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[揺られる広い背は、何故だか温かみを感じなかったが、
そのやわらかさと、歩みの緩い振動は、何故だか心地よく安心出来た。
幼い頃にこうしてもらった事も、きっとあるのだろう。
思いを馳せても、この集落のように過去も深い霧に惑ったままだったが。
ややうつらうつらとしかけたところで、耳に届く男の声。]
…何屋なのだろう。
[それは、己にも未だわからなかった。]
[広い邸内の片隅、その屋根裏にて]
[しょり、しょり、と刃物が石を滑る音]
綺麗になった。
[灯した蝋燭のわずかな光を受けて煌く、一対の胡蝶刀]
[集団が揃って近づく気配に蝋燭を吹き消し、気配を消して]
本当に引っ越してきたのか。
……理解出来ないな。群れて暮らすなど。
あの頃は、──。
[ふ、と吐息]
私も、あんな風だったのだろうか。
[声に川面より対岸へと視線を移す]
私には判らないのだわ。
お父様は…――
[長い長い沈黙は躊躇いを現してか]
もう私を見ては下さらないもの。
教わっていない感情は判らない。
若し、此の胸に孔の穿たれた感覚を寂しいと云うなら、
きっと如何したって誰にも埋めようは無いわ。
其れに、少しも恋しくなんてないのよ。
只――…愛(かな)しいだけ。
[暫し思案するかの如く言葉を留め]
ファーカのご両親はもう、其の記憶のうちより擦り切れているの?
そんなに長い時を離れて過ごしてきたの?
― 川辺 ―
[指先より滴る雫にすと獣の如く瞳を細め]
[対岸へ向けた眼差しは遠く虚空へと向かう]
壊れているのだわ。
当然ね、
腐っているのだから。
其れも――…
[虚空を見詰め長い睫は小刻みに震え]
[漸く立ち上がり視線は水面へと戻される]
愛(かな)しい事ね。
そうか──。
痛みを知らずに居ることは、幸せなのだろうか。
[ふと思い出すのは対の刃の送り主]
[痛みを知らず、消えた少女]
[痛みを知らぬが故、疵を求めていた]
すべての涙は、煉獄で……。
[ヘンリエッタの問いに口元を歪ませる]
そうだな……離れてよりどれくらいになるかも分からない。
彼らは逝き、私だけが取り残されて。
次第に「寂しい」と思うことと共にその顔も忘れてしまった。
彼らも今はもう、次の輪廻の輪の中だろうな。
「痛み」ならば、私も知っているのよ。
[くすり] [くすくす] [くす] [くすくすり]
[嗤う声は優しげで] [嗤う声は哀しげで]
[其れ以上は続けずに静かに頷く気配]
[細い指を頤に添え僅かに小首を傾げる]
[瞳だけは愉しげにすと細まるだろう]
罪とは何かしら?
悪とは何かしら?
私は誰にも償いなんて求めてはいないの。
泪も煉獄なら瞬きの間に揮発するかしら?
[彼女の声音に何を感じるだろうか]
[未だに貌も知らぬ声の筈なのに]
[其れでも何故か親しみに近い想い]
ファーカも輪廻の和に加わりたいの?
[短い声は平坦なれど穏やかな響きをもって]
[さて、と思考を巡らせる]
彼らに見咎められる前に出なければならないか。
見つかり巻き込まれては面倒だ。
[まるで己を説得するかのように呟いて]
[刃を隠しにしまい、そろりと腰を持ち上げる]
あちらからなら──出られるか。
[暗い暗い屋根裏の奥。張り巡らされた柱と梁の狭い隙間]
[四肢をつけて這い進む]
〔ウルズの髪が揺れるのを後ろから眺めて…暫く考えていた。〕
患者さん、ではあるんだろうさ。
…すてらとキミがいなければ…
たぶん皆好きに過ごしてるんだろうね。
ボクみたいに…アハハ。
〔軽く銀髪の方の背を叩き遣ると、洋館へ向かう皆へ場を辞する旨を伝える。男は気紛れに住まいを選ぶことにして分かれ道を行く。〕
罪も善悪も不幸とて、決めるのは誰かだ。
本人にはその基準を持たされてなど居ない。
私はただ、命じられるまま。
その涯に約された無を願って。
[優しげで哀しげなその声に"私"はどこか安堵を覚える]
[これが"同属"ということだろうか?]
煉獄であれば、泣く間も持たずに意識ごと灼き尽くしてくれるだろう。
そうして、次の生へと繋いでいく。
私は──輪廻に加わるには殺しすぎた。
望んでも叶わないことだ。
それでも……そうだな。
[ふ、と微笑む]
会えるものなら、もう一度会ってみたいものだ。
――村内→川辺――
〔歩を進めるごとに、近づく水音。清流は瀬に跳ね…近づく者は其処へ紅を見出す。じっと感覚を凝らして…新たな出会いに薄く笑う。〕
…ごきげんよう、お嬢。
〔独りごちるか細き声を、耳は掬った。…ざり、と小石を踏んでうっそりとか細き者へと近づいていく。〕
――…何が足りないんだろ。不思議な望みだ。
…患者、か。
[確かにその言葉には合点がいって。]
…では、早く治さねばならないな。
治れば…俺にも何か出来るだろうか?
[大男の背に揺られながら、銀の髪もさらさらと揺れる。
背に触れられて、痛みに小さく呻きつつ苦笑い。
道をたがえる彼を、お気をつけて…と見送る。]
[雲の上を歩くが如き足取りは変わらず]
[編み上げのブーツは何処へ向かう心算か]
[ふわふわり] [ふわり] [ひらひらり] [ひらり]
[風の声に耳を澄まし緩やかに歩を進める]
[目的地がある訳も無く川面に飽きただけ]
Someday I want to run away
To the world of midnight....
[先程の歌を口ずさみながら迷子の人形は進む]
[ほんの少し歩いて見止める影は見覚えがあって]
[距離を取って立ち止まり僅かドレスの裾を持ち]
御機嫌よう、おじ様。
私に足りないのはきっと――…死よ。
貴方の望みは、なぁに?
[此方へと向かってくる細長い猫背の影を見詰め]
[小首を傾げ微笑むも傘の柄を持つ手を握り直す]
[ふと隙間から下を覗けば厨が見えた]
[わずかに光るは先ほど置いてきた酒瓶だろうか]
[珍しいものを見るようにそれをみつめ]
──っと。
[板の一枚を外し下へと降りた]
[厨から外へ通じる扉に手を掛け]
夢見の水、か。
[苦笑するように呟くと邸の外へと踏み出した]
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