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………そうか。
[男の口許が、歪む。]
―――ズドォォォン!!
[次の瞬間、オードリーに向けて椅子を発射する。]
はっはっはっは!!
無機物よりも、人間の方が良い弾になるぞ。
ほうら!!
[フロアに人が集まってきた様子を確認し、男はそのうちの一人の頭を鷲掴みにする。ジタバタと抵抗する「それ」を大砲に詰め込み、大咆の口をオードリーに向けた。]
…あらら。
やっぱり酔うと人が変わるタイプなのかな?
Sledge-Hammerは。…君はどう思う?
僕は二人をそれなりに紳士と見ていたんだけれど。
ちょっと評価を変えたほうがいいのかもしれない。
[怯えるバーテンにニコリと笑みを見せて、扉へと視線を見遣る。]
…姿の見えない皆は楽しんでるのかな。
つまらないな、皆同じ部屋でやっちゃえばいいのに…。
そうしたら何時終わるのかなんて焦れったい思いはしなくてすむし。
…アッハ。
…私が好きだろう?ダニエル兄。
認めてしまいなよ、この際だからさ。
〔一直線に馳せる間に放たれる椅子は、斬るまでもなく身を翻して側面から蹴り飛ばす。――…ガシャアアァン!!!
壁面のパネルが何枚か吹き飛んだ。…巻き込まれた群集から、怒号と悲鳴が上がる。〕
…私も其方の方が刻み慣れているかもしれない。…ハッ!!
〔悲痛な叫びを連れて飛来する人間を、男装の女は躊躇いもせず細切れに斬り刻む。バラバラになった欠片のひとつひとつから、凄惨な血飛沫と臓物とが、此方の背後で分かれては、蒼い空間へと幾つも咲き誇り――床を、壁を、逃げ惑う群集を濡らす。染め上げる。〕
…柔らかいんだもの、…気を込めなくて済む。
〔そして彼が次弾を詰め込むまでの間には、既にその砲身を輪切りにすべく斬りかかり――〕
〔いま同じフロアには、ラッセルがいる。
"黙っていても捧げられる忠誠"は果たして発揮されるか――まだ女にはわからない。だが、誰の心をも諦めない〕
各々の「力」を示せ!! "Vermillion-Jack"!
容赦はするな…「敬意」を持って、
"Sledge-Hammer"を叩き潰せ…それが「礼儀」だ!!
〔男装の女がはじめて吼える。それは怒号でなく叱咤。
1F"Platform"に映るモニターへも、それは映し出される光景だろうか――〕
[オードリーの創る人の形であったモノから飛び散る紅が青年の頬にもつく。煩わしそうに眉を歪めて指先でそれを拭い]
…やれやれだね。
服が汚い犬の血で汚れるのはごめんだよ…
そろそろ終わらせてくれないかな…。
[聞こえるオードリーの声、青年は微笑を湛えて瞳に女性の姿を改めて移す]
…貴女の意見はまるで根拠がない。
裏を返せば全て貴女にも当て嵌まることなんだから。
でも、そのしつこいまでのしぶとさは嫌いじゃないよ…?
今は未だ、何かが足りない…これは最後のチャンスだよ、Gentle。
Finishの時間までに僕の好む言い方でもう一度誘って?
そうしたら貴女に協力してあげてもいい。
ダメならば…僕はSledge-Hammerにでも協力しようかな。
――B2F "Red" floor――
[カプセルは空中で破裂することなく…
その様子から、顔を顔を疵付けると言う最初の言葉から。
身を低くすれば回避出来ると踏み、姿勢を低く取る]
ふふっ。
ローズは綺麗だもんね…美人だし。
でも、あたしは綺麗なだけじゃなくて可愛いから。
可愛い子ほど護ってあげたくなるのは世の常だよ?
[くすり。
距離が取れればシューターに撃った分だけカプセルを籠め。
大きな音に目を向ければ、生きた盾が毒を喰らって痙攣を起こしていた]
そう…?
あたし、まだオードリーと一緒に寝させて貰えてないからなー。
でも。待たすから焦れるんだよ?
空腹もまた、美味しく頂く為のスパイスだって。
子供だまし?
…くすっ。中に籠められてるのは大人顔負けのあたしの想いだけど…
近くに行くには、ローズの可愛い僕ちゃんがちょっと邪魔かなー。
二人っきりじゃないと、あたし、恥ずかしいなー?
[おどけた様に言葉を紡ぎ。
その舌はメスに付いた赤い雫を舐め取る]
ふぇ?
[パシッ。
メスを顔から遠ざけ、不意に飛来した物を受け止める。
手の中にある物を見やれば、微かに眉をひそめ。
エレキギターの重低音が聞こえてくれば、ぽい、と後ろに投げ捨てた]
渾身のデザートにミルクをかける様な野暮はしないで欲しいな?
ソースならシェフが用意するんだから、ね?
[男は、再び「砲弾」を筒に詰め込む。今度は、イキのいい人間を狙って。――対象の生命力の強さによって弾の強度が上がるが故に。]
[砲台は2、3人のそれなりに屈強な男を次々と飲み込み、一度だけ筋肉の動きと呼応するかのように「ゴクリ」と大きく波打つ。]
そうりゃあああああっ!!
食らえ、"Ultimate-Cannon"!!
[オードリーに向けて、再び巨大な――そして、より強靱な「砲弾」を発射した。]
…アッハ、…
……追い詰めてくれるね、"StiweardShip"…大好きさ。
〔ちらと青年を見遣る目つきは、常の如く甘やかす色合い。肩から軋む左腕を持ち上げて、彼に差し伸べ――〕
…一緒に遊ぼう?…ラッセル。
きっと愉しませてくれるのだよね?
私が君を愉しませたいと望むんだから。
〔皆まで言わせたね?と癪がる目配せ。〕
あ〜ら、ごめんあそばせ?
手元が狂ったみたい…。ふふっ…。
でもニーナは可愛いかわいいdessertsなんでしょう?
だったら甘〜いミルクがお似合いじゃない?
きっと騎士も甘い甘いミルクが掛かったdessertsの方がお好みじゃないの?
[空の容器を投げ捨てる様を見ては、さも可笑しそうに声を震わせ――]
[静けさを色めかす蒼の瞳をスッと細めて、オードリーの声に合わせるように口許に三日月を形作って青年は席を立つ。その手に繰り出すは柄にワイヤーのついた品の良い装飾の短剣]
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