…生き残る勝者が最大に多ければ、
…私はうれしいのだけれどね……
〔それは並び立つ存在である彼等への、切なるいとしさを篭めて。
――誰一人、憎むことはしたくない。眼差しはそう語っていた。〕
[ダニエルの言葉に耐え切れなくなったのか腹部を両手で押さえると声をあげて笑い]
…いいね。
ちょっと今のは面白かったよ、Sledge-Hammer?
ここのデザートは口に合わなくて美味しく感じないってことさ。
深い意味じゃない。
…Sledge-Hammerは解かってくれていると思うけれど…
僕は僕さえ楽しめれば他はどうでもいいんだ。
貴方がどう思おうと…周りがどうであろうと、ね。
一緒に楽しめれば其れに越したことはないんだろうけど…
僕の感性は他の人とは少しだけずれているようだし。
[それに馴れ合いは蕁麻疹が出そうだ、と小さく肩を竦ませて。昔語りにはスラックスに掛けられた銀時計をチラリと見遣るとなるべく早めに…と指すようにダニエルへ視線を向けた。]
[一気に飲み干されるグラスの赤を、女は瞳を細めたまま見つめ]
再会と、新たな出会い…――
そうね…でも…。
[そこまで呟き、一瞬だけ口を噤んで。]
違う意味合いで貴方とも向き合いたくは無いけれど…。
さあ、神はどのように残酷なダイスを振るのかしら…?
[揺らぐ事の無いnoirの瞳を、女は惑う事無く受け入れ。
意味深な微笑みを目許に滲ませた。]
[干したグラスを黒手袋の指で弄びながら、喉奥で微かな嗤い声を立てる。]
Carpe diem……
ダニエル。子供には人生の何たるかは分からない。
[静かに語りかける声には、諧謔の色が混じる。]
……
〔いつしか場へ混ざる黒衣の彼女へも、挨拶は同様と為されただろう。グラスをカウンターへこつりと置いて、緩く顎へ手を遣り――暫し寡黙な仲間の様子を観察する。〕
…――…キャロル。
〔ふと、珍しく名を呼んで声をかける。〕
…もし…君を手にかける事態になったとしても、
私は”其れ”に手をかけたりはしない。
――安心してお出で。
〔無論此方は、彼女が見詰めるペンダントが、何であるかは知らない。…彼女の眼差しに察するのみであり…夫を亡くして久しい此方だからこその響きもまた、声音には乗る〕
・・・約束
・・・守れない
[彼女は独り呟く]
・・・私にはやることがある
[独りで飲む姿は周りから目立つのだろう
時々男に声をかけられては反応のない彼女に飽きて帰って行く中に一人]
--可憐ぶるんじゃねえよこの売女が!
[反応のしない彼女にキレたのか罵声を投げかけ肩を掴む]
[微笑む女の目許は、それだけで幾重もの謎をはらんでいるようで。
影の男は僅かに目を細めて、眼差しを注ぐ。]
さあ・・・確かなものは何も無い。やがて訪れる死のほかは。
──Mors certa, hora incerta.
[グラスを指でくるりと回転させ……ゆらゆらと揺れるそれに寸時目を落とす。]
死は決して過つことはなく……
躊躇いもしない。
その忠誠も、送り届けるべき相手も。
ローズ。
[再び女に視線を戻し、静かに呟いた。]
やがて訪れる死――
タナトスの微笑み以外…確かなものは無い…か――
まぁ、それは今に限った事ではないわね…。
指令を受ける度に、わたし達に常に付き纏うもの…。
この赤き液体がこの身に流れる限り…。
死からは逃れられない運命。貴方も…そしてわたしも…。誰もかも全て――
ねぇ、そうでしょう?
[謎なんて無いわ?
破顔微笑、緩めた口許に塗られた朱は艶々とライトを反射して。消費のタイムリミットを迎えたカクテルを、余す事無く受け入れた。]
"WidowedGentleman" オードリーは、"ExaltedAngel" ローズ・ブラントと影へグラスを掲げて見せる。『…Conscientia bene actae vitae jucundissima est.…さ。』
[彼女は肩を掴まれた事など気にもとめずカクテルを飲み干し立ち上がる]
・・・まだアマイ
[...はそうバーテンダーに言うと後ろを振り向き]
・・・邪魔
[そう言い放つと男はフタリになり崩れ落ちた]
"WidowedGentleman" オードリーは、"ExaltedAngel" ローズ・ブラント"ExaltedAngel" ローズ・ブラントへと言葉と共に目配せした。
ジーンよ。
あの若者、なかなかに壮絶な人生を送ってきたやも知れぬ。あれにはあれなりの、何か確信めいたものがあるやもしれんな。
……甘く見たら、とんでもない目に遭ったりしてなぁ。
はっはっはっは!
[再び、空気を震わせる。]
死は過つこともなく…戸惑うことも…しない?
本当かしら…?
もし本当なら――…っジーン?
[紡ぐはずの言葉は、目の前の男の行動によって遮られる。
静かに呼ばれた名前の後、左手の甲にに落とされた感触に、女はふいに頬を赤く染めて口許を右指で覆い隠す。]
〔キャロルへと向けた言葉は、昨夜のものだったろうか。彼女がペンダントを弄る姿は、以前に目にしていたものかもしれず〕
――気持ちを添わせてくれては…いるのだろうからね…
〔ひととき瞼を閉じては、彼女を想っていたようで〕
ダニエル。
自分は誰も甘くは見ていない。
だが、闇雲に求めるものが得られると思う、それはまだ子供だ。……何歳であっても。
[抑揚の無い声で答え、グラスをテーブルに*置いた。*]
[オードリーの触れる手を拒むような所作は見せず、緩い笑みを見せると蒼の瞳にその姿を映し]
…昨日一つ言い忘れていたんだ、WidowedGentleman。
僕は貴方を否定することだけは決してないよ…
深い…深い、始まりの部分から貴方と僕は
相容れないものであるかもしれない…そう思ってはいるけれど。
綺麗なだけの水に魚は棲めないでしょう?
それの逆説なんだ、きっと。
和音が美しく聴こえるのはそれに容れぬ不協和音が在るから。
…この場合の不協は貴方であり…貴方からみれば
きっとそれは僕の方なのかもしれないけれど。
けれど…そう考えると僕は貴方のことをとても尊いものだと思えるよ…。
[猫が甘えるような、そんな媚びた声で綴ると「それだけ。」と残してその会話は断ち切り…影の言葉には薄く目を細めるだけで何も言わない。影とは話せない、と伝えるような所作で。]
……そうか。
それは悪かったなぁ。ジーン。
しかしな。
何歳になろうとも求めるものが手に入ると考えているのは、儂も同じだ。
〔酒量は足りても、何処かまだ物足りない様子で手にしたグラスを揺らす。空き手に触れていたラッセルの頬が此方への言葉に動きを見せると、漸く視線を青年へと流し向け――一度、深く…瞼で頷く〕
…有難う…ラッセル。昨夜も。
済まなかったね、…私は君の表層に惑わされ易いらしい。
……アッハ、…皆まで言うな…さ。
〔胡桃色の眼差しは真剣だが面白がって、彼に注ぐ想いは穏やかな其れ。口元の笑みをやがて其処へも混ぜて…親指の腹で、さらりと彼の若く瑞々しい唇を撫で摩る。〕
…ああ。君と私との違いは…殆どが表層、その一点においてのみ。
だから君を敵に回すことはこの上なく恐ろしいのだよ?
戦いの舞踏だけでなくて…正直勝てる気がしないくらいには。
其処へ試みていたかたちが、私なのだけれどもね…あはん。
〔併し、いま彼が甘えついてくれているのが此方には嬉しい。喩え彼の心底で見極めがまだ為されていないとしても。ラッセルの顎を取った侭、殊更ゆっくりと顔を近づけて瞼を伏せるよう視線で促し――〕
…含ませるね、Granpa?
何時になったら"その時"が訪れるのか…待ちきれないよ。
見ての通りあまり気が長くないんだ…。
[彼の目指すもの、求めるものに興味があるのか吐息を零し。
オードリーの頬へ手を伸ばすと指を包む上質の絹でその目許を辿る]
…それは如何かな…?
表に出すなんてナンセンスだ。
答えは互いの胸の内にだけあればいい。
…でも、昨日の貴方が一寸見せたあの目の色は美しかったよ?
何度でも見たくなるくらいには…だから、楽しませてね、Gentle?
[とろりと融ける瞳を細めて微笑を眼前の相手へ送り、近付く影には唇へ人差し指を押し当ててその先を拒み。]
…それまではこの先のことは夢想の中のものだ、WidowedGentleman。
本来ならMaster以外に触れさせることすら幻のものなんだから。
[突然与えられた掌への接吻。
noirの心地良い感触は親愛なるものか、それとも何かの前兆か。]
ふふっ…「ここ」以外で他の人の熱を感じるのって、どれ位振りかしら?お陰で久し振りに乙女のときめきを味わうことが出来たわ?ジーン…
[解き放たれた指で、自らの唇を軽く叩き]
『目許潤むはアルコールの所為?』
[ニンフの如く囁く独り言は、そっと胸に閉じ込めて。僅かに熱を帯びた視線は目の前の男を捉えるも。]
「Conscientia bene actae vitae jucundissima est」
[しかしすぐさま女の気心は、目配せと共にグラスを掲げる、昨夜の相手に奪われてしまう。]
〔手袋越しに触れ合う体温は、酒精に熱くなってもいたか。戯れに戯れを返す快さを憶えつつ、確かな眼差しをあて〕
…そうさ、ラッセル…ナンセンスだ。
君はその意味を考えながら私に接することが出来る。
此れが私が君に払う敬意。
…揮っていると思うのだけれど…どうかね?
〔蒼い瞳へは某かを込め、彼にしか聴こえぬようごく間近に囁く。〕
なので、ご期待には添えるかまだ
解らないことになるのだよ。…アッハ、…
〔やんわりと此方を留める指先へ、では此方へと含める如くに音なきくちづけを。見詰める瞳へ笑む色合いを徐々に戻しながら身を起こし〕
…ああ。忠実なる"StiweardShip"…
破格に甘えて戴けたのは感じているんだ。
だが矢張り君もまた…私にはいとしいのでね。
〔最後の辺りは、此方にしては幾分素っ気無く口にした。彼が其処を如何見るか…それは自由。此方の手元には、新たなグラス。〕
ça va?オードリー。
今日も貴女は忙しそうね…。
[今当にラッセルの唇をも撫ぜようとする昨夜の悩ましい指に、女は苦笑を漏らしつつも挨拶を交わし]
貴女にとって昨宵のひとときは、その言葉に含まれるものであったのかしら?
[バーテンダーに辛口の美少年を注文する。
そして――]
ねぇ、オードリー…。
貴女の魔法の手にかかったら。竹の様に清らかな彼も甘いリキュールへと変わってしまうのかしら?ねぇ?美少年…――
[二人のやり取りを熱っぽい視線の端に捉えながら。
女は喉の奥で押し殺すような嗤いを滲ませ、新しく差し出されたグラスへと唇を寄せた。]
[指先に口付けられると不服そうに柔く眉を寄せ…しかし言葉にはせずにその指先を己の心臓の在る場所へと突き立てて]
その答えもまた…此処に在るのみ、だ。
ご想像にお任せするよ、WidowedGentleman。
…僕は嘘はつかない主義のつもりだけれどもね。
だから気に入った相手にはそれなりに口も訊くし、甘えもするよ。
それに見合うだけの時間は、ね…。
[すっかり氷の溶けたグラスの縁を口付けられたものとは逆の手でなぞり…素っ気ない口調には幾分素直さの見える無垢な笑みを浮かべ]
そういうところはやっぱり嫌いじゃないよ、WidowedGentleman。
残念だけど貴方の"あい"を受け入れる場所は僕の器にはもうないんだ。
頭から足先、心の奥まで僕は僕と彼の方だけのものだから。
でも、もう一つの遊びは…何時でもお誘いを待っているよ。
心から、ね。
[ローズと目が合うと両手の平を其方へと見せて、Widowedはお返しするという態を見せ]
…貴女もね、ExaltedAngel?
遊べるその時を、楽しみにしているよ。
[それきり暫くの間は口を噤み周りを眺めるに終始することにした。]
――1F Platform――
[白と黒のゴシックドレス…今日は短いスカートに、白と黒のストライプのニーソックス。
ヘッドドレスではなく黒のリボンをつけて。
つまらなさそうに入ってくる]
…今、機嫌悪いの。あっち行って。
[色にかまけた男の手をはたくと、男は血相を変え肩を掴もうとする。
が、その手は掴もうとする手前、だらりと垂れ下がる]
うー。うー…
美味しく無さそうなのばっかり。
[カウンターへと向かう間に、見定めを行うモノの好みの人物は居なかったらしく。
聞こえてくるのは己の腕を持ちながら叫ぶ男の断末魔。
そして、見えてきたのは…]
…シンメトリーなオブジェでも作るつもりだったの?
…ふ。やあ、ローズ…
私のお綺麗さん…ご機嫌如何。
忙しいのはさて、ラッセルが愉しい方だからだろうさ。
〔幾分感慨深げにローズを見詰めながら、スツールに腰掛けた身をずらして向き直る。カウンターへ頬杖をついて、酔いを知らせる如くに笑んで見せ〕
…そんなところかもしれないな?
昨夜の態を逃しては、此方の名折れと言うものだよ…麗しの君。
2、3日腰が立たないほどに愛したかったのだけれどね…本当は。
〔にまと深める笑みで、彼女に今朝方の態を思い起こさせもしたかもしれない。〕
魔法の手など持ってはいないさ。
私は我儘勝手に、その時々の気持ちを傾けるだけだ…
ラッセルは…、ン、交すときには…きっと甘く甘く
蕩けてくれるのではないだろうかね…? アッハ。
[StiweardShipの、ひらりと舞う手の動きで意味を悟りし女は、困ったような表情を浮かべ、彼に小首を傾げつつ]
困った子…。オードリーは物じゃなくてよ?
そして彼女が還るべき場所は…残念ながらわたしの許ではないだろうし……。
[口には出さずとも、望みは叶えられたしもの。しかし当のオードリーは、今宵誰の許へ行くのか判らない。
捕らえない・捕らわれないスタンスは、こうした時に足枷になって静かに絡まるのだから性質が悪い。]
あ、でも…。貴方とはいつか遊びたいと思っているわ?美少年さん?
もし、その時が来たら。手加減してね?StiweardShip――
[口を噤む雰囲気を悟り、女もそれ以上は彼に話しかける事は無く。
淡いグリーンのアルコールを、こみ上げる口寂しさを紛らわすようにそっと啜った。]
[二つになった男を見ていたが、興味が無くなったのか近くのスツールに座り]
ギロチン、かな。
[すぐ側にあるモノに感化されたのか、血の色を連想させる様なカクテルを頼むとモニタの方を見やる]
…珍しいねー。
Blueに沢山いる。
[モニタに微かによぎった見知った姿にポツリと呟けば、バーテンの方を向き]
ん?んー、そーだねー。
行くのも良いけど、なかなか無いよ?
Platformに赤いオブジェがあるってゆーのは。
どっちの方が良いかな。
[赤い液体を口の中で転がし、チェリーをつまむと目の前に垂らす。
一つ零れた赤い雫はカウンターの上ではねた]
そこそこって所かしら?
って…まぁ。美少年が愉しい方だなんて…妬ける台詞…。
[スツールを軋ませ向かい合うオードリーの仕草に、女の目許は赤く滲む。
頬杖をつき緩く口許を歪ませた彼女の表情からは、如何程ばかりかの酔いの姿が読み取れ。
ローズは密かに胸を熱くする。]
名折れだなんて…。本当はちっともそんな事は思っていないんじゃなくて?
どうせなら、本当に2、3日腰が立たなくなるくらい愛して欲しかったわ…。
[返される言葉に、強がる素振り。
しかしドレスの下では昨宵の手管を躰が思い出し、涓の辿る道を形成する。]
でも、勝手気ままにそのときの気分を手に乗せるだけで、相手を意のままに蕩けさせてしまうだなんて、やはり貴女の手には魔法が掛かっているのではないの?
だから…――そうね、美少年が貴女の手にかかったなら。それはそれはきっと綺麗に蕩けて啼いてくれると思うわ?
わたしの心としては…、出来ればその時が来ては欲しく無いのだけどもね?
……匙加減が出来る程器用ではないんだ。
それに、こういうものは手加減をしたら興が醒めるでしょ?
お互いにね…。
[眼前にいる天使の髪色と同じ色のグラスの水へと視線を落としてローズへ向けて囁き。
それにも、周りを見ることにも飽きたのかただ単に眠くなったのか、足を組み直すと暫しの休息を得る為にゆるりと*双眸を伏せた。*]
[...はカウンターへと近づき声をかけてくる女性を一瞥してまた椅子に座り直した]
・・・オブジェ?
[ニーナが指差す方を見て]
・・・?
[...は首を傾げて考える事を止めカウンターへと向きなおした]
んー?なーに?
他に理由がありそうって?
そーだねー。お姉さん悩み多しお年頃だからねー。
[くす、と小さく笑うとグラスに口を付ける]
自分から懇願しに行ったら負けた気分だよね…ふふっ。
[極、小さな声で呟けば、キャロルの様子に少し考え]
一人の者じゃなくて二つの物になった、って事。
[そう言うと、チェリーを手の中で転がす]
[ふいに聞こえて来たラッセルの言葉に、女はふるりとそちらに視線を向けて、確かにと頷きを見せ]
そうね。貴方の言う通り、手を抜いたら詰まらないものになってしまうものね。
相手の真剣さが伺えるから、こちらも心を砕ける……。
貴方の言葉で少し目が醒めたわ。ありがとう、ラッセル…。
[ゆっくりと閉じられていく瞼に、女の感謝の言葉は届いたのだろうか――?
しかし、その行く末を確認する術を、ローズは持ち合わせては居ない。]
[...はニーナの言葉を聞きながら出て来たカクテルを飲む]
・・・元から人なんて居ない
・・・ここには
[...はそこで口を噤み喋るのを止めた]
死人しか居ない、かな…?
キャロルの答えはどうか知らないけど。
[グラスをカウンターに置くと小さく笑って]
ほとんど棺桶に足突っ込んでる様なモノだからね。
でも、生きながらにして死んでた寄りかは遥かにマシ、かな?
[手の中のチェリーを口の中に含む。
舌の上で転がしながらキャロルの方を見て]
[...は死という言葉に反応する]
・・・私はまだ死ねない
・・・邪魔をするのならこの場でコロス
[彼女はそう言い放つと腰へと手をまわす]
…んー。
誰もキャロルの邪魔をするとは…
ぁ、そう言えばキャロルの名前も入ってたっけ?
[軽く首を傾げるも、身構える様子を見ればすぐさま後ろへと跳躍し、空いていたスツールの上に降り立つ]
まーまー落ち着いて。
別に二つになりたいワケじゃないの。
[掌にチェリーの種を吐き出せば、ソレを親指で弾き空中でキャッチする]
[交わされる会話には沈黙を守る……それを妨げることは本意ではない、というように。
バーテンに向かってグラスを差し出し、一言呟く。
聞き取りかねたのか一瞬訝しげな表情を浮かべたバーテンであったが、聞き返すことはせず、程なくして深赤のカクテルを男の前に置いた。]
[...はニーナを視続けたまま腰の得物から手を引く]
・・・
[彼女は視線を外さない
何かあればすぐに飛び掛るかのように]
[中の液体には口をつけず、グラスの縁を黒手袋に包まれた指がなぞる。]
……これは。
よければ、情深き女神に。
[滑らかな動作で立ち上がる、その時にはもう誰の瞳も覗こうとはしない。
夢見るような微笑と、感情の浮かばない闇黒の眸に戻っている。]
楽しいひと時だった。では。
[気付けば、この場へ誘いし者を蔑ろにしていたような素振りに、女は恥じたように頬を染めて]
あっ…ごめんなさい、ジーン…。今日のお相手は貴方だというのに…。
[視線を伏せて、小さく謝罪をする。
しかし彼の目の前に置かれた真紅のカクテルは、やはり否応無しに、酔いしれながら微笑む隣人の仕草を思い起こさせて――]
惚れるなと…恋をしてはいけないと釘を刺したのは貴女なのに…。記憶を使うなんて卑怯だわ。
[小さく呟く抗議は、果たして口の中だけで弾ける。]
[得物から手が離れたのを見ると、大げさに息をついてみせる]
ふぅ…やっぱり、相手が相手だと生きた心地しないねー。
[ふと、まだ此方の方を見ているのを見ると]
…あはっ、お姉さん人気者?
[おどけてみせるが相手が相手だけにあまりは期待をしては居ない様で、ゆっくりとスツールから降りる]
んー、キャロルとお相手するのがあたしかは知らないけど、まだ仕事を始めなくても良いと思うんだよね。ふふっ。
それに、あたしだったら…こんなに人が多いトコは選ばないな…
障害物がありすぎるもの。
〔此方の勝手を許さぬまでも容れてくれるらしいラッセルの面持ちへ、ふ…と柔らかな笑みを零す。そして此方の言葉足らずの誤解をそのままにすることへ、やや心苦しさも憶えつつ…微かに眉を顰め〕
…ン、君が嘘をついてない様子なのは…わかっているから。
此方も想像を任されたからには…その判断を信じているよ。
…アッハ、…
君の"嫌いじゃない"は結構…嬉しいものだね?
〔…皆まで言うこともないと決めた以上は、彼から誘われない限り、此方からの誘いはない…とは言うまでもないのだろう。ただひとときラッセルの蒼い瞳を案じるように見詰めて…静かに視線を逸らした〕
[...は視線をニーナから外し周囲を視るとゆっくりと動き出し闇へと溶け込む]
・・・障害物なんてない
[その声はニーナの後ろから]
・・・次は容赦しない
[そのまま声の主は*消え去った*]
[二人の美女には丁寧な礼、老戦士には軽い会釈を。
そして、カウンターに背を向けて、ダンスに興じる人々の群の中に*消えていく。*]
んー、容赦ないねー…ジョークは知ってた方が楽に生きれるよ?
[背後から聞こえた声に、乾いた笑いを漏らし]
やっぱり、あたしは此処じゃ出来ないかなぁ…
弱った、ね。
[頬を掻く少女。
此方を見ているバーテンに気付けば]
大丈夫大丈夫。
流石になんも報告無しに戦い出すって事は、ないでしょ。
そんな子は裏切り者って見られても仕方ないし、ね。
…んー、今日も独りかな…寂しいねー。
[ゆっくりと出口の方へと向かっていく。
ぴん、と天井へ弾いたチェリーの種はグラスの中で音を*鳴らした*]
[差し出されるカクテルに、口を付けずに立ち去るジーンの姿に、思わず身をスツールから離し]
あのっ…気分を害したらごめんなさい。
わたしも…興味深い貴方と言葉を交わせて愉しかったわ…。
願わくば、貴方の赤を…この身に刻まないようでありたいわ。
À la prochaine ShadowWalker…。
[ひらりと影に向かって手を振り。女はカウンターに残されたワインレッドのグラスを、ただ静かに*眺めている*]
…ン…、妬くなら愉しんで妬いておくれよね。
切ない思いをさせるのは、腕の中だけで充分さ。
〔此方はとろりと重たい瞬きをして、一見無防備に寛いでいた。
ローズの瞳へ浮かぶ情の色合いを測るように、潤む其れを見詰め〕
…おやん。詰られるらしい…アッハ。
私は不義理はしても、不人情ではないつもりさ…ローズ。
君こそちっともそんなことは…思っていないのだろう?
〔…でなければ、ああは蕩けまい…と胡桃色の瞳は言外に語る。
彼女が自らの記憶に身を燃え立たせるのへ、蛇の如き舌舐め擦りをして――手を伸ばす。されるがままになるのなら、天使の脇腹から腰骨のかたちをてのひらにしゅるりと摩り下ろす企みもして〕
〔彼女と影との遣り取りがあれば、後は目配せして彼女を解放したのだろう。何処か思い詰める態で深酒する女の姿は、此処では珍しいものかもしれず…皆が三々五々場を離れゆく都度には片手を*振る程度。*〕
――闇が迫る。
――雑踏に潜む殺し屋達の夜に、闇が迫る。
――“血の祝祭”。
――或いは、“破壊者”の足音。
――ひたひたと、迫り来る。
――手始めに、一人前の殺し屋として自立しはじめた「彼」の元へ…――
《業務連絡》
このままですと7/28(金)23:00に更新になりますが、いかがなさいますか?
27日23:00更新に合わせてコミットしますか?
通常どおり28日23:00に進行しますか?
ちなみに、更新を24時間引き延ばすことも可能だったりします。(村建て人メニュー)
ご希望をメモにて記載してください。よろしくお願い致します。
――B2F "Red"floor――
〔空間を染める警戒色は、理性に対してのものか。"Red"で日夜催されるイベントの合間、今はスタッフによって舞台装置の搬入やら撤去やらが行われている様子。とは言え、人の出入りは疎らではなく…却って開放的な雰囲気が漂う。〕
〔"WidowedGentleman"の二つ名を持つ男装の女は、置き去りにされたアンプのひとつに凭れかかる微睡みから、今醒めたばかり。〕
……
――…ンー。…
〔気だるく豊かな紅髪をかき上げて、乱れた結いを緩慢に解く。
紅に満たされる周囲を見回すと、常連客やスタッフ等顔馴染の姿が視界に入る。彼等はどうやら、遊びながらもさりげなく不心得者から此方を守ってくれて…否、此方から新参の客を守ってくれていたらしく…女は、感謝めく笑みに寝起きの面持ちを和らげる。〕
…気遣わせてしまったな。…
〔ふぃと束の間申し訳なさそうな色さえ過るも、無言の裡に為される間柄であれば、彼等に対しては礼も詫びも必要なかった。ただ、此方がうれしかった…ということを纏う雰囲気で伝えたのみ。〕
〔そのまま寝乱れた髪を、鏡も見ずに慣れた態で整える。その髪と同じ色の灯りに、瞼の裏まで染まってしまったかとも憶えつつ…昨夜の深酒を思い出す。〕
……、…最後の、一杯…
〔皆が引けた後、バーテンから勧められたひとつのグラス。〕
……あれは…? …
〔よく冷えたグラスに注がれていたであろうそれはすっかり温くなっていて、却って舌の上に味わいがきつく感じられた。バーテンは何も言わなかったし、此方も敢えて聴きはしなかったのだけれど。誰かがそれに添えた言葉を…聞いていた気もするのに。〕
〔――感情は時に、別の其れを呑み込んでしまうことがある。
だけれど、此方にはきっと呑まれた其れもいとしい。〕
〔女はシンプルな黒いアンプに何とはなしに両腕を絡めて、二日酔いに届かぬ程度の倦怠感を味わいつつそんなことを思い…ぼんやりと紅く照らし出されるフロアを見詰めた。〕
─B2F "Red"floor─
[アンプを抱くように持たれかかる男装の麗人の後ろに気配が出現する。
それが完全な背後でなく、数歩離れた場所であるのは、戦意を持っておらぬことの表明であるのか。
静かに気配は近付いたかと思うと、女の頬に露のついた冷たいボトルを押し当てた。]
……、…
〔床を見詰めた侭の様子は、昨夜のように思案へ何かを求めるようではない。ただ自らの回復を寛いで待つ…といった態。やがて薄皮を剥ぐように間合いの境へ気配が灯ると、振り返らぬ紅髪を一度ゆらんと会釈めかして揺らして見せる。〕
……アッハ、…
〔近づく訪れを抵抗なく容れると、不意の冷たさにひくと首を竦めて――思わずといった笑い声を上げる。そのあとは手探りでボトルを受取り…〕
…、……逢いたかったよ。
〔矢張り礼も詫びも口にせず、振り返りながら言った。〕
[果たして影はひっそりと立っている──
もう片方の手にもミネラルウォーターのボトルを持って、振り向いた麗人を見詰めている。
その唇にはやはり夢見るような微笑が浮かんでいる。]
……「逢いたかった」か。
何故?
[問い返し、闇黒の眸は、相対する相手の瞳の奥を映した。]
…何処に座るんだい。
〔此方とそれなりの時間を過ごしてくれるつもりらしい影の様子に、女は無機質な手触りのアンプを抱く腕を解く。その上と、傍らの床、それから半ば面白がるように…自らの膝…それぞれを選ばせるようにやさしく叩いて彼に示し〕
…訊くと思ったよ? …でも、応えを用意していない。
いつもそうなんだけれどもさ。
〔見詰め返す瞳は、自らの裡に暫し思案を置くよう。
本当は、思いつくだけでもかなりの理由はあって…それが全てでもないとは、自ら知るところであり。それらを一息に影に告げてしまうのは勿体無いような気がした。〕
〔――ややあって、緩い頷きを馳せ…〕
一緒に生きてみたくなったから。多分。
[女の声に耳を傾けながら、置いてあるアンプに軽く腰掛けた。
その唇に浮かんだやや微笑が深くなったのは、見る者の錯覚ではないのだろう。]
生きる。
明日生きているかどうかも分からないのに?
[低く尋ねる声は、あくまで優しい。]
〔見下ろすような位置を取る影に、此方の笑みもまた別の意味合いで深まる。何か言いたそうにはしたようだったが、今はその時ではない…と秘めもして。視線を合わせた侭なので、まるで忍び笑いを交したようでもあったか〕
…そうだな…わからない。
だからと言って、この厄介な好奇心の疼きは…
なくなったりしないようなのだよね。
〔彼が腰掛けるアンプの端へ片肘を乗せて、自らへ呆れる態で肩を竦める。降る声音の響きにか、ほとほとと彼の膝を叩き遣る〕
君のことが、知りたいな…ジーン。
嘘があるならその嘘も…そうすればきっと、私にはわかる。
…君のことをきらいになったりはしないよ。
……
何故知りたいのかと訊けば、また「分からない」と答えそうだな。
[膝に触れる麗人へと、僅かに上体を傾けて、囁く。]
自分は嘘をつかない。オードリー。
そして好きか嫌いかは……君が決めることだ。
[その眼が細められ、静かな熱を帯びる。]
何を知りたい。
自分が裏切っているかどうかか。
それとも、君の獲物とするために情報を得たいのか。
…アッハ。解らなくはないんだ。
絞れないだけなのだからね。
――並べ立てたら、照れてみせてくれるかい?
〔にたりと底意地の悪い蛇の如き笑みを広げる。影の頬へ落ちかかる黒髪をちらと見遣ってから、膝へ乗せた手指を移ろわせてその毛束の先へ触れようとし――〕
…それもまた嘘かもしれない…とは、
如何やら今は思わないようだよ、ジーン…有難う。
ああ。私はいつだって自分で決める。
矢面に立つことが、私の誇りなのだからね?
──触れるな。
[髪に触れようとした手を掴む。
振りほどくのも容易な、だが、しっかりとした拒絶を乗せて。]
…他愛無いことさ。
〔ゆらんと紅髪を揺らす。胡桃色の瞳は闇色の其れへ深い興味を示して…何時の間にか寝起きの気だるささえ忘れていて〕
…ちゃんと夢に見てくれたのかどうかとか…
ミネラルウォーターを2本、なんて
どんな顔でオーダーしたんだろ…だとかね?
〔ふくりと笑みを燻らせる。〕
…私が君を獲物とするのなら、いまこんな話をせずに
悩める女の貌で閨へ誘いをかけるよ。…陳腐だけれどね。
[蒼白い顔からは微笑が消え、硬質な無表情に取って代わる。
それでもその眸は激しい輝きを宿して、女の瞳を覗き込む。
覆い被さらんばかりに顔を寄せ、強い囁きを送る。]
自分は夢を見ない。
――、…
〔常の如く、此方の触れには躊躇もなくて。そこを掴まれればびくん、と上体ごと揺れる。やがてゆるゆると緊張を解き…〕
…聴かせる鼓動がないからかね。
〔…そう口にした。必ずしも、言葉での応えを求めてはいない響き。掴まれた手はそのまま。〕
…ふむん。
〔ぐっと幽鬼の如き男の顔が寄せられると、此方の眼差しは愈々相手の本質を掴み出したい衝動に煌く。そして、少しばかり可笑しそうにして〕
――成る程。だから当の私があんな夢を見たのだね。
〔漸く腑に落ちた…と言わんばかりの、半ば癪がる独り言。〕
〔続く影との遣り取りに、先日の言葉が比喩でないらしい…と朧に感じていた通りであったことを知る。瞼で頷いて、掴まれた侭の手指が尚も触れたい…と訴えるように宙を甘やかに掻く〕
…そして、beatがこいしいのだね。…crybaby.
打てば響くだけのがらんどうではないよ、君は。
…私が耳でないところで聴いている君の声があるのは、
もう知っているのじゃないかね…ジーン。
[女の手を掴んだまま、なおも語りかける。
その手を振り捨てることも、立ち去ることも可能ではあったが何故かそうはしなかった。]
こいしい……
意味が分からないな。オードリー。
君は何も知らない。だが、知った気になっている。
でなれば、知ることができると信じている。
君が欲しいものは何だ。
〔影たる男の瞳へ、此方は何を映し見るか。
…ふと思い出したように、間近に囁きを置く。〕
…君は嘘をつかないんだったな。
私は、時に感情で嘘をつく。
…同じく、誤解を解かないままで済ませる癖もある。
いざとなれば、多対一の戦闘も厭わんだろう。
だが、いとしい君らを裏切ったりはしない。
…Gentleを自称して憚らない私の、これが真実。
…知らんのは君さ?わかろうとしないのだもの。
其処に居る君を、此処に居る私を。数多の魂を。
いつでも触れることができるのに、諦めている。
無論、私は信じているよ。
〔彼が此方に疑問を擁く、女にはそれが愉しい。そして、此方の本質は多分それなのだ。…聴いて、応える。言葉にも心にも。そして影に求めているのは――〕
尽きない問い…なのだと思う。
君はそれを持っているから。
〔たぷん、とミネラルのボトルを揺らして見せる。
これに詰ってるものがもっと欲しい、と付け加えたら…
また男はどんな問いをくれるのだろうか。〕
〔*此方の興味は尽きない。*〕
[覆い被さる黒い影の姿は、何も知らぬ者が見れば、麗人へ愛の囁きを吹き込んでいるかのように見えたかも知れない……実際に当人達の心中がどうであったかはいざ知らず。]
[影は暫し無言で麗人の答えを受け取り、沈思する素振りを見せる。瞳の光は失せぬまま、どこか遠くへと沈むように。]
なるほど。
自分は何も知らない。知る必要が無い。
[再び麗人の瞳に貫くような視線を向け、決然と告げる。]
何故なら、
『自分は。
ただ一振りの剣、
壁を穿つ為の、成型された炸薬、
握った銃に込められた、ただ一発の銃弾』
であるからだ。
[男は急に女の手を離し、立ち上がる。
黒闇の眸は急速に光を喪い、虚無そのもののいろへと変わっていく。]
[その代わりに上るのは、蒼白い仮面に刻んだような微笑。]
……レディ。楽しかった。
それでは。
[軽く目を伏せ、会釈する。]
[その後は、黒いコートを黒鳥の翼のように閃かせ、振り向くことなく足早に立ち去る。
出口までのフロアを横切る道程の途中で気配は消え、男の姿も瞬時に*掻き消える。*]
――カチリ、カチリ、………、カチリ。
――煤けたネオンサインに照らされ、古びた時計台が時を刻む。
――カチリ、カチリ、………、カチリ。
――時折、針を足踏みさせながら。
――カチリ、カチリ、………、カチリ。
――近付く、“祝祭”の時。
――そして、同じ刻。
――アーヴァインが突然行方不明になったとの一報が、"Vermillion-Jack"の情報データベースに記載された…――
――1F・"Platform"――
「あっれぇ……?何コレ。」
[丁子混じりの煙を吐き出しながら、"Red"フロアのプリンセスは、メダルゲームのタッチパネル画面を弄っている。
"Vermillion-Jack"メンバー専用のパスワードを入力することで、メダルゲームのマシンのタッチパネルには、新着情報が記載される仕組になっているようだ。]
『アーヴァイン、行方不明……?
何いったい。おかしくない……?
組織に裏切り者がいるって、ホントだったんだねー……』
[煙草を咥えたまま、モゴモゴと呟いた。
傍目から見れば、ただゲームに負けて愚痴を言うだけにしか見えないようだが。]
《業務連絡》
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは、本日23:00にコミットして2日目を迎えたいと思います。
コミットアンカーは村建て主が務めますので、皆様コミットをお願い致します。
《業務連絡》
また、アーヴァインを始め「襲撃」で墓下送りになったメンバーの「死亡通知」は、全てデータベース上で行います。
【直接自分の目で「アーヴァインの死体」を見るような「襲撃発見RP」は行わないようにお願い致します。】
4Fの"Vermillion-Jack"専用ルーム、B2Fのスタッフ専用ルームで情報を得ていただくか、>>#4にあるように、1Fにあるメダルゲームのタッチパネル画面からデータベースにアクセスして下さって構いません。その他にそれっぽい方法で発見方法を考えて下さっても大丈夫です。
この方法を使用する理由ですが、「破壊者」側の襲撃RPの場所と死体発見場所が違っていたり、死体の状況が違うといったような齟齬を出さないようにするためです。
というわけで、【襲撃発見RPは「死体発見RP」をせずに、データベース上か、スタッフや幹部から聞く等の方法で行って下さい。】
また「破壊者」側の皆様は、「襲撃RP」を回想として行って下さっても大丈夫です。リアル大切に。
以上、よろしくお願い致します。
――2F Blue floor――
ふふっ…わたしが昨夜、どのような想いを抱いて貴女の腕の中で蕩けたか…。それはご想像にお任せするわ?オードリー…。
尤も。貴女ほどの人ですから、わたしの心なんて全てお見通しなんでしょうけども…ね?
[すっと差し伸べられた指先が、蛇の舌を隠し持っていたものならば、女は抵抗する事無くその艶かしい動きを受け入れ、淡い嬌声を漏らしたかも知れず――]
[しかし二宵続けての夜伽の誘いが耳許を白くなぞったなら。或いはやんわりと断ったかも知れず――]
…ねぇ、このカクテルの名前、なんて言うのかしら…?
[エスコートを受けたnoirからの贈り物に、興味を一つ落として、訊ねる。目の前のバーテンダーへと。]
…そう。なかなか洒落たカクテルを、置き土産にしてくれたじゃなぁい?…ねぇ?ShadowWalkerさん?
[返される答え。歪む口許から零れ落ちるは、空気を震わす程度の微笑み。赤く染められたそのグラスの中身を、さて女は飲み干したか否か。]
ご馳走様…。今宵のお酒も美味しかったわ…。
じゃぁね、オードリー。貴女にとっても良い闇であれ…。
[全身に酔いが回った頃。女は舞い降りる天使の如く優雅に立ち上がり。深酒をするオードリーの髪筋に軽い口付けを。そしてその場に残る仲間には会釈を。振り撒きその場を立ち去った。
今宵羽を休める止まり木の元へと――]
――回想・B2F"Red"floor――
〔影纏う痩せぎすの男が膝へ、半ば懐くように寛いでいた此方は、思案置く彼が紡ぐその間をも愉しんでいた。――併し、その薄い唇から決然たる言葉が零れ出すのを理解仕出すや否や…僅かに目を瞠る。彼が持たない鼓動は、やがて此方の胸で煩いほどに警鐘を鳴らし出す。フロアを満たす赤。警戒色。〕
……、…っ…
〔急に思い当たることがあり…女はがばと天井を振り仰ぐ。〕
――…ぁ…!
〔知らず喉奥に引き攣る悲鳴。其処には――
1Fの"Platform"へ映し出されるモニターの…カメラ。〕
〔折しも今は、イベント機材の入替え中にてBGMの類は皆無。
しかしフリースペースとして利用されている以上、映像は切られていなかっただろう。そして此方が凭れていたのはアンプ。何処か近くに――音源があった筈。多少の技術がある者がいれば、此方の会話は拾われていたかもしれない。〕
……く、迂闊…! …っ
〔表情の強張りは控えめながら、きめ細かに整えられた化粧の下では、男の顔色の如く血の気が引いていた。短い歯噛み。〕
…ジーン…っ…待て…!
〔不吉な陰を再びその身に纏いつかせ…否、自らが闇そのものに浸かり行こうとするその後姿へと、押し殺した呼び声を向けた。〕
〔振り返らず姿を消すHurtedheart。*女は立ち尽くす。*〕
――2F Blue floor――
[グラスへ注がれるペリエの水の音と同じくして、気泡の如く青年の意識も浮き上がる。此方の世界と繋がると同時に耳を劈く爆音にはまだ慣れない。一瞬煩わしげに眉を寄せるが焦点の合わぬ目で遠い天井を仰ぐとクツ、と喉の奥を震わせて込み上げてくる衝動を噛み殺し]
――B1F・"Black" floor――
……ふむ。そうか。
[幹部からの入電は知っていたものの、彼の太い指はメダルゲームの小さなタッチパネルには適応しないのが常である。仕方なく、男は一番大きな音が響く密室―爆音のパーティが開かれている場所―で情報を聞くことにしたのだ。]
アーヴァインが…な。そうか。
まあ、あやつも一人前になるのだから、まあ自力で何とかできるだろうて…。
あやつがもし、命を落としたら……
その時は、儂らも本気を出さねばならんだろうな……。
[重低音が響く中、老戦士はグイと水を飲み干した。]
[ぎょっと身を竦ませるバーテンに指先を空に泳がせてなんでもないとサインを送ると足を組み直し、目を細めるのはネオンの閃光の為か、それとも湧き上がる愉楽のものか…]
Ah...そういうこと、なのかな…?
…やっぱり飾られた言葉の羅列は頭が痛くなる程嫌いだよ…
…容れぬ者である貴方と言葉を交わすのは
意外なことに愉しいとすら感じることも多いけれど…
同時に意を汲むのにとても労力を遣う。
一晩もかかるようなパズルは遣り甲斐があるけれど、
頭を使う作業は苦手なんだ…。
始まりの部分が違うのだと思っていたのだけれど…
ひょっとすると幾つもの分岐の末の結果であって
奥底に在るものは似ている存在なのかな?
僕の勘違いと貴方の真意はとても紙一重じゃないかって…感じるから。
[その場にはいない相手へと僅かながら胸の内を吐露する表情は通例のそれとは違い、何処となく温柔な様子もも垣間見えるもので。]
――翼休めし場所――
[Blue floorを後にした女が辿り着いた場所は、フロアを移動する為に利用される階段の影か、はたまたフロアの一角か。]
[喧騒漂いしかの場所であっても、しかし彼女にとってそこは安住の地。死の香りを常に漂わせし日々から僅かに開放されるその場所で、悩める薔薇はひととき瞳を伏せる。]
[一夜限りの契約、包み込む腕(かいな)の温もりに包まれ、愛憎哀で満ちた杯を抱えながら]
[音の渦の中、DJが流す曲に合わせて頭を振る者達を見ながら、バーテンダーにつぶやく。]
……随分とイキの良いヤツらが居るな。
純粋な生命力と暴虐的な力、両方を持ち合わせる者どもが。
もし儂が全力で「出動」せねばならないのなら、
きゃつらの力でも借りるとするか。
はあっはっはっはっはっ!!
[爆音をも押し返すダニエルの笑い声に対し、バーテンダーは、口元を歪める笑みで返す。
群衆は、DJに向かって狂気に満ちた「おしくらまんじゅう」を開始していた。中には、群衆の上を転がり進む者まで現れる始末。殴り合い、絶叫、振りかざされる腕、ヘッドバンギング。フロアには、巨大な力が渦巻いていた。]
……まあ、災厄は訪れん方が良いのではあるが……な?
[それだけ、念を押す。
ミネラルウォーターの礼を告げると、男は"DIRTY LOUD PARTY"と銘打たれたイベントの会場を後にした。]
――B1F・"Black" floor → 2F・"Blue" floor――
[緩く吐息を零すと鳴り止まないBGMに表情は忌々しいものを見た時と同じ物へと変わり、小さく舌打ちした]
…だからどうという訳でもないけれど。
ああ、忌々しいよ…心の底から、この音楽が。
この音から逃れたくて本来容れる筈のない言葉まで
耳に受け容れてしまう。
――2F・"Blue" floor――
[入り口で、フロアをぐるりと眺める。
のったりとしたスピードで、緩慢な動きをする男女の群れ。
先ほどの狂気に満ちた群衆とは異なるエネルギーの渦。]
ふうむ……。
[豊かな顎髭を撫でながら、男は考え込む。]
奴らには、「力」があるのか……?
生命力、暴虐な力。
……先ほどよりは、ありそうにはとても見えぬのだがな。
まあ、いい。
「質」はやや落ちるが、「量」は負けんな。
[ぽつりと自答した。]
――2F "Blue" floor・バーカウンター――
〔脚運ぶ"Blue"は、昂ぶった神経を鎮めるには良いフロアだった。半ば音の割れたようなヴォリュームで流される音楽も、今は鼓動に準えられるものと漠然とではなく知っているものであり〕
……ラッセル。
〔かつとフロアの床へ革靴の音を鳴らして、男装の女が執事たる青年へと声をかける。彼が振り向くのを待ってから、微かに眉を顰める、併し常親しい者へと向ける笑みに唇の端引いて…〕
昨夜は、…済まない。
〔言葉はそれだけ。含まれるのは、彼の身を案じる余り誤解をそのままにしたことと、その考えが間違っていたこと、彼の好意を無にするような真似をしてしまったこと――そんなところかもしれず〕
おお。ラッセルにオードリー。
お主らはこのような類の音が好みなのか。
随分とここのフロアを気に入っているように見受けられるがの。
[ペットボトルの水を一口飲む。]
[フロアの中で幾つかの群れを成す男女の姿…そのどれにも青年の興味をそそる物は無く、現れた二つの影にだけ僅かに反応を示し。名を呼ばれると柔らかにも感じるその声へと顔を向け、続く言葉には瞳から興味の色を失くした様子で緩く小首を傾げた]
…謝るのは趣味かい、WidowedGentleman?
その言葉にはデジャ‐ビュを感じるよ。
貴方は謝る必要はないし、僕にも言われる記憶がない。
…それだけのことだと思うけれど。
昨夜は僕は珍しくも楽めたよ?
Ceremonyまでの暇潰しには充分過ぎるくらいに。
一つ注文するならば、もう少し解り易い言葉だと良い。
僕は形はこんなだけど学はないから意を汲むのに一晩かかるんだ。
[冗談を紡ぐ時の口調で緩く口角を上げてオードリーを見つめたが、瞳からその姿を外してダニエルへと向け]
[ダニエルに言われた言葉には面白くなさそうに目を眇め]
…冗談。
動くことすら億劫だから此処にいるだけだよ。
音なんてうるささはどこも変わらないんだ。
どこにいても一緒だ…。
[言う間にも声を上回る音にうんざりとした様子で陰鬱な吐息を零した。]
─4F "Vermillion-Jack"専用ルーム─
[照明を落とした一室で、黒の男はVermillion-Jack幹部たちの査問を受けていた。
あえかな笑みを唇に浮かる男は、恭順ではあっても畏敬はなく。その眸にはいかなるいろも見せはしない。]
忠誠をお疑いならば……
自分は銃であり、剣でしかない。
それ以外のことは考えません。
やれと仰るのであれば、そう、従うだけです……貴方がたにご満足いただけるように。
御用はそれだけですか?
〔豪放磊落を地で行く古株たる男の声に、女は幾分安堵を誘われるような笑みを浮かべて振り返る。目配せでの挨拶は、此方が彼によくするところの其れ。〕
…おやん、こんばんはだ…ダニエル兄。
アッハ、私は大概のものは好くよ?
気が向けば何処へでも行くし誰にでも逢うし。
ダニエル兄はそうでもないのかい。
いま行方の知れないアーヴァインから、今朝方に
『キャロルがニーナに突っかけた』話を聞いてたのでね。
2人…どちらかだけにでもいいから、
逢いたいのだけれど…見なかったかい。
〔ダニエルの持つ水を見遣ると、少しばかり
面持ちを曇らせたが…気を取り直して尋ね〕
ほうほう。そうか。ラッセルは嫌か。
ここの人間を見ていることにも、さほど満足している様子でもなさそうだがのう……。
[壁際に立ち、ラッセルに視線を向ける。]
……音にも人にも飽きたなら、お主は何を所望する?
[ひとつ、笑う。]
……いいや。
[オードリーの言葉に対し、男は首を振った。]
ニーナにもキャロルにも会っとらん。
何があったのだ、あの2人に。……諍いか?
……あの正反対な2人の娘が、顔を合わせて談笑する姿なぞ思いつきはせんがな。
[オードリーの視線がペットボトルに向いたのを感じ、男は自嘲気味に笑う。]
いや、儂が水を飲むのはまずいか?
すまんな、儂は下戸なもんで、酒が飲めん。
水がまずいのなら……コーラにでもするか。
[ペットボトルの水を一気に飲むと、バーテンダーに命じてコーラとカラッポのペットボトルを交換させた。]
…Sledge-Hammerは見ていて満足できる…?
だとしたらきっと僕とは趣味が合わないね。
一つ訂正だよ、Granpa。
僕は音にも人にも飽きていない。
…初めから興味がない、それだけだよ。
[問いには形の良い唇で三日月の型を描き]
……そうだな。
今はコーラが欲しいよ…。
[真意は語らぬまま催促をするようにダニエルの持つボトルへ目配せをして指先を何度か曲げて見せ]
――少し違うな。ラッセル…
〔他者への興味が薄い青年と、他者への尽きない興味に焦がれる此方。それもまた表層…と女は豊かな髪を手の甲へ乗せて流す。〕
…ひとへは詫びるなと言っておいて、自分はさっさと詫びてしまうことが多い。
意図的ではないのだけれど、後から自分の性根に凹んでしまうところなのだよ。
…アッハ…わかった、ではそういうことに。
愉しんで戴けたなら光栄さ? 無論私にも学はないとも。
なるべく気をつけはするけれど…何分素だ。
例え一晩かかっても、結果としてわかってくれるのは
君しかいない…そういうこともあるのだよ。
〔変らぬ本音を彼に…今は真っ直ぐ伝えられているといい、と願った。そして最後の言葉については、昨夜心底に呟いた言葉へ酷似する内容かも知れず〕
そろそろニーナたちを探しに行きたいけれど…私の早すぎる結論を伝えておいたほうがいいかい? "StiweardShip"。
〔――これを今この場で言うその意味が、彼には判る。…そういう類の信頼。〕
………いいや。
儂にとって、「コレ」が興味深いのかどうかは分からん。
何だ……?
飲みたければ、自分で頼めばよかろうに。
[目配せをされ、何がなんだか分からぬという表情でコーラのペットボトルをラッセルに差し出した。]
[肩の幅に足を開いて軽く指を組む、その姿は命令を待つ猟犬のようであり、或いはそれとも……。]
[それを見て、暫しの間専用回線をクローズドにして何事か囁き交わした幹部達は、再びオープンにした後、男に辞去を命じた。
影の男は丁寧に腰を折って一礼し、部屋に落ちた薄闇に解けるようにして消えた。]
――1F Platform――
Ding Dong Ding Dong...
[小さな声で鐘の音を囁きながらカウンターへと向かっていた。
スツールに腰掛ければ、バーテンにカクテルを頼む]
アイスブレーカー、お願い。
…ふふ。キャロルに目ぇつけられちゃったからねー。
気休め気休め。
…ところで、アーヴァインは?
[若いバーテンに微笑みながら、軽く首を傾げる。
言いにくそうにしている様子に、目で辺りを見回し…]
…ちょっと、遊んでくるね。
カクテルはおいといて?
…そう。
少なくとも僕の前でその言葉は不要なものだ。
言われる度に貴方への評価が下がるかもね?
…其れの持つ真意は其れを持つ本人にしか解り得ない。
僕はまた誤解をするかもしれない…今、この瞬間も。
それでもいいのなら、貴方の好きにするといい…。
期待されることはあまり好きではないけれど。
[抑揚のない声で囁き、しかし蒼の瞳は目の前のパズルを解き崩そうと女の姿を離さない。言葉の端からある種の信頼の欠片を拾うと微かな笑みを浮かべてみせる。発する言葉は彼女を落胆させるだろうか、それとも望むものだろうか…それすら関係ない、という所作で]
LatestOpeはともかく…望むタイミングでDowserは現れるかな?
…そうだね、聞かせてもらうよ。
[空いていたメダルゲームの台に陣取ると、メダルをポケットから取り出す。
ちゃりん。
一枚入れると、タッチパネルの上で指を踊らせる]
…そっかぁ。
始まっちゃったかぁ…
[ボソリ。小さく呟く。
メダルを入れて行くも、ゲームは負け続け。
その目はタッチパネルのモニタを凝視していた]
大丈夫かなー?
誕生日来たばかりだしなー。
もし、"仕事"仲間が相手だったら…
[ちゃりん]
分が悪い、ねー。
…Sledge-Hammerは"焦らしプレイ"が好きなの?
[ポツ、と呟いて受け取ったボトルの蓋を開けると一口含み]
…別に?
人が持っているやつが美味しそうに見えるでしょう?
飲むと一緒だけど。
[口の中ではじける感覚を転がして]
─2F "Blue"floor─
[程なくして、黒い男はまた青で彩られたフロアに足を運ぶ。
最早巣のようになったそこに行くことは彼にとって、何がしかの意味を持つことであるようだ。]
[己自身に没頭するように踊る人影、大声でたわいない会話をしてフロアを眺める者達の合間をすり抜け、影は静かに歩く。]
[再び双つ輝く碧の瞳が開かれし時、辺りは再び闇を纏う。
純粋に、これほど深い眠りに就いたのは、一体いつ以来だろうか?
女はふゆりと記憶を辿ってみても、確かな答えは見つからず。限の無い脳内旅行の骨折りに、ふっと心からの溜息を吐き出し。
未だ薔薇を護る様に包み込む、一晩の腕の主へと礼を述べ。賛美されし天使は、再びその翼をは羽搏かせる。
黒影に包まれし場所で――]
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