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[振るう、鉄の刃。
掠めていく弾丸も物ともせず、無造作になぎ払う。
その手に伝わる、柔らかいものに覆われた硬いものを断つ感触。
首を刎ね、肩を裂き、腹を割り…
幾人も、幾人も、
幾人も…
灰色の世界はいつしか紅く染まる。
刃は飛び掛ってきた年若い者の胸を貫き、忌々しげにその腹を蹴り飛ばして剣を抜く。
ショウウィンドーへと叩きつけられ、硝子の破片とともに動かなくなる小さな身体。]
下見ついでにいくらか拾えれば尚良しという所だな。
[ヒューバートに続き洋館を後に]
[ウルズの容態を尋ねられ、軽く答える]
ウルズならば平気だろう。物も食べられるようだ。
疵は酷いが、治りが早い。あれも一体何者であるやら。
[そこで言葉を切り、ふと昏い瞳を覗かせた]
……記憶が無いのも一種幸せではないかと私は思うよ。
[昏い光はだが一瞬のみで消え去り]
薪拾いということは森だな。
周囲は森だらけだ。薪には苦労しようが無さそうだ。
……っ!!
[がばりと身を起こす。
心臓は早鐘のように打ち、びっしょりと汗をかいている。
焦点の合わぬ目を瞬き、乱れた息で喘ぐ。]
…適材適所、…遊び人のボクは、…
ちょっと返事に困るんだけれどね。…アハハ。
放蕩者も、少しはお役に立てるように頑張るよ。
〔低く籠る笑みを漏らす。肩の力は抜けていて…
皆に深い感謝を擁き、シャーロットと共に出掛ける。〕
…ふうん、…「患者さん」…
彼も何処かから逃げてきたのかね。
〔夜道を歩きながら、足取り確かなシャーロットを見遣る。〕
…記憶か。……ボクに話すということは…
果物屋は…悪夢を見るのかい。
〔抑揚に薄い声音。ただ興味は押し殺してそこにある。〕
…ン。やれることはひとつずつ…やらないとね。
帰りは、…モーガンの御老のところへ寄って行くよ。
[ソファーに深く身を預けて、左手で顔を覆う。]
…今のは……。
[柄持つ手へと伝わる、肉を切り骨を断つ感触。
それだけが、妙に鮮烈に残ったままで。]
〔やがて白い霧の中へ消えていった番人は、森で見つかる。
霧を紅く染め、アーヴァインは喉を掻き切られ事切れていた。〕
〔村に動揺が広がる。"安らぎの地"を脅かすものがいる。
…否、既に気配は…鋭敏な感覚の持ち主たちへは伝わっていた。〕
[夢屋の問いに苦笑][酷く乾いた]
悪い夢か。
"在る"ことこそが悪い夢であり、同時に罪なのではないかと思うことがある。
かつては人に脅かされ、また私も人を脅かし──この身はあまりに罪深い。
人と心を通わせても、結局は一人だ。それならば最初から関わらない方が良い。
……全てを忘れられるとしたらそれはどれだけ幸せか。
仮令罪までは消えないとしても、な。
[そこでふと、足を止める]
あの奇妙な老人か。
彼もまた、良く分からない人物だな。
あれが韜晦というものか。
― 回想 ―
――…
[彼女の言葉に束の間だけ貌を見詰め]
[薔薇色の唇は震えてから其れを紡ぐ]
「いってらっしゃい」
[そして彼女の手が彼を誘うのを感じる]
[共に過ごす間の出来事かも知れずに]
お疲れ様、ファーカ。
「おかえりなさい」
そして、ヒューバートと出掛けるのね。
「いってらっしゃい」
― 外→屋敷 ―
お疲れ様、ミッキー。
[人形が木の実を取る間に彼は兎を狩る]
[其の手が伸びるのを見詰め声に頷く]
[番人の声に振り返り彼と共に話を聴き]
若し、誰かを井戸につき落としたのならば、
其れは誰かを殺す事と如何違うのかしらね。
私は生も死も善も悪も判らないけれど、
棄てられて尚も此処に在るのだわ。
[暗殺者の彼女にドレスの裾を持ち上げ]
[やがて彼等と共に屋敷へと辿り付く]
御機嫌よう、ナサニエル、ヒューバート。
[暗殺者と幻術師を見送り兎を捌くは忍者に任せ]
[ソファで魘されるらしき放浪者の気配に瞬くか]
[声を掛けられ、目をやって、
思わずその身を強張らせる。
視界の中の鮮やかな赤は、先ほどの感覚を思い起こさせて。
その巻き毛の髪をずっと見ている。]
/*それにしても設定被り過ぎだ俺(ぉ
ウルズ:記憶喪失(経験あり)
シャーロット:暗殺者(元々暗殺者として育てられた)
ヘンリエッタ:既に言った通り
全部過去の経験で良かった…現在進行形だったらどうなってたか。
如何したの?
[彼の身が強張る気配に浮かぶ困惑]
[傾げる小首に深紅の巻き毛が揺れ]
[髪を見る彼と視線は交わる事無く]
目が醒めたのなら、何か食べる?
木の実と、ミッキーのとった兎も、
今ナサニエルが捌いて呉れてるわ。
[囁く声に、沈んでいた意識が浮き上がる]
──アーヴァインの幸せか。
思えば彼が、ここへ人を集めたのだったな。
……彼もまた人と交わることを望んでいたのかもしれない。
何であれ、次こそ彼の願いが満たされれば良いが。
私は──そうだな。
許され無へと還る事が私の"幸せ"だと思っているよ。
[ふ、と]
ヘンリエッタは何を"幸せ"と思う?
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