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─回想 B2F・スタッフ専用部屋─
[備品庫の、天井から照らす電灯の明かりは、何処か侘しく薄暗い。
さして広くもない室内の、棚や床に積み上げられた箱は、猥雑なのにいっそ寒々しささえ感じる。]
[アーヴァインはその片隅に茫然と立っている……ように見えた。]
…ダニエル兄。
私たちはきっと、声を掛け合えてればよかったんだね。
こんなに近い発想を持っている存在なのだからさ。
〔フロアの様子を眺めている老戦士が、聞いているか
聞いていないかはあまり気にせずに…呟きを置く。〕
…ダニエル兄が愉しくないなら、私も愉しくない。
皆に対してもそう。 …
多分私は…また応えを出している。
〔ゆるりと瞼を下ろして、大きく呼吸をし…〕
キャロルに話し掛けてくれたのが…うれしかったよ? …
〔女が時に老戦士に擁く感慨は、多分近しすぎるが故の反発。〕
〔ダニエルに対するときの女は、また違う面を見せる。
自らが平常心を保っているときは…*少年の貌。*〕
…ダニエル兄は、たぶん心で気づいている。
私が追跡者だということを。
私も、自分が明確な尻尾を出してしまったことを
自分でよくわかっているんだ。
〔…じっと考え込む。じっと。いつものように。〕
それは…まだ甘えることが出来ていないから。
案じさせているね。ダニエル兄…皆。
…ローズも、気づいてはいると思う。
でも私は…あのコが私を生かして
苦しめようとすることに賭けたい。
寂しがりの、愛憎の天使。…
憎んでくれて、いるのだよね?
…だから私は、キャロルが皆へくれた思いを掴んだ今…
その解答を軽々しく言うわけにはいかない。
それは、キャロルの好意を無にすること。
…でも、全てが終わった後、何も言えていないとしたら…
それは、キャロルを諦めてしまうことにならないだろうか。
…キャロルだけに伝えたい。
こんなとき、…そういうことに長けた
ラッセルがとても羨ましくなるのだよね。
私は、私が意図する言葉をどうやって
自分らしく伝えることができるんだろうな…
[彼の視線の先には、鮮赤の水溜りに浸った男……いや、かつて男だった肉の塊が転がっていた。
胴体から切り離された頭部が、瞬かぬ眼で天井を見上げている。
そしてその顔は……それを茫然と見詰める男の顔と全く同じであった。]
私は…自分自身を守れない怒りの感情を使って、
ジーンを守れない口惜しさの感情を装った。
ダニエル兄とローズは、それを汲んでくれるだろうか。
もうあとは…私自身の在りようがことの勝敗を分ける。
そのためには、…皆にどうやって頼るかだ。
味方の…逆を思うと嫌な言葉だな…中には、
私にとっての私はいない。それはダニエル兄だったから。
――積極的に、頼る。
難しいけれど…もう一度皆と言葉を交さなくては。
皆に私を諦めさせる酷を、強いさせないうちに。
─回想 B2F・スタッフ専用部屋─
そう。それは君の死体だ。
君は死んだのだ。
[アーヴァインの背後から、影の男が囁きかけた。
半ば影に溶け込み、蒼白い顔だけがぼんやりと薄闇に浮かび上がるその様は、正しく幽鬼の如く。
眸に湛えるは虚無の闇。]
正確に言えば、君はアーヴァインではない。
「影」によって収集された情報に基づき、「影の領域」内でシミュレートされたアーヴァインの仮想人格だ。
…自分の言うことが理解できるか?
[淡々と語りかける言葉に、アーヴァインの「亡霊」はのろのろと振り向き、影の男を見た──非情な魂の収穫者を。]
[虚ろに見詰めるだけのアーヴァインの反応に、影の男は僅かに頭を傾けた。]
シミュレートは完全ではないのか?情報が不足していたのだろうか。
[その口調はあくまで平静。]
[突然アーヴァインの口から、低い呻き声が洩れた。それまでだらんと垂れていた両の手で顔を覆い、がっくりと膝から崩れ落ちていく。
何事か言葉にならぬ言葉が発せられたとほぼ同時に男の姿が薄れ始め、血溜まりとなった床に波紋を立てずに膝をついたその時には、陽光の下の靄のように散り散りに消え去っていた。
その一部始終を、影の男は瞬かぬままにずっと見詰めていた。]
[監視カメラは相変わらず、何も変わらぬ倉庫内を映している。
アーヴァインの死体も、その亡霊も影の男も、何一つ記録には残らない。
改ざんされた映像が、アーヴァインの最後の立ち寄り地点を不明にさせ、死体の発見を遅らせるだろう。
全ては順調にいっている……これまでは。]
[紅の髪の麗人に暫し留まった視線はまた、順番に他のメンバーへと回らされ、]
──君は、君たちは大事なことを見落としている。
我らが何を求められているのかという前提を。
では。
[それだけを言い捨てると、黒い男は踵を返し、青い光の降り注ぐダンスフロアへと*消えていく。*]
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