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調律師 すてら の役職希望が 村人 に自動決定されました。
集会場は不信と不安がない交ぜになった奇妙な空気に満たされていた。
人狼なんて本当にいるのだろうか。
もしいるとすれば、あの旅のよそ者か。まさか、以前からの住人であるあいつが……
どうやらこの中には、村人が5人、人狼が2人、占い師が1人、霊能者が1人、守護者が1人、狂信者が1人含まれているようだ。
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。
この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。
当日、現場に出入りできたのは今ここにいる者で全部だ。
とにかく十分に注意してくれ。
自警団長 アーヴァインが「時間を進める」を選択しました
〔何を感じ取ったものか――"安らぎの地"の番人は呟く。〕
「――また奪いに来たのか。死神。」
〔その声音も面持ちも、苦悩に満ちている。〕
「またこの村を、無人にしてしまうのか。
…そうはさせんぞ。…今度こそはな。」
〔解るものには解る…戦士たちは徐々に…己の嗅覚のままに、
この異変に気づくことも気づかないことも許されている。〕
〔いったいこの"安らぎの地"で何が起こるのか、
どのような能力を秘めた者が何人潜んでいるのか…
番人アーヴァインはそれを"黄昏時"に皆に知らせる。〕
[霧が深くなる][鼻腔の奥から、血の芳香]
[ぴきぴきと双手の刃が血を求め]
[思い出す][快楽を][高揚を][血の暖かさを]
──嫌だ。
[よみがえる感触に身を震わせ]
[誰かが耳元で囁く][これは誰の声だ?]
『一度血の味を覚えたものは、生涯忘れることが出来ないわ』
『忘れたふりをしても、疵も陰も、魂には織り込まれている』
『浄化を。煉獄の焔もて』
『それが私の』
『そして最期には』
──私も。
うるずよ、まだ水浴は終わらぬか?
[魚も果実もすっかり食べ終えてしまって満腹にもなり、小屋の中を覗くことはせずに背を向けて声を掛け]
手伝った方が良いか…なさにえるは手助けできぬじゃろうか。
飯も食い終わってしもうた…
柳の話しておった屋敷を探しに行くか。
[暇を持て余すのも勿体無く、屋敷探しに再び集落の中を歩き回ることに]
屋敷というからには大きなものじゃろうから、
今度こそは道迷うこともあるまい。
[あてどもなく村内を歩く]
[何軒かの建物を覗いてはみたが、望むものは見当たらず]
砥石すらないというのはどういうことだ。
私の探し方が悪いのか?
[ぶつぶつと独り言を呟きながら歩いている]
[前方に見える人影に小さく声を上げて歩を進める]
おお…果実の娘ではないか。
そういえばお主の名は聞いていなかった。
いや…しかし、爺が何かを言っておったな…
しゃあろっとと言うたか…
[はて、腕を組み小首を傾げ]
探し物か?
この辺りに大きな屋敷はなかっただろうか?
[彷徨ってるうちに川に辿りついた]
水があるんだな。冷却水の補給なんだな。
[そういってどこからか取り出したタライに川の水を汲んで飲み始めた]
〔ちらと気にする方を見遣ると、感じ取るものに些細な気がかりらしきが混ざる様子。気にはなるものの…此方から声をかけることはしなかった。〕
……ボクと2人になるの、キミはこわくないかな。
〔一度足を止めて、連れに尋ねる。〕
こわいと言ったって…話は強請るけれどね、アハハ。
こうしておやつも貰ったのだからさ?
何て実だい…これは。
〔くちづける。…柔らかいので、そっと。〕
〔そんな戯れをしながら、果物屋と連れ立って空き小屋へと*入っていった。*〕
[女の姿を認め、足を止めた]
[呼ぶ名に軽く頷き答える]
ああ。先ほど小屋に居た女か。
砥石を探しているのだがな……どこをどう探したものか。
一向に見つからん。
……大きな屋敷。先ほど言っていた「集会場」か。
私はまだ見かけては居ないが、そういったものは集落の中央にあるのではないか?
[と、中央へとつながる道の先を見る]
「すてら」じゃ、これから宜しく頼む。
[呼ぶ名は間違えていなかったらしい、安心したようにほっと笑みを浮かべ]
砥石?欠けた包丁でも見つけたか?
小さな集落じゃ、砥屋があるかはわからぬが
何処かの民家、一つくらいはあってもいいものじゃが…
[思いもよらぬ探し物に眉尻を下げて腕を組み]
…大きな屋敷にはないかのう?
しゃあろっとよ、よければ共に探さぬか?
一石二鳥狙いじゃ。
[どうじゃ?と口角を上げて問いかけ]
[5杯ほど飲んだところでやっと動きが止まった。どうやら満タンになったらしい]
とりあえず水場は分かったんだな。村に戻ってみるんだな。
[戻ってどうするのかまでは考えていないようだったが村の方へ歩き始めた]
〔無秩序に使っていた"言霊"が効力を発揮しはじめるのへ…"Willow"はやれやれと気の抜けなさを感じて溜息をつく。〕
…ボクは時間がかかるんだって言ってるだろ。
なんて課題を寄越すのだか…師匠は。
〔それでも悪戯な心は、試みることを愉しむ。
――そう、本来…言葉遊びは幻術師の本分だから。〕
そうと決まれば話も早い。
散策開始じゃ。
しゃあろっとも安住を求めて此処へ、か?
[相手の答えを待ってから歩き始める。方角は、彼女が示してくれた中央への道。途中で見つけた建物の看板に目を留め]
…ほう、酒屋もあるのか。
新たな土地での親睦を深めるにはいい材料になりそうじゃ。
お主は飲める方か?
[くい、と猪口を持つ所作を見せ]
たまたま流れ着いたと言うのが正しいところだな。
とは言え……隠していても仕方がないか……逃げてきたのも事実だ。
安住の地など、未だに信じられない心境だが。
ああ、私は酒は……飲んだことが無いんだ。
美味いものなのか?
[不思議そうに酒屋の店先を見、次いですてらを振り返り訊ねた]
[身を清めるのを促され、人払いをされた部屋の中で、ぼろぼろの衣服と包帯を解く。
あまり日に晒された様子の無い肌。
幾つもの新しい傷と、古い痕。
一見細身ながらも、鍛えられ引き締まった躰。
その肌には目立たぬように、強靭な繊維の筋や、鈍く輝く珠が埋められている。
寝汗と血にまみれた肌を拭き清め、時折その奇妙な彫り物を怪訝そうに見つめた。
ぎこちない手付きで、換えの包帯を巻き直す。]
…さて、どうしたものか……
[外から声を掛けられて、困ったように首を捻る。
手先で摘んで広げてみるのは、傷んで汚れた衣類の代わりにと、小屋の隅の箪笥から出されたもの。
しばし迷って、それを抱えて戸口から囁く。]
…すまん。
この服…どうやって身に付ければいいんだ?
[言霊使いの爺さんによる記憶喪失の青年の名付けに立ち会ったりヒューバートとか言う妙な男と会ったり遠くから一瞬強烈な殺気を感じたりとまあ色々あって現在に至る(略すな]
[現在―つまりウルズの水浴び及び着替えの手伝いに]
ったく、なんで俺が…確かに女性にやらせる訳にもいかないけどさ…。
[手伝い…のはずなのだが文句だけ言って全く動いてない]
そうかそうか。
ここは濃霧に囲まれた場所ゆえ、追手もそうは簡単には
入って来れぬじゃろう…と、番人が言うておったわ。
安住の地は得るのではなく作り上げるもの。
わしと、お主と、小屋で会った者達…他にもいるやもしれぬ。
その皆で、これから作り上げればよい。
[ふと、笑みを深め]
飲んだことがないのか…これが機じゃ、飲むといい。
自分を知る良い機会じゃ。
そうじゃのう、酒は美味くて楽しいものじゃ。
[寄るぞ、と声を掛けて酒屋の中へ。幾つかの瓶を見繕い数本を手に戻ってきて一本をシャーロットに差し出し]
一本持っておくれ…ここにも砥石はないか。
つくりあげる、か。不思議な響きだ。
[口中で何度かその言葉を繰り返し、すてらの背を追う]
[珍しいものを見るように酒瓶の並ぶ店内を見回し]
これほど種類があるのか……。
[渡されるままに酒瓶を受け取るも、視線はやはり店内を泳ぐ]
[村の中の酒場の近くを通ったところで女性二人が酒場らしき建物の中に入っていくのが見えた]
初めて見る人なんだなここの住人かなんだな。
[後姿ではあったがとりあえず二人の女性をメモリに記録するとどうしたものか考え始めた。接触すれば何かしら情報は入るだろうか。もしかしたらなにか命令をくれるかもしれない]
わしも自分で言っていて不思議じゃ。
しかし、口に出さねば形がなかなか浮かび上がらぬ。
言霊、とでも言うのじゃろうか…
共に協力しあおう、これから得る平穏作りを。
[酒瓶を抱え、立ち上がる。珍しい様子のシャーロットと共に店内を見渡し]
…わしもこれ程多くの酒を見るのは初めてじゃ。
味も、ものによって違うらしい…慣れてきたら
飲み比べをしてみるのも面白いじゃろうな。
薬にもなる…と聞いたことがある。
使ってみたことはないから詳しくはわからぬが…
色々と使えるやもしれんな、さて…先を急ぐか。
この先引越しの作業も残っておる、またなくなったら来たらいい。
ほれ、飲みたくば急げ急げ。
[促すように早口で一息に。瓶を持ち直すと酒屋の外へ出る]
あ、ああ。
引越しと言うが、揃って"集会場"に落ち着くつもりか?
あの怪我人は仕方ないにしてもわざわざ群れる必要は……。
[促されるまま店を出たところで人影に気づき足を止めた]
あれは。
あれもまた来訪者か?
[酒瓶を両腕で抱え、その人物を見る]
ふむ…慣れるまでは共に行動していた方が
何かと助け合えて良いかとも思ったのじゃが…
お主はこういうのは好かぬか?
[小屋でも似たようなことを言っていたなと幾分残念そうに問いかけ、シャーロットが見つけた人影に同じように目を向ける]
…ほぅ、見たことのない顔じゃ。
[物音に思索を止め前を見ると先ほどの女性二人が店から出てきてこちらを見ている。
一人は普通の格好でもう一人はごすろりという服を着ていた。少なくとも彼のデータではそうなっている]
ボクはミッキーなんだな。よろしくなんだな。
[初対面挨拶マニュアルによるとこういうのが無難らしい。本当かどうかは分からないが]
好みと言うより……慣れないんだ。
[呟いて返す前で男がお辞儀]
ミッキーか。お前もここに流れてきたのか?
[無造作に近づき、形を見る]
[ずんぐりむっくりとした、いかにも鈍そうな男に見えるが]
[シャーロットの言葉に]
主人が死んだんだな。主人から貰った命令は遂行してしまったんだな。適当に動いていたらこの村についてたんだな。
[淡々とした口調でそう答えた]
[立ち止まった魚屋に一瞬身構える。しばしの沈黙の後]
知らないよ。
[ぶっきらぼうに言う。再び歩き始め、そのまま無言で進んでいたが、やがて肩に乗っていた十姫が突然くつくつ笑いを始め、甲高い声で叫びだす]
そいつは樒、死者への贈り物さ、毒もたっぷり入ってるよ!ははっ
[十姫の笑いが高笑いに変わったが]
……嘘だよ。多分柘榴の一種なんじゃじゃない?
[十姫の額を小突き、うつむいて微かに魚屋の耳に届く程度の声で返答した]
わしも試みるのは初めてじゃ。
言うてみるだけ言うてみておる。
[カラカラと笑い声をあげ、目の前に表れた男にシャーロットに倣ってお辞儀]
みっきいと申すか。
わしの名は「すてら」じゃ。
宜しく頼む…随分と立派な身体じゃ…
[じっとミッキーを見つめて何かを思案]
すてら、よろしくなんだな。ボクの体は戦闘用に作られているから大きくて頑丈なんだな。
[すてらの視線に気付き]
ボクに何かついてるのかなんだな?
[ナサニエルと言うらしい、若い男の手を借りて、その衣類に袖を通し、帯を絞めてもらう。
深いインディゴブルーの衣は、ボタンもジッパーも無く、多少の体型に融通の効くもののようだった。
男に礼を言い、片足を引きずりながら窓際へ出る。
柵のない小さなテラスに腰掛けて、淡い霧漂う庭を眺めていた。
食事と眠りが効いたのか、多少身体は楽になっている。]
作られておる?
ほぅ…日頃から鍛錬をしておるか。
それは感心なことじゃ…
いいや、これから引越しをしようと思ってのぅ。
怪我人がおるゆえ、どうやって運び出せばいいものかと
悩んでおったのじゃが…みっきいよ、手伝ってはくれぬか?
[顎へと手を添えて考え込んでいたが、言葉に出すとあっさりと結論は出た。ぽむ、と手を叩いてみっきいの返事を待つ]
そうじゃのう。
この村で会った者は、皆仲間じゃ。
[シャーロットの問いに迷いなく頷き]
[すてらの言葉を聞いて]
わかったんだな。誰を運べばいいんだな?
[とりあえず命令を与えられたことだしそれに従うことにしよう。青い髪の女の引き込むよいう子世場の意味はよく分からなかったが]
[すてらの言葉を聞いて]
わかったんだな。誰を運べばいいんだな?
[とりあえず命令を与えられたことだしそれに従うことにしよう。青い髪の女の引き込むという言葉の意味はよく分からなかったが]
助かる。
[ミッキーの言葉にこくりと頷き]
うるずと名を決めた、銀髪の青年じゃ。
まずは引越し先を捜し当てねばならぬが…
まぁ、すぐに見つかるじゃろう。
[シャーロットに溜息をつかれると不思議そうに見遣り]
褒められている気分にならぬのが不思議よのぅ…
さて、集会場を見つけて移動しよう。
先を急ぐぞ。
[すたすたと歩き始めるが向かうのは先程通って来た道]
[助かる、といわれて一瞬なんのことか分からなかったがどうやら礼をいわれたらしい。今まで命令されることはあっても礼をいわれることはなかった気がする]
とりあえずついていくんだな。
[そう言って歩き始めた二人について道を歩き始めた]
む、冗談じゃ。
[シャーロットの声に慌てて踵を返し、そ知らぬ様子で指差された場所へと歩み出す]
そうじゃ、はぐらかされたままであった。
何故砥石を探しておるのじゃ?しゃあろっとよ。
[幾分伺う視線ですてらを見るが続く質問に表情を引き締め]
染み付いた習性はなかなか抜けないと言うことだ。
いくら意味が無い様に見えても、何かが欠けているというのは落ち着かなくてな。
[腰の隠しを意識しながら、やはり言葉を濁す]
……不要なことなのかもしれないが……。
[二人の会話から察するにもうひとりはしゃあろっとという名前らしい。砥石・・・刃物を研ぐのに使う石。何故そういうものを探しているのだろうか]
[なんとなく察したのかそれ以上は追求せず]
今までの当然を捨てることは容易なことではない。
捨てる必要もなかろう…また違う形で活かせば良い。
…おお、何か大きなものが見えてきた。
あれではないか?
[歩みを進めると徐々に姿を現す大きな洋館、シャーロットとミッキーに指差して見せ]
…幾分変わった型の屋敷じゃ。
しかしみっきいの様に頑丈そうでもあるな…
のぅ、あの囲いでも刃が研げそうな位じゃ。
どうじゃ、此方へ皆で身を寄せるのはやはり躊躇いがあるか?
嫌ならば無理にとは言わぬ、各々好きに過ごせばよいのだから。
[振り返り、シャーロットへ言葉を掛ける]
[連れられていった先にあった洋館は見たこともないほど大きいものだった。ここにしばらくいれば命令には事欠かないだろうか]
この中にいるのかなんだな?
[そうすてらに尋ね、*彼女の命令を待っている*]
さすがに囲いでは砥げないと思うが……。
ずいぶんと立派なつくりだ。どこぞのお大尽の屋敷だったのかも知れないな。
人と共にあると言うのはやはり慣れない。
申し訳ないことだが。
[小さく笑みを浮かべ、すてらを振り返る]
……では、"引越し"をはじめるか?
私は探し物を再開するが。
[尋ねつつ屋敷の大扉に手をかけ、*引きあけた*]
[身に覚えの無い気配とは別の気配は確かに感じられる]
[其処に声も確かに聴こえたけれど恐怖は全く無くて]
誰だ、ですって?
人に名を問うのにご自分は名乗らないなんて、
随分と礼儀知らずな方なのね。
[笑み滲む声音には言葉ほどの棘は感じられないだろう]
[たのしげに開きかけた薔薇色の唇は微か震えるばかり]
――…
[直接響く声に無意味な割りにちろと紅い舌が唇を湿らせる]
[ひとつ呼吸を置いてから笑み引く唇には小さな指を添え]
私はヘンリエッタ、あなたはだぁれ?
いいや、この中ではない。
この中に引っ越すのじゃからな。
先程言っていた青年は来た道を返した所にある小屋にいる。
其処まで着いてきてくれるか?みっきいよ。
[大きな屋敷を見上げ、感嘆の溜息を漏らす。]
そうか、それは残念じゃ。
他の者も同じことを言うかもしれぬが…それはその時じゃ。
近所付き合いも乙なものじゃ、そちらを楽しめばよい。
そうじゃな、"引越し"をはじめよう。
酒屋といい、手入れはされておるようじゃし…
戻るか、みっきいよ。
しゃあろっとは、また後ほどじゃ。
[屋敷へと手をかけるシャーロットに挨拶をし、ミッキーを連れて先程の小屋へと戻ることに]
[そうしてブツクサ言っていると傷の手当てを終えたウルズに頼まれ彼が着物を着るのを手伝い―以前仲間と故郷の話をしていた時にどう言う流れだったか一度皆で着てみようと言う事になりその時に教えられたのを覚えていたのである―それを終えた後共に縁側に出た。
未だ足を引きずってはいるもののどうやらいきなり倒れる事は無さそうで一先ず安心する]
…………。
[―それにしても妙に嫌な予感がする。
それも覚えのあるような、全く知らないような、そんな予感が―]
ま、今から気にしててもしょうがないか。
[その言葉は極小さな物だったので隣にいる青年には*聴こえなかっただろう。*
―青年の聴力が人間並ならば]
此処かしら?
[漸く霧の向こう静かな村落らしきにたどり着く]
[闇に巡らせる視線に石榴石は月明かりに煌めき]
静かね、静かだわ、静かよ。
………
[日傘の向こうに浮かぶ月を仰ぎ獣の如くすと瞳を細め]
[ふと小さく吐息を零し人の気配を探りながら歩を進め]
[帰ってきた声に"私"はどこか安堵に似た吐息を洩らす]
私は「シャーロット」……否、"ファーカ"と言う。
その声は未だ聞いたことが無いな。
まだまだ知らない来訪者が居るらしい。
その後どうしようとか考えてなかったんだ。ただどんな者にも安住を約束された地があるとだけ聞いて、それでどんな所なのか一度見に行ってみようと、
[いつのまにか身振り手振りを交えて魚屋に身の上話をしている自分に気付き、少し照れたように]
別に、本気にしてたわけじゃないんだ……
[魚屋から3歩半ほどの距離を保ったまま、集落に近づき感じるのは人の気配。錘がついたように足が重くなる]
[相手の安堵は敵意の無い声からも幾らか感じ取れたらしく]
[かけられる言葉の内容に思案気に幾拍かの間を置いてから]
ファーカ、ファーカ…
[声にせずとも舌の上で甘い砂糖菓子を味わうかの如く]
[歌う様にか囁く様にかうっとりと幾度か其の名を紡いで]
私は今、漸く着いたところだわ。
他にも居るのね。
…何か?
[ナサニエルの口元が、微かに動いたのを、訝しげに見、首を傾げた。]
…何でもないんなら、別にいいんだが。
[それ以上詮索するのも憚られ、黙って縁側でくつろいでいる。]
傀儡使 舞葉が「時間を進める」を選択しました
…わしは天才じゃのう…
のう、みっきいよ!
ほれ、見てみい。小屋に真っ直ぐ辿りついたわ。
[見覚えのある小屋が姿を表すと指差し、ミッキーにそれは嬉しそうに笑いかけ]
やればできるではないか。
[誇らしげに独りごち、小屋の向こう…また新たな人影が見えた気がして目を凝らす]
…?
幻ではあるまい…
ああ。清めるべき魂を持つものが、幾人と。
村に住み、村をつくり、互いに協力し合い……。
そんなことを望む者も居た。
どこまで逃げたとしても、背負った罪までは、魂の疵からは逃げ切れるわけではないのに。
[ヘンリエッタの声にくすと微笑む気配]
奇妙な人間ばかりが集まっているよ。
小さな村だ。すぐにでも顔をあわせることになるだろう。
お前がどのような姿なのか。少し楽しみにしている。
同類に会うことは稀だからね。
[最後にそれだけ言い残し"私"は再び意識を*外界へと向けた*]
[声と気配にぴたりと足を止め小首を傾げる]
[一瞬だけ集中し驚異的な視覚により人影を確認]
其れが私の事を云っているのなら、幻ではないわね。
[日傘の柄を握り直し地を蹴るか算段を始め]
[立ち止まった侭に闇の向こうの気配を探る]
[影が返事を返す、小さな声。幼子の声だと気づいて驚きに目を丸くさせ]
なんと、子もおったか。
可愛らしい声じゃ、娘か?
声代わり前の坊やもしれぬな…
ささ、此方へおいで。
甘い果実があるから食うといい。
一人で来たか?
[声のする方へ手招きをし、小屋を顎で指す。縁側に見えるのはウルズの姿]
ただいま。
おお…よぅ似合うではないか。
身体を起こすことはできるようになったか。
魂を清める?
[くすり] [くすくす] [くす] [くすり]
[悪意は無いがさも可笑しいと云う様子]
そうね、そうだわ、その通りよ。
罪も、咎も、全ては、切り離せはしないわ。
…たくさんの人が居るのね。
[続く言葉に急にたのしげな声は途切れ]
[変わりに響く声は酷く哀しげなもので]
私は――…醜いわ。
きっとたのしくなんてないわよ。
[声に敵意は感じられないけれど躊躇う気配が滲む]
[哀しげに瞬いてから闇の向こうへと小首を傾げ]
誰も、嗤わない?
[不安気に問う声は子供らしい響きをもって]
[立ち尽くして躊躇いがちに日傘の柄を回す]
声は可愛らしいのね。
でも私は可愛らしくなんて無いわ。
だから、此処に居るのだもの。
醜くても嗤わないのなら、そっちへ行くわ。
はて、何故笑うのじゃ?
[心底不思議に問い返し、しかし不安気な声にそっと諭すように声を和らげ]
可愛い声の主を笑うことはあるまい。
笑みが浮かぶことはあるやもしれぬ。
しかしそれは何か楽しいことや嬉しいことがあった時じゃ。
わしは隠すことはあまり好かぬ。
わしはお主の姿を見たいのじゃが。
此方へ来て姿を見せてはくれぬか?
[女の声に暫くは思案する間もあっただろうか]
――…嗤ったら殺すわ。
[あそこに居た者達の様に、とは小さく呟く程度]
[当然の事の様に変わらぬ声が告げ歩き始める]
[ふわり] [ふわふわ] [ふわ] [ふわり] [ふわ]
[女をはじめとする幾人かの姿に距離を取った侭]
[軽くドレスの裾を持ち上げ恭しく一礼して見せ]
御機嫌よう、たくさん人が居るのね。
それは物騒なことじゃ。
[少女の言葉にカラカラと笑い声をあげる。少しずつ、影が形となり現れた少女の姿に思わず見惚れ]
これはこれは…
[見たことのない装飾と服装をどう喩えたらよいのか、言葉を捜しあぐねているようで]
其の声に似つかわしい、とても可愛らしいお姿じゃ。
皆あちこちへと行って大分人も減っておる。
もっとおるぞ、また姿を見かけたら声を掛けて見るとよい。
わしは「すてら」じゃ。
後ろにおる逞しい男が「ミッキー」、其処の銀髪の男は「ウルズ」
姿は見えぬが何処かへ行っていなければ「ナサニエル」という
蒼髪の男もいるであろう。お主の名は何じゃ?
物騒かしら?
私は其の為につくられたのだわ。
…お父様は、私を醜いと仰ったわ。
[哀しげに瞳を伏せ弱弱しく首を振る]
すてら、すてら、すてら…
[名乗る声に瞼を持ち上げじいっと女を見詰める]
[幾度も舌の上で甘く味わう如く其の名をなぞり]
[紹介される順に他の者達も視線を送り頷いて]
ミッキーに、ウルズに、ナサニエルね。
私は――…名前は貰えなかったの。
でも祖体の呼称はヘンリエッタ。
だから、此処では私がヘンリエッタ。
ここは安住の地じゃ。そのような言葉は必要なかろう。
そうか…わしは可愛いと思うておる、それで良いではないか。
服装も少々変わっておるが、お主によう似合うておる。
[近付く少女の背を軽く押して小屋へと伴うよう促し]
へんりえったとな、また難しい名じゃ。
噛まぬように気をつけねば…まずは小屋へ入ろう。
中に果実があるから喉を潤して少し休むと良い。
[再び小屋へと足を向け、縁側のウルズと中にいるナサニエルにも声を掛ける]
ここよりも大きな屋敷を見つけた。
其方の方が皆も身体を休めることができるじゃろう。
此処もよいが、其方へと身を移さぬか?
無理にとは言わぬ、他にも幾つか家はあるみたいじゃからな。
へんりえったも一緒に来ぬか?一人では寂しかろう。
[青年達へと問い、その答え次第でまた引越しの準備を*始めるのだろう*]
[安住の地と云う単語に獣の如く瞳を細め]
人の心は遷ろうわ。
永久に続く安息はきっと――…
[言葉を切り近付く女の貌を覗き込み]
[日傘を回したたんで逆手に持ち直す]
この姿ならば、お父様も気に入ってくださっていたのよ。
でも有難う、すてらは優しいわね。
[促される侭に小屋へと踏み入り辺りを見回し]
[示された果物へと何気なく小さな手を伸ばし]
[しゃくり] [しゃく] [しゃくり] [しゃくしゃく]
[躊躇いなく齧ると甘酸っぱい果汁が口に広がる]
[唇の端に零れる果汁を紅い舌はちろと舐めて]
すてらは、ひとりは寂しいの?
[小首を傾げて問うも荷造りは素直に*手伝うだろう*]
ミッキー武装スペック
ロケットパンチ・・・手首から拳が外れ相手に向かって飛んでいく。推進剤はなく自分の拳を振りぬく力で発射するのでモーションは大きい。拳には鎖が繋がっているので回収は可能。逆に15mという射程制限も。
ウォータージェット・・・口から冷却水の廃液を高圧力で噴出する技。最悪でも転倒させるくらいの威力。ミッキーが熱を持ちすぎていると熱湯になってたりする。
―― 回想 ――
[生温い溶液に蕩揺い肢体を休め]
[切られた背は既に修復を終えた]
[ゆらり] [ゆらゆら] [ゆら] [ゆらり]
[強化硝子越しの気配に瞳を開く]
[誰よりも大切な人の姿に微笑――]
「破棄しろ。」
[底無しに冷たい瞳と紡がれる言葉]
[溶液に反響する声は鼓膜に絡み]
[ゆらり] [ゆらゆら] [ゆら] [ゆらり]
[石榴石の瞳は大きく見開かれる]
[薔薇色の唇は戦慄き音も紡がずに]
お…とうさ、ま?
肉弾攻撃・・・怪力と防御力の高さを活かして敵の懐まで一気に進み武器、或いは腕を振り回す。剣道1段以下の技量だが下手に受ければ武器ごと破壊される威力があるためさばくのは困難。また避けられないような至近距離で振り回してくるので回避も難しい。当然生半可な牽制では怯まない。
[其処に在るのは娘を汚された憎悪だろうか]
[お人形さんは余計な感情は教えられない]
[判らないのに縋る如く硝子に手を伸ばした]
如何、して?
私が負けたから?
血を流してしまったから?
[けれど負けたのは変体の瞬間の父の声]
[異常な程に発達した聴覚が捉えた言葉]
[――あんな醜いものが、私の娘なものか]
[たった一言で身が竦んで動けなくなった]
[去って行く後姿を見詰めながらの結論]
私が、醜いから?
待って。
[溶液の中から紡ぐ声が届く筈はなくて]
[伸ばした小さな手は硝子に阻まれて]
[ゆらり] [ゆらゆら] [ゆら] [ゆらり]
[誰よりも大切な人はもう振り返らずに]
[石榴石の瞳より溢れる雫は溶液に解け]
――…お父様。
― 回想 ―
[束の間だけ強化した耳に聴こえる嘆き]
嗚呼、可哀想なアーヴァイン。
でも「また」だなんて、
酷いわ、酷いわね、酷いわよ。
私は先程初めて此処に来たのだわ。
[くすり] [くすくす] [くすり] [くすくすり]
[甘えた嗤い声と唇には三日月の笑み]
私が此処へ来たのもきっと必然ね。
判るのよ、彼等を刈り取らなければ。
安息に浸っては腐ってしまうもの。
――…私の様に。
― 川辺 ―
[朽ちかけた簡素な木造の橋の細い手摺を歩き]
[ドレスの裾をはためかせ足取りは軽やかに]
[ふわり] [ぎぃぎぃ] [ひら] [ひらり] [ぎぃ]
[日傘を差して軽やかに双方の岸の中間辺り]
[立ち止まり覗き込むは涼やかな流れに映る姿]
勝てなかったのだわ。
[薔薇の咲き乱れる日傘に隠れた表情は窺えず]
[尖らせた薔薇色の唇も揺れる瞳も隠されるか]
成れなかったのだわ。
[囁かれる言の葉は清流に飲み込まれ消えて逝く]
[か細い片手は何を求めてか流れへと伸ばされ]
届かなかったのだわ。
[伸ばし水面へ向けられた小さな掌は宙を掴む]
[胸元へ引き寄せ開くも掌を覗くも当然何も無く]
[微か吐息を吹きかけて再びそうっと握りしめる]
――…
[日傘の向こうの空を仰ぎ石榴石の瞳は揺れて]
[静かに深呼吸をして薔薇色の唇は開かれる]
[奏でられる透き通った歌声は風に乗るだろう]
Someday I want to run away
To the world of midnight
Where the darkness fill the air
Where it's icy cold....
[そのまま縁側でぼーっとしてたら戻って来たすてらから引越しを告げられて]
俺は別に良いけど…ウルズはどうすんの?
[問いかけるその目は一緒の方が良いと雄弁に語っていて。
返事如何に関わらず引越し準備は手伝うだろうが。
新顔2人―ミッキーとヘンリエッタにも極普通に接するか]
――村内→空き小屋――
〔相手の言葉に、緩く首を傾けて…瞼で頷く。
主張を始める相手へと舐めるような視線を這わせ〕
…死者の話もするのだね?
「笑い上戸」の「皮肉屋さん」。
ボクにいなくなってほしいなら…
キミはきっと影も踏ませてくれてないんじゃないかな。
そういう方だと思う…
〔自分のことを棚に上げつつ、口にする。割り開いた果肉は甘く…ふっと吐息を漏らし〕
――旨いね。……
〔今度は照れ屋さんらしい…と納得しながら、動きを交える相手の声を黙って聞いていた。暫く考え込んでから…酷く考え込むような面持ちで呟く。〕
――…。…ボクは…
〔本能で惹かれた…と低い呟きを漏らす。〕
〔幾許かの時間を過ごした空き小屋を離れる際、魔法使いは自らの杖から柳の枝を1本折り取った。面持ちばかりは常と変わらず笑みを佩き…相手へと渡す。〕
…これを持ってお出で…果物屋。
〔それは逃げずに留まってくれた相手への…深い感謝の証。…甘えて長く時間を戴いてしまったから…と眉を顰めつつ伝える。〕
…意味合いと使いかたについては、…
村の誰かに訊けば解るようにしておくよ。
ちょっとした遊びだけれどね…また逢いたいからさ。
〔相手の好みの遣り方かどうかは、わからなかったが…そう伝えた。もう一度猫背気味に丁寧な礼を取って、その場を後に*したのだった。*〕
――回想・村内散策中――
〔ゆっくりと思い出すのは…散策中に出会った、眼鏡をかけた紫髪の人物のこと。…紹介を受けていた名は、芹菜…といった。何者かと話すらしき様子には首を傾げるも、魔法使いは其処へ飽くなき望みを感じて…興味を擁いた。〕
…やあ、…キミは知りたがり屋さんかな。
応えてくれるのは…誰だろう?
〔寄せた歩はどうにも緩慢。相手が気を悪くしてはいないかと時を操り始めたばかりの魔法使いは気がかりらしく…。緩く片手を伸べる〕
― 回想/小屋→屋敷 ―
[荷造りを終えた彼等が其の後如何したのか]
[すてらへの問い掛けに答えは得られたのか]
[人形は集会所へと向かう一団から少し離れ]
[けれど幾らかの荷物を預かってはいるらしく]
[其の屋敷までは行動を共にしたかも知れず]
[玄関口に荷物を置き屋敷の中で日傘を差し]
[彼等とは別れ暫くは建物内の探索もしたか]
[何時の間にか紅い人形の気配は*消えていた*]
― 川辺 ―
[不意に歌声は半ばで止まり]
[俯き弱弱しく被りを振るか]
[ぎぃぎぃ] [ふわり] [ぎぃ]
[傘持たぬ手を水平に広げて]
[遊戯の如く手摺の上を歩く]
滑稽ね、滑稽だわ、滑稽よ。
[歌う様に囁く様に愉しげに]
[声音とは裏腹に迷子の貌で]
[くすり] [くすくす] [くすくすり]
[忍び嗤いつひらと岸におりる]
[光を乱反射する水面を眺め]
ひとりは、寂しいのかしら?
〔歪みを修正するためには…師匠の手本が必要だった。
…念じる試みが間に合うかどうかはわからないが…〕
〔(…教えを、請わせては戴けませんか――師よ。…)〕
〔魔道書が頭に入っていないのだろうな…とまだまだ未熟な男はやや自戒の面持ち。この安らぎの地を終わらせてしまいたくはない…と魔法使いの弟子は考えていた。〕
[しゃがみ込み清流へと指先を浸す]
[子供が水遊びをしているかの様で]
[けれど石榴石の瞳は暗い闇が滲む]
――…殺せなかったのだわ。
[ぱしゃり] [ぱしゃぱしゃ] [ぱしゃり]
[水音に掻き消された*声音は――*]
[纏めるものと言っても荷はほとんどない、小屋にある幾つかの日用品と老人と蒼髪の人が置いていった食料、一番の気掛かりは銀髪の青年であったが]
みっきいが手助けしてくれると言うてくれた。
後はうるずがどうしたいかじゃな。
此処の縁側も趣があって惜しいが…
[ナサニエルへ、一つ頷きを返してウルズの反応を待つ。その間に問い掛けられたヘンリエッタの言葉に、返されるとは思っていなかったのか複雑な面持ちになり]
わしに寂しいかと問うか。
そうじゃなぁ…
[遠くを眺め、薄らと浮かべる笑みは泣き顔にも似ていて]
うむ、ひとりは寂しい。
だから此処の皆と仲良うしたいと切に思っておる。
それがわしの求める安住じゃ。
[一息に言い切る頃にはまた、あっけらかんとカラカラ笑い声を*上げているのだろう*]
[すてらの荷物は少ないようで差し当たって運ぶ指示はでなかった。
かといってウルズとナサニエルを運ぶ指示はまだ出ていない]
この男を運ぶのか?なんだな。
[とりあえず運ぶだけなら肩に一人ずつ乗せれば問題ない、と二人をスキャンしてそう判断する。ナサニエルという方が若干動きが敏捷そうだ。]
[いささか歩き飽きて小屋に戻ると、なにやら皆移動をしたい模様。
ミッキーと名乗っていた大柄な青年が、ウルズとナサニエルを前に、なにやら話している。]
どうしたの?お引越しでもするの?
いや、別に自力で動けるから運んでもらわなくても良いんだけど。
[ミッキーになんと説明しようか考えてたら芹菜が戻って来たのでそっちの方に]
ああ、すてらが大きい屋敷を見つけたから皆でそっちへ移ろうかどうかって話をちょっと。
[ナサニエルから予測される戦闘力・・・敏捷性・・・
そうそうダメージを受けそうな感じではないが逃げられれば追い付けない。そう判断したところで声をきき振りかえる]
ボクはミッキーなんだな。
[そういって少女にお辞儀をする]
それにしてもオートマータを、それも2人も同時に見るなんてな…長が聞いたらまた一騒ぎ起こるな。
[常にしかめっ面の老魔術師の事を思い出して表情には出さずに微笑む。
―その様な機会はありえないのだが]
大きいお屋敷に?そうなんだぁ。ウルズさんは、ミッキーさんにおんぶしてもらうのかな?
[まだ傷が癒えているとは思えぬウルズを、少し心配気に見る。ナサニエルの言から察するに、ミッキーはナサニエルも運ぶつもりのようなので、]
ミッキーさん?ナサニエルさんは自分で歩けるから大丈夫だよぉ。
[一応いっておく。]
[ナサニエルの自分は運ぶ必要はない、との言葉に]
ではこの二人を運ぶのかなんだな。
[ウルズと現れた少女をさしてそういった。]
……こいつ、いったい何者だ?強いことはかなり強そうな感じなんだがな。
ふむ、確かにちょっと変わってるよね。芹菜?僕が出張ってもいいかい?
おいおい、強そうじゃん、このミッキーとかいうやつ。俺に相手させろっての。
喧嘩しようって言うんじゃないんだよ?業火。
……んー、じゃ、石動にお願いしようかな。
[またも一人ごちるように言うが早いか、その瞳には深い湖か海のような青い光。]
『さて、しばらく様子を見ようか。変わった連中が多すぎるよ、ここには』
〔まだ男は、対なる存在が行使する術について漠然としか把握していない。その片鱗に触れて無意識のいたずらに使ってしまったことは深く反省していた。…無意識といえば…〕
…ボクも皮肉屋さんになってしまった…かなァ…
〔こりこりと歪な指で頬を掻いて、静かに杖の先を地面から離した。皆が集まるであろう洋館へ向かう。…多分、望む者とはいつ出会うこともできるのだろうから。〕
[屋移りをすると荷造るさまを、邪魔にならぬよう縁側で眺めていた。
何か手伝いたいとおもうも、おもうようにならぬ身がもどかしい。
共に行こうとの言葉に、小さく頷く。
一人ではまともに動けぬまま、慣れぬ地に在るのは心細く思えた。]
…手間をかけさせてしまって、済まない。
[背負う男の広い背で、消え入るような声で詫びる。]
[ウルズの声に気付き]
ボクは命令に従っているだけなんだな。
[礼を言われることが不思議だと言わんばかりの口調でそういった]
[どこか寂しげな囁きが届き、"私"は意識の内へと潜る]
寂しい、か。……昔は夜毎そう言って泣いていたように思うが。
[遠い昔に忘れてしまった、と低く呟いて]
ヘンリエッタは一人が寂しいと思うか?
父や母を、恋しく思うだろうか。
私はもはや、
……今ではどんな顔をしていたかも思い出せない。
[浮かされるような声で]
[何かを求める声音で]
〔洋館へ向かっていると、引越し仕度の一同に出会う。
胸に手を当てて緩やかな会釈を向けてから、最後尾に混ざる〕
…やあ。…見守る方は…行ってしまったんだね。
儚げな方の儚い望みが…遠ざかっていって
また近くもある気がする。
…ウルズは、何屋さんなんだろうね。
まだボクには…わからないや。
〔そして先頃擦れ違っていた大柄な男。彼の言葉を気にかけて…細身の男は幾つか遅い瞬きを落とす〕
命令。かァ…
……するのもされるのも、…。
〔某かの感情が過る。が…複雑すぎて自分で把握*できない*。〕
[揺られる広い背は、何故だか温かみを感じなかったが、
そのやわらかさと、歩みの緩い振動は、何故だか心地よく安心出来た。
幼い頃にこうしてもらった事も、きっとあるのだろう。
思いを馳せても、この集落のように過去も深い霧に惑ったままだったが。
ややうつらうつらとしかけたところで、耳に届く男の声。]
…何屋なのだろう。
[それは、己にも未だわからなかった。]
[広い邸内の片隅、その屋根裏にて]
[しょり、しょり、と刃物が石を滑る音]
綺麗になった。
[灯した蝋燭のわずかな光を受けて煌く、一対の胡蝶刀]
[集団が揃って近づく気配に蝋燭を吹き消し、気配を消して]
本当に引っ越してきたのか。
……理解出来ないな。群れて暮らすなど。
あの頃は、──。
[ふ、と吐息]
私も、あんな風だったのだろうか。
[声に川面より対岸へと視線を移す]
私には判らないのだわ。
お父様は…――
[長い長い沈黙は躊躇いを現してか]
もう私を見ては下さらないもの。
教わっていない感情は判らない。
若し、此の胸に孔の穿たれた感覚を寂しいと云うなら、
きっと如何したって誰にも埋めようは無いわ。
其れに、少しも恋しくなんてないのよ。
只――…愛(かな)しいだけ。
[暫し思案するかの如く言葉を留め]
ファーカのご両親はもう、其の記憶のうちより擦り切れているの?
そんなに長い時を離れて過ごしてきたの?
― 川辺 ―
[指先より滴る雫にすと獣の如く瞳を細め]
[対岸へ向けた眼差しは遠く虚空へと向かう]
壊れているのだわ。
当然ね、
腐っているのだから。
其れも――…
[虚空を見詰め長い睫は小刻みに震え]
[漸く立ち上がり視線は水面へと戻される]
愛(かな)しい事ね。
そうか──。
痛みを知らずに居ることは、幸せなのだろうか。
[ふと思い出すのは対の刃の送り主]
[痛みを知らず、消えた少女]
[痛みを知らぬが故、疵を求めていた]
すべての涙は、煉獄で……。
[ヘンリエッタの問いに口元を歪ませる]
そうだな……離れてよりどれくらいになるかも分からない。
彼らは逝き、私だけが取り残されて。
次第に「寂しい」と思うことと共にその顔も忘れてしまった。
彼らも今はもう、次の輪廻の輪の中だろうな。
「痛み」ならば、私も知っているのよ。
[くすり] [くすくす] [くす] [くすくすり]
[嗤う声は優しげで] [嗤う声は哀しげで]
[其れ以上は続けずに静かに頷く気配]
[細い指を頤に添え僅かに小首を傾げる]
[瞳だけは愉しげにすと細まるだろう]
罪とは何かしら?
悪とは何かしら?
私は誰にも償いなんて求めてはいないの。
泪も煉獄なら瞬きの間に揮発するかしら?
[彼女の声音に何を感じるだろうか]
[未だに貌も知らぬ声の筈なのに]
[其れでも何故か親しみに近い想い]
ファーカも輪廻の和に加わりたいの?
[短い声は平坦なれど穏やかな響きをもって]
[さて、と思考を巡らせる]
彼らに見咎められる前に出なければならないか。
見つかり巻き込まれては面倒だ。
[まるで己を説得するかのように呟いて]
[刃を隠しにしまい、そろりと腰を持ち上げる]
あちらからなら──出られるか。
[暗い暗い屋根裏の奥。張り巡らされた柱と梁の狭い隙間]
[四肢をつけて這い進む]
〔ウルズの髪が揺れるのを後ろから眺めて…暫く考えていた。〕
患者さん、ではあるんだろうさ。
…すてらとキミがいなければ…
たぶん皆好きに過ごしてるんだろうね。
ボクみたいに…アハハ。
〔軽く銀髪の方の背を叩き遣ると、洋館へ向かう皆へ場を辞する旨を伝える。男は気紛れに住まいを選ぶことにして分かれ道を行く。〕
罪も善悪も不幸とて、決めるのは誰かだ。
本人にはその基準を持たされてなど居ない。
私はただ、命じられるまま。
その涯に約された無を願って。
[優しげで哀しげなその声に"私"はどこか安堵を覚える]
[これが"同属"ということだろうか?]
煉獄であれば、泣く間も持たずに意識ごと灼き尽くしてくれるだろう。
そうして、次の生へと繋いでいく。
私は──輪廻に加わるには殺しすぎた。
望んでも叶わないことだ。
それでも……そうだな。
[ふ、と微笑む]
会えるものなら、もう一度会ってみたいものだ。
――村内→川辺――
〔歩を進めるごとに、近づく水音。清流は瀬に跳ね…近づく者は其処へ紅を見出す。じっと感覚を凝らして…新たな出会いに薄く笑う。〕
…ごきげんよう、お嬢。
〔独りごちるか細き声を、耳は掬った。…ざり、と小石を踏んでうっそりとか細き者へと近づいていく。〕
――…何が足りないんだろ。不思議な望みだ。
…患者、か。
[確かにその言葉には合点がいって。]
…では、早く治さねばならないな。
治れば…俺にも何か出来るだろうか?
[大男の背に揺られながら、銀の髪もさらさらと揺れる。
背に触れられて、痛みに小さく呻きつつ苦笑い。
道をたがえる彼を、お気をつけて…と見送る。]
[雲の上を歩くが如き足取りは変わらず]
[編み上げのブーツは何処へ向かう心算か]
[ふわふわり] [ふわり] [ひらひらり] [ひらり]
[風の声に耳を澄まし緩やかに歩を進める]
[目的地がある訳も無く川面に飽きただけ]
Someday I want to run away
To the world of midnight....
[先程の歌を口ずさみながら迷子の人形は進む]
[ほんの少し歩いて見止める影は見覚えがあって]
[距離を取って立ち止まり僅かドレスの裾を持ち]
御機嫌よう、おじ様。
私に足りないのはきっと――…死よ。
貴方の望みは、なぁに?
[此方へと向かってくる細長い猫背の影を見詰め]
[小首を傾げ微笑むも傘の柄を持つ手を握り直す]
[ふと隙間から下を覗けば厨が見えた]
[わずかに光るは先ほど置いてきた酒瓶だろうか]
[珍しいものを見るようにそれをみつめ]
──っと。
[板の一枚を外し下へと降りた]
[厨から外へ通じる扉に手を掛け]
夢見の水、か。
[苦笑するように呟くと邸の外へと踏み出した]
そうね、誰しもつくられるのかも知れない。
其れならばカーファ、
貴女自身の望みは何処かしら?
[声に微か滲む安堵の気配は人形の心地も和らげる]
「次ぎ」へ繋がるのは、
此処に留まり続けるより好みだわ。
生きて乗り越えらるならば、
此処に来なかったのではないかと、
私はそう想うのよ。
[笑みの気配に暫しの沈黙が挟まれる]
ファーカ…罪は他者が決めると貴女は云う。
ならば望めば叶うのかも知れないわ。
何処かで、擦り切れた記憶の大切な人達の魂に逢う事も。
/*
>>*17
………ファーカね、ファーカ。
カタカナ表記の名前を間違えるのは中身の属性なの。
ごめんなさい、ファーカ。
[ヘンリエッタの言葉に、"私"は酷く戸惑う]
私の、望み?
私は──。
[唇は何かを伝えようと震えるが、形にはならない]
[代わりに零れたのは、諦めた響きの吐息]
望みを持つことなど、許されない。
死す迄殺し、死して尚殺し。
爪の先まで血に染まり──。
不浄と化したこの私には。
誰かが決めた、私の罪。
確かに。
生きて乗り越えられる程の強さがあったなら、ここに辿り着くことなど無かったかも……しれないな。
ここは「桃源郷」、安息の場所。
故に、罪深き魂を次へと導くが私に与えられた役目。
あとどれほどの魂を導けば良いのか。
今更会おうと願っても、遅すぎる。
[所作すら見えずとも戸惑いは届くだろうか]
[続き紡がれる事無く零れる吐息の重さまで]
[だからか同情は無く同時に蔑みもなく静かに]
私も殺したわ、沢山、殺したわ。
この身の紅く染まって尚、殺したわ。
でも未だ足りない事こそ私の罪なの。
[全く逆の事を人形は罪と言い切る]
若しファーカの罪が本当だったとして、
是からファーカは如何するのかしら?
此処で、何を為すの?
随分と寂れた桃源郷ね。
[揶揄する声はけれど皮肉は籠められず]
[心底此の地の在り方を想っているらしく]
出来る事をすれば良いのだわ。
過去は変わらないし、
先の事は判らないもの。
…罪と罰かしらね。
ファーカの魂が安らかだと好いのに。
――村内――
[最前より変わらぬ足どりで杖つき歩く。双眸はまるで周囲を認識していないように半ば閉じられていた]
――さてと。
何処に向かうか、何を見ようか。
――それが問題だ。
――それだけが。
[ぴきぴきと、刃が高く鳴いた]
命じられるまま──役を果たす。
罪を重ね──いずれ下される裁きを待ってね。
未だ裁きが下されないのは、それほど私の罪が重いということなのだろう。
[罪を贖うために罪を重ねる矛盾に、"私"は気づかないふりをして]
(無の安息は、いつ訪れるのだろう)
[約された安息があまりに遠い]
[気配を悟られぬよう留意して邸を離れ、村内を歩く]
[当てなどないまま、足の向くままに]
──おや。
[しばらく歩いたところで、先ほど会った老人に出会った]
[刀の声に重なるあどけない笑い声]
[くすり] [くすくす] [くすくすり] [くすり]
[だからこそ其れは残酷かも知れず]
贖罪の為に罪を重ねては、
裁きは望めないのではないの?
[ふと小さく零す吐息は甘い]
私は未だファーカを知らないわ。
けれど私はきっと貴女の邪魔はしない。
何時か私を見ても、
貴女は嗤わないで居てくれる気がするのよ。
不思議ね、知らないと云うのに。
だが――お主はすでにひとつ、間違えておるよ。ヒューバート。
[恰も直接語りかけるように、視線を一点に留める。その先にあるのはひときわ目立つ洋館の姿だった]
敗者は常に存在するのだ。
過去にも、現在にも、そして未来にも。
敗者の居らぬ時点など存在せぬ。
そして――敗者であったことの無い者もまた、存在せぬのだ。
誰もがすべて、敗北しているのだよ……
私の安らぎは永遠に訪れはしないのかもしれないな。
それほどまでに罪深いのだろうさ。
[もはや声音は自嘲の響きを帯びて][乾いた笑い声]
「ありがとう」。
私も、お前の邪魔はしないよ。
互いに、為すべきと思うことをすれば良い。
嗤いなどしないさ。
私はお前のことを、どうやら好きなようだからね。
まだ会いもしていないというのに、不思議な話だ。
[柔らかな微笑み][でも、悪い気はしない]
まあだが、仮初めの幻力(マーヤー)といえどお主の希望を模したものならば、破却するに至る理由もあるまい。もう半ばまでの実存を得たようでもあるし、な。
[顎髭をなぞり、ふむ、と口にして頬に笑みを上せた]
[ふと振り返ると、先ほど出会った老人が邸の程近くに立っている]
つまるところ、人は人の集まるところに集うということか?
誰しも、一人では生きられないのかもしれないな。
[呟き、その立ち姿と邸を比べ見る]
ファーカ…
[彼女の笑い声は酷く胸を騒がせる響きをもって]
[名を呼んだきり随分と長い事言葉は無くなる]
少しもたのしくなさそうに笑うのは、
泣いてしまわない為かしらね。
[問い掛けるでもなくぽつりと呟く声は静かで]
[続く声に息を呑むのも忘れ今度こそ時は止まる]
[戸惑いの滲む長い沈黙には息遣いすら無くて]
…お礼を云われたのなんて初めてよ。
誰かに好きだと云われたのも。
私は貴女の罪を裁く事も赦す事も出来ない。
でもそうね、お互いの為すべき事を。
私も、ファーカに逢うのが少しだけたのしみに成ったわ。
[本当に不思議ね、と笑う声は柔らかい]
――キミはボクと、同じものが欲しかったんだね。
すこし違うのは…今はもう死はいらない…と考えてるところ。
いま欲しいのは…アハハ。
〔ゆらん。男は上体を揺らして紅を覗き込む。〕
師にして――学びあう相手。
〔秘密を囁く、そんな声音。唇の前に歪な指を1本立てる。〕
――ボクは旅立つ者…ヒューバート。
キミは「何」だい。
―空き小屋―
[魚屋に案内された空き小屋に残る。柳の枝を手にしたまま]
人のにほいが……する
[小屋の中をしばらく探索している。瓶詰めの中身は(おそらくは果実の砂糖漬けだろうか)すでに痛みきって原型を留めておらず、一口食べて挫折した]
ここが……安住の地?
[誰もいない小屋の中で独り微笑む。すえた臭いのする汚い毛布を見つけると、裏口からの退路を確保できつつ入口からは死角になる場所を探して、毛布にくるまって*丸くなった*]
〔既にやさしい嘘が暴かれていることを、魔法使いは理解していた。そこを師に指摘して貰わなくては――前に進めなかった。男には身の回りのことしかわからないが…自らの望み、そのひとつが果たされた…ということだけは離れていてもわかる。〕
……有難う…師匠。暴いてくれて。
〔ぽつりと呟く。「でも、ホントのところは教えない。」
それは悪戯であり、複数回答の可能性を示唆する言葉。〕
[同じものを求めていたと男は云う]
[無遠慮に頭から爪先まで眺め回し]
[くるり] [くるくる] [くる] [くるり]
[傘を回し揺れる上体に視線を移す]
[細い眼差しを石榴石は真っ直ぐ見]
其れは、少しだけ愉しそうね。
[唇にはあどけない悪戯な笑みを引いて]
[男を真似て其処に細い指を1本添える]
[名乗られた名を幾度か舌の上で転がし]
ヒューバートは何処へ旅立つの?
[「誰」ではなく「何」と云う男の問い掛けにか]
[指添える薔薇色の唇は三日月に吊り上がる]
私は棄てられた迷子のお人形、Sinkと呼ばれていたの。
でもヘンリエッタと呼んで呉れないと、
仮令ヒューバートが求めて無くても殺すわ。
――…
[其れ以上に紡ぐ言葉は無くて]
[聴こえる声の温もりを感じる]
[未だ見ぬ彼女へ暫し想い馳せ]
[心にあどけない微笑を浮かべ]
[倣う如く外側へと意識を向け]
…羨ましければついてきぃ、柳よ。
わし等はお主も拒みはせぬ。いつでも待っておる。
[すれ違うヒューバートへ、カラカラと笑い声をあげて引越しは続く。彼が通り過ぎた後大柄の男に背負われし青年を見遣り]
そうじゃのう、早よ良うなってもらわねば。
治ればまた、遣れることはたくさんある。
この村には未だ未だ足りぬものが多くある。
農耕も…家畜を育てることも、炊事も、一人だけでは到底できぬ。
じゃが、皆で分け合えば少しずつではあるが形になろう。
安住とは訪れるものではない。
作り上げるものなのじゃ…
[途中からは自らに聞かすように一人ごち]
…ところでうるずよ。何か、思い出したものはないか?
[始めて見た時から幾分、落ち着いたウルズの姿に気になっていた問いを口にする]
[古いが良く手入れされた大きな屋敷。
リビングとして使われていたらしい広い部屋の隅のソファーへ沈み、各々が調度を整えたり、自室に使う部屋を選んでいたりするのを眺めている。
多少傷が疼くのか、肩に巻いた包帯をさする。]
――だろ。
〔ゆっくりと踵を返しながら…暗い視線は紅の方を捕らえて離さない。返される仕草には闇に亀裂を入れる月の如く、薄い笑みを広げ…〕
ボクらは立ち止まることも、立ち竦むこともあるけれど…
生に倦んではいないのだよ。
…さあね。自分から…過去から。たぶん、そんなところ。
…遊んでくれて、うれしいな。ヘンリエッタ…
時に添え言葉をすることだけ、許してくれないか。
…お出で。キミの言葉と心と…
その髪に触れさせてほしい…
〔誘う笑みはそのまま――回答のうちのひとつ。
でも何に対してかは――目の前の相手以外には教えない。〕
[とりあえず近くのソファーにウルズを下ろし荷物を傍に置いた]
任務完了なんだな。
[そう呟くと広間にいる人を眺めながら何かを考えている]
[負われた背の肩越しに、古めかしい様式の屋敷が見えてくる。
傍らを歩く女の声に頷いて、そうだな…と小さく返した。]
…今のところはまだ……。
思えば思うほど、霧の中に迷いそうになる。
[おぼろげなものは追おうとすれば逃げ、肝心なものは欠片すらも見えぬ。
傷はまだ、じわりと熱い痛みを抱いたままだ。]
[古いが良く手入れされた大きな屋敷。
リビングとして使われていたらしい広い部屋の隅のソファーへ沈み、各々が調度を整えたり、自室に使う部屋を選んでいたりするのを眺めている。
多少傷が疼くのか、肩に巻いた包帯をさする。]
〔…男はまたひとつ思い出す。小さな行進から離れる際に交した言葉を。〕
…ボクは遊び人だもの、…すてら。
いつでも好きなところにいるさ。
いたくないところには、一秒たりと居はしない。
〔そして…相手だけに伝えた言葉がある。〕
――すてら。迎えに行ってほしいコがいるんだ。
あちらの空き小屋にいるよ…ボクの証を持ってる。
とてもこわがりで韜晦屋さんだから…
どうかキミのやさしさで迎え入れてあげてほしい。…
たぶん、…それもボクだけでない、キミの望み。
[しばしその姿を遠目に眺めていたがやがて]
──塒を探さねば。
[ひょうと吹く風に髪が遊ぶ]
[髪はばさりとその表情を覆い隠して]
[少し歩いた先、"集会場"の程近く]
[一軒の宿の一室を塒に選ぶ]
少し休まねばさすがに……。
体が、保たん。
[部屋の隅に置かれた椅子に腰かけ]
[わずかに俯き瞼を*閉じた*]
〔…そして師であり対なる存在へも、念じて告げる。〕
〔(…ものにしたか、とは…まだ訊いては
貰えないのかな…御老。ボクは確かに未熟だけれどさ。
好みの相手を弟子に先んじられたからって、
意地を張ることはないだろう?
御老の魔法を逆手に取って悪戯したのは謝るからさ。
…ボクはあのコをひとりにしたくない。…)〕
[男の笑みに幾らかの好奇心が頭を擡げたか]
[離れていく暗い闇の三日月を緩やかに追う]
私は生を持て余している訳では無いのよ。
ヒューバートのように旅立つ予定も無いけれど。
[エスコートを求める小さな淑女の仕草らしく]
[誘われる侭に男へと小さな手を恭しく伸ばす]
私は遊んであげた覚えは無いわ。
只、此処に在るだけよ。
触れても良いけれど、
心は、教わらなかったから判らないの。
[ドレスの裾を翻し男の傍らへと寄り添い]
[何処か不思議そうに男の貌を見上げる]
助かった、お疲れさま。
感謝するぞみっきい。
[やがて辿り着いた洋館の中、みっきいへと声を掛け。窓を開けることにする…はじめて見るガラスと、その硬さに驚きの声をあげ]
外が見えるのに風を感じぬ、不思議な板じゃ…。
[横に引いても開かず、押したり引いたりしていると外に向けて開く。勝手に慣れるまでに時間が掛かりそう…そんなことを考えながら]
…また知らぬ処へ迷われてしまうのは困るのぅ…
傷の手当てを致そうか。
[ウルズの言葉に笑みを零し、急がなくて良いと諭す声色で。持ってきた荷の中に包帯の替えはあったろうか]
…あぁ、済まない。
[ステラに頷き、手当てをされるならば大人しく任せるだろう。
粗方出血は止まっているが、腫れて膿みかけた傷もいくつかある。
よく見れば、肌の所々に目立たぬ色で、異質な素材を埋め込んだような紋が刻まれているのがわかる。]
随分な言われようじゃ。
誘いを無下にされようとは…
留まる処が決まるのならまた教えておくれ、遊ばれし方。
ご近所付き合いもまた乙なものじゃ。
[カラカラと笑い声をあげて、ヒューバートとの短い会話は終わるのだろう。告げられた言葉、男の顔を見据えながら浮かぶことは隠さずに口に出す]
お主が連れてこようとは思わなかったのか…?
ほんに不思議な男よ。
落ち着いたらまた赴こう…名を呼ばれぬことを祈ってておくれ。
[指された方角を目に焼き付けながら呟くのは交わした口約束を暗に含ませた皮肉にも似た冗談。その言葉が本当にならなければいいのだが、保証はできぬ…そんな意もあるやもしれない]
謝ることではない。
…これと、これが使えるか…
冷たいかもしれぬが暫しの間、我慢じゃ。
[僅かな荷の中から包帯と消毒を見つけたのならウルズの手当てを始めるのだろう。
全身を隈なく、見逃しがないように注意を払いながら傷口を見つけては消毒薬を塗りつけ――途中、傷痕のような紋を疵と間違えて擦ってみる所作も何度かして首を傾げることもあり――]
疵…に、しては歪ではなく綺麗な紋様のようじゃ。
お主もまた不思議な男よ…
[そんなことを呟きながらも滞りなく消毒は終わり、包帯を巻き直す…筈だったのだが]
…む…こうか…
いや、違う…ち、ちょっと待たれよ…
今計算しておる…ああ!うるず、動かれるでないぞ!
わしはお主の首を絞めたいわけではない…
[顰め面で巻く包帯は彼の肩だけではなく全身ぐるぐる巻きにしてしまいそうな不器用なもので。此方が謝る側に転換し、その場にいる他の誰かに助けの声を求めるのも時間の問題なのやも*しれない*]
〔レディの瞳に、自らが時に持て余すものが宿るのを認め…男は見惚れるような溜息をつく。〕
…ただ、落ち着かない…それだけなのかい。
うん…退行と逆行は違うから…
より純粋に自分でいたいのかもしれない。
ただ、全く純粋というわけではないけれど。
〔濃緑の外套を翻すと、淑女の差し出す手をごく軽く握る。
そうして跪き――手の甲へと薄い唇を触れさせる。〕
それがボクと遊ぶこと。
…キミの望みに触れるのは…気持ちいいな。…
知らないのとないのは、やっぱり違うことさ…アハハ。
〔緩慢な仕草で立ち上がると、膝の砂埃を払いもせずに…
不思議そうな面持ちの相手を見詰める。無遠慮に差し出す手が、許された接触を得て…滑らかに滑る〕
…今は…これで充分。そろそろ行くよ…時を有難う。
/*
お約束。
すみません!ちょっと親戚の容態が急変したので
途中離脱の可能性があります…(汗)
タイミング的にプロでは予期せぬ事態なので
抜けれずに申し訳なく…
病院からできる限り参加予定…。
[零される溜息にすと瞳を細めるも]
[続く言葉には緩やかに被りを振る]
いいえ、其れも違うわ。
持て余す事も無く、
落ち着かない事も無く、
只、愛(かな)しいだけ。
純粋ではないからかも知れないわね。
[だから腐って逝くのだわ、と小さく囁き]
[男の所作を静かに見守りされるが侭に]
[寄せられる唇に指先ではなく瞳が揺れる]
知らないうちに遊んでいたの。
そうね、私も在るのだとは思うのよ。
只、判らない事が多過ぎるだけで。
[男の手が滑る間は其の表情を窺うかの様で]
[愉しみの在り方を探っているのかも知れず]
お粗末様、御機嫌ようヒューバート。
[ドレスの裾を軽く持ち上げて礼をしかけて]
[不意に所作は止まり貌を見上げ小首を傾げ]
ひとつ訊いて良いかしら。
ヒューバートは、ひとりだと寂しい?
[紅い人形は静かに男の瞳を*見詰めた*]
―小屋―
うっ……
[生命の息吹が感じられない部屋に嗚咽が聞こえる]
来ないで……もう……来るなっ
[毛布を蹴飛ばし、バネ仕掛けの人形のように跳ね起きる]
はあ…はぁ…
[充血した目に荒い息、浅い眠りと多量の汗]
また、昔の夢……
[ふと視界に入った柳の枝を憎憎しげに睨みつけた]
…ひとつ、ボクとゲームをしよう…ヘンリエッタ。
〔ふと、面白い遊びを思いついたように提案する。〕
…ここに、ボクの杖から折った柳の枝がある。
これを貴女に渡しておくよ。
同じものを持った方へ、食べものを届けてくれないか。
〔手に取ったものを渡して…お願い、と頼む。
空き小屋にいる人物の特徴を伝えて笑みかけ〕
…こわがり屋さんだから…まだ皆とうまく話せない。
頼むよ、ヘンリエッタ。
できれば早いうちがいい。
[再び眠る気にもなれず、新鮮な空気を吸いに小屋から外へと出る。きい……と扉の軋む音に、辺りを気にしながら]
[周囲に立ち込める薄い霧の中を、独りあてもなく散歩という名の徘徊に出かけた]
[時折痛みに顔を顰めながらも、大人しく手当てを受けている。]
…あぁ、何だろうな…これは。
[肌に埋められた奇妙な紋を指摘されて、うなづく。
生まれつきあるようなものではなく、ほかの者にも無いものだろうと、なんとなくは思った。
何の為にそうなっているのかは、思いもつかなかったが。]
…っ、ステラ? それは苦し…っ……
[甲斐甲斐しく世話を焼いてくれているのはありがたくもあるが…どうやらこの方はかなりそそっかしいようで。
ほほえましくも思えたが…
なんというか、力なく苦笑いするしかないわけで。]
[屋敷に着けば二階の階段付近の部屋を確保した後屋敷の内部を把握するためにぶらりと中を歩いて回る]
…どうすればこんな風に巻けるのか逆にこっちが聞きたいんだけど。
[その途中すてらに助けを求められれば溜め息と純粋な疑問を口に出しつつ器用に包帯を*巻き直すか*]
…かなしい…か。ニュアンスは、いとしいなんだね。
貴女の声は、純粋だと思う。
〔別れ際…問い掛ける人形へと、訊かれる侭男は応える。〕
…ボクはいつもひとりさ。
でもみんなそうだから……
気が向くときに遊びあう。
あんまり寂しいと
思ったことはないや。アハハ…
〔笑い声。如何にも陰鬱だが…どちらかというと
自らでなく他の何かを想うがための*暗さがあった*。〕
〔淑女と分かれた後は、ひとまず塒を川原から一番近い小屋へと定める。ひととき休んだ後で、多くの人々が集まる洋館に手伝えることがないか尋ねに*出向くだろう*〕
[差し出される枝と男の言葉に]
[きょとりとあどけなく瞬いて]
[大人しく説明を聴いたけれど]
[枝を見詰める貌は不思議そう]
[頼まれるのに男へ視線を移し]
ゲームなのか、お願いなのか、良く判らないわね。
私だって怖がられるかも知れないのに。
[いとしいのだと人形は頷く]
そうね。
[純粋だと云われても良く判らないのか]
[小首を傾げ男を不思議そうに見詰める]
[応える男の陰鬱な笑い声に吐息を零し]
そう、そうね、そうかも知れない。
ひとりだから誰かと遊びたくなるのなら、
其れは寂しいと云うのとは違うのかしら。
[村外れの大木の上。人の臭いに囲まれている小屋の中と違い、不思議と心が落ち着く。全身を優しく包むような植物の匂いと梟の歌う子守唄が、心地よい眠りへと誘う]
ぼくの望むものって……何だろうね。
[独りごちるが答えるものは誰もいない。霧の向こう側にあの魚屋と果物屋、老人らが暮らしているであろう集落を思い描きながら、そっと*瞼を閉じた*]
[ひとり言ちる如くに小さく呟いて]
[暫く思案の後に緩やかに一度瞬き]
[悪戯を思いついたらしき笑み引き]
ゲームに勝ったらひとつ、お願いを聴いて呉れる?
[男の返答を貰い紅い人形は今度こそ礼をする]
[感覚を研ぎ澄まし彼人の気配を探りながら]
[踵を返しドレスの裾を翻し*駆け出すだろう*]
/*
独り言って使っていいのかわからないけど。
さすがに眠い人つかまえて会話するのは気がひけるよ。ぼく、遅筆だしね。構ってくれようとしたことには凄く感謝。>魚屋、迷子
*/
――洋館近く――
[背後に送った視線が捉えたのはただ、風が乱した長い青の髪。僅かに気を弛めた刹那、周囲の風景に溶け込むようにモーガンの視界から消え失せた]
……はて。何処へ向かったか。
……さても見事な隠形よ。
[見送る先には数軒の建物が並ぶのみだった]
〔歩きながら、魔法使いは対の魔術師のことを考える。柳の杖を見詰めながら、…慕わしげな気持ちで。細身の男は、まだ誰がどこで誰に会っていて…また会っていなくて…どういう会話をしているか知らない。〕
〔ただ、望みがまだ果たされていないのを感じている。何故かはまだ明らかにされない。誰でもいいのだ、あのコと出会うのは。これもまた、複数回答のひとつ。〕
〔(…師匠。)〕
〔だから、自分の望みを叶える手段を持つであろう言葉の魔術師に、こわがりの人形遣いへと伝えて欲しい…と願うことを想う。「…"柳"が欲しいのは、ゆっくりなキミの、ゆっくりな勇気。望むなら会いにお出で…」*と*。…〕
―― 森→洋館方面 ――
[見上げる木には見た事も無い紫の実]
[地を蹴る瞬間だけ足へと神経を集中]
[枝まで飛び仕込み刀を抜いて振るう]
[閉じた傘の内へ落ちる実を受け止め]
[軽々と地におりるも浮かぶ困惑の色]
食べられるものを持って行かないとよね。
すてらに貰ったのと同じものは見つからないし…
[栄養摂取方法が特殊であった人形]
[傘の内へとたまる色とりどりの木の実]
[どれが無害なのか全く判らなかった]
仕方ないわね。
[刀を仕舞い恐らくは人の居るであろう処]
[暫く見詰め洋館の方へと*向かいはじめ*]
なんで命令を行って礼をいわれるんだな?
[すてらの礼に対し相変わらず不思議そうにそう答えた]
命令はなさそうなんだな。
[みなが自分の用事に忙しく構うものがいなくなったためしばらく考えている]
・・・偵察にいくんだな。
[なにができるか考えたが結局索敵警戒しか候補に残らなかったためゆっくりと館の外へ*歩いていった*]
[皆について屋敷に到着、荷物を適当に置いて辺りを見回すに、
何やら、すてらがウルズをミイラ男にでもしようとしているように見えて仕方がない。
見かねて思わず]
あの、すてらさん?僕が代わりにやりましょうか、ウルズ君の手当て。
……どうもその方がお互いのためのような気がしますよ。
『やれやれ、手当てして差し上げる相手がすてらさんのほうが気は進むんだけどね。ほんとの事言うと。
芹菜が男の子だったらな、って思うよね、こういう時はさ』
[いきなり口調が変わったのに戸惑う二人を尻目に、]
ふむ、薬もつけ直したほうがいいかな。ウルズ君、ちょっとしみるけど、我慢してね。
[自分の荷物から傷薬を取り出すと傷口に。あて布しておいて包帯を巻き終えると]
ま、無理は禁物だよ。おとなしく寝てることだね。
[ウルズの頭をぽむ、と。彼が妙齢の女性だったらもっと、とかちらりと考えているようないないような]
*/さて、「見極め」ることのできるのは、「電雷」と考えてるわけなんですが。
「電雷」が誰かを見極めたいと思う基準は無論芹菜の心身の安全。
この場合、誰を見たがるべきか。もう少しほかの面子と絡みたい所なのだけどね。/*
…ありがとう。
[大人しく手当てをされ、頭をなでられた感触はそういえば少し前にも…とは思ったが、
なんとなく違う人のようにも思えて。
いぶかしげに、その眼鏡の奥の瞳を見つめている。]
[いぶかしげなウルズの視線に気づき]
『そういえば、裂光が出てたときにシャーロットさんと話をしてるはずなんだが……。
芹菜が僕たちと一緒にいるってことは、彼女誰にも言ってなかったのかな。』
えーと、ウルズ君?すてらさんもですけど。
芹菜の事、シャーロットさんから何か聞いてらっしゃいませんか?
…いや、俺は何も……
[眠っている間に、そういう会話もされたのかもしれないが、少なくとも己は事情を知らされていなくて。
ペルソナとか、インストールとか、特異点…とか。そんな言葉が一瞬脳裏を過ぎっていったが、何のことだかさっぱり。]
聞いてません、か。まあいいや。
時々芹菜はこうなったり、やたら荒っぽくなったりするかも知れないけど、あまり気にしないでね。
瞳を見てもらえれば、区別がつくと思いますよ。
[掛けた眼鏡をずらし、深い青色を帯びた瞳をすてらとウルズに見せた。]
ちなみに、芹菜の瞳は普通に黒ですから。
[深い青色の瞳を、淡い空色の瞳で、じっと見つめた。]
…変わる、ということ?
[よくわからないなりにも、一応了承の意は伝える。]
……、ま、「変わる」というか「代わる」というほうが適切なんでしょうけどね。
[ずらした眼鏡を戻し、音声にすると、ちっとも区別のつかないことを言った。]
せっかくねぐらが決まったんだし、どんなところなのかちょっとそのあたりを見てきますよ。
[二人に軽く手を振り、外へと向かった。すてらなりシャーロットなりとデートによさげな所を探すつもりも*ないとはいえない*]
――洋館の外――
〔佇んだ侭の師を相変わらずの緩慢な歩みで追い越しながら見詰めた。猫背の男は、その意味をじっと考え込んでいる。〕
――もう少し。たぶん…もう少しなんだ…
まだボクには気づきが足りないんだね。…御老…
…やってみるよ。誰もがしあわせになるためのこと…
〔早くあなたに追いつきたい。魔法使いは願う。〕
〔少しだが、足を早める。〕
〔館の周囲を警戒しているミッキーの姿を見つけて…男は胸に手を当てて挨拶をする。…そして、その後ろを先刻のようについて歩く。不思議な存在だから…興味がある。〕
…ねえ。キミは、自分が何をしたらいいか…
すぐに答えを出すことができるんだね。
羨ましいな…
〔羨望の声色が、低い男の声に混じる。〕
…ボクは、キミのことがこわかったのかもしれないや。
命令するのもされるのも…よくわからないことだから。
[目にとまったのは、確か“魚屋”とか名乗っていた有髭の男。]
……ふむ、ここにも変わった御仁が一人、と。
なかなか面白いね。百鬼夜行という感じで。
今は昼だけどさ。
[ミッキーの様子を見ていると思しき“魚屋”。]
あーあ。ついて歩いてるよ。ストーキング……って訳でもなさそうだけど。
何かを探ってる?もしくはそう思わせたい?
[青い瞳を眇め、少しだけ緊張した面持ちに]
〔…そして、館の外へ出てきた方へも、目が合って胸に手を当てて背を丸める挨拶をする。…その出会いも、男が何かを学ぶためにきっと必要。…期待感にか、幾分目眩すらする。〕
…やあ…芹菜。
すてらから紹介して貰ったヒューバートだよ。
家が決まったから、知らせておくよ。
川辺にいちばん近いところが、ボクの塒。
〔緩やかに杖先で方角を指し示し…相手の返答を待つ。
ふと漏れ聴こえた言葉に、片目を眇め…〕
百鬼夜行…この村のことかい。
……まぁね。恐らくは芹菜や僕らも含めてそうなんじゃないかな。
[ヒューバートから独り言への反応が返ってきて、内心面食らいつつも答えを返す。]
〔声をかけた相手から反応があると、足を止めて其方へ向き直る。〕
…キミに興味があったものだから、
声にも敏感になってしまったな…アハハ。
"僕ら"…なのかい。芹菜とは違うのか…
…キミたちの名を聞いてもいいかな。
〔少し考えて…歩を寄せる。〕
…常にひとりで…ひとりじゃないというのは、
どんな気持ちなんだろ。
僕は“石動”だ。あと、シャーロットさんが“裂光”って奴に会ってる。
他にもいるけど、彼らが出張ってくるときは剣呑な状況の時だろうからね。
ま、会わないほうがお互いの幸せのためだよ。
[青い瞳を相手に据え、もう一つの問いかけには答えぬまま]
……ところで、何が知りたいんだろう?ヒューバートさんは?
忍者 ナサニエルが「時間を進める」を選択しました
依巫 芹菜が「時間を進める」を選択しました
依巫 芹菜は、幻術師 ヒューバート を能力(占う)の対象に選びました。
暗殺者 シャーロットが「時間を進める」を選択しました
放浪者 ウルズが「時間を進める」を選択しました
では宜しく…石動。
シャーロットというのは…ああ、蒼髪の方だね。
…確かに、…ボクもキミによくない魔法を
かけるのは嫌だし…そんなことはしないよ。
知りたがり屋なんだ…尋ね方が下手なのにね。
〔ゆっくりと深呼吸して、青い瞳を見詰め返す。〕
…人の気持ちと、自分の認識の違いが知りたいんだ。
ボクはキミたち皆が好きになりかけてるから、…
誤解で傷つけるのがこわくなったんだよ。
普段ひとりで過ごしてるから、尚更。
〔そして、不意に口にしたばかりの自分の言葉に驚く。
微かに糸目が見開かれ〕
…自分で行ったそばからこれだ、…
今のは嘘だね。
…ボクは…手を出されたらやり返さずには
いられない性質だから。
…石動。…妙な気配があるのに…気づいているかい?
妙な?
……ミッキーが妙な感じがするのには気づいてるけれど。
[恐らくヒューバートの言っているのはそれとは違った何かのことだろう。
黙り込み、あたりに注意を集中する。]
[外の様子を見てくるという彼女を見送って、ソファーの背もたれに深く体を預けた。
塗られた薬の匂いが、あの小屋で髪をなでていた温かい手を思い出させる。
…おそらく、見つけて手当てをしてくれたのは彼女なのだろう。]
助けられて、ばかりだな。
[気遣ってもらったり、手当てをしてもらったり、運ばれたり、食事を与えられたり。
見ず知らずの者たちの情けを頂いて、それでようやく生きている。
傷ついたこの身では、今は何もできなくて。
小さく溜息をついて、傷をさする。]
へへっ。こいつは俺の出番なんじゃねぇのか?石動よぉ。
まだ危機的状況かどうかなんかわからないだろ。逸り過ぎだよ。
何言ってんだよおまえ。俺ここんとこずーっと表に出てねぇんだぜ?欲求不満極まれりってとこなんだよ。
……業火ってさ、妙なところで難しい言葉使ってない?
…ボクは、まだ彼をよく知らない。
不思議で偉くて…こわいと思ってる。
〔相手の様子に、此方も暫し口を閉ざす。
顎へ手をやると、口元を覆い…首を傾けて瞼で頷く〕
妙な、と言ったね。
それはつまり、自分の知ってる気配ではなかった、恐らく知らない誰かのものだった、って事なのかな?
[注意はあたりから逸らさぬまま、気にかかったことをヒューバートに尋ねる。]
迷子 ヘンリエッタが「時間を進める」を選択しました
― 洋館付近 ―
[複数の人影と話し声に幾許か距離を取り立ち止まる]
[傘を腕からかけてドレスの裾を軽く持ち上げ一礼]
御機嫌よう。
此処なら人が居ると思ったわ。
…ン。…
ボクは、会ってはいてもよく知らないひとが多い。
夢見がよくないからそう思うだけ。
〔あてにならなくて済まんね、と半ば呟く。杖に手を遣って気だるげに凭れ…片手を差し出す〕
触れていいかい…石動。キミに会えた印に。
?
『お、また美人が一人。』
おや、はじめまして、ですね。
[一瞬警戒を解き、笑みを浮かべると現れた赤毛の少女に会釈を返す。
ヒューバートの目が呆れたように感じられたのは、気のせいだろう、きっと]
『妙な気配ってのは、……まさか彼女のじゃないよな?』
はじめまして、レディ。
貴女は食べられる木の実と、
食べられない木の実を見分けられるかしら?
[紫の少女の会釈に閉じた傘を手に歩み寄る]
[ぐるりと三者へ傘の内を覗かせる様傾け]
先日すてらに頂いた果物のお礼もかねて、
幾らかお裾分けするわ。
[細長い男の言葉に其方へと顔を向け]
[悪戯な笑みは仔猫の如く愉しげに]
ヒューバートは触れたがりなのね。
…やあ…ヘンリエッタ。
ご機嫌よう、ゲームの進み具合が心配だった。
〔小柄な方を天から庇うように背を曲げて礼を取る。
今まで話していた相手へは、ちらと糸目の視線が流れたかもしれない。ただ緩く被りは振っておいた。〕
少し変更があるのでね…人形遣いの迎えにはボクが行く。
ゲームはあのコが皆と接することを
始めてからスタートにしてほしい…
〔そして、話していた彼の手へは柳の枝を握らせる。もう一度話して分かり合いたい、ふたりがまだ見ぬ相手がいることを告げ…人形遣いの外見とその性格を話した。〕
…キミたちと話せたから、あのコをとても
傷つけてしまったのが…よくわかったよ。
…有難う…
食べられるものが判らずに此処に来たところよ。
[手に持つ柳の枝と果物のたまる傘を示して告げて]
[男の視線と所作に紫の少女へと微か視線を投げる]
漸く自分で出向く気になったのね。
其の子とのお喋りは機会があればするけれど、
ならば果物も貴方が持って行くと良いわ。
[探る様にじいっと男の細い瞳を覗く]
お礼を云われる何もした覚えが無いわ。
其れに剣でも振り上げたのなら兎も角、
貴方に其の子の何が判るのかしら?
其の言葉も悪戯に人を傷つけ踏み躙らないと良いわね。
〔傘の中が大収穫らしきに、唇の端を引く。有難く受取ることとして、感謝と敬意とを疵のような目に込めた〕
…うん。…ボクは触れたがり。
ひとりの時間は長いほうがいいくせに、面白いね…アハハ。
〔少しばかり笑うことをやめていたので…声には嬉しさが籠る。〕
…じゃあ、行ってくるよ…ヘンリエッタ、石動。
言霊の御老がボクの行先を知っていると思うから訊いて行く。
あのコはボクを憎んでいるかもしれないけれど。
よくなかったのはボクだから…
「言葉でないもの」を尽くしたいんだ。
…また遊べるといいな、ふたりとも…
〔ここだけはやや…感慨深げに。やがて選り分けられた果物を受取って、レディたちに別れを*告げる*〕
〔慣れない早足に、歩みは縺れがちになる。それでも急がなければならなかった。人形遣いの居場所を師へ尋ねようかと念じかけて…魔法使いはその思考を途切れさせる。〕
…否、…だめだ。――
〔自分の脚で探そう、と村内と外周の森を探し始める。果物の重さはあまり太くない腕にも然程*気にならない*。〕
[眼差しに幾らかの心意気は受け取れただろうか]
[笑う声に滲む嬉しそうな気配もまた幾許かは]
ヒューバートは不思議な事を云うのね。
[不意に石榴石の瞳は巨躯の彼へと向けられる]
[暫く其の貌を覗き真っ直ぐに見詰め小首を傾げ]
ミッキーは、ひとりは寂しいと想う?
[男の声に向き直り選り分けられた果物を受け渡し]
言霊の…未だ他にも人が居るの。
其の内には私も逢う機会があるかしら。
御機嫌よう、ヒューバート。
誰かを憎むのも私には良く判らないけれど、
悪い事をしたら謝りなさいとは教わったわ。
折角だから君に逢えるのを少したのしみにしていると、
迷子の人形からの言葉もよろしく伝えて頂戴。
[赤毛の少女は、ヒューバートとは面識があったものらしい。
二人のやり取りを聞きつつ]
『ふむ。美人の相手ができないのは残念だけど、ここは似たような年頃同士が話したほうがいいのかもしれないね。僕は引っ込むよ、芹菜。』
[一瞬ひくり、と体を震わせる。改めて赤毛の少女に向かい合うその瞳には青い光は宿ってはいない。]
んー、と。あなたのお名前聞いていい?
[男の言葉から紫の少女の名を知りまた一礼]
[去る男の後姿から残る二人へと向き直るか]
[少女の瞳の色が変わると不思議そうに瞬き]
貴女は石道と云うのね。
私はヘンリエッタよ、よろしくレディ。
残る木の実を持って行くわ。
宜しければ二人も一緒に戻って召し上がれ。
[男の言葉から紫の少女の名を知りまた一礼]
[去る男の後姿から残る二人へと向き直るか]
[少女の瞳の色が変わると不思議そうに瞬き]
貴女は石道と云うのね。
私はヘンリエッタよ、よろしくレディ。
残る木の実を屋敷へ持って行くわ。
宜しければ二人も一緒に戻って召し上がれ。
[夢の 色は どろりと ぬめる 血の 色に 似て]
[夢の底で、誰かが呼ぶ声を聞いたような気がした]
────。
[窓から吹き込む風に、何かの気配を感じ取る]
──これは、血の……?
[嫌というほど嗅ぎ慣れた臭いに眉を顰め身じろぎ]
[椅子にかけたまま、背骨と四肢を伸ばす]
[その仕草はまさに今まで寝こけていましたと言わんばかりで]
結局は逃げられないのか──?
[呻る声は呪うように低い]
[幻覚ではないかとも、思う][この身はあまりに血に穢れ]
[故に身に染み付いた血の臭いが嗅覚を擽っただけではないかとも]
殺し殺されるは、もうたくさんだ──。
誰も脅かさず誰にも脅かされず、か。
安息など、本当に訪れるのかすら、分からないが──。
[開け放った窓の向こう][程近くには、"集会場"が見える]
彼らは、望む安息を得ることが出来るのだろうか。
[窓辺に立ち、ただ"集会場"を眺めている]
[ちょっと困った顔になって]
……さっきまでは石動だったんだけど、石動はもう引っ込んじゃったんだ。
芹菜って呼んでくれたらいいよ。
そうだね、ミッキーさんと一緒に戻ろうか。
[ミッキーに向けて声を掛け、大きな身振りでおいでおいでをする。]
[其れは視線だったのか]
[其れは気配だったのか]
[不意に遠くへ視線向け]
ファーカ?
[強化していない視覚も聴覚も]
[未だ何も視線の先には捉えず]
[けれど其処に彼女を感じるか]
[困惑の浮かぶ表情に益々不思議そうに]
[光の消え失せた瞳をじいっと覗き込み]
引っ込む?
芹菜?
戦闘時だけ狂う戦士の様に、
別の能力と人格でも宿るのかしら?
[半ばひとり言ちる如くに呟き]
[巨漢の男を呼ぶ声に貌をあげ]
改めてよろしく、芹菜。
では三人で屋敷に…
[不意に視線は遠くへと移される]
[視線か気配を感じてか小首を傾げ]
ねえ、裂光、石動。芹に悪さをしそうなやつって、今まであった奴等の中にはいるかい?
[これまで、存在を示していなかった誰か。表に出て誰になりと接した二人に問うている。]
はて、どうやったかいな。わしは、シャーロット、という娘にしか会うてへんし。石動はどない思う?
うーん、強いて言えば、ヒューバートだったかな。妙に気にかかる。
ああ、あのおじさんね。そうだね。確かにおいらも気になった。あいつの正体を見極めたいな。他に気になる奴が出て来なかったら、だけどさ。
──ヘンリエッタ。
[届く声に言葉を返す]
私を、呼んだか?
夢の中で誰かに呼ばれた気がしたんだ。
[ふと、"私"は彼女の気配が近づいていることに気づき]
ああ、近くに来ているんだね。
[意識の外で、目を凝らせた]
[そこに"同属"の姿が見出せるかもしれないと期待して]
[そして]
ああ──。
[微笑む]
目が、合ったね。
[つうと視線を巡らすと、見覚えのある二人と知らない少女]
いったいこの村には何人がいるのやら。
それにしても結局邸に集まるのだな。
物好きな……。
[そんな繰言を呟きながらただその姿を眺めていると]
──おや。
[少女がすいとこちらを振り向き]
ま、仕方がないか。
[いまさら隠れたとてもう遅いと半ば諦め手を振ってみた]
[問い掛けに思案気に瞬く]
[彼女を呼んだだろうか?と]
ファーカも此処に居るかと探していたから、
若しかしたら無意識に呼んでしまったのかも知れないわ。
…貴女を、近く感じる。
[瞳を凝らすけれど身体強化能力は使わない]
[ただ石榴石の眼差しは彼女を探し求めて]
――嗚呼…
[まるで彼女の微笑む気配までが届く様で]
[薔薇色の唇は吐息を零し睫毛は震える]
はじめまして、ファーカ。
ボクはなにをしたらいいかすぐ決めれるわけじゃないんだな。これしかできないからなんだな。
[ヒューバートにそう答え、いつのまにか傍らに現れた赤毛の少女に視線を移し]
ボクはミッキーなんだな。よろしくなんだな。淋しい、というのはよくわからないんだな。でもここにきてからはなんとなく落ち着くんだな。
[少し考える様にしてからそういった]
[遠くの影は手を振ったらしき気配]
[すと目を細め瞳を凝らすだろうか]
[ドレスの裾を軽く持ち上げて一礼]
未だお逢いしていない人も多いのね。
あの方もいらっしゃるかしら?
[相手に届かぬ呟きを零しては]
[屋敷でのひと時へと誘う如く]
[大きな所作で恭しく屋敷を示し]
若し此方で逢ったら、
また自己紹介からしないとかしら?
[くすり] [くすくす] [くす] [くすり]
[悪戯な子供の愉しげな笑みを零し]
ん、もどるのかなんだな。わかったんだな。あとそれは運ぶのかなんだな
[芹菜の手招きを見てとりあえず館に戻ることにしたらしい。昨日の流れからかヘンリエッタの持つ木の実をみてそういった]
[石榴石の瞳は緩やかにオートマトンの巨躯へ映る]
先にステラから貴方の事は伺ったわ。
私はヘンリエッタよ、
よろしくミッキー。
[暫くはじいっと彼を見詰めてから小首を傾げて]
ミッキーは人が居ると落ち着くの?
[ヘンリエッタの言葉に、同じくくすりと笑う]
二度の「はじめまして」か。
妙なものだな──。
[トーンの違う二つの笑いが重なり響く]
[石榴石の瞳は緩やかにオートマトンの巨躯へ映る]
先にステラから貴方の事は伺ったわ。
私はヘンリエッタよ、
よろしくミッキー。
[暫くはじいっと彼を見詰めてから小首を傾げて]
ミッキーは人が居ると落ち着くの?
[問い掛けに傘を持った侭に緩やかに被りを振り]
未だたくさんあるから手では持ち難いし、
この傘は大切なものだから自分で持つわ。
お気遣い有難う、ミッキーは優しいのね。
えっ?シャーロットさんもいたのか?引っ込むんじゃなかったなぁ。
[ぼやく石動に、他の声が一斉に]
女の子の事しか頭にないのかお前はっ!
[少女の所作に、手を下ろして小さく嘆く]
……結局、行くことになるのか?
それにしても、あんな小さな子供までが訪れるとはね。
やはり奇人変人大集合か。
[この村にたどり着いたということは、すなわち彼女もただの子供であるわけはなく]
……明らかに呼ばれている気がするが……。
[足は素直に意を受け躊躇]
[傍らで巨躯が彼女へと手を振るのを眺め]
もっと近くでカーファと逢いたいわ。
此処に居ないところを見ると、
余り人と近付くのは好きではないの?
[なぜか急に目をぱちくりさせ]
まあ、しょうがないよ。この次にね、石動。
[一人ごちた後に、自分もシャーロットのほうに向けて手を振る。]
というより、落ち着かないんだ。
……怖れているのかもしれない。いずれ皆──。
それでも、ああ。
もっと近くでヘンリエッタを見てみたいな。
[ヘンリエッタの問いに]
はっきりとは判らないんだな。ただボクは誰かの命令を受けて動くように作られたんだな。人がいるとおちくような感じがするのはそのせいかもしれないんだな。
やさしい・・・というのはよくわからないんだな。ただなんとなくいい響きなんだな。
[遠く彼女の嘆きまでは聴こえる筈もなく]
[手のおろされるのに人形も手をおろし]
[そう遠くない処から彼女の来るのを待ち]
如何やらおひとりであちらにいらっしゃる様子だし、
ひとと関わるのは好まれないのかしら?
悪い事をしてしまったかも知れないわ。
何れみんな――…手に掛けるわ。
[彼女の言葉を引き継ぎ静かに告げる]
ファーカの気が進まないなら、
私が其方にお邪魔するわ。
私はもっと近く貴女を感じられるならば、
どちらでも良いのよ。
[芹菜・ミッキーにも同様に手を振り返し]
多少ならば平気だろうか。
[呟く声音には微かな羨望が織り込まれ]
多少ならば。
[心を決めれば後は早い]
[手摺に手を掛け前へ踏み出し]
[扉を経ずに窓から外へ]
[経路を省いた事こそ期待の証拠かもしれない]
[紫の少女は自身のもうひとつの名を紡いで居て]
[またも不思議そうに貌を覗き小首を傾げるか]
芹菜の内には石動が眠る事無く在るのかしら?
何か不都合な事でもあったの?
[ミッキーの紡ぐ言葉に思案気に間を置き]
そう、ミッキーも作られたのね。
私も作られたの。
だから貴方は何処か近く感じるのかも知れない。
[巨躯の男を見上げてふと微笑み]
優しいは素敵な響きかも知れないわね。
[青い髪の少女は窓を乗り越え、表に。]
……わぁ。
[共にいる者たちが表に出ているときならともかく、普通の自分には到底できない軽い動き。思わず歓声を上げて見守っている。]
有難う、ファーカ。
でも私はお姫様には程遠いのよ。
[待っていてと云うのに瞬き瞼で頷くもあり]
きっと此処の人達は歓迎して呉れるわ。
人と居るのが、好きらしいから。
[視界の端で動く影] [傍らの少女の感嘆の声]
[其方へと向き直り見開かれる瞳] [幾度か瞬く]
元気で、少しお行儀の悪い方ね。
[くすり] [くすくす] [くす] [くすり]
[言葉より声音は優しく愉しげ]
[音も立てずに地面に降り立ち、三人へと近づき]
[その途中で頭をフル回転させる]
(な、なんて言えば良い。「私も住まわせてくれ!」いや無理だ、住める訳が無いだろう。で、では……「遊びに行ってやる」……何様だ私は。「良い天気だな!」って霧出てるだろうが。あああ、こう言う時は何と言うべきなんだ全く落ち着け私!!)
[偶然行き会っただけならばこれほど慌てる事も無かっただろうが]
[結局一瞬では良い考えなど浮かぶはずも無く]
……。
[無言で片手を挙げ挨拶するのがが精一杯だった]
[近付いてくる彼女の思考を知る筈も無く]
[挙げられる手に再度ドレスの裾をあげ]
御機嫌よう、レディ。
はじめまして、私はヘンリエッタ。
不躾なお誘い失礼いたしました。
宜しければご一緒に木の実でも召し上がりませんか?
[傘の内の木の実を見せて小首を傾げ]
[薔薇色の唇はあどけない微笑みを引く]
ああ、そうだ、シャーロットさん?
ウルズさん、少し元気になってきてるよ。よかったよねー。
[シャーロットが困っているらしいことに気づいた様子も無く、
双方の共通の知人の名前など出している。
妙になついて手を握ってぶんぶん振り回さん限り。]
笑うだなんて、そんな訳が無いわ。
折角ファーカに逢えたのに。
ファーカも緊張しているの?
人と逢ったら先ず挨拶なさいと教わったわ。
[丁寧に挨拶する少女の仕草に不思議そうな表情を浮かべるが]
……迷惑には思っていない。
「シャーロット」だ。
随分と集めたものだな。
[傘の内に満たされた木の実を見て僅かに表情を緩ませる]
[木の実のひとつを摘み上げ齧る]
ウルズ?……ああ。あの怪我人か。
それは何より。お前ももうすっかり、良さそうだな。
[握る手も拒まずに微笑んで*言った*]
[覚えのある名に過ぎる男の顔]
[屋敷の外観へと視線を移す]
ウルズは元気になってきたのね。
起きていれば木の実も召し上がるかしら?
[三人を促し屋敷へと歩き始めて共に扉を潜るだろう]
[覚えのある名に過ぎる男の顔]
[屋敷の外観へと視線を移す]
ウルズは元気になってきたのね。
起きていれば木の実も召し上がるかしら?
[不思議そうな彼女の顔に人形も不思議そうに]
[けれど名乗られるのに幾度か口の中で繰り返し]
[木の実を差し出しつ微笑みを見守り頷くか]
どれが食べれるか判らなかったから、
目に付く全部を持ってきたの。
[三人を促し屋敷へと歩き始めて共に扉を*潜るだろう*]
――…
[扉を潜る辺りで彼女の言葉に振り返り]
[ほんの一瞬だけ視線は交わるだろうか]
また此処へ来る気になったのかしら?
或いは少しくらい人に逢う気には。
此処にファーカの姿は見つからなかったから、
ひとりが好きなのかと思ってたのよ。
でも、如何やら少し違うみたいだわ。
[続く言葉を紡ぐ事無く視線は緩やかに*逸れるだろう*]
[少女3人と、大柄な男が1人。
いささかおかしな組み合わせだが、足の目指すは同じ屋敷。]
そういえば、まだ会っていない人っていたっけなぁ。
[これまでに無く数多くの人々との出会いに何とはなしに心は浮き立って、
それは足どりにも*現れている模様*。]
[ウルズの手当てを手伝おうと声を掛けようとしたが一瞬早く芹菜が名乗りを上げたために機会を逸し―常に気配を消す癖、と言うより身に染み付いた習性の所為もあるだろうが―
結局声を掛ける事なく内部散策を再会する。
それが終われば部屋に戻り暗器の手入れと本格的な柔軟。その後はリビングへと戻り新たな住人を連れて戻って来る者達を*迎えるだろうか*]
[塗られた薬が効いたのか、痛みは幾分和らいでいる。
ぼんやりとソファーに身を預けたまま、いつしか浅い眠りの中。
たゆたう、ぬるい水に包まれて眠る夢。]
*/現時点で直接会ってないのは、モーガンと舞葉。占いにこの二人というのは……RP上説得力皆無ではあるな。
やはりヒューさんのままで行くべきかな?/*
[屋敷の扉を潜り人の気配のある方へと]
[見知る顔を見止めドレスの裾を持ち上げ]
御機嫌よう、ステラ。
先日のお返しを持って来たわ。
ナサニエルも、宜しければ召し上がれ。
ウルズは少し具合は良くなったと聴いたけれど。
お見舞い変わりに木の実でも如何?
[机に並べた木の実のひとつを手に小首を傾げ]
[夢現らしき気配に直ぐ口を噤み彼の傍へと]
[手に持った木の実を置いて彼等と*ひと時を*]
[室内に入ってソファーに勢いよく座ってみた。
その後で隣のソファーで寝ているウルズに気づいて、一瞬しまった、という顔をしたが
幸い、彼は目を覚ます様子はない。
安心したような顔になると、先ほどエッタからもらった果実を一つ口にする。]
なんだか人が多いって、楽しいよねー。
[例によって、自らの内に宿る者たちに話しかけていた。
──ふっと、浮かべていた笑みが消える。──]
──確かに殺気を持った奴が──奴らかな?──いるな。
見つけ出さなくっちゃ、おいらが──。
[芹のために、とつぶやくその瞳は、一瞬紫の光を放った──
それもつかの間、またもとの穏やかな表情に戻る。]
──ヒューバート。あのおっちゃんは何者なんだろう?
もしかして、誰かの正体を見極めるため──そう言い訳できるようにいろんな事を聞いてるのかと思ってたけど、そうでもないのかな?
でも、やはり気にはなるな。
おいら、あいつのことを見極めてみたいんだ。どう思う、石動?
悪くない選択だと思うよ。僕は反対しないね。
妙に女性陣からの受けもよさ気だしさ。
い い 加 減 に 、 女 の 子 絡 み か ら 頭 を 切 り 替 え ろ ! !
[またも石動は一斉に突っ込まれてしまった]
――村内――
〔洋館の傍を離れながら、幻術師は親しきひと…
すてらがかけてくれた言葉を思い出していた。〕
…"いつでも待っている"…。
…その気持ちに応えるために…ボクは、たぶん。
〔…僅かに思考に沈みかけて…否、と首を振る。
道化でもいいから。あのコを道化にしたくない。〕
〔…こわいことは、たくさんある。例えば…師匠殺しの弟子になること。一緒に生きる夢を現実にしたいから…だからどうしても…素直になれない。素直な芹菜がこわかった。〕
〔全部。全部結局は勘でしかなくて。…無意識に流れ出す思考は…師匠に笑われてしまうだろうか。気がかりだけれど…詮無い。後はお任せします…というやつだから。〕
〔脚はやがてまっすぐに…人形遣いと他愛無い、併し穏やかな時間を過ごしたはずの空き小屋へと…*向かう*。〕
―樹上―
番人さん、あなたはここで何を護っているの?
[真剣な顔つきで森を巡回する番人を見かけ、木の上でつぶやく]
ここには、兄者が言ってたような安らぎなんてなかった……いや、本気で求める者には見つけられたのかもしれないね。
[そう自嘲気味につぶやくと]
ぼくの居場所はここにはなかった。なら、作ればいい。そのためには……
[震える拳を握り締めると決意を新たに、木から跳び降りた]
[周囲の目を盗んで交わされる囁き]
[まるで子供のようだと"私"は思った]
[言葉を返す前にすいと逸れる視線に苦笑し]
嫌いではないよ。
[そう、人と居ることは正直なところ嫌いではない]
[けれど][その先の思考に"私"は瞼を伏せる]
……その先に待つ「哀しいこと」が嫌なだけ。
けれど、『あの声』は、
彼ら罪びとを導くことが、彼らに与えられる幸福だと言うから。
彼らが「幸福」であるなら、「哀しいこと」はもしかしたら「幸福なこと」なのかもね。
[歪んでいるのかも知れない]
[けれど、そう思うことでしか、"私"は保っていられない]
[心の奥に零れた声は、掻き消えるほどにか細くて]
幸いここは水も食べ物も豊富だ。怯えて暮らす日々に、別れの言葉を告げよう。ぼくだけの安住の地を手に入れよう。
邪魔なものは、目を瞑ってもなくならない。ならば排除するしかないじゃないか。
[腰につけた水筒に手をやる。手が何かに触れた。腰に差した柳の枝。一瞬捨て去ろうとするが]
[しばし迷った後、そのままにしておいた]
[邸の広いリヴィングルームの片隅にひっそりと立つ]
[室内をぐるりと見渡せば出会ったばかりの「他人」ばかり]
……やはり慣れないな。
[行儀悪く木の実の種を口中で転がしながら呟いた]
どうせ邸の中は屋根裏まで漁り尽くしたからなぁ。
村を歩き回る気分でもないし。
(さて、どうしたものか)
[己は此処で何を為すのか][しばし目を閉じ考える]
[傍目には、立ったまま寝ているように見えるかもしれない]
〔脚を向けた空き小屋には――捜す相手は居なかった。
散乱する毛布やら何かの空き瓶やらを見遣って…眉を寄せる〕
……。…毒は…くれないか。…
〔…嘆息。見つけられないことに、焦燥感。〕
…思い出にもならないなら、詮無いのだろうか…? …
感じていた望みは、矢張り…
〔知らなければ知らないでよかったのだけれど、…と幻術師は考える。〕
――屋敷内――
[ナサニエルに助けてもらった後、芹菜が治療をし直してくれたらしい。此方は聡くないので芹菜に感謝することにし、掃除がてら邸内を歩き回ることにしようと思ったのだが、部屋が多すぎて2部屋程覗いてからリビングへと戻ってきた。]
これはまた覚えるのが大変そうじゃ…。
冬場は冷え込みそうじゃのう。
[やれやれと自分の肩を軽く拳で叩き、リビングに佇む蒼髪の少女の姿を見つけ]
おや…おかえり。
寝るのならちゃんと横になった方がよい。
[すたすたとシャーロットへと歩みを進め、ソファーの方向へとトンと彼女を押した。]
調律師 すてらが「時間を進める」を選択しました
へんりえったもおかえり。なんと、これは美味そうな木の実じゃ。
ありがたく一ついただくとしよう。
[ヘンリエッタへと礼を返し、木の実を一つ手に取る。そのまま食べようかとも考えたが辺りを見渡し]
柳と、彼が言っていた者は来たのかのう…?
未だ来ておらぬか。捜し当てることができたのかどうか。
[目を伏せて耳を澄まし]
呼ばれてはいないとは思うのじゃが…
待ち人もまた仲間、此処の存在は知っておった方がいいじゃろう。
二人共々迎えに行くかのぅ。
[草鞋の紐を結び直し、洋館の扉へと向かう。出て行きしなシャーロットへと振り返り]
おお、そうじゃ。
しゃあろっとよ。戻ってきたら共に酒を飲もうか。
[カラカラと笑い声をあげ、屋敷を後に。]
[聞き覚えのある声と同時にソファーへと押され軽くよろめいた]
あ、いや寝ては居ない。塒で少し寝てきたからな。
[と、振り返りざまに声の主へと返したが]
[その言葉もさっさと出て行く彼女の耳に届いたかどうか]
全く、ひと時も落ち着いていられないと言った風情だな。
[くるくるとよく動く様子にどこか呆れたように笑みをこぼし]
ああ、付き合おう。
[いくらか声を張り出て行く背にそう言った]
――集落 道端――
[来た道を何度も振り返りながら確認し]
今が屋敷から出て東に86歩、南に28歩…
忘れぬよう覚えておかねば。
柳の言うておった小屋までは後何歩だったじゃろうか。
[歩数を数えながら集落の中を練り歩いている。]
〔空き小屋を後にしながら、霧の森奥を見遣る。
…人形遣いが何処へ去ったのかはわからない。〕
…せめて、現世へ戻ってくれていると…いいね。…
〔ただ幸せを願う。感慨に浸ってはみるものの…相手が現れるわけでもなく、男は緩慢な足取りでその場を後にする。〕
[精神を統一して十姫と同調すると、十姫の目を通して集落の様子をうかがう。そこで目をひいたものがあった]
……あれは、半自律型の戦闘人形かな?よく見えないけど、あの動きは確かに造られし人形だね。どうやって動いているんだろう……マスターはいるのかな?
[その者が洋館の入口から中へと吸いこまれていくのを、少し興味を抱いて眺めていた]
〔やがて知己と行き会うと、胸に手を当てて身を屈める。出掛けた結果については…僅かに首を振る〕
…すてら。――会えなかったよ。
他の方が見つけてくれているといいんだけどね…
〔歩を寄せながら、自分が人形遣いを道化にしてしまったことを告げる。〕
東84、南に28…?
何かおかしい気がするが、
西に25、更に南へ…
[足元を見つめて唱えながら歩みを進める。新たな小屋が見えて来た頃、同時に見覚えのある人影も視界に映り]
おお、柳ではないか。
お主、一人か?
[他に人影はないか、辺りを探り]
東84、南に28…?
何かおかしい気がするが、
西に25、更に南へ…
[足元を見つめて唱えながら歩みを進める。新たな小屋が見えて来た頃、同時に見覚えのある人影も視界に映り]
おお、柳ではないか。
お主、一人か?
[他に人影はないか、辺りを探り]
見つけられなかったか、ならば探せばよいではないか。
集落の外まで出られては見つけることはできぬが…
[目を伏せて、風の音に耳を澄ませ]
…人の気が出て行った様子は今はない。
諦めるにはまだちと早い、ほれ行くぞ。
[ヒューバートを手招き、更に歩を進める。今度は風の音を拾いながら、慎重に。]
― 屋敷→表 ―
[木の実を齧るでもなくソファに腰掛けて]
[暫くは周囲の者達を見守っていただろう]
[はたり] [はた] [はたり] [はたり] [はた]
[編み上げのブーツはただ不規則に揺れる]
[すてらとシャーロットの出掛けるのを眺め]
私も外の空気を吸ってくるわ。
[屋敷を出れば人の気配に周囲を伺うか]
ファーカ、私は哀しいも寂しいも判らないのだわ。
同じくらい他者の幸福の基準も判らないけれど。
声も関係なんてなくて、ただ殺す為に殺すだけ。
だって私は其の為につくられた人形なのだもの。
[遠く眼差しは何も捉えずに揺れる]
只、貴女の身も心も傷つかなければ良いとは想うのよ。
…かわいい方だね、まったく。
ボク独りだ、…
〔…今のところ…と人影については此方も感じ取れるものを探って頷く。迎えに来てくれた相手の様子に、少し思案して…その手を取ることにする。〕
……まったく、風情も何もないんだけどね。
急ぐのだろ…
〔応用ではあるよね、と呟いて…ふたり洋館へと戻る。〕
幻術師 ヒューバートが「時間を進める」を選択しました
[洋館へと戻る魚屋たちの姿を目撃する]
あの洋館の中、いっぱい人がいるのかな。
もう少し中を見てみたいけど……
[頭のどこかで警鐘が鳴っている]
無理することはない。慎重にしよう。見つかったらどんな目に合うかわからないんだし……
[続く言葉を飲み込み、十姫を手元に引き寄せる]
―屋敷→表―
[黙って木の実を齧ってたが女性陣が出掛けた後おもむろに]
ちと気になる事があるんで外見てくんな。
[気配を絶って屋敷を出たところで立ち止まる]
―やれやれ、なんでこんなに多いんだか。
[すてらと出会う直前に見かけた人形の姿を認め思わず溜息を吐く。
本当に多い―人形、及び旧世界の遺産たる自動人形(オートマター)の割合が]
罪も、罪と感じなければそれは罪では無いと言うことか。
少なくとも、主観の上では。
私の疵など、今はもうどうでも良いんだ。
どれだけ疵付こうと、先に無が待っているのなら耐えられる。
けれど、……「ありがとう」
労わられ気遣われるるということは、心地が良い。
出かけるのだろう?気をつけて。
外では番人が巡回を続けている。死に抗おうと必死になっているよ。
逃れ得るものではないのにね。
願わくば彼の魂が浄化され、次の生では幸多からんことを。
[屋敷から更に人の出て来る気配に視線を移す]
[何時の間にか日傘を差し男の姿を見止め瞬く]
ナサニエルもお出かけかしら?
ほう、待ち人は可愛い方なのか。
それは尚更見つけ出さねば、お姿を拝見したいものじゃ。
お主も独りが寂しければ屋敷に来るとよい。
皆がおるぞ。
始めは慣れぬが皆、そんなもの同じじゃ。
歩み寄ろうとせねば得ることもできなかろう。
[カラカラと声をあげて笑い、風の音を拾いながらその方向を辿る。自然、洋館へ向かうこととなるのだが]
人探しに風情も何もなかろう。
ほれ、もっと必死になってみぃ!
[ヒューバートの背を掌で音が鳴るほど叩き、本人は悪気がない様子で空を見上げたり、景観の奥へと目を細めてみたり]
[ソファで眠っていたウルズの起きる様子に気づき、視線を向けた]
目が覚めたか。
[木の実の一つを取り──プラムに良く似た──投げて渡す]
少なくともファーカが罪と云うところを、
私が罪と認識しているとは思えないから。
殺す事が罪ならば、生きる事も罪だと、
そうなると全ては罪深いだけと私には想えるのよ。
[小さく小さく微かに零れる吐息は何の為か]
無は、本当にファーカの救いと成るのかしらね。
私には貴女が手を伸ばすのを厭うて居るように見えるわ。
大丈夫よ、ファーカ。
私は殺す為に作られた人形、
そして私は死を厭うてすらいない。
何が起こっても問題はないのだわ。
そうね、彼等がまた笑えるならば其れは素敵だわ。
其の魂が安らかなれば少しは意味があるのかも知れない。
――…私や貴女にも。
…夢を、みたよ。
[己の起きた気配に顔を上げた、傍らの眼鏡の少女に、まだぼんやりした声で告げる。]
淡い…青い光。
…それから、音だ。
鳥の声を、もっとずっと短くしたような…音。
それがずっと…ゆっくりとしたリズムで単調に聞こえてくる。
…あとは……
[寝覚めの意識がはっきりしていくうちに、夢の欠片は薄れていく。]
……だめだ、よくわからない。
[消え入るような声でそう言い、小さく頭を振った。]
そう、あてがあるならお邪魔かしら。
お暇なら何故ナサニエルが此処に居るのか、
訊いてみたくもあったのだけれど。
[男の言葉から人形へと視線を移すもあったか]
人が人形をつくるからではないかしら。
[静かな声が淡々と呟くも眼差しは揺れ]
[遠く持ち主を探す如く視線は巡るか]
[飛んでくる何かを、腕は反射的に弾いていた。
床に叩きつけられ、半ば潰れてしまった木の実を、ようやく認識する。]
…ぁ。
[実を見て、そこから視線は投げた者の方へ。]
済まない。…せっかく寄越してくれたのに。
――洋館前――
〔感じ取る「望み」、…否、違うものの質。――それは次第にはっきりとしてくる感覚だった。ヘンリエッタから貰った果実はそのまま腕に抱えている。〕
――この魔法はあまり濫発は利かないからね。
アハハ、…参った。
〔これはこれで勉強になるらしい…と大きく深呼吸。〕
キミの話だ…すてら。
誰も彼もボクにはかわいい…
ムキになって貰うのもまた、甲斐性のうち…
なんてそこまで強がりは利かんけれどね?
〔確かに未知の領域に好奇心は疼く。〕
…必要に駆られて群れる…ならアリ、だろうね?
〔すてらに思い切り背を叩かれると…条件反射で猫背が更に前のめりになる。…〕
あ……、いや。私こそ無神経だった。
お前も何かから、逃げて居たのだったな。
何から逃げているかまでは、聞こうと思わないが。
[彼が記憶を失っていることなど彼女は知らず]
[ウルズが拾うより早く潰れた実を拾い上げ、掌中の新しい物を改めて差し出した]
[差し出した実はふたつ。視線で芹菜を示して]
んー、特にアテはないけど。
何故居るかっても…なんでだろうな?
[一瞬どこか歪んだ笑みを浮かべるも直ぐに消えうせ]
[先程の言葉を聞かれていた事に気付けばしまったと言う顔になり]
ぁ――――ごめん。
…ありがとう。
[シャーロットの手から、その実を受け取ると、傍らの芹菜にも手渡す。
ソファーに座りなおして、袖口で実を拭い、口元に寄せる。]
…逃げ、て…?
[その言葉に、訝しげに彼女を見返した。
…確かに、この怪我は、事故に遭ったようでも、獣に襲われたようでもない。
もしかすれば、誰かに傷つけられたもののようには思えるが。]
〔ナサニエルとヘンリエッタが会話を交すのを耳にしながら、歩を寄せる。ヘンリエッタの言葉…「人が人形を作るからではないかしら。」…その意味合い。〕
…困ったね。…
何だか勿体無くなってきた…
万全の状態で、全力でお応えできないのが、さ。
…アハハ、…つくづくだな。
……無こそが、私の願い。
それ以外は何も求めては居ないんだ。本当に。
[返すその言葉は、己に言い聞かせる響き]
けれど、お前には……生きていて欲しいな。
たとえヘンリエッタが死を厭わないと言ってもね。
お前が生きて、幸せに笑って……。そうか。
[突然思い浮かんだ考えに、"私"は思わず笑みをもらす]
これも「願い」だな。私の。
己の無を願うだけではなく。
[十姫の姿が翻った時、瞳から脳へと刻み込まれたのは、風変わりな装束に身を包んだ青年の姿]
見つかった?!
[不用意な偵察に自らを呪いながらも、十姫を懐に入れながら、退くか留まるかを迷う。迷うことを不思議とも思わず]
違うのか?
[一度まじまじとウルズの全身を眺め]
その疵に、魘され飛び起きる様子。まるで追われる者のそれだと思ったんだが。
……早とちりかもしれないな。
[己の身にも覚えのあることであったが故の勘違いかと、苦笑]
――洋館前――
[屋敷の前まで戻ってくると歩みを止める。小さく鼻を鳴らし]
この辺りか、それ以上詳細には探ることが叶わぬ。
お主も呪術使いであったか。
術は彼らの摂理に干渉する。
濫発は避けた方が良い…わしは彼らにあまり嫌われたくはない。
[彼の言葉をどう汲んだのか…小さく溜息をつき、腰に手を添える。辺りをぐるりと見渡して]
待ち人はどんなお方じゃ?
容貌がわからねば探すのも容易ではない。
…と、お主は所謂「誑し」というやつなのか…?
[今更な問いかけを投げた後、彼の言葉に浮かび上がる言葉に「悪い男じゃ」とじとりと睨みつけ]
お主は必要ではないと申すか?
誰しも、独りだけで生きていける者はおらぬ。
[ヘンリエッタとナサニエルにも手をあげて挨拶をし]
御機嫌よう、ヒューバート。
噂の君は未だエスコートしていないのね。
でも、近くまではきているかも知れなくてよ。
[悪戯な笑みと共に遠く視線を移し示すもあり]
[声に向き直るも其処には歪んだ笑みが映る]
何でかしらね。
厭な事を訊いてしまったならごめんなさい。
只、貴方はウルズのように怪我をしている訳でもなく、
ひとりで行動も出来るのにずっと人と居るから。
ナサニエルも、すてらのようにひとりは寂しいの?
[謝罪には緩やかに被りを振る]
[揺れるは結い上げた紅い髪か]
構わないわ。
謝罪も求めて居ない。
[去り行く人形にもう一度だけ一瞥をくれて。
近付いて来たヒューバートとすてらに軽く手を上げ返し]
お帰り&いらっしゃいー。なんかあった?
〔すてらに叩かれた背を漸く伸ばして…
結局またいつもの猫背に戻す。〕
ナサニエル…謝罪はいらない、むしろ此方だ。
ボクはヘンリエッタに随分礼を欠いているのだからね?
…痛かあないんだよ…もう。
どうやって今を遊ぼう?…勿体無い。
…ヘンリエッタ…リードを取ってくれる?
〔…ボクは今…、否、若しかしたらずっと。
過去をも夢見ているのかなァ…そう呟く。
望みは…違うもののはずだったのに、
今は――確かに含まれていた。〕
うむ。柳を見つけた。
待ち人は…この辺りにいる筈なんじゃがのぅ…。
[ナサニエルへヒューバートを指差し、ナサニエルの向く方角へと一度目を仰がせる。目を凝らし、ある一点を見つめ]
……やや?
[見間違いではないだろうか、遠くに見える影に小さく手招きをして確認。]
…わからないんだ。
[小さくこぼして、手の中の木の実に歯を立てる。
一口齧りとって、数度噛み、嚥下する。]
言われてみれば…そうだったのかもしれない。
…でも、わからないんだ。
[小さく溜息。
歯痕のついた実を、じっと眺める。]
[ヘンリエッタの謝罪に柔らかい笑みを浮かべ]
俺も別に構わないから―謝らないで良いよ。
[寂しいのかと問われれば過去を思い出したか遠い目をして]
―寂しいってか、嫌い。
――森らしき場所――
[いつの間に眠っていたのか。
瞼を開くと木漏れ陽の光が目に差し込んできた]
ん、む……。
此処は、何処じゃ……?
[眉根を寄せて辺りを伺えど人の姿は無い。身を起こすと凭れかかっていたのが大樹の根元だと判り、その幹を撫でる]
何か、用か。
儂は森番ではないぞ。番人ならばアーヴァインがおろうに。
[幻術師の言葉に小首を傾げ貌を覗いて]
[傘の柄と共に握る柳の枝を緩く揺らす]
困らせてしまったかしら?
惜しむ暇があるなら足掻いては如何?
望もうと望むまいと時は流れるわ。
[調律師の手を挙げるのに会釈を返す]
[彼女の言葉に不意に巨躯の男を想う]
独りで生きていける「人」が居るのかは判らないわ。
人形は独りで居られるのかしらね。
――森らしき場所――
[かさ、という足音が聞こえ、そちらを振り向く。
視線の先にはたった今その名を口にしたばかりの人物]
アーヴァイン。如何した。
何事か、起きたのか?
[問うた言葉に男は厳しい表情を返し、唇を引き結んだ]
…どちらも「人」じゃ。
人間も人形も関係あるまい。
[ヘンリエッタの言葉に目許を緩めて呟き、彼女らの言う人形の意は詳しくまで汲むことはできないが。]
――森らしき場所――
その手の話ならば、皆にも聞くべき謂われはあろう。
大方、集まっておるのではないか?
“集会場”と名付けられた場の《言霊》が呼ばう故にな。
――さ、行くぞ。ついて来い。見失うでないぞ。
…あぁ。
[頷くその声は、わずかに苦々しく。]
何故ここへ来たのか。
何故怪我をしたのか。
そもそも俺は…何処に居て、何をしていたのだろう。
[左手で額を押さえ、ゆるゆると頭を振る。
さらさらと、肩に流れる銀の髪。]
ヒューバートは礼を尽くそうとしているもの。
[一瞬だけ強化した瞳は躊躇う彼人を捉えるか]
[向き直り悪戯な笑み引き緩やかに被り振る]
ヒューバート、私のリードは必要ないわ。
直ぐ其処だもの、見つかったのも気付いている。
きっと自分からきてくれるのではないかしら。
其れでも逃げたら追いかけて掴まえてくるわ。
[樹に隠れて洋館の様子をちらりと見る]
……ずいぶんたくさん人がいるみたいだね。
[手招きしている人影に]
誰だろう?さっきの人とは違うみたい……遠くてよくわからないけど。
[人を見てもあまり足は震えていない。むしろ頭が軽くなるような、不思議な感覚]
…ン、…有難う、すてら…
キミが立場を悪くすることをボクは望んでない。
痩せっぽちのボクだけれど、キミも誰をも守りたい…
〔すてらの言葉に力強く頷いて…待ち人の人形遣いの特徴を伝える。――かわいいひと。要約するとそういうこと。〕
…誑かし…、まあそうだね。
――必要の度合いを…最小限に留めたいとは思う。
時が近いから。
〔…ただこれは、個人的な…全く個人的な理由。
少なくともいま話すべきことではなかった。〕
ほう、間違いではないようじゃ。
よくはわからぬが…坊か?
[我慢強く、遠くの影へ手招きを続ける。声には出さぬが「おいで」と口を形作り]
[謝罪は必要ないと云う忍者の笑みを見詰め素直に頷く]
[続く言葉と眼差しには不思議そうに小首を傾げるか]
独りは、厭うべき事なの?
よく判らないわ。
[調律師の言葉に長い睫は緩やかに瞬く]
成りたいとも想わないけれど、
私は人では無いのよ、すてら。
でも…
どちらも愛(かな)しいのかも知れないとは想うわ。
――森らしき場所→洋館の前――
[モーガンの視界に入るのは道程の風景ではなく目的とする場所の様相のみ。凹凸した地面も曲がりくねる細い道も意に介さぬ様子で歩を進める。まるでよく均された平坦な道路を歩くかのような風情。奇妙な事に、後に付いてくるアーヴァインの方が息を切らし、汗を吹き出させている程だった]
……さ、着いたな。
……おお、あの辺に集まっておるか。
間違いなく全員、と言うわけではないようだが。
[会話する人影を遠目に見て、背後の男を振り返った]
……何を疲れた様子をしておる。主はそうだからいかんのじゃ。距離も時間も、それを障害と思うからこそ妨げになるもの。そのように考えておるうちは到底、如何ような業からも逃れることはできんぞ。
ああ、なるほど。
[ウルズの言葉にようやく理解し頷いた]
頭でも打ったか、もしくは余程酷い思いでもしたか。
しかし、忘れていられるのならそれは幸せなことかもしれないな。
どちらにせよそれだけの疵。ろくな目には遭っていないだろうから。
[ふ、と微笑み]
体の疵はやがて癒える。お前の場合、回復も早そうだ。
尤も──
[と、どこか面白がるような呆れるような表情を浮かべて]
癒えれば癒えたで、すてら辺りに使われることになるかも知れんな。
村を作るのだそうだ。
集ったものと力を合わせこの隠里に。
〔喧騒の中、幻術師は人形遣いを見つける。〕
………、…居てくれたんだね…
〔心底の安堵が漏れる。…いま傍にいけないのがもどかしく…したかしないかよくわからない、糸目なりの目礼を向ける〕
[ヘンリエッタの疑問に少し悲しそうな顔をして]
―その内分かる様になるから。
[近付いてくる気配に気付けば]
んーと、ひのふのみの…これで全員揃ったかな?
わしのことは今はどうでもよい。
お主の話じゃ。彼らを怒らせると恐い。
でも、そうじゃのう…その時には守ってもらおうか。
わしもできうる限り、皆と平穏を守りたいと願っておる。
無力ではあるが。
[カラカラと笑い声をあげ、ヒューバートの言葉に手招きしている人物こそが待ち人であろうと悟る。言うべきか、迷うが彼も見つけたようだ、密やかに手招きを続け]
自覚があるならばちとは反省して改められよ。
此処は小さな集落じゃ。
しゃあろっとや、年頃の娘を泣かすような真似はわしが許さぬ。
[釘を刺すような少し厳しい口調で。時の話は、漠然としすぎていて理解するにはあまりに情報が少なく…不思議そうに男の横顔を見つめるに留まった。]
[腰につけた柳の枝を一つ撫でて、おずおずと一歩を踏み出す。未だ胸中に葛藤を残しながら]
……
[手招きに吸い寄せられるように、おぼつかない足元のまま、ふらふらと]
無には、言葉通り何も無いわ。
私の生を願って呉れるファーカすら残らない。
幸せとは何かしら?
私には判らないわ。
人其々カタチが違うとして、
ファーカの幸せは無なの?
そうね、其れもひとつのファーカの願い。
無の他にも願いがあるのなら、
此処に居るのも少しはたのしいかしら。
――洋館の前――
[人集りの方へ向かおうとして、ふと木陰に顔を向けた]
と……ふむ?
はて。
いつだかに感じたような気配の者が居るの。子供か?
まあよい。程なくそれも判ろうて。
[頷いて杖を仕舞い、集団の方へ向かった]
皆の衆。何を話しておるのじゃ。
でも、「心」はあるじゃろう?
心無いものが木の実の礼を持ってきてくれる訳がない。
ならば同じじゃ、へんりえった。
形に捉われてはならぬ。
なんというか…理屈で語れるものではないと思うのじゃ。
[難しい話は頭がこんがらがりそうで、難しい顔をして一つ頷いた。]
かなしみは知っておいた方が良い。
過ちを繰り返さずに済むから。
[未だ幾らかの距離はあるけれど老人の姿を見止め]
[口許に笑み引きドレスの裾を軽く持ち上げ一礼]
御機嫌よう、お爺様。
貴方がヒューバートの云っていた言葉を操る方かしら?
[忍者の声音と表情に其の貌をじいっと覗き]
[其の貌に浮かぶのは困惑と戸惑いだろうか]
そんな貌をしなければいけないなら、
判りたくなんてないわ。
そうね、随分と集まったみたい。
[シャーロットの言葉に頷き、小さな溜息。]
…そうなのかもしれない。
だが、わからぬのも…怖いんだ。
[左手をじっと見る。
夢にうなされて目覚めたとき、勝手に刃物の生えた腕。
どうやればそうなるのか、それも思い出すことはできず。]
何ができるのか。何をせねばならぬのか…。
わからぬまま、何かをしてしまうかもしれないのが…怖い。
〔こういうときについ考え込みがちなのは、幻術師の悪い癖だった。併し…これだけははっきりしている。〕
――ヘンリエッタ、重ね重ね申し訳ない。
少なくとも、今は貴女に報いるだけの礼儀が
ボクには尽くせそうにないよ?
準備云々ではなくて…あまりにも細切れすぎる時の所為で。
貴女とボクとは、あまりにも近すぎて…
裏返ったときがこわい、そういう存在だ。
貴女とずっと遊んでみたかった…
ご期待に応えられず済まないが、
場を…この村であってこの村でない場所へ
改めさせてもらえないだろうか?
〔少なくともボクは、既にすてらに迷惑をかけているから、と添え〕
そうねすてら、私にも心はあるわ。
けれどこの心もまた人の手に依って作られたのよ。
カタチに捉われるのも、
全てを混同するのも、
どちらも違うのでしょう。
[難しい貌をする様子に人形は微笑む]
過ちも罪も人の作るものだわ。
何を罪とするか、何が正しいか、
自身で決めると云うのならば、
私はもう是以上に間違えようが無いのよ。
[影が徐々に此方へと近付いてくるのを確認すると嬉しそうに歯を見せて笑みを浮かべる。]
爺か、おかえり。
待ち人を探しておった。
今し方見つけたところじゃ。
…これで全てか?
[現れたモーガンとアーヴァインの姿に礼をし、ヒューバートに心底不思議そうに首を傾ける]
はて。
何か迷惑を掛けられたか?
[目を細めて少女の礼を受けゆったりとした動作で辞儀を返す]
言葉を操るのは誰もが為し得る事じゃな。
こうやってする挨拶とてそのひとつ。
儂が行う業も大して変わりはせぬ。言葉の持つ力、《言霊》がどのようにはたらくか、多少なりと気づいて居るというだけじゃ。
元来は剣を振り回すだけが唯一の取り柄という武人であった故、あるいは本義とは外れておるやもしれぬが、――。
義理堅い男なのだな。
自分が分からないのは確かに怖いな。
……もし記憶を全て戻したいと願うのなら、いずれは戻るだろう。
そうだな──。
失った記憶が例えば辛いものだったとしても、お前が笑って居られるならばそれもまた幸せなことか。
隠者 モーガンが「時間を進める」を選択しました
[困った様な笑みで]
分かりたくなくても、早めに分かっておいた方が良いよ?その方が、いざと言う時に後悔せずに済むから―
[自分みたいに、2度と取り戻せなくなってから気付いてほしくないから―そんな想いが*籠められていたか*]
わしは難しいことはよくわからぬ。
でも、心の作られ方は皆同じじゃ。
何者も誰かによって形と心が作られる。
そして心は育つものじゃ。
其れは独りでは容易ではない。
へんりえった、お主は見目もまだ幼い。
わしはお主の心が育つことを諦めはせぬ。
[何処か達観した少女の口調に眉尻を下げて呟き]
過ちも罪も、此処では必要とせぬものじゃ。
此処はそういう場所であろう?
「場を改めさせてもらえないだろうか」とは?
何を言っておるのか、ヒューバート。
いや何を申し出ておるのか、と問うべきか。
問うたところで、儂の望むのとは外れた方向からしか答えは返って来ぬだろうが。
だがあえて問おう。お主が自らに任じた業とは何ぞや?
[剄烈な光と瞳の奥に潜め、ヒューバートに問いかけた]
[幻術師の言葉に石榴石の瞳は獣の如くすと細まる]
[ほんの刹那だけ其処に浮かぶ色は何だったのか]
ねぇ、ヒューバート。
私は最初から礼儀を求めては居ないのよ。
そして私と貴方は似て非成るものだわ。
でも怖がらせてしまったかしら。
きっと私が気付かずに迷惑をかけているのね。
其れに関しては本当に申し訳ないと思っているのよ。
気紛れな私は今は此処に居るわ。
先の事は約束なんてしないけれど、
若し望むならば先の様に何時でも手を伸ばして頂戴。
[手にした実を食みながら、シャーロットの話を聞いている。]
…記憶が戻ったら、俺はどうなるのだろう。
[ただ、漠然とした不安。]
[手を懐に入れたまま辿りついたのは洋館の前。多数の人々がかわす言葉に耳を傾けている。そのほとんどは早すぎたり小難しかったりで理解できないのだが、それでも]
ヘンリエッタ……ヒューバト……
[呼ばれている名前を覚えようとしている]
[舞葉へ目配せをしてからナサニエルを指差し]
「ナサニエル」
[モーガンと番人の名前はわからない…申し訳なさそうに舞葉を見てから自分を指差し]
「すてら」。
お主の、名は?
[一度洋館を仰ぎ見て]
…立ち話もなんじゃのう。
皆、中へ入らぬか?
中にもまだ、人がおる。
[最後に添えた言葉は舞葉へ向けたもの]
言葉に魂が宿るならば、人形にも魂は宿るかしら?
[老人の言葉に問い掛けるのは純粋な疑問]
[武人であったと云うのには幾度か瞬いて]
武人の本義が何かも私には判らないけれど、
言葉は時に刀より容易く疵をおわせるとは思うわ。
[忍者の笑みにくるりと日傘を回して]
[籠められた想いの幾許かは汲めたか]
私のいざと云う時はもう過ぎてしまった気がするわ。
そんな貌しないで、ナサニエル。
貴方は今は一人ではないのだから。
知るか。
[突き放すように言い、やはり苦笑][どこか憐れむような目をして]
お前の道はお前の前に在る。私の道も同様にな。
先に何が待っていようとも歩くしかないのではないか?
歩き続けていれば、その先に願うものがあるだろう。
何を願うかは、人それぞれだがな。
――洋館の前――
待ち人か、儂のことではあるまい。それは――
[すてらに尋ね返して視線を追う。歩いてくる少年の様子はあまり平常と呼べるようには思えなかった。アーヴァインに目で尋ねても首を傾げるばかりだったが]
……少年。生身の者は苦手かね?
[彼から見取った生業を重ねつつ舞葉へ声を掛けた]
[すい、と大窓の外に視線を転じてみれば、そこにはちょっとした人の輪が出来ている]
……また随分と集って。
一体何を話し込んでいるのやら。
[見てみろとウルズと芹菜の二人に目配せ]
[口元にはさらに濃くした苦笑が浮かんでいる]
[呆れるような、面白がるような]
残念ながら爺のことではない。
其処の坊のことだった。
しかして、爺のことを忘れていたわけでもない。
名を訊き損ねていた…とは今思い出したが。
[腰に手を添えたまま、申し訳なさそうにモーガンを一度見遣り]
[舞葉へと名を伝えているらしき、すてらの言動。
彼女が己の方を見たことで漸く気づいた]
……ふむ。名乗らねば、判らぬか。
……不便なことよの。
儂の名は、モーガンと言う。
この村に随分と前から住んでいる爺じゃよ。
一体いつ頃から住んで居ったのかも、もうわすれてしまったがの。
…道、か。
[食べ終わった木の実の種を、前のテーブルへと置く。]
君には、見えているんだろうな。
振り返った背後の道も、足を向ける先に続くいくつもの道も。
…俺にはまだ見えない。
振り返っても、先を見ても…深い霧に覆われたままだ。
前を向いているのかも、わからないな。
とても簡単な事よ、すてら。
私は殺す以外の事を教わらなかった。
只、其れだけの事なのだわ。
[足りない言葉は其れ以上の説明を望まぬ故]
[眉尻をさげられるのをじいっと見詰めて瞬き]
[不意に俯き加減に薔薇色の唇を尖らせるか]
でも此処には、お父様は居ないもの。
[すてらに言われた名前を頭に刻みながら、自分を指差して]
まいは…
[ぎこちなく笑顔を作る]
まだ人がいるの?
[先刻見た大きな人形のことを考えている]
〔いよいよ時がなくなってきたので、申し訳ないと顔の前に手刀を立てる。ひとまずモーガンの言葉へ応えることとして〕
…互いに欲張りすぎるから一歩引かないと弾き合ってしまう…
師匠とボクとはそういう関係なのだと思う。
だからどう頑張ってもボクの考えは貴方に届かない。
これは多分…好む環境の問題。
…ただの演者さ。
それ以外だって、なんだってよかった…
〔淡々と受け止めて、開き直るでもなく…
モーガンの問いへは真摯ながら困惑げにする。〕
[声をかけてきた老人に微かに警戒心を抱きつつ、じっと瞳を除き込む。それが自分に対して害意を持っていないように思えて]
うん、苦手……かな。
[小さくつぶやくように口を開く]
[少年の呟く如く名を紡ぐのに視線を移し]
[微笑みドレスの裾を軽く持ち上げ一礼]
御機嫌よう、噂の君。
そう、私はヘンリエッタ。
ヒューバートから貴方の噂をきいているわ。
宜しければ貴方のお名前も頂けるかしら?
[窓からの視線に気付き瞬くもあり]
ウルズは未だ外には出られないでしょうし、
そろそろ残る人達の顔も見に部屋へ戻らない?
爺の名はもうがんか。
変わった名の多い集落じゃ。
先刻の道案内は助かった、感謝をしておる。
[こくり、一つモーガンへと頷きを返し舞葉へとモーガンの名を告げる。ヘンリエッタの言葉に目を伏せ…微苦笑を浮かべたまま少女の姿を見つめ]
もう、殺す必要はない。
これからは生きることを覚えればよい。
此処には皆がおる、皆から習えばよい。
…父様が居ないのは寂しいか?
[白髯を扱いた手を止めて日傘の少女へ頷いた]
憑喪神というものは何処の世にもあるものでな。古来より例を挙げるに暇は無いほどじゃて。まして人の形(なり)をしておれば憑かぬほうが不思議というもの。そも、そのように考えた時に魂が生まれ出ずると言い得るやもしれんが。
そなた、魂の在り処に興味があるのか?
舞葉か、良い名じゃ。
[ぎこちないが笑顔を返してくれたことが嬉しい。自然と微笑が浮かび]
まだ中におる…何人いるじゃろうか。
ここにいる人数よりかは少し少ないが、
其処まで差はないはずじゃ。
[これで半分、と呟き洋館へ戻るよう皆を手招きで促す]
[調律師が老人の名を紡ぐのに倣い]
[口の中で幾度か其の名を紡ぐもあり]
[苦笑するらしき表情を静かに眺め]
ならば必要は、最初から無かったのだわ。
生も、死も、私には等価値なのよ。
[問い掛けには緩やかに被りを振る]
かけられた言葉も其の不在も、
寂しくは無いの。
愛(かな)しいだけ。
居ても居なくても変わらないのだから、
全てはもう終わった事なのだわ。
霧が深いなら晴れるまで待てば良い。
霧の中を手探りで歩くのも楽しいかもしれないな。
私が道の先に願うものは、手が届かないかもしれないが……。
何の集まりやら。
既に出会った顔ばかりだが。
全てつれて戻ってくるらしいな。
[ヘンリエッタに向き直って、ゆっくりと一礼を返す。彼女から感じる不思議な匂いに、首を傾げ、懐から人形を取りだして]
ぼくの名前は……舞葉。兄者がつけてくれた。こっちは…・・・・十姫。
[掌の上で人形がぺこりと挨拶をする]
[ヘンリエッタとステラに促されるように、想いを扉の中へと飛ばしている]
[老人の言葉に白髭から其の眼差しへと視線を移し]
最初は只のお人形さんで其の内に魂は憑くの?
魂の在り処よりは、在り方には興味があるわ。
モーガンは、私は生きていると思う?
[少年の声に耳を澄ますでもなく聞き落とすでもなく、ひとり述懐するように言葉を紡いだ]
然様か。
生身の者とは同属であり他人である故な。まったくもって厄介なものよ。この世でもっとも手に負えぬものの一つよの。
じゃから、方便を用いて距離を隔てる。さりとて無碍には出来ぬと思うあたり、で既に罠に嵌って居るのじゃ。悩みも惑いもせずとも良いのにな。
舞葉、舞葉、舞葉…
舞葉は素敵な名前をお兄様から頂いたのね。
[名を舌の上で囁くうちに少年の懐から出される人形]
[主の手に収まる其れを見詰め石榴石の瞳は揺れる]
[掌の上で挨拶する十姫に倣い再度ドレスの裾をあげ]
舞葉も十姫もよろしく。
さっきはひとりだったけれど、
十姫は舞葉に大切にされているのね。
[良かった、と小さな呟きは半ば無意識で]
そう、悲しいことを言うな。
その等価値すら、この先変えられる。
生きる喜びを共に覚えよう、へんりえった。
誰にでも等しく訪れる死の時に充足を得られるように。
そして此処からまた始めよう。
此処にお主が居ることを、わしは望んでおる。
[ぽつり、呟いて。屋敷の中へと戻る。リビングへと入り、中の者に軽く手を振り]
…ただいま。
…晴れたら、よいな。
[そうポツリとつぶやいて、ソファーに座りなおす。]
おかえり、ステラ。
[人々を引き連れて、真っ先に入ってきた彼女を見つけて、くすりと思い出し笑い。
村を作るというのなら、村長はきっと彼女が適任だ。]
ふむ。そなたの言葉を聞くに、此岸でもなく彼岸でもない狭間の地点にヘンリエッタは留まっている……と儂には思えるの。
この点ばかりは見定める事が叶わぬようじゃ。
が、一言だけ言っておこう。爺からの忠言じゃ。
生きている、と、死んでいる、と。
いずれか判らぬと言って探ろうとしても、容易に理解に至れるものではあるまい。唯、“気づく”ものであろうよ。
[素敵な名前と言われて少し照れた表情を作る。ヘンリエッタも素敵な名前だと心の中でつぶやいて]
大切……?
[ヘンリエッタの言葉に、十姫と目を見合わせる。十姫の口からはくつくつと押し殺したような笑い声が零れている]
[老人の言葉に耳を傾けるが、難解な言い回しにきょとんとした顔。やがて自分で確かめるように]
……独りになったら、そんな悩みも惑いもなくなる…んだよね
可哀想なアーヴァイン、貴方の罪は何だったのかしら?
所詮は貴方も此処に居る者に変わりは無いのだわ。
ファーカが行って呉れるの?
[ウルズに迎え入れられると安堵に微笑を浮かべ]
…何か面白いことでもあったのか?
[笑う理由を問い掛け。シャーロットにも頷き]
待ち人を連れてきた。
恐らくこれで皆が集まったようじゃ。
そうじゃの、焦ることはない。
皆で少しずつ、生活に必要なものを揃えていけばよい。
[住む為の屋敷もある。今はこれで充分と緩く頭を振り]
私が行こうか?
丁度、この子らも渇いているようだ。
犯した罪が何であれ、次の生では幸せに生きてくれるさ。
人は輪廻に還るものだから。
[ヘンリエッタにというよりも、己に言い聞かせるように呟いた]
生々流転、輪廻するは人の世の習わし。
魂なき物に宿った魂も、やがては何処へかと還ってゆこう。
されど輪廻を繰り返し因果の糸を紡ぎ続けるが安らぎと、成り得るものか――。
[ゆっくりと首を振り、顔を伏せてやがてその場を*後にした*]
悲しい事なの?
すてらの云う事は難しいわ。
生に重きを置けば殺せないと思うの。
殺す為に作られたのに殺さなければ、
私はガラクタに成ってしまわないかしら?
[問い掛けなのか呟きなのか後を追い]
ウルズもお目覚めだったのね。
お招きしたのに置いて出てしまったけれど、
シャーロットもウルズとお喋りしていたのね。
狭間…
気付く…
[老人の言葉に思案気に呟き]
[去る老人の残した言葉にか]
[暫く後姿を見詰めるもあり]
舞葉は十姫を棄てたりはしないのでしょう?
[笑う十姫と少年を交互に見]
[老人へと掛ける言葉も聴きつ]
[すてらの向かった先を指し示し]
舞葉も十姫も、折角だから入ったら良いのだわ。
行きましょう。
やってみなければ夢物語のままじゃ。
ならばわしはやってみようと思うておる。
村という言葉があるんじゃ。
誰かが出来たこと、不可能ではなかろう。
[カラカラと笑い声をあげ、解かれた足の心地よさに目を細め]
しかし、慣れぬことをすると消耗も早いのぅ。
酒を飲むのは休息の後で構わぬか?
本当に羨ましいよ、その性格は。
[すてらにもやはり果実を渡して笑む]
酒はいつでも構わないよ。
尤も、用が済めば私は塒へ帰るけどな。
[ヘンリエッタに促され、怯えながらもすてらの後に続くように洋館へと入る。歩きながら建物の内装に落ちつかず好奇の目を向けている]
[部屋に入ると、すてらに声を掛けて来たソファーの上の人物に目を向けて]
え?…あ…兄者……?
[目を見開き息を飲む。しばしの間を経て我に返る]
……ごめん、知ってる人によく似てたものだから……
[心の動揺を抑えるように、抑揚のない声で謝罪の言葉を]
行って呉れるのならお願いするわ。
ファーカの子達がお腹をすかせているのなら尚の事。
ねぇ、ファーカ。
私には此処の人達が幸せそうに見えるのよ。
気のせいなのかしらね。
[呟くも人形は殺すのだろう]
悲しい事なの?
すてらの云う事は難しいわ。
生に重きを置けば殺せないと思うの。
殺す為に作られたのに殺さなければ、
私はガラクタに成ってしまわないかしら?
[問い掛けなのか呟きなのか]
[舞葉が歩き出すのに従い]
[室内に戻りぐるりと見回す]
ウルズもお目覚めだったのね。
シャーロットはウルズとお喋りしていたのかしら。
お招きしておいて席を外してしまってごめんなさい。
[少年の声に二人を交互に眺め]
…そうか。
[目を細めたまま呟き、果実を受け取ると一齧り。甘みが口の中に広がるとほっと一息つき]
そう言ってくれると有難い。
塒を構えたか。
また場所を教えておくれ、遊びに行こう。
[真っ直ぐ辿り着けるかはまた別として。]
仮令幸せだったとしても、犯した罪までは消えない。
そういうことだ。
……分かった。私が導こう。
[刃が歓喜に鳴く]
[答える声は常より力が籠められて]
[声音からも表情が消え失せた]
いや、予想通りだったな、と。
[ステラの問いに、シャーロットへと目配せして苦笑い。
後から入ってきたらしい少年の声に、目をやる。
呆然とこちらを見ている様子に、思わず見詰め合う形で視線を交わす。]
…知っている、人に?
[見覚えは無い、そう思ったが…彼の様子は気になった。
自分が忘れているだけなのかもしれない、と。
胸の中に、細波が立つ。]
[初めてきちんと会う相手に名前を告げるのみの自己紹介をし]
[身体の後ろで手を組みながら、部屋を見渡してどこか居場所を探して]
[なるたけ人の視線を避けるように、部屋の隅に腰かけて、交わされる人々の会話に耳を傾ける]
[舞葉の言葉に数度瞬き]
…知り合いか?
[二人を交互に見て、ヘンリエッタに緩く首を振る]
こんなに可愛い子がガラクタになる筈がなかろう?
そうじゃのう…お主の言う能力が必要になるやもしれぬ。
家畜は殺さねば食べることができぬ…
それは生きる為に必要なことじゃ。
その為に役立てて欲しいと、わしは思っておる。
いいや、気にしなくて良い。
[詫びる言葉に軽く返すとまたもすてらを顧みて]
ああ。もてなしは出来ないが、来ることは拒まないよ。
この近くの宿の一室を使っている。すぐ来られるよ。
……反対方向に歩いたりしない限りはね。
[少年の上げた驚きの声は軽く流して]
[ウルズの記憶がないのであれば、そういうことも有り得なくもないと]
私は殺す為に殺すだけで、
罪も咎も興味は無いの。
けれど死に彼等が救われるのなら、
少しは真摯に考えるべきかしらね。
[室内に集まる彼等や其処に居ない者達を想う]
[常と違う雰囲気を纏う彼女の様子に瞬いて]
ファーカ、無理強いはしないわ。
若し貴女が望まないなら私が行くだけよ。
[すてらの言葉に]
ううん、人違いだよ。ごめんね、お兄さん。確かに似てるけど……
[だって兄者はもうこの世にはいないはずだから……との言葉を飲み込んだ。何故だか言葉にしたくなかった。みんなの会話を聞きながら、ときどきウルズの顔をちらちらと盗み見ている]
解りやすい性格で悪かったのぅ。
[ウルズへと口を尖らせて呟き、伸びをすると芹菜の隣へとこてりと転がる。寝そべったままシャーロットに頷き]
酒瓶と肴を持って真っ直ぐに辿り着いてみせよう。
…此処に来たばかりの時より、少々変わられたか?
今のお主の纏う空気が、わしは好きじゃな…。
[とろとろと夢うつつな笑みを見せて、暫くするとそのまま*寝息を立て始めた*]
[木の実のひとつを手に舞葉へと歩み寄り]
[其の手に乗せようと差し出すだろうか]
元々はヒューバートとのゲームで、
貴方に持って行く為に取ってきたのだわ。
どうぞ、召し上がれ。
[調律師の首を振るのに瞬き]
人を殺すのはいけなくて、
獣を殺すのはいいの?
必要ならば次ぎは兎でも狩って来るわ。
[放浪者の言葉に緩やかに被りを振り]
そんなに怪我をしているのだもの、
身体は眠りを必要としているわ。
ウルズはどんな夢を見たのかしら?
[暗殺者の声に視線を移す]
お招きした時は戸惑わせてしまったみたいだけれど、
シャーロットも少しは慣れた?
[差し出された木の実とヘンリエッタの顔を視線は往きつ復りつ]
[川で会った時の魚屋の言葉が頭に浮かび]
ぼく、今君に提供できるものが何もないんだけれど……
[戸惑っていると、木の実に触発されたようにお腹がぐぅと一声]
ありがとう
[ぎこちない笑顔をヘンリエッタに向けて礼を言う]
(……まただ)
[誰かに言葉を伝えるたびに、忘れていた何かが身体の中を巡る]
[すてらの言葉に微笑んで返し]
楽しみにしていよう。
[その言葉は聞こえたかどうか]
[やがてすてらの寝息が聞こえたのを潮に部屋の隅──舞葉とは違う隅──へと下がる]
[ヘンリエッタに掛けられた言葉には]
ああ。
しかし、やはり少し疲れているかもしれんな。
すてらではないが、慣れないことをすると疲れるものだ。
[食べかけの果実を玩びつつ答えた]
[どんな夢かとの問いに、記憶を手繰り、欠片を寄せるようにして、ぽつり…ぽつりと話す。]
…あまり覚えてはいないのだが…、淡い…青い光の色と、
それから、音を覚えている。
鳥の声のように高く、雨だれのように短く…
心臓の鼓動のようにリズムを刻む音だ。
…心地良くは感じたな。
大丈夫だよ。
これは私に定められた贖いだからね。
でも、そうだな。
お前が血を求める時は、遠慮なく見物に回らせて貰うとするよ。
[元より見返りを求めている訳でも無く]
[不思議そうに首を傾げ少年の貌を見詰め]
[受け取られる木の実にひとつ頷くもあり]
別にお返しは要らないのだわ。
でもそうね、
叶うなら十姫を大切にしてあげて頂戴。
[少年の笑みはぎこちなかったけれど]
[返す人形の微笑みは穏やかだろう]
[はたり] [はた] [はたり] [はた]
[舞葉を驚かさぬ様にか少し離れて]
[ソファに腰掛けてはブーツを揺らす]
其れなら、シャーロットは何なら慣れているのかしら?
慣れずともたのしいひと時を過ごせたなら良いけれど。
[問い掛けと共に答えずとも済む言葉を添え]
[先ほどの言葉が気になって、幾度となく少年と目が合った。]
似ている、と言ったか?
その方の事を話して欲しい。
…無理にとは、言わないけど。
[真剣な様子で、問いかける。]
[ぽつりぽつりと零される夢の断片]
[探す様にか彼をじいっと見詰め]
断片だけ聴くととても綺麗な夢。
鼓動のリズムは確かに心地良いわ。
安らかなる夢が見れたみたいね。
此処に居る人達は優しいから、
穏やかな心持ちの夢を見れたのかしら。
慣れていることもそれほどないよ。
慣れていないことをあげるとキリがないほどだけれど。
[答え、ふと舞葉に己の名を伝えていなかったことに思い当たる]
「シャーロット」だ。
[ただ一言だけで意が伝わったかは分からないがそれ以上の言葉は重ねない]
血で染まった贖いにまた血で染まるのね。
[ぽつりと呟く]
お気遣い有難う、
紅い血が舞うのを見るのは綺麗だから好きよ。
でも其れだけだから大丈夫。
何時か私の本当の姿を見ても嗤わないでね。
[少しだけウルズの傍により、瞳を閉じて兄者の事を思い返すと、やがてぽつぽつと語り始めた]
兄者は……やさしい人だった。
里で忌み嫌われていたぼくに、術や植物の知識、そして人形の遣い方を教えてくれた人。。血のつながりはないけど、ぼくを人間として扱ってくれた…最初で、おそらく最後の人。
里の長老たちの道具として使われ、そしてもういない。お前のような者が平穏に暮らせる安住の地があると言い遺して。
……それだけだよ。
[悲しそうに目を伏せる]
ああ。私はお前を嗤いはしないよ。
それにしても、すてらとの約を果たさなければ塒にも戻れない。
まだしばらくは此処に縛り付けられることになりそうだ……。
[言葉とは裏腹に悪い気はしないのは何故だろうと思いながら]
["私"はヘンリエッタに*言葉を返した*]
此処に居れば慣れるのかも知れないわね。
[淡々と呟く言葉には実感が篭らず]
[石榴石の瞳はすと窓の外へと移る]
難しくて判らない事だらけなのだわ。
[言葉ほどに厭う気配の無い彼女の声音]
[窓外からちらと視線を戻し貌を見るか]
毎晩、相手をさせられたら、
ずっと此処に居る事になるわね。
[愉しい筈の想像を語る声はけれど静か]
[視線は逸れるも彼女を想うひと時もあり]
[木の実を齧りながら十姫を見やると、その視線の先にはヘンリエッタの姿。ヘンリエッタの言葉にしばし考えて]
「大切にする」というのがどういうことなのか、ぼくにはわからない。それに十姫がどう思ってるか、もね。
ただぼくにとっては、一緒にいて安心できる唯一の存在だよ。
[問われたわけでもなく、返答にもなっていないのだが、本人は気付いていない]
シャーロット…だね
[告げられた蒼髪の女性の名前を反芻するように口にする]
(ここの人たち、今まで会った人とは違う…ね)
少し話し疲れたみたい。
久しぶりにお話できて楽しかったよ。こういうのもいいね。
[その場にいた人々に挨拶をして、部屋から外へと*出て行った*]
[緩やかに首を傾け窓外から舞葉へと向き直る]
[其処に居る十姫を見詰め眼差しは揺れるか]
そうね、大切なんて曖昧な言葉。
十姫を棄てないで欲しいだけなの。
一緒に居て安心ならきっと棄てたりはしないわね。
[ぴょんと立ち上がり室内で傘を広げ]
[傘を回しつ起きている者達を見回す]
少し出掛けて来るわ。
舞葉、きっと此処の人達は、
貴方を人として接して呉れるわ。
みんな優しいしこわくないわよ。
[御機嫌よう、とドレスの裾を軽く持ち上げ一礼]
[裾を翻し雲の上を歩くが如き足取りで*何処かへ*]
[少年の語る兄の話を、幾度か相槌を打ちながら聞いている。]
そうか、良い方だったのだね。
[和らぐ表情は、見守るようにやさしく、そして僅かに寂しげに見えたかもしれない。]
…俺は、迷子なんだ。
"むかし"をどこかで無くしてきてしまった。
だから…君の兄なのかどうかは、俺にもわからない。
知識も、術も、今の俺には無いけれど…
俺のむかしが見つかるまでは、君の兄のようでありたいとおもう。
[去っていく少年を見送って、やや疲れたようにソファーに背を預ける。]
…聞くべきだっただろうか。
[小さくひとりごちて袂をめくり、腕に埋められた装甲繊維のラインを撫でた。
全身にあるそれは、自分の手がかりになるのかもしれない、そうは思っていたが…
そうすることを戸惑った、自分の気持ちがうまく整理できず、*静かに目を閉じる。*]
[つつがなく全員と顔合わせも終わり部屋に戻る。ベッドに寝転んで考えるはここで出合った人々の事]
ウルズが本当に舞葉の兄貴とかは…ないだろうな、まず。
[ウルズの体に埋め込まれた色々な物を見たからこそ断言出来る。あれはどちらかと言えばミッキーやヘンリエッタに近い―
そのヘンリエッタも特に気になる一人だった―似てるのだ、昔の自分と―
...は幼くして親に捨てられ女王を殺す事だけを教えられてきた―彼女の様に人を殺す事だけを―それも極めて過酷な方法で―学んできたのだ。
ただ、彼女と違って...は自ら知識を求めた―主に人体の構造や毒の精製方法だがそれ以外も書物と在らば読み耽り結果古代語まで覚えてしまう程に]
俺と彼女の違いなんてそれだけなんだよな…所詮。
[だが、それはとても大きい差なのだ―]
― 川辺 ―
[朽ちかけた橋の中ほどに立ち清流の向こう]
[震える睫毛に縁取られ石榴石の瞳は呆と遠く]
[くるり] [くるくる] [くる] [くるくるり] [くるり]
[日傘を回す度に深紅の薔薇は円を描き踊るか]
[彼等と交わした数多の言葉を思い返し瞬く]
お父様も、ひとりは寂しかったのよ。
そんな事は私にも判っていたのだわ。
でも…――
[言葉は途切れ薔薇色の唇を尖らせる]
[緩やかにおろされる瞼に瞳は隠され]
― 回想 ―
[白衣を纏う男は目の前の光景に眉根を寄せる]
[傍らで娘が如何のと騒ぐ声も男には興味が無い]
「竜人の遺伝子を組み込んでも
今まで全ては順調だった筈だ」
[紅黒い肉塊が蠢く度に甘い腐臭を漂わせる]
[心臓の脈打つ如く膨れては縮んでを繰り返して]
ギィィ…
[呻き声と共に口らしき部位が開き粘液が零れる]
[声の方へと鈍い光を宿す紅い双眸は向けられる]
「最終段階で問題が起きるなんて…
まさか…はっ、はは…莫迦げてる
人形に心が宿ったとでも云うのか」
Someday I want to run away
To the world of midnight
Where the darkness fill the air
Where it's icy cold
Where nobody has a name
Where living is not a game
There, I can hide my broken heart
Dying to survive....
[透明な歌声は想う人には届かない]
[泣き出しそうな貌で弱弱しく被り振り]
――…愛しい。
この辺で設定練り直さないと、とか思ったので練り直し。
人を殺すことなど善悪に関しては特に影響は受けない。
ただそうするとどうなるかは分かっている。(例、死んだ人間が生き返らないということは知っているが人を殺すことを悪とは認識しない)
〔集っていた皆がゆっくりと各々の居場所を探し始めるのを、幻術師は黙して見守っていた。…形になり始めた、甘い夢を。〕
――皆の名前が、…出揃ったというわけなのだね。
―否、出揃ってはいないのだけれど。
…この夢の愛しかたを間違えたのはボクだから、
その在りかたへ立ち返る過程を愉しむとしよう…アハハ。
〔自らを醒まして、夢屋は興味の侭に歩き出す。〕
いつか、逃走したいと思います。
真夜中の世界に
暗黒が空気Whereをいっぱいにしているところでは、それは冷たい状態で凍って
います。
だれも名前を持っていないところ
生活がゲームでないところ
そこに、私は生き残るために私の傷心Dyingを隠すことができます…
[館を抜け出し森の中を歩く。昨日と変わりない理由で偵察しかやることがなくなったからである。
川の場所や樹木、生息している動物などのデータもある程度は集まった]
大体の情報は取れたんだな。戻るとするかなんだな。ん?
[川の傍の道を館に戻るために歩いているとどこからともなく歌声が聞こえた。]
〔手にしているのは、柳の杖。房飾りのように、緑の葉が揺れる。折られた数を…確かめる。〕
…渡す順番は…流れの侭に。
呼び名と証、…アハハ、苦痛と…心。
隠れたがりは…どこだろう?
〔籠る笑み。緩慢な足取りで*何処かを歩く*。〕
[微かな気配を感じて振り返り辺りを窺う]
[人影の大きさから直ぐに誰かは知れたか]
[迷子の如き表情は彼の姿に和らぐもあり]
御機嫌よう、ミッキー。
[声をかけドレスの裾を軽く持ち上げ一礼]
[橋を渡り彼へ向かいゆっくりと歩き始める]
ミッキーもお散歩かしら?
[歌声の主を見に行くと昨日あった少女だった。ヘンリエッタ、という名前の少女がこちらをみて挨拶をするのが見えた]
ヘンリエッタこんにちはなんだな。ボクはこの村の周りを調べていたんだな。さっきの声はヘンリエッタなのかなんだな?
[調べていたと云うのに辺りを見回して]
[彼の傍まで歩むとじいっと貌を見詰め]
[ふと先の会話を思い出して思い当たり]
誰かに調べるよう命令されたの?
[問い掛けに何の事かと一拍は思案し]
[呟きは小さく聞き取れぬかと考え]
そうね、歌を歌っていたのは私よ。
命令ではないんだな。何も命令がないので辺りを調べて情報を取っていたんだな。一通り調べてきたので戻るところだったんだな。
さっきの声は歌というものかなんだな。初めて聞いたんだな。なにか意味があるものなのかなんだな?
[初めて歌というものを聞いた。その用途は分からないがなにか意味があるようなきがして、そう尋ねる]
〔…"Willow"は遠巻きの孤独を愉しめる。今は…探しているように見えて、何も探してはいない。もう見つけているから。〕
…これが天邪鬼のボクにできる…守りかた。
どうか逃げていてほしい…
そう、何か判った?
調べるのが済んだのなら、
次ぎはミッキーは何をするの?
[意味を問われきょとりと瞬く]
[考えた事も無かったらしい]
意味は、私にも判らない。
只、褒めて貰った事があるから、
歌いたくなったのだわ。
川の場所やどんな動物や植物があるか・・くらいなんだな。
[次に何をするのか、と言われ思わず考えてしまう。
何しろ命令がないから偵察に出たのであって戻れば命令はあるかもしれないが、なければどうするのか。
いつもであれば何かしら命令が用意されていたのであるが現状特にこれといった命令が来ることはないだろう]
特に何をするという予定は無いんだな。命令があればそれをするだけなんだな。なければ・・・しばらくはなにもしないかもしれないんだな。
んーしたいこと、というのは無いんだな。ボクは主人の命令を受けて戦うために作られたんだな。
だからボクがやりたいことは多分ないと思うんだな。
[ヘンリエッタにしたいこと、といわれて改めて考えてみるももこれというものは思いつかなかった。ただ何故かない、と断言は出来なかった]
そう…
[多分ないと思うと云う曖昧な言葉]
[少し不思議そうに小首を傾げる]
[次ぎの命令は無いだろうとも思う]
若し、する事を探す時には、
食料をとって行くと良いかも知れないわ。
動物や植物の場所が判ったのなら、
きっとミッキーには簡単でしょう?
でも貴方のしたい事が見つかったなら、
其れを一番に優先して良いと思うのよ。
[ヘンリエッタの言葉に少し考えるようにして]
なるほどそれはいい案なんだな。食料集めというのはこれからもきっと必要になるんだな。ヘンリエッタは頭がいいんだな。
自分のしたいこと・・・見つかるか分からないけどみつかったらそうしてみるんだな。
私ではなく、すてらが云っていたのよ。
ミッキーもみんなとお喋りして、
色んな話を聴いてみると、
是からする事も見つかるかも知れないわ。
[ほんの少し彼を気遣う気配が滲む]
見つかるのが良いのか、
見つからないのが良いのか、
私には判らないけれど。
ミッキーは何故、自分が此処に居るのだと思う?
[ヘンリエッタの言葉に少し考えるようにしてから]
なんでいるのか、といわれた難しいんだな。主人が死んでからずっと一人で歩いてたんだな。だから人がいるからここに居るのかもしれないんだな。人がいればボクに命令をくれるかもしれないんだな。
ひとりに成ったから、
此処まで来て、
誰かに命令を貰う為に、
此処に居るの。
[他の誰の命令も受ける気は無い]
[主人が死んでも命令を求める彼]
ご主人が亡くなって、
状況が変わったのね。
ミッキーは何か想った?
んーあまりはっきりとは覚えていないんだな。
ただ、もうボクに命令をくれないのか、と分かった時妙な感じがしたんだな。それが何かは説明できないけどなんだな。
うーん、心がどういうものかも良く分からないから難しいんだな。
でも人は皆心持っててそれで困ってるとかいう話もないと思うんだな。
だから人形にあってもいいと思うんだな。
[しばらく考えてからヘンリエッタの法をみてそういった]
[思い返すのは遠く彼人の記憶]
[心は其処にあったのだろう]
私は少し困る事があるのだけれど、
人が困る事は無いのかも知れない。
若しミッキーが心を求めるのなら、
困る事無く見つかると良いわね。
[向けられる視線を受け止め微笑んだ]
ヘンリエッタは心があると困るのかなんだな?
[そういって不思議そうにしたところで大分時間が経過しているのに気付く]
そしたらボクはそろそろ戻るんだな。
ヘンリエッタも一緒に帰るのかなんだな?
心が震えると私は腐ってしまうのだわ。
[問い掛けに彼を見詰めてから頷き]
あそこが私の帰る場所かは判らないけれど、
ミッキーが帰るなら一緒に行くわ。
[伸ばす手の意図は届かぬかも知れず]
[歩幅の違う彼と手を繋ごうと試みて]
[彼と共に屋敷へと*向かうのだろう*]
──屋敷内──
[一人、部屋から部屋を見て回っている。うきうきとした足取り。様々な物を見るその瞳には、紅い光が宿っていて]
ふん、ここの窓の外にゃ木が植わってるか。なんかあった時に窓ぶち抜くにも、この部屋じゃ無理だな。もちっと何もないとこを探すか。
[紅い視線が、ふと部屋の隅に打ち捨ててあるものを捉え。]
……ほぉ。こりゃなんかあった時に使えそうなものばっかりだ。
[洋の東西を問わず、古今の禍々しい道具があれこれと。
そのうちのひときわ大きな刀を一振り手に取って窓辺に行き、
本来両手を使わないと扱えない筈であろうそれを片手で一振り。]
切れ味も上々だ、うん。
[かかっていたカーテンを上下泣き別れさせると、剣を鞘に。元のところに戻しておく。]
[剣のあった部屋を出ると、にっと笑みを浮かべ]
ま、急場の時の得物も見つけたことだし、
元の部屋に戻って、なんか食わしてもらってくるかぁ。
……わかってらぁね、菜っ葉に戻らないと、俺のままじゃ怪しまれるのは承知だ。じゃ、菜っ葉、後は頼むぞ。
[すぅっと紅い光が瞳から消え去り]
……いい加減、あたしの名前、覚えてほしいなぁ。
「菜っ葉」じゃなくて、「芹菜」だよ?業火。
[ぼやきつつ、皆のいるであろう部屋に*足を向ける。*]
[二人で道を戻るうちに昨日と同じ実のなる木がを見つけた。
木の実を器用に集めていくヘンリエッタを見ているうちにやや離れたところに兎がいるのを見つけた。兎の肉も食料になるだろう。
自分の拳を握り締めためを作って勢いよく振りぬく。いかに大柄とはいえ到底届くものではない・・・はずであったが]
じゃららららららら・・・・
[その拳が腕から離れて兎に向かって飛んでいく。そして兎を掴んだかと思うと拳と腕を繋ぐ鎖がやかましい音を立てながら兎ごと拳を引き戻した]
兎捕まえたんだな。
[そう言って捕まれて暴れる兎を木の実を採り終わったヘンリエッタに見せた]
――洋館――
――……紅い瞳の、……
〔…業火くん。親しみを感じて、心の内へ呼ぶ。〕
なるほど…確かに会いたかァないもんだ。…
〔渡した柳を頼りに覗き見た、知りたがり屋…芹菜の声と姿。
望む幻を見せてくれたことに感謝しつつ、集中を解いて…其処へ向けていた意識を引き戻す。…〕
…やあ…芹菜。 昨夜は、休ませてくれて有難う…と
皆へ伝えておいてくれると、うれしいな。
ウルズの看病で皆大変なのに、よくなかったね…
改めてまた見舞いに行くよ。
ナサニエルにお願いしたいこともあるし、また来るよ。
〔洋館を出る途中、擦れ違う芹菜へと声をかける。
軽く顔の前に手刀を立てて謝し…階段を下りていった。〕
[訪れた人々はまた思い思いに散り]
賑やかというべきか、忙しいというべきか……。
[呟き、視線を巡らせたところで番人が留まっているのに気付いた]
お前も"村づくり"とやらに参加するつもりか、隠里の番人。
どうした、番人。
[いくらか揶揄する口調で問うてみるが、彼は黙して語らず──否]
[怪訝に想い近付いてみれば、彼はなにやら仕切りに呟いている]
『また奪いに──』
『今度こそ──』
[意味こそ量れぬものの、言葉はただならぬ様相を帯びていて]
おい、どうしたと聞いている。
[やや強い口調で重ねて問うと、彼はようやくこちらを認識した]
〔死神の眷族――人狼は村に放たれた。
森の意志はそれに抗う力へと加護を与えた。〕
〔アーヴァインは村の枯井戸を示して――曰く、〕
「…人狼だと思うものを、1日ひとりそこに落とせ。」
〔その行為が何を意味するのかまでは、彼は語らない。〕
〔ただ、何かを決意したような眼差しで会う者を見詰め
――また白い霧に包まれる森へと歩み去っていった。〕
[番人の言葉に呆気に取られている間に、彼は森へと歩み去った]
[その背を見送り、しばらく置いた後]
……ほう?
[冷えた光が瞳に浮かぶ]
オートマトン ミッキーが「時間を進める」を選択しました
オートマトン ミッキーが「時間を進める」を取り消しました
どれほど抗おうと無駄だと言うのに……。
安心するがいい。
お前の魂は導かれる。煉獄に灼かれ、輪廻の輪へ。
では、ヘンリエッタ。
「いってきます」
[1匹では足りないだろうというヘンリエッタの言葉に従いもう1匹兎を捕まえて館に戻ってきた。
そこで出合った番人が奇妙な言葉を発し森へと消えていった]
人狼・・・データにはないんだな。一体何なんだろう、なんだな。
[そこで自分たちと同じように呆気にとられているシャーロットを見つけ]
お、シャーロットなんだな。人狼ってなんなんだな?
オートマトン ミッキーが「時間を進める」を選択しました
ミッキーにヘンリエッタ。戻ってきたか。
人狼、ねえ。
古くから闇に住まう、死を呼ぶ魔物とは聞いているが。
どちらかというと絵本の世界の話だな。
[シャーロットの言葉に]
なるほど、そういうものだったんだな。シャーロットは物知りなんだな。
あ、これ捕って来たんだな。皆で食べるといいんだな。
[そういってまだ生きている兎をシャーロットの目の前に突き出す。]
[消えない嫌な予感―それに関して何か掴めないかと外の調査に向かおうとした丁度その時番人の言葉を聞きなんとなく階段の上に隠れたまま一人ごちる]
人狼って―ワーウルフの事?ぁー、なんでロクな得物がない時に…。
[...がかつて戦った事があるソレは魔法か魔法が掛かった武器でなければ斃せず、初歩の攻撃呪文しか使えぬ...にとって決して楽な相手ではなかった]
死神、ね…どーりで妙に覚えがある訳だ。
[...は死神と言う存在もまた知っていた―魂を刈るだけのまがい物だったが]
[内の意識を表のそれと引き剥がし]
[ミッキーと言葉を交わす間も、"私"の意識は飛翔し彼を追う]
[ぴきぴきと、刃が哂う]
["私"の意識は既に遠く。今支配するは"魔物"としての]
──見ィつけた。
[森の然して浅くない場所][求める人影をそこに見出し]
[二三度旋回──ふわりと降りる]
幾ら足掻いたところで無駄な事。
罪は消えぬし、人は死ぬ。
罪を償い、次なる生へ。
大丈夫。少しも苦しむことはない。
眠るように……次に目覚めた時には、無垢な魂に。
[彼は"私"へ剣を向けるが]
[高く飛翔、その背を捕らえ]
[まるで愛しい人にそうするように背へと抱きつく]
[背に耳を当て、鼓動を聞いて]
[ゆるりと撫であげる手に握るは胡蝶の刃]
……おやすみなさい。
[言うと同時]
[その喉元を一掻き]
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